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異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作者:蘇我捨恥
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見学

 
 いつものようにロクサーヌを抱きしめながら目覚めた。
 セリーは俺の背中側に、ミリアはロクサーヌの向こうで眠っている。
 セリーとは背中がくっついているし、ミリアも俺の手の届く位置にいた。

 体を動かさずとも三人の肌に触れている。
 人が増えたのでベッドの中の人口密度が上がっていた。
 狭いくらいがちょうどいい。

 ロクサーヌがキスをしてくる。
 相変わらず、何故俺が目覚めたと分かるのか謎だ。

 最初は音もなく静かに。
 やがて狂おしく吸いつき、唾液に濡れたなめらかな舌を絡めてきた。
 ロクサーヌの舌が情熱的に蠢く。
 濃密に舌と舌を絡ませあった後、口を放した。

 次はセリーだ。
 と思ったのに、なかなかキスしてこない。
 動く気配があったので、起きたはずだが。

「えっと。よろしいのですか」
「……」
「順番は変わらないのでしょうか」

 返事の代わりに無言で抱き寄せるとセリーがささやいた。
 なるほど。
 順番を変える可能性もあるのか。
 ロクサーヌが身を固くするのが分かる。

 ミリアが入ってきたので順番を変えるちょうどよい機会ではある。
 あるいはミリアを一番奴隷に抜擢することもできる。
 それを恐れているのか。

「大丈夫。すぐ変えるつもりはない」

 軽く返事をして、セリーの唇を求めた。
 変えるつもりはまったくないが、緊張がなくなっても困るので可能性は残しておく。

 昨夜はミリア、セリー、ロクサーヌの順におやすみのキスをした。
 その後、ロクサーヌ、セリー、ミリアの順に抱いている。
 色魔はつけていない。
 初日からかっ飛ばすことはできない。

「××××××××××」
「おはよう、です。ご主人様」

 セリーの口を放すと、ロクサーヌに何か言われてミリアが挨拶してきた。
 ロクサーヌがご主人様と教えてしまったか。
 まあしょうがない。

 最後にミリアとキスをかわす。
 まだ軽くだ。
 がっつりと舌を入れるのは、これからだろう。
 不安げに縮こまるミリアの舌を優しくつついた後、唇を離した。

「おはよう、ミリア。では、全員着替えて迷宮に行くか」
「かしこまりました」
「はい」
「はい、です」

 起き上がって、着替える。

「昨日は一度戦っただけだからな。最初は十二階層で様子を見よう。ミリアは昨日と同じく見学に徹するように」
「××××××××××」
「はい、です」

 ロクサーヌが訳すとミリアが返事をした。
 ですをつけることはロクサーヌに教わったのだろうか。

 真っ暗な壁にワープの入り口を出し、ハルバーの十二階層へ飛ぶ。

「よし。ミリアもちゃんとついてきたな」

 暗くても大丈夫だといっていたし、問題はないか。

「はい、です」
「迷宮の中では、はいでいい。一刻一秒を争うことがあるかもしれない。迷宮ではことさらに丁寧な言葉遣いをする必要はない」
「××××××××××」
「はい」

 ロクサーヌの案内で迷宮を探索する。
 グラスビーもミノも、ちゃんと風魔法四発で倒れた。

「次は剣で戦ってみる。遠距離攻撃があるから、グラスビーが出たら待たずに突っ込むぞ。先導はロクサーヌが頼む」
「はい」

 デュランダルを出し、ロクサーヌの案内で進んだ。
 グラスビーは遠距離攻撃を持っているから、今までのように待ちかまえて戦うだけでは不利になる。

 魔法を使うときは問題がない。
 接近したところで結局倒すのに必要なのは魔法を放つ回数だ。
 早く接触するのは敵の攻撃機会を増やすだけである。

 デュランダルを使う場合には、話が逆になる。
 魔物を倒すには接近して剣を交えなければならない。
 近づくまでの間は丸々敵の遠距離攻撃にさらされる時間となる。
 待つのではなく、走ってなるべく早く敵に近づいた方がいい。

 魔物と遭遇した。
 グラスビー三匹の団体だ。
 ロクサーヌが駆け出す。

「俺、ミリア、セリーの順だ。セリーは殿しんがりを頼む」

 セリーの返事を待たずに、ロクサーヌの後を追った。

「来ます」

 途中でロクサーヌが立ち止まる。
 グラスビーの遠距離攻撃らしい。
 小さな音がして、再びロクサーヌが走り出した。

 目の前で避けられるかと思ってびくびくしていたが、盾で受けたようだ。
 受けてくれるなら心強い。
 ロクサーヌの後ろにいれば安全だ。
 一番の安全地帯を走る。

 グラスビーに近づいてから横にすり動き、ラッシュを叩き込んだ。
 続いてもう一撃。
 ハチがホバリングしたまま頭から突っ込んでくる。
 ギリギリ避けた。

 グラスビーが体を引き起こす前にさらに痛撃を与える。
 ハチが墜落した。

 ラッシュ三発か。
 ターレの十三階層と同じだ。
 多分、ラッシュ二発と通常攻撃一回で倒せるだろう。

 槍を突き入れてくるセリーの位置に気をつけながら、二匹めをラッシュ二発とデュランダル一振りで屠る。
 思ったとおりだ。
 ミリアは言われたとおりちゃんと見学していた。

 三匹めは、ロクサーヌが正面で相手をしている。
 横から通常攻撃五回で撃墜した。
 すべてのハチが蜜蝋だけを残して消える。

「遠距離攻撃をロクサーヌが受けてくれて助かった」

 蜜蝋を受け取りながら、ロクサーヌに礼を述べる。
 ミリアも拾ってきた。

「今日はミリアがいますので」

 今までも俺やセリーがいたわけですが。
 誰もがロクサーヌのように避けられるわけじゃない、ということは分かっていただきたい。

「これからも受けてくれるとありがたい」
「分かりました。避けるより時間がかかってしまいますが」
「かまわない」

 ロクサーヌに命じた。

「はい」
「次はミノかニートアントのいるところを頼む」

 ミノLv12の堅さも確認する。
 やはりラッシュ一発と通常攻撃一回だ。
 十二階層の魔物であるグラスビーはその二倍ということだろう。
 ハルバーの十二階層では問題なく戦えることが分かった。

 次の課題は、ミリアをどうやって慣れさせるかだ。
 海女のレベルが上がるまで見学させるか。
 ただグラスビーには遠距離攻撃がある。
 攻撃を受ける可能性も若干とはいえあるだろう。

 それならばクーラタルかベイルの迷宮の低階層で早めに戦わせるか。
 クーラタルといえば、十二階層はどうするか。
 当面メインの狩場にする予定はないが、クーラタルの迷宮も十一階層を突破して十二階層に行っておいた方がいい。
 少なくとも損はないはずだ。

「十二階層に入ったのでクーラタルの迷宮も十二階層に行っておきたいが、ミリアが一緒でも大丈夫だろうか」
「大丈夫だと思います」
「杖も強化していますし、まず問題はないでしょう」

 ロクサーヌとセリーから賛同を得る。
 自分レベルが基準になるロクサーヌの判断はともかく、セリーが大丈夫というなら大丈夫か。

「地図は家にあるので、明日の朝クーラタルの十二階層に行こう。今日はそうだな、ベイルの八階層にでも行ってみるか」

 セリーが鍛冶師Lv1のとき、確か八階層で戦った。
 ベイル八階層の魔物はコラーゲンコーラルだ。
 そこで戦ってみるのもいいだろう。

 コラーゲンコーラルが本来水生だった魔物にあたるかどうかは分からない。
 水生っぽい感じはする。
 珊瑚コーラルだしな。

「××××××××××」
「××××××××××」
「えっと。家の中にあるならミリアが取ってこれると言っています」

 何ごとかミリアと話していたロクサーヌが告げた。
 なるほど。
 ミリアなら暗くても大丈夫か。

「じゃあ行ってみるか」
「はい」

 地図を置いてある物置部屋にワープする。
 日の出前の部屋の中なので、真っ暗だ。

「棚の上の方に冊子が置いてある。冊子は解いてあるから、表紙の下、十一番めのパピルスだ。それと、棚の横に槍が立てかけてあるのは分かるか。それも取ってこい」
「取ってきたそうです」
「早いな」

 ミリアはすぐに地図を取ってきた。
 俺にはミリアの姿すら見えない。
 暗い中でものを見る能力は比較にならないようだ。
 掛け声を出し、ワープでクーラタルの十一階層に移動する。

「間違いないですね。現在地は?」

 ロクサーヌがミリアから地図を受け取って、確認した。

「入り口の小部屋だ」
「分かりました。こっちです」
「その槍はミリアが使え。チャンスがあれば攻撃してもいい。最初だから安全を第一に考えて、無理はするな。前に出てはだめだ」

 ミリアが槍を渡そうとしてくるが、そのまま持たせる。
 セリーが前に使っていた銅の槍だ。
 空きのスキルスロットもあるので、売らずに取っておいた。

 槍なら魔物から多少距離を置いて攻撃できる。
 今のミリアが使うにはいい武器だろう。
 替わりに木の盾を受け取った。
 ダガーは佩刀にするようだ。

 何匹かの魔物を蹴散らしながら、地図の順序どおりに進む。
 グリーンキャタピラーLv11も魔法四発で沈むならほとんど脅威ではない。
 ミリアも攻撃を受けることなく、逆に何度か攻撃を成功させて、ボス部屋へと到着した。

 十一階層ボスのホワイトキャタピラーも、正面のロクサーヌが攻撃をすべてやりすごし、スキルを俺がキャンセルすることで、シャットアウトする。

 ミリアも側面から槍を突き入れた。
 堂々たる戦闘ぶりだ。
 迷宮に入ったばかりのころの俺より落ち着いているだろう。
 パーティーメンバーとしてきっちりやっていけそうか。

「クーラタルの迷宮十二階層の魔物はサラセニアです。消化液を飛ばす特殊攻撃をしてきます。体当たりされた場合毒を受けることがあります。消化液には毒はないとされています。耐性のある魔法属性はなく、火魔法が弱点です」

 十二階層に入り、セリーからブリーフィングを受ける。
 消化液を飛ばしてくるとか。おどろおどろしい魔物のようだ。

「まあ一度戦ってみるべきだろう」

 十二階層の魔物だけなら火魔法を使えばいい。
 弱点の火属性魔法を使えば四発で倒せるはずだ。
 四発なら、そんなに大きな脅威にはならないだろう。

「クーラタルの十二、十三階層は私たちのパーティーにとっては金銭的に有利です。ハルツ公領内の迷宮に入るのでなければ、狩場にしたいくらいです」
「そうなのか?」
「えっと。サラセニアは附子を残します。滋養丸の原料です。お作りになれますよね」

 セリーが戸惑いながら説明した。
 滋養丸ができるのか。
 薬草採取士のスキルである生薬生成で作れるのだろう。

 リーフを売るよりもリーフから毒消し丸を作って売った方が儲かる。
 それと同様に附子で売らず滋養丸を売却した方が高いということか。

 まあそれも当然だ。
 附子の方が高かったら、附子から滋養丸を作る人がいなくなってしまう。
 滋養丸を作る薬草採取士の手間賃分は高いはずだ。

「なるほど。ではロクサーヌ、サラセニアのところに案内してくれるか」

 ロクサーヌの先導で進む。
 現れたのは、草の魔物だ。
 二枚の緑の葉っぱと、緑の頭を持っていた。
 葉は体の左右両側に伸びて、ちょうど腕のようだ。

 背の高さはセリーと同じくらいか。
 大きいといえば大きいが、ススキやセイタカアワダチソウのような草もあるから、特別大きいわけではない。
 茶色の根っこが不気味に蠢いて、こっちにやってくる。

 ファイヤーボールをぶち当てた。
 炎が一瞬草の表面をなめる。
 二発めを放った。
 サラセニアの根元にオレンジ色の魔法陣が浮かび上がる。

「来ます」

 ロクサーヌに言われなくても横に出て魔法を撃っていたので見えた。
 すぐにロクサーヌの後ろに隠れる。
 情けない。

 サラセニアが頭を下げた。
 頭というか、チューリップの花みたいなやつだ。
 底がくぼんでいる。
 サラセニアの頭は袋状になっているらしい。

 ウツボカズラみたいな感じか。
 食虫植物だ。
 だから消化液を飛ばしてくるのか。

 消化液がサラセニアの頭から飛び出してきた。
 お返しにファイヤーボールを贈る。
 魔物の攻撃はロクサーヌが鉄の盾で受けた。

 接近したサラセニアにセリーとミリアが槍を突き入れる。
 サラセニアが葉を振ってきた。
 ロクサーヌがそれを避ける。

 四発めのファイヤーボールをお見舞いした。
 サラセニアが火にまみれ、崩れ落ちる。

「消化液は大丈夫だったか?」
「はい。すぐ乾くみたいです」
「そうか」

 ロクサーヌに確認するが、盾を溶かすほどの威力はないらしい。
 サラセニアLv12は倒すのに弱点の火魔法で四発。
 グラスビーLv12と一緒ということだろう。

「消化液よりも通常攻撃の方が危ないですね。かなりの大振りですし、草で柔らかいので軌道が安定しません。盾や剣で受けるにも、巧く受けないとしなってくるかもしれません」

 ついにロクサーヌを悩ます敵の出現か。
 葉っぱなのでスイングが上下にぶれる。
 中途半端なところで止めたら先が曲がることも考えられるだろう。

 セリーがドロップアイテムの附子を持ってきた。
 僧侶をはずし、薬草採取士をつける。
 附子を手のひらに載せ、生薬生成と念じた。
 附子から三つの丸薬ができる。

 滋養丸だ。
 毒消し丸と違って、できるのは三つらしい。
 滋養丸はこうやってできるのか。

「よし。ちゃんと滋養丸もできるな」
「××××××××××」

 ミリアがロクサーヌに何か言い、ナニこいつスゲー、みたいな顔で俺を見てきた。
 馴致も順調に進んでいるようだ。
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