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035 決闘後

 


「教師にも言えないのですか?」


「校長先生の許可は得ていると聞いております」


 俺の属性は国家の機密に当たるらしいので、簡単に打ち明けるわけにはいかない。

 そこへ大きな音を立てて豪快に部屋の扉を開けブルーム先生が入ってきた。


「いや~スゲーな。王級の魔法なんて久し振りに見たぞ!」


 開口一番それかよ!

 生徒の体の心配とかしないのかよ?

 まぁ、圧勝なので心配されるようなこともないけど・・・


「ブルーム先生、ワーナー君はどうですか?」


「どうって、グラトニー・アブソープションが命を奪うことはないだろう。まぁ痛みに弱い者は別だろうがな」


「そうですか、それは良かった。あ、足の方はどうですか?」


 シーレンス先生はブルーム先生の言葉に豊満な胸を撫で下ろし、思い出したようにバカボンの消失した左足首から下についても確認をする。


「ん、ああ、傷口は焼き爛れていたから失血も殆どなかったし問題ないだろう。再生できるかは微妙だがな」


 当然だ、わざわざ失血死しないように火属性の魔法で傷口を焼いて失血が少なく済むようにしているんだからな。

 それにあの程度の部位欠損であれば高位の神官であれば再生は可能だろう。

 俺?俺であればあの程度の部位欠損は瞬時に再生できるし魔力回路も修復できるよ、する気はないけど。

 しばらくは俺に決闘を申し入れたことを後悔して過ごしてもらわないとね。


「クリストフ君であれば魔力回路の修復も部位欠損の再生も可能では?」


 お、良い所に気が付きましたね。

 バカボンやバカボンの親が土下座して頼んできたら考えないでもないよ?


「ははは、シーレンス先生よ、クリストフならできるだろうが、それは虫が良すぎるってもんだ。それにワーナーには良い薬だろう、死ななかっただけでも有り難いと思うようになるまでは捨て置けばいいんだよ」


 ブルーム先生のそういう考え方は共感できます!


「しかしそれではワーナー君が・・・」


「そんなことよりだ、クリストフ、お前の処遇だがな・・・」


 バカボンの体のことを「そんなこと」で切って捨てるブルーム先生に惚れてしまいそうだよ。

 でも退学は勘弁ですよ。


「校長とも相談したんだが、魔術講座と魔法講座の上級単位を特別に与えることに決定した。ハッキリ行って俺たち教師より上位の魔術や魔法を使えるお前に俺達が教えることはないからな。・・・だが、実戦講座はいままで通り授業を受けてもらうからな。これらのことは既に校長の裁決が下りている」


 最後の言葉は俺にと言うよりこの場に居るシーレンス先生ともう1人の教師に向けて言っているようだ。

 退学どころか実技の魔術講座と魔法講座も単位が取れてしまった・・・でも魔法はとにかくとして魔術は何も見せていないけど?


「ブルーム先生、魔術講座もですか?」


 最初からいた名も知らぬドワーフぽい教師が俺に代わって確認をしてくれた。

 てか、あんた誰よ?


「ジャガン先生も生徒会長の解説を聞いていたと思うが、クリストフはブリュト商会の商品を開発している。そしてジャガン先生も知っての通り当校でも障壁の腕輪を購入しその性能を検証したが、あれは特級の魔法や魔術をも防ぐマジックアイテムだ。そんなマジックアイテムを作ることができるクリストフに何を教えると言うのだ? って話になった」


 ドワーフぽい教師はジャガン先生というらしい。


 そんなことより障壁の腕輪の性能検証を王立魔法学校でもしていたのか!

 できれば、そのことを公表してほしいものだ・・・そうすればガッポガッポですよ。


 あとジャガン先生はブルーム先生の説明に納得しているようだ。

 そんなにあっさり引き下がっていいのか?


「ブルーム先生はクリストフ君の属性適性についてご存知ですか?」


 シーレンス先生はどうしても俺の属性について知りたいようだ。


「ああ知っている。担任だからな」


「では、教えていただけませんか?」


「悪いがそれは出来ない。どうしても知りたければ校長に聞いてくれ。それとクリストフのステータスプレートは高度な隠蔽を施しているので無理やり見ようとしても意味はないぞ」


 俺のステータスプレートは隠蔽していると父上にも校長にも話している。

 ステータスプレートの隠蔽機能は誰にも喋ってはいないので、俺が開発した魔法で隠蔽していると嘘をついてはいるけどね。

 普通の人にはできないが、全属性を扱える俺ならできてしまうと納得させている。

 無理やりだ。


 という感じで俺の事情聴取?はお開きになった。


 翌日からは通常稼動なのだが・・・

 今回のことで俺は合計7つの上級単位を取ったことになる。

 魔法講座は元々選択していなかったが、オマケで単位がもらえてしまったのは嬉しい誤算だ。


 王立魔法学校の生徒は10科目から多い者で15科目ほどを受講しているが、卒業に必要な単位は必須を含めて10科目だ。

 俺は単位修了試験を受験し合格したことで既に5科目の単位を取っていたので、卒業に必要な残り5科目の授業を受ける予定だったのだが、魔術講座の単位も貰えることになったので授業を受ける科目は魔物学、地理学、実戦講座、アイテム講座となった。


 他の生徒に比べ受講している授業が少ないこともあり、魔物学や地理学、それにアイテム講座の自主勉に時間が割けるので次の単位修了試験では上級単位を狙ってみようと思っている。


 

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