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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界を楽しむ

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45 クマさん、プリンを作る

 でっきるかな♪ でっきるかな♪
 卵が沢山手に入るようになったのでプリンを作ることにしました。
 成功していれば冷えた美味しいプリンが出来ているはずだ。
 冷蔵庫を開けると、冷気が顔を通り抜けていく。
 中には美味しそうなプリンが並んでいる。
 1つ手に取り、テーブルまで持っていく。
 片手にスプーンを持ち味見をする。

「美味しい」

 プリンは成功した。
 パクパクとスプーンが止まらない。
 久しぶりにプリンを2つほど食べて満足していると家に訪ねて来る者がいる。

「ユナお姉ちゃん来たよ」

 フィナとシュリの二人がやってきた。

「椅子に座って待ってて」
「それで、美味しいものってなに?」

 二人には味見係として来てもらった。

「卵を使ったお菓子よ」

 二人の前に冷えたプリンを出す。
 二人はスプーンを持ち、プリンを一口食べる。

「おいしい・・・」

 フィナが感想を呟いている間、隣のシュリはプリンを何度も口に運んでいる。

「シュリ、ゆっくり食べなさい」
「でも、美味しいから」 

 二人の顔には笑顔が浮かんでいる。

「二人が満足してくれて良かった」
「凄く美味しいよ。でも、卵からこんなに美味しい物が作れるんだね」
「でも、まだ試作だからね。何か食べて思ったことがあったら教えて。甘いとか甘くないとか」
「どこも変なところなんてないよ。甘くて美味しい」
「うん、美味しい」

 シュリは名残惜しそうにスプーンを舐めている。
 仕方なく、冷蔵庫から2つプリンを出し、二人の前に出す。

「最後だからね」

 二人のスプーンが動き出す。
 わたしは再度、冷蔵庫に向かい、冷蔵庫に入っている残りのプリンを全てクマボックスに仕舞う。
 食べ終わった二人と別れて、次の味見係を求めて孤児院に向かう。

 孤児院に着くと、子供たちが一生懸命に鳥の世話をしている。
 子供たちに声を掛けて孤児院に向かう。

「これはユナさん、いらっしゃい」

 院長先生が数人の女の子と一緒に昼食の準備をしている。

「タイミングが悪かったかな」
「いいえ、大丈夫ですよ。たいした物はありませんが、お昼を食べていきますか?」

 せっかくの誘いだから、御相伴にあずかることにする。
 広めの部屋に子供たちが椅子に座って、全員分の食事が並ぶのを礼儀正しく待っている。
 全員分揃うと、

「クマお姉ちゃんに感謝を。いただきます」

 言い終わると、子供たちは食事を食べ始める。

「まだ、それやっているの」
「はい、このように食事が出来るのもユナさんのおかげです。その感謝の気持ちを忘れてはいけません」

 この食事の挨拶は、
『ユナお姉ちゃんに感謝を、いただきます』
 だったんだけど、流石に名前を言われると恥ずかしいから止めるようにお願いした。
 でも、子供たちは止めようとしなかった。

「ユナお姉ちゃんに感謝をしているから」
「お腹いっぱい食べれるのはユナお姉ちゃんのおかげだから」
「美味しい物が食べられるのはユナお姉ちゃんのおかげだから」
「綺麗な服が着れるのはユナお姉ちゃんのおかげだから」
「温かい家に住めるのはユナお姉ちゃんのおかげだから」
「温かいベッドで寝れるのはユナお姉ちゃんのおかげだから」
「・・・・・・・・・はユナお姉ちゃんのおかげだから」

 と子供たちが感謝の言葉を口にする。
 でも、食事をするたびにわたしに名前を出されるのは恥ずかしかったので、妥協点でクマお姉ちゃんになった。
 それでも十分に恥ずかしいんだけど。

 孤児院の昼食はパンと野菜が入ったスープだけだけど、子供たちは嬉しそうに食べている。その姿を見ると嬉しくなるから不思議だ。
 自分がこんなに面倒見がいいとは思わなかった。
 日本にいた頃なら、しなかっただろう。
 実際にお金はあったけど寄付などはしたこともない。
 子供たちを見ていると昼食が終わる。
 その様子を見ておやつのプリンをクマボックスから取り出す。

「これなに?」

 女の子が聞いてくる。

「みんなが面倒をみている鳥の卵から作ったお菓子。美味しいよ」

 子供たちの前にプリンを置いていく。
 もちろん、院長先生とリズさんの分もある。

「なに、これ。おいしい」
「凄く、旨い」
「一人一個しかないから、味わって食べてね」

 子供たちには好評のようだ。

「ユナさん、これ美味しいです」

 リズさんがプリンを褒めてくれる。

「これも、リズさんと子供たちが一生懸命に鳥の世話をしてくれたおかげですよ。このプリンには卵を使ってますから」
「そうなんですか」
「売るだけじゃ、勿体無いですからね」
「卵って凄いですね。お金にもなるし、こんな美味しい食べ物にもなるんですね」
「もう少し、鳥の数が増えて卵が増えるといいですけどね」
「はい、頑張ります」
「もし、増えすぎて大変だったら言ってね。いろいろ考えるから」
「はい。でも、まだ大丈夫です。子供たちも一生懸命に働いてくれますから」

 リズさんと話していると子供たちのプリンの器は空っぽになっている。
 最後に子供たちにプリンの感想を聞いて孤児院を後にする。
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