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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、王都に行く

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54 クマさん、盗賊を捕まえる

 深夜、くまきゅうが動くことで目が覚める。

「くまきゅう?」

 目を擦る。
 隣でフィナがモソモソと動き出す。
 起こさないように探知魔法を使う。
 少し離れた位置に人がいる?
 しらばく見るが動く気配はない。
 うーん、寝るときにはいなかった。
 くまきゅうが反応したってことはついさっき?

「くまきゅう、動いたら教えて」

 その位置で野宿を始めたのかも知れないのでくまきゅうに頼み、睡眠に戻る。
 その後はくまきゅうの反応も無く朝まで起こされることはなかった。
 朝、起きて探知魔法を使うと、深夜確認した場所から動いていない。
 朝食を軽く食べ、日の出と同時に出発する。
 再度、探知魔法を使う。
 止まっていた反応が動き出す。
 向こうも旅人なら日の出と同時に動くのはおかしいことではない。
 気にしながら王都に向かって進む。
 後ろから付いてくる反応は一定の距離をとっている。
 こちらが昼食を食べるために止まると向こうも止まる。
 少し速度を上げると、向こうも速度を上げる。
 どうするかな。
 こうも、同じ速度でつけられるといい気分でない。
 やっぱり、狙われているよね。
 襲ってくるなら夜かな。
 同じ距離を保ちつつ、夕方を迎える。
 皆、それぞれ野宿の準備を始める。

「マリナ、ちょっといいかな」

 一応、この護衛任務のリーダーをしているマリナに報告だけしておく。 

「なに」
「たいしたことじゃないけど。今日の夜、盗賊が襲ってくるかもしれないから、少しだけ気をつけておいて」
「……ちょっとなに。それ」
「昨日の夜から後を付けられているから、今夜あたり襲ってくるんじゃないかと思ってね」
「気づいていたなら、教えなさいよ」
「教えても仕方ないでしょう。速度を上げるわけにもいかないし、王都までまだ距離があるし。それに、いつ襲われるか分からない緊張感を長い間維持はできないと思ったから、わたしの気遣いよ」
「そうだけど、でも、速度を上げて王都に行けば」
「馬が疲れたところを襲われておしまいね。なら、こっちの思い通りに動いてもらった方がいいでしょう」
「なにか良い方法があるの?」
「まあ、盗賊ぐらい、どうにでもなるよ。ただ、勝手に動かれるのは困るけど。出来るなら、みんなには馬車から動かないで欲しい」
「それで、本当になんとかなるの?」
「なるんじゃない?」
「ちょっと」
「それじゃ、よろしくね」

 夕食も済ませ、夜がやってくる。
 さて、盗賊が来るまで寝ますか。
 眠っているとくまゆるが起こしてくれる。

「くまゆる?」

 徐々に目が覚め、盗賊のことを思い出す。
 探知魔法を使うと、
 おお、いるわ。いるわ。
 4、50人?
 どんどん集まってくる。
 フィナが起きないようにくまゆるから抜け出す。
 もし、盗賊が来たら、みんなを守るように伝えておく。
 来させる気はないけどね。

「来たの?」

 マリナがやってくる。

「起きていたの?」
「盗賊がくるかもと言われて眠れないわよ」
「盗賊はこの方向の先に50人くらい集まっているね」
「50人・・・・」
「それじゃ、行ってくるから。何もないと思うけど、みんなをよろしくね」
「本当に一人で行くの?」
「あの子たちには寝てて欲しいからね」

 クマに抱かれて寝ている。フィナ、ノア、ミサに目を向ける。
 3人はクマたちに抱かれて静かに寝ている。

 暗闇の中、黒いクマの服を着て盗賊に向かって走り出す。
 盗賊たちは集まっているだけで、まだ、動いていない。
 仲間が揃うのを待っているのか、様子を(うかが)っているのか分からないが、固まっている今がチャンス。
 気づかれないように走る。
 クマの靴は音をたてずに盗賊たちに駆け寄る。

「なんだ」

 気づいたときには遅い。
 すでに魔法が発動している。

「ショットガン」

 空気の塊が盗賊を襲う。
 馬に乗っている者は馬から落ち、後方に飛ばされる。
 馬の傍にいる者は馬を避けて後方に転がる。
 馬は悪くないからね。
 空気の塊は盗賊団を一箇所に集める。
 次にすかさず土魔法を発動させる。
 倒れている盗賊を囲むように無数の土棒が地面から突き上がる。
 盗賊は起き上がり逃げ出そうとするが、土棒が邪魔して逃げることは出来ない。
 右も左も前も後ろも逃げ道は無い。
 あるのは上だけ。
 だが、その上も蓋をするように土魔法で塞がれる。

「くそ、剣でも壊れないぞ。だれか、魔法を使え!」

 盗賊の何人かが魔法を使うが檻の結界によって弾かれ、檻の中が弾かれた魔法によって大変なことになる。

「魔法止めろ! 死ぬぞ!」
「くっそ、いったい、何が起きているんだ」
「誰か、光魔法を使え」

 その光に照らされて見たものは、檻に閉じ込められている自分たちの姿だった。

「こんばんわ。盗賊のみなさん」

 話しかけられてやっとわたしの存在に気づく。

「なんだ、貴様」
「ここから出しやがれ!」
「俺たちにこんなことしてただで済むと思っているのか!」

 馬鹿なのかな、アホなのかな。自分たちが置かれている立場が理解出来ていないようだ。
 盗賊を捕まえたのに檻から出すわけがない。
 とりあえず、水魔法で盗賊たちに水をかけ黙らせる。

「今度、口を開いたら、火を撃ち込むからね」
「うるせえ! 俺たちがザモン盗賊団 と知って・・・」
「ファイヤー」

 炎の塊を檻の中に放り込む。

「あち、あち、貴様なにしやがる!」

 中にいる魔法使いが水を出して火を消す。

「口を開いたら、火を打ち込むって言ったでしょう。馬鹿なの?アホなの?」
「貴様ぁ・・・・」

 何か言いたそうにしているが口を開こうとしない。
 次に土魔法で四方の隅に柱を30cmほど立て檻を浮か上がらせる。
 その高さに合わせて車輪を付ける。
 スプリングなど振動を和らげる物はついていない。
 乗り心地は考えていないので、でこぼこ道ではかなり揺れるだろうが関係ない。
 とりあえず、これで移動式の檻が完成だ。
 問題はこの檻の動力源だ。
 動力は馬でもと思ったが、ショットガンの魔法のせいで馬は全て逃げてしまった。
 怪我はしていないから生きていけるだろう。
 次の動力源の案を考える。
 案はある。
 ただ、目立つのが問題だ。

「いでよ。クマ!」

 土魔法を発動させ、土のクマを呼び出す。
 高さ3mほどあるクマのゴーレムだ。

 タイガーウルフを討伐したときに炎のクマや、水のクマを作り出した。
 そのときに、自分の命令通りに動かせたことを思い出して、それぞれのクマのゴーレムを完成させた。
 炎、水、土、氷、風のクマのゴーレムを作り出すことが出来る。

「なんだそれは!」

 盗賊が叫びだす。

「うるさい。次、口開いたら、このクマに攻撃させるからね」

 そう言うと盗賊たちは静まりかえる。
 静かになったので、呼び出した土のクマのゴーレムに檻を引かせる。
 馬車のところに戻ってくると全員起きていた。
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