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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、王都に行く

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53 クマさんと一緒

この一週間、少しずつ読み返してみた。
誤字脱字が多すぎて泣きました。
文章力が無い分、誤字脱字は無くしたい。
でも、今回もあるんだろうな。
「おまえさんが助けてくれたのか」

 後ろを振り向くと男性の老人と小さな女の子がいた。
 2人の服装は平民が着るような出で立ちをしていない。
 どっちかといえばノア寄りの服装に近い。
 ってことは貴族様か、お金を持っている人種か。

「オークの件を言っているならそうだけど」
「そうか、なら、わしからも礼を言わないとならんな。わしはグラン・ファーレングラムじゃ。孫娘共々感謝する」
「冒険者ユナよ。助けたのはたまたま通りかかっただけだから気にしないで」
「それにしても、おまえさん。変な格好をしておるな」
「気にしないで」
「でも、オークを簡単に倒すとはな。それと、そこにいるのはクリフのところの娘か」

 グランと名乗った老人がノアを見る。

「グラン様お久しぶりです。ノアールです」

 ノアが貴族らしく礼をする。
 グラン様ってことはやっぱり貴族かな。

「そうか、ノアールだったな。一年ぶりか。大きくなったな。それでクリフはいないのか」
「父は仕事があるので、まだ街に残っています。わたしは一人先に母がいる王都に行くように言われました」
「それでは、お主1人でここまで来たのか」
「はい。でも、護衛のユナさんがいますから大丈夫です」

 グランさんがわたしを見る。

「クリフの奴も変な格好をしているが良い冒険者を付けてくれたんだな」

 何度も変変と連呼しないで欲しい。

「ミサ、久しぶり」

 ノアはグランさんの側にいる女の子に近寄る。
 年はノアよりも少し下ぐらい。

「ノアールお姉さま、お久しぶりです」
「ミサも王都に?」
「はい、お父様とお母様は先に王都に行っているのでおじい様と一緒に王都に向かってました。ノアールお姉さまも王都に向かっていたのですね」
「ええ」
「話しているところを済まないが、これからのことを少し話したい」

 マリナがやってくる。

「オークをこのままにしておくと仲間や死体を食べに他の魔物が来るかもしれない。オークを処理したいんだが、どうする」
「処理って?」
「取り分を決めたい。倒したのはあなただけど、それはわたしたちが戦っているところを後ろから攻撃したことで倒している。だから、わたしたちの取り分も欲しい」

 ああ、そういう事ね。

「いいよ。全部あげるから自由にしていいよ」
「本当に言っているの? オークが6体よ」

 オークならクマボックスに沢山入っているし、無理に貰う必要は無いんだよね。

「わたしたちは先に王都に行くからいいよ」

 わたしはくまきゅうに近寄り、くまきゅうに飛び乗る。

「ノア、フィナ、行くよ」
「ちょっと待ってくれ」

 グランに呼び止められる。

「同じ王都に行くなら一緒に行かないか」

 少し考えてから、

「メリットが無いから断るわ」
「護衛料なら払う」
「護衛なら彼女たちがいるでしょう。それに彼女たちに失礼じゃない」

 近くにいる冒険者に聞こえるように言う。
 わたしを雇うと言う事は、彼女たちを信用していないことになる。

「別に彼女たちの力を信用してないわけじゃない。孫のミサのために一緒に行って欲しいんだ」
「ミサのため?」
「ああ、ここまで来るまでの間、馬車の中でわしと二人っきりだったからミサも退屈している。だから、知り合いのノアールがいれば旅も楽しくなると思ってな」

 うーん、どうにか断りたい。
 メリットが無さ過ぎる。
 一緒に行くと、クマハウスが使えない。
 使えないと、お風呂もベッドも使えない。
 一緒に行くと、確実に速度が落ちる。
 でも、わたし一人の一存で決められない。
 この場にクリフがいればクリフの指示に従うが。
 いない者のことを言っても仕方ない。
 護衛対象であるノアに意見を聞くことにする。

「ノア、あなたはどうしたい?」
「わたしですか?」

 ノアを呼び寄せ、耳に小さく囁く。

「ちなみに、一緒に行くと、クマハウスは使えないからね」

 知らない人の前でクマハウスを出すつもりはない。
 ノアはおふろ、ふとん、おふろ、ふとん、ふとん・・・・・と呟いている。
 今、ノアの頭の中で、『お風呂&ふとんVSミサ』が戦っているのだろう。
 うーん、うーんと唸って戦闘に決着が付く。

「ユナさん、ミサのことも心配だし、一緒に行こうと思うけど、いいですか?」

 クマハウスVSミサはミサが勝利したらしい。

「ノアが決めたらいいけど、条件がいくつかある」
「なんですか?」
「クマハウスのことはもちろん内緒、倒せないと思った魔物が現れた場合、みんな残して逃げる。それだけは約束して」
「わ、わかった」

 グランさんの方を振り向く。

「相談は終わったか」
「一緒に行くことになった」
「そうか、助かる」
「そういう訳だから、フィナ。彼女たちの解体手伝ってきてあげて、早く出発したいから」
「わかりました」

 フィナはオークを解体している冒険者に向かって駆け出す。
 しばらくすると解体を終えた冒険者たちが戻ってくる。

「あの子解体上手なのね。助かったわ。それで、本当にいいの? わたしたちがオーク全部貰って」
「いいよ。その代わりに、王都まで一緒にいくことになったから、1つお願いごとを聞いてもらうね。もちろん、大したことじゃないから、大丈夫だよ」
「わ、わかったわ」

 オークの素材とわたしたちの我侭を天秤にかけ、オークの方が重かったのだろう。

 グランさんたちと一緒に行くことになったわたしたちは王都に向けて出発する。
 ノアはミサと一緒に馬車に乗る。
 そのときに、フィナにバシっと指を指す。

「今回はクマさんを譲ってあげるけど、そこはわたしの指定席ですからね」

 ノアは言い放って馬車に乗り込んで行った。
 いや、くまゆるもくまきゅうもわたしの物なんだけど。
 馬車の前には手綱を握る従者とマリナが座る。
 従者の人、いたんだね。
 どっかに隠れていたのかな。
 30歳前後の男性だ。
 馬車の中は6人ほど座れるスペースがある。
 よく見かける対面式になっている。
 中にグランさん、ミサ、ノアが乗り、残りのスペースにはエル、マスリカ、エウリが乗り、それぞれ左右、後ろを確認している。

 護衛は外を歩いて護衛じゃない?
 と思ったけど、流石に剣や鎧などを持って馬車と同じ速度で長時間歩くことは出来ない。
 もし、1日10時間ぐらい歩くことを考えると、くまゆるたちに感謝したくなる。

 従者は馬車に繋がれている馬を確認している。
 幸いにも馬が無事だっただめ、出発はできる。
 どうして、オークに襲われたとき、逃げなかったのかと思ったが。
 一度は逃げたが、馬が疲れ始めたとき、前からもオークが現れ、挟み撃ちになったそうだ。
 後方からオークが迫っていたので、前にいるオークをマリナ、エウリで、後ろからくるオークをエルとマスチカで対処をしたそうだけど、結局、先ほどの状況になったらしい。

 馬と馬車の確認も終わり出発することになる。
 わたしとフィナは馬車の後ろから付いて行く。
 トコトコトコトコ。
 うーん、スピードが遅い。
 この速度でここから王都までどのくらいかかるんだ。
 一緒に行くと決めたのだから仕方ない。
 魔物の確認はくまゆるたちに任せて、くまきゅうの上で昼寝でもすることにする。
 天気もよく、くまきゅうの温かさが眠りを誘ってくる。
 出発してから日が沈むまで何事もなく馬車は進む。
 リーダーのマリナが馬車を止めるように言う。
 ここで、野宿をするらしい。
 何もない王都に続く道の傍らに馬車が止まる。

 マリナ率いる冒険者たちはそれぞれに食事と寝床の準備を始める。
 クマハウスを出したくなるが我慢をする。
 とりあえず、フィナとノアを呼び食事の用意を始める。
 ミサは向こうで食べるそうだ。
 まあ、食事の準備って言っても、クマボックスから簡単な食事を出して終わりである。
 向こうの冒険者たちもアイテム袋から携帯食を食べるぐらいだ。
 違いは、わたしのパンは焼き立てで柔らかく温かい。
 少しだけ優越感を味わいながら食事をする。
 さあ、寝る時間がやってくる。
 朝は日の出と同時に出発するとのこと。
 寝る準備を始めようとしたら、マリナがやってくる。

「見張りの順番を決めたいんだが、いいか」

 野宿には見張りという睡眠の敵が存在していた。
 だから、ここで、先ほどのオークの素材と取引をしたお願いをすることにする。

「見張りなら、この子たちがいるから大丈夫だよ」

 くまゆるとくまきゅうを指す。

「魔物や人が近寄ってくれば、この子たちが教えてくれるから」
「そうなの?」
「だから、見張りは必要はないよ。もし、心配ならそっちでやってもらえる? オークの取り分と思って」

 オークの話を出せば相手は引くしかない。

「そのクマを信用していいのか?」
「それはご自由に」

 わたしにはそれしか言えない。
 信じるのも信じないのも相手次第だ。

「わかった」

 マリナは馬車の方に向かう。

「ノアはどこで寝る?」
「何処と言いますと?」
「ミサと一緒に寝るか、クマたちと一緒に寝るか」
「な、なんですか。そのクマさんと一緒に寝るって」

 震える声で尋ねてくる。

「夜は寒いし、危険でしょう。くまきゅう、くまゆるおいで」

 くまきゅうとくまゆるを呼んで、2匹を座らせる。
 次に実験対象としてフィナを呼び、毛布で包みます。
 包んだフィナをくまきゅうの座ったところにお腹に寄りかかるように寝かせます。
 左右の手がフィナを抱きかかえるようにして、はい、題名『クマさんと一緒』が完成する。

「な、なんですか、このすばらしい、寝方は」
「これなら、寒くないでしょう」
「ミサにこちらで寝ることを伝えてきます。フィナ! わたしの場所は空けておいてくださいね」

 ノアはミサのところに行き、すぐに戻ってくる。
 でも、なぜか。ミサと一緒に。

「ユナさん。ミサもクマさんと一緒に寝たいと」
「わたしもクマさんと一緒に寝てもよろしいでしょうか。今日、ノアお姉ちゃんにクマさんの素晴らしさを沢山聞きました。わたしもクマさんと一緒に寝たいです。お願いします」

 真っ直ぐに純粋な目で見つめてくる。
 ノアよりも小さいミサのお願いを駄目とは流石に言えない。

「いいよ。2人でくまゆるを使って。わたしとフィナで一緒に寝るから」
「ありがとう。ユナさん」
「ありがとうございます」

 ミサも礼を言う。

「くまゆる。危険が迫るまで二人を起こしちゃ駄目よ。くまきゅうは、魔物や人が近づいてきたら、教えて。フィナには悪いけど、わたしも入れてちょうだい」
「はい」
「起こすかもしれないけど、ごめんね」
「大丈夫です」

 くまきゅうのお腹を半分譲ってもらう。
 うーん、温かい。
 くまきゅうの腕を抱きしめながら寝ることにする。

「フィナおやすみ」
「はい、おやすみなさい」
+注意+
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