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異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作者:蘇我捨恥
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レア食材

 
武器商人 Lv1
効果 体力小上昇 知力微上昇 精神微上昇
スキル 武器鑑定 カルク アイテムボックス操作

防具商人 Lv1
効果 体力小上昇 知力微上昇 精神微上昇
スキル 防具鑑定 カルク アイテムボックス操作

料理人 Lv1
効果 器用小上昇 体力微上昇 敏捷微上昇
スキル レア食材ドロップ率アップ アイテムボックス操作


 ジョブが増えた。
 武器商人と防具商人と料理人だ。
 正直なところ、効果とスキルはどれもこれも微妙ではある。

 俺には鑑定があるから、武器商人と防具商人には有効な使い道がない。
 せめて効果が知力小上昇だったらよかったのに。
 派生ジョブがあったりしたら厄介なことこの上ない。

 料理人のスキル、レア食材ドロップ率アップは使えるかもしれない。
 コボルトに効いてコボルトソルトばかり落とされても嫌だが。
 あれはレアドロップではないから大丈夫なのか。

 料理人といっても、料理を作るのに役立つようなスキルはないらしい。
 あくまでも迷宮探索用ということだろう。
 役に立つとしたら、アイテムボックスに食材を保管できることくらいか。
 アイテムボックスの大きさは、三職とも三十種類×三十個。

 つまり、探索者Lv30になったので出てきたジョブだと考えていい。
 ジョブをつけたらアイテムボックスの大きさがいきなり六十種類×三十個になったので、最初はちょっとびっくりした。
 Lv1でこの大きさなので、レベルにかかわらず固定だろう。
 ジョブの出現条件は、それにプラス、武器や防具を売買すること、料理を作ることかもしれない。


加賀道夫 男 17歳
探索者Lv30 英雄Lv27 魔法使いLv29 僧侶Lv26 料理人Lv1
装備 ワンド 皮の帽子 皮の鎧 皮のグローブ 皮の靴

ロクサーヌ ♀ 16歳
獣戦士Lv14
装備 シミター 木の盾 皮の帽子 皮のジャケット 皮のグローブ サンダルブーツ


 ものは試しと料理人をつけてみる。
 しかし、せっかくつけたのに、六階層の敵はレア食材を残さなかった。
 ギルドで買い取ってもらえるオリーブオイルが食材扱いかどうか分からないが、少なくともレアではないだろう。

 ミノとかも残さない。
 使えない牛だ。

 せいぜい探索を進めることにする。
 お湯を張るのが面倒だということが分かったので、風呂に入るのは何か特別なことがあったときにしようと決めていた。
 次の階層に進んだときこそが、それにふさわしいだろう。

 おかげで張り切って探索が進んだのか、たまたまボス部屋が近くにあったのか、ベイルの迷宮六階層の探索は比較的早く終了した。
 自分が面倒だから風呂を沸かすのは特別なときだけにしようと考えたのに、それを早く達成するためにがんばってしまうのは本末転倒という気がする。
 ままならない。

 現れる魔物とボスの組み合わせはどの迷宮でも同じなので、六階層のボスはともに撃破経験がある。
 問題なくクリアした。


エスケープゴート Lv7

エスケープゴート Lv7


 ベイルの迷宮七階層の魔物は、このエスケープゴートのようだ。
 二匹現れたので一発めのファイヤーストームを念じる。

「エスケープゴートは逃げると聞いたことがあります。魔法は使わず、ご主人様の剣で倒した方がいいかもしれません」

 魔法が発動したところで、ロクサーヌが忠告してくれた。
 もう遅いって。
 名前のとおりエスケープする山羊なのか。

 しかし、エスケープゴートは逃げ出すことなく向かってくる。
 ロクサーヌが前に出て、対峙した。
 俺はその間にデュランダルを用意する。

 エスケープゴートは、チープシープほど凶暴そうではないが、いかつい顔つきの山羊だ。
 少なくとも可愛くはない。
 頭のツノはチープシープよりも大きい。緩やかな曲線を描いて上を向いており、まがまがしい。

 左に回り込んで、山羊にデュランダルをお見舞いした。
 胴を斬りつけたが倒れない。
 Lv7ともなると、魔法一発プラスデュランダル一撃でも倒れないようだ。

 エスケープゴートが頭を低くかまえた。
 動きを警戒していると、思ったとおり突進してくる。
 身を翻して山羊の突進を避けた。
 これくらいは余裕で避けられる。

 俺とロクサーヌの間を山羊が通った。
 しかし魔物は立ち止まらない。
 そのまま反対側に抜けて駆け出す。

 しまった。
 エスケープゴートは逃げるのだった。

 あわててデュランダルを振るが、もう届かない。
 追いかけて間に合うはずもないので、魔法にかけるしかない。
 ファイヤーストームと念じた。
 火の粉が舞い、二発めの魔法が作動する。

 まだ見える位置で逃げているエスケープゴートにも襲いかかった。
 魔物が火にまみれ、倒れる。
 よかった。
 デュランダルと魔法ですでに相当のダメージを与えていたらしい。

 ロクサーヌが相手をしている残りの一匹はまだ逃げ出さない。
 横からデュランダルを叩き込んだ。
 魔物が倒れ、煙となって消える。
 こっちは一撃でしとめた。

 エスケープゴートLv7は魔法二発とデュランダル一撃で倒せるようだ。
 逃げ出されるのは厄介だ。

 次にロクサーヌが見つけたのはチープシープLv7だった。
 一匹なのでファイヤーボールで迎え撃つ。
 一発、二発、三発。ロクサーヌが正面に陣取って羊の攻撃を避けるのを見守りながら、横に回って四発、五発。
 倒すのに五発かかってしまった。

「恐れていたように、ついにLv7からは魔法五発か」
「七階層からはそのようですね」

 簡単に言ってくれる。
 倒すのに時間がかかるということは、それだけ長い間魔物と対峙しなければならないということだ。
 長時間戦えば、敵の攻撃を喰らう回数も増える。

 ロクサーヌならばかわせばいいと言うだろうが、俺はそういうわけにはいかない。
 七階層は、様子を見つつ、ゆっくりと攻略するのがよいだろう。

 一匹で出たエスケープゴートを魔法で迎撃してみた。
 三発めが当たったところできびすを返して逃げられる。
 おそらく、ランダムで逃げ出すのではなく、ある一定のダメージを受けると逃げるのだろう。
 現状、魔法二発はセーフ、三発めはアウトということか。

 体力はチープシープLv7と似たようなものだろうから、多分倒すのに魔法が五発必要だ。
 三発めを当てた時点でほとんど剣が届く位置に近づいていたから、逃げ切られるまでに二発当てられる。

 はずだったが、五弾めのファイヤーボールを避けられた。
 背中を向けて逃走しているのに。
 三発めで逃げ出されたのでは厄介か。
 ストーム系の魔法を使えば大丈夫だが。

「面倒な魔物だな」
「あまり戦わないようにしますか」
「そうだな。欲をいえばそうなるが、あまり考えないことにしよう。その他の条件が同じときだけ、別の魔物優先で」

 魔法二発を撃った後、デュランダルを出して処理することもできる。
 MPや効率との兼ね合いになるが、特別に避けることはないだろう。
 前衛のロクサーヌには余分な負担がかかるが、しょうがない。

 厄介とはいっても、エスケープゴートは逃げるだけだ。
 ベイルの迷宮七階層はなんとか戦えるか。

 クーラタルの迷宮も七階層に移動した。
 クーラタルの迷宮七階層の魔物は、懐かしいスローラビットLv7だ。

 スローラビットとは最初の村の裏手にある森で戦った。
 あそこにスローラビットがいたのは、森のどこかに迷宮がいて、その迷宮の一階層の魔物がスローラビットである、ということを意味しているらしい。
 入り口はなかったので、まだ五十階層の大きさに達していない幼い迷宮だ。

 スローラビットは、動きも遅いし、武器もなく体当たり攻撃だけだし、非常に戦いやすい。
 クーラタルの迷宮七階層もなんとかなるか。

 魔物はこちらを見つけると飛び跳ねて近づいてきた。
 別に久しぶりの再会に喜んでなついてきたわけではない。
 迷宮内ではどの魔物もアクティブに人を襲うようだ。

 ファイヤーボール五発で丸焼けにする。
 スローラビットLv7も五発か。

 スローラビットはレア食材である兎の肉を残す。
 ジョブ料理人の本領を発揮するときがきた。
 と思ったが、最初に残したのは兎の毛皮だった。

「兎の毛皮か。あの村の商人のところへでも売りに行くか」
「兎の毛皮なら、帝都にある高級服屋で買い取ってくれると思います」

 ロクサーヌが兎の毛皮を拾い、渡してくる。

「そうなのか?」
「はい。この間ご主人様が見たとおっしゃっておられたようなお店で大丈夫でしょう」
「なんで兎の毛皮だけは買い取ってくれるんだろう」

 低階層の魔物が残すアイテムは、多くの人が自分で手に入れられる。珍しいものではないし、ギルドに行けば在庫がいっぱいある。
 だから、特別に買取依頼が出るようなことはまずない、と聞いた。
 それなのに何故兎の毛皮は買い取ってくれるのか。

「兎の毛皮で作ったコートは防寒具として優れ、とりわけ貴族女性の間で大変な人気があるそうです。コートを作るには大量の兎の毛皮が必要なため、兎の毛皮だけはどうしても足りないのです」
「なるほど」
「高級服を作る工房や店は最新流行のコートを作り出そうと常に競い合っています。小さな兎の毛皮をたくさん縫い合わせるので、加工の手間賃を多く取れて利益が大きいとも聞きました」

 こちらの世界でも女性のファッション競争は苛烈らしい。
 ノーファー運動とかもないのだろう。

「ロクサーヌも兎の毛皮のコートとかほしい?」
「私は別に。狼人族は寒さに強い種族です。それに、奴隷が着るようなものでもありませんし」
「寒さに強いんだ」
「はい」

 つまり薄着でよいと。
 ロクサーヌには薄着が似合う。
 肌の露出が多い服、胸の曲線が分かる服が最高に似合うと思いますです。


 朝食に兎の肉をソテーしたものを食べた後、帝都へ赴いた。
 高級ブティックに行く。

 ちなみに、あまった兎の肉はクーラタルの肉屋で買い取ってくれた。
 スローラビットを四十匹近く狩ったのに、出た兎の肉は四個だ。
 料理人のスキル、レア食材ドロップ率アップといっても、そう極端に上がるものではないらしい。

「いらっしゃいませ」

 帝都のブティックに俺とロクサーヌが入っていくと、店員が頭を下げた。
 完全に顔を下に向けており、非常に慇懃な感じだ。
 さすがは高級店か。

「兎の毛皮の買取を頼めるか」
「こちらへどうぞ」

 キャッシャーのいる場所に先導される。
 店に入って左奥の壁だ。

「いらっしゃいませ」
「こちらのお客様に兎の毛皮の買取をお願いします」

 店員の女性がキャッシャーの男性に話しかけ、引継ぎを行った。

「それでは、兎の毛皮をお乗せください」
「頼む」

 キャッシャーの人が出したトレーに兎の毛皮を置く。
 全部載せると、トレーが引っ込められた。

「全部で三十四枚になります。よろしいですか」

 キャッシャーが一つ一つ検品してから告げる。
 うなずくと、一度奥に入り、トレーを持って再度出てきた。

 トレーには銀貨が八枚と銅貨が大量に入っている。
 兎の毛皮一枚二十ナールの三十四枚に三割アップで八百八十四ナール。
 銅貨は八十四枚あるはずだ。

 めんどくさいので数えずに受け取る。
 この高級店でごまかしてくるようなことはないだろう。

「確かに受け取った」
「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」

 キャッシャーの男性が最敬礼をした。
 客ではないのに丁寧な態度だ。

 荒々しい仕事をしている探索者や冒険者がこのような店の上客になることが多くあるとも思えない。
 兎の毛皮のコートは貴族女性に人気があると言っていたし、帝都にあるこれだけの高級店だと、客層もそういう女性が多いのではないだろうか。

 やや場違いな感じもあるが、歓待されていい気分で店を出ようとする。
 横に服が並んでいるのが目に入った。

 つややかな光沢のある綺麗な服。おそらく女性服だろう。
 そこに細い肩紐がついているのが見える。
 キャミソールだ。

 手にとって広げてみると、結構な長さがあり、下の裾が開いてワンピースになっていた。
 キャミソールドレスだ。

 布はサテン地だろうか。
 生地は結構薄い。
 透けはしないものの、微妙なところではあるだろう。

「そちらは貴族女性などに大変人気のある品でございます。インナーや寝間着として使用されます」

 最初に出てきた女性店員が説明してきた。
 男の俺がじろじろと見るような商品でもなさそうだ。
 あわてて服を戻す。

「どうだ?」

 ロクサーヌに訊いてみた。

「えっと。あの」

 悪くない服だ。
 ロクサーヌには薄着が似合う。
 素肌の上からこれを着れば。

「やはり似合うだろう。いくらだ」
「八百ナールと、大変お求めやすくなっております」

 高いには高い。
 俺が今着ている装備品を除いた服全部よりも高いくらいだ。
 しかし、絹だろうからもっと高いかもと思ったが、それほどでもない。

「二着ほど、買っておけ」
「よろしいのですか」

 うなずいて、ロクサーヌに選ばせた。
 ロクサーヌがかぶりつくように一着一着見ていく。
 高級店だけあるせいか、色も結構あるようだ。

 青。なんか違う。
 赤。ちょっとどぎつい感じ。
 緑。落ち着いていて、いい色。
 黄。淡く、綺麗な黄。これもいい色だ。
 黒。黒もいいが。

「一着はこの系統の色がいい」

 薄紅色のものを指差した。
 やはりピンク系のものが可愛らしいだろう。
 鮮やかなピンクはなかったが、淡い薄紅色でも十分だ。

「かしこまりました」
「頼む」

 ロクサーヌは、あれこれ店員と会話をしながら、じっくりと選んでいった。

「丁寧に縫製してありますが、すぐに破れてしまいそうですね」
「そうですね。これはそういう布地でございますので」
「どのように洗濯するのでしょう」
「水とコイチの実のふすまで一着ずつ優しく押し洗いしてください」

 結局、長い時間かかってロクサーヌが選んだのは白と薄紅色の二着だ。
 三割引でそれを買った。

 なんか、店側の計略にまんまとはまってしまったような気がする。
 こちらに悪い気を起こさせない慇懃な態度。
 レジ近くに、探索者にも買えそうな安い小物。
 いかにもきっちり販売戦略ができあがっている感じがする。

 まあでも、悪い買い物ではなかったろう。

 風呂から上がった後に薄紅色のキャミソールを着たロクサーヌを見て、その想いを強めた。
 悪い買い物ではない。
 素晴らしい逸品だ。

「おおっ。すごい。似合ってる」
「ありがとうございます」

 淡い薄紅色がロクサーヌの肌をほんのりと色づけている。
 上品でしなやかに、優しくロクサーヌを覆っていた。
 身体のラインを強調するわけでも肌にぴったりと張りついているわけでもないが、しっとりとロクサーヌの身体を包んでいる。

 いや。二つの大きな山塊には張りついていた。
 張りついているというか、押し上げられている。
 内側からの恐ろしい造山活動によってきつく突き上げられていた。

 その頂には小さな出っ張りが。
 この果実はレア食材だ。

 薄手の服を着ると胸のふくらみが猛々しい。
 迫力が違う。
 ロクサーヌの胸だから服を着ないのもすごいが、一枚あることによって存在感がいや増すのだろうか。

 服はしっとりと清楚だが、中身は暴力的だ。
 シルクの光沢とあいまって、つやつやと輝いて見えた。
 やはり買ってよかったと、そう思う次第であります。

「最高に綺麗だ」
「……あの、んっ……」

 反論は口で封じた。
 くっ。
 これは我慢がならん。
 さっき風呂で済ませたのだが、二回戦に突入する必要があるようだ。
+注意+
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