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悪いな勇者、このダンジョンは小人用なんだ 作者:钁刈洸一

3日目 ヒロインと眷属

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21話 真っ赤な

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日間ランキング 総合 で1位になってました
マジか?

これも皆様のおかげです
感謝!
 昼寝をおえて、セーフルームから出る。
 寝たのは3時間くらいか?

『MP再生スキルを習得しました』

 おおう。
 まさか寝てるだけでスキルが増えるとは思わなかった。
 MPを回復させるとこのスキルの熟練度が増えるのかな?


 相変わらずコルノはパソコンデスクにむかったままだ。

「どう? なにか異常はなかった?」

「特になかったと思うけど、ボクこれに夢中になってて」

 癖なのか、鼻の頭をかくコルノ。

「そうか」

 ダンジョンの監視画像のウィンドウを開く。
 おおっ、ゴータローも結構掘ってくれたみたいだな。

「そろそろゴータローの様子を見に行こうか。魔力切れで止まっていたら可哀想だし」

「あはは。小さなゴータローにあれだけの魔力をあげたんだよ、一月はもつと思うよー」

 そうなのか? 100MPぐらいしか譲渡してないんだけど。
 ゴーレムって燃費がいいんだな。サイズのせいか?


 1層の穴の底につくと、中央に土が運ばれていた。ゴータローがんばってるなあ。
 それだけじゃない。千切れたミミズや撲殺されたらしき虫の死体も置かれていた。
 あれはザリガニ? ……ではなさそうだな。鑑定してみよう。


『ミミズの仲間
 名前はまだない
 死んでいる       』

『ケラの仲間
 名前はまだない
 死んでいる       』


 あれはオケラか。あんな形だったのか。
 それにしてもでかい。20センチはありそうだ。前世のオケラはそんなにでかくなかったはずだよな?
 よく勝てたなあと思ったら、ゴータローが戻ってきた。土を山盛りにはみ出させたマグカップを抱え、肩にはムカデらしきものを引っ掛けて。

「頑張ってるみたいだな」
「ゴ!」
 マグカップをひっくり返して土を出し、少し離れた死体置き場にムカデを置くゴータロー。
 あれは掘っていて出てきたのか、ダンジョンの入り口から侵入してきたのかどっちだろう?
 昨晩も侵入されていて、扉を開けられずに引き返してたのかもしれない。

 DPを確認するが1DPも増えていない。
 やはりモンスターでもない普通の虫じゃ駄目なのか。

「この量ならもう1体ゴーレムが造れそうだね」

「あ、それならさ」

 ゴーレム作製を始めようとするコルノを止めて、アイテムボックスから密閉ビニール袋に入った使いかけの粘土を出す。
 普通の粘土ではない。モデラーからファンドと呼ばれ親しまれる石粉粘土だ。
 乾燥すると硬くなるので密閉袋に入れて保存している。

 それを袋から少量出して、盛り土の隣へ。残りは乾燥を避けるためにすぐにアイテムボックスにしまった。
 そして複製。

「レプリケーション!」

 盛り土が減って、複製石粉粘土が現れた。やはり減った量と複製できた量が違う。重さ量ってから試せばよかったかな。
 そこまでするほどのこともないか。

「あれ? 赤い?」

 今度は今までの複製と違って、オリジナルとは見た目からして違った。
 真っ白い石粉粘土を複製したはずなのに複製品は赤茶色である。
 手にとって確かめる。

「感触は同じっぽいな。硬化時間は使ってみないとわからないか」

「これは粘土?」

「ファンドだよ。この土より使いやすいと思う。乾燥すると硬くなって、切ったり削ったりできる素材だよ。紙粘土のすごいやつと思ってくれればいい。試してみて」

 勧められて複製粘土をこね出すコルノ。
 いくつか小さな塊をつくってから振り向く。

「うん。いい感じ」

「なんで赤くなったんだろ? 素材が土だったから?」

「ふーん」

 すでに作製段階に入ったのか、コルノから返ってくるのは生返事だ。
 この粘土でいいようなので、さっきの味付け冷凍鶏モモ肉同様に“記録”し、残りの土も赤粘土にしてアイテムボックスに収納する。

「硬くなっちゃうからしまったけど足りないようだったら言ってね」

「これならもっと、かっちりした形もできるよねー」

 またも聞いてない?
 粘土に夢中でなんか悔しいので、アイテムボックスから解体したモグラモンスターのパーツを出す。
 ドリルと爪だ。

「これ、使ってみない?」

「んん?」

「こう片腕にさ」

 モグラの鼻ドリルを持って俺の左腕の肘の辺りから並べて見せる。ドリルアームだ。
 2号機はドリルでしょ、やっぱりさ。

「おお!」

「この爪も反対側の手に使ってさ、ダンジョン拡張に活躍できるようにしないか?」

「うーむ。汎用性に欠けるけど、特化型もロマンがあるよねー」

 ノってきてくれた。
 俺からドリルを受け取って、自分でも腕の位置に持っていて思案顔のコルノ。
 まだ残っていたゴータローもそのドリルが気になるみたいだ。無表情なのになんか物欲しそうに見える。

「ゴータローにはまた今度な」

「ゴ……」

 がっくりと肩を落として、壁を掘りに戻っていった。
 そんなにドリル欲しかったの?
 でも今は人手を増やす方が優先。悪いが、ゴータローの強化は後回しにさせてもらう。

 今回もゴーレム作製を手伝う俺。
 また彫塑スキルが上がるかもしれないしね。

「あれフーマ、その球はなに?」

「球体関節だよ。これを関節部に使ってみたら可動域が広がるかなって」

 ゴータローもなぜか動く不思議関節だけど、最初から動くような構造にしておいたらもっと動きがよくなるんじゃないかな、って考えだ。

「ちょっと貸して」

 俺が作った粘土球をゴータローの時と同じ寝かせた円柱の間に置くコルノ。

「うん。いーかもしんない。やってみよう!」

 俺は粘土球を作り、コルノは関節部に粘土球を設置できるよう、円柱を細かく分割、受け側も半球状に凹ませる。

 土よりも作業しやすい粘土に変わったが、手間が増えたためゴータローの時以上に時間がかかってしまった。

「できた! 硬くなるまでどれぐらいかかるの?」

「この感じだとちょっとかかりそうだ」

 未使用の複製粘土をこねてみるが、まだ軟らかい。

「むー。……石になっちゃえばいっしょだよね!」

 乾燥前のゴーレム素体を石にしようとしたので、慌ててドリルと爪の部分は外しておいた。
 石になるよりもそのままの方が硬そうだからね。

「どうぞ」

「前にきちゃ駄目だからねー」

「了解」

 俺が離れると、眼帯を外して呪モードになるコルノ。彼女の視線を受けてゴーレム素体は瞬時に石化した。
 なぜか色は赤いままだったが。
 あれ? ゴータローは石色になったよな?

 ドリルと爪を再配置して、コルノがゴーレム化にしても色はやはり赤。むしろ、さっきより真っ赤な気がする。

「赤いストーンゴーレムか。いいね!」

「2号機だから赤いのか?」

 左腕にドリル、右腕に鋭く大きな爪を備えた手を持つゴーレム2号機を眺める。
 赤くて、右手が大きな爪で、ドリルアームか。アレとアレを合わせたようなやつだな。
 身長はゴータローよりも高く、足も長いスラリとした体型だ。
 まん丸な穴が2つのゴータローと違って、細い逆三角形の穴が2つと目つきはちょっと悪い。
 鑑定すると、ゴータローと種族が違った。


『プチレッドストーンドリルゴーレム
 小さなゴーレム
 片腕がドリルになっている
 石製               』


 名前ながっ!
 レッドストーンて赤石? 究極生命体になるのに必要だったりするの?

「関節の動きはよさそうだねー。次はドリル? を回してみて」

 俺が驚いている間にコルノは動作確認を開始していた。
 球体関節の意味はあったようで、コルノの顔も満足気だ。
 ドリルも「ギュルルルルルルル!」っと勢いよく回転している。ちょっと煩い。

「ゴータローよりずっといい動きだねー」

 ゴトッ。
 背後の物音に振り向くとマグカップが倒れ土が零れていて、ゴータローが呆然と立っていた。

「ゴ……」

 あ、座りこんじゃった。
 そして短い脚でがんばって体育座りっぽい座り方をして、床にのの時を書き始めた。

「わぁ。イジケるゴーレムなんて初めてだよ!」

 コルノさん、そこでなんで嬉しそうになるかな?


2号機だから赤い
2だからドリル

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