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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、異世界に来る

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23 (フィナ視点 その3)

短いです。
 門を抜けて街の外に出ます。
 そう言えば、目的地を聞いてません。
 タイガーウルフは近くの森に出るのでしょうか。
 すると、ユナお姉ちゃんが遠いから乗り物を出すと言いました。
 出す?
 意味がわかりません。
 わたしに少し離れるように言います。
 ユナお姉ちゃんがクマの手を翳すと黒い物体と白い物体が出てきました。
 なんでしょうか?
 大きな物体は動きました。
 熊です。
 大きいです。
 怖いです。
 立ち上がって、ユナお姉ちゃんに擦り寄って行きます。
 ユナお姉ちゃんは抱きしめるように頭を撫でています。
 そんなユナお姉ちゃんを見ていると、

「大丈夫。わたしの召喚獣だから、安全だよ。ほら、フィナも触ってみて」

 と言われました。
 怖いですが、ゆっくりと近づき触れます。
 柔らかいです。
 意外と可愛いかもしれません。
 名前が白い方がくまきゅう、黒い方がくまゆるだそうです。
 わたしはくまきゅうに乗せてもらうことになりました。
 乗りました。
 目線が高くなって少し怖かったです。
 でも、安定感があり、落ちそうもありません。
 始めは歩き出し、慣れてくると速度を上げます。
 楽しいです。
 速いです。
 景色がどんどん変わって行きます。
 こんな遠くまで来たのは初めてです。
 山を登っていきます。


 ユナお姉ちゃんが止まります。
 山の平地になっているところで休憩をするそうです。
 確かに、乗っているだけでも疲れました。
 くまきゅうにお礼を言って降ります。

 ユナお姉ちゃんがくまゆるから降りると、場所の確認をしています。
 そして、手を翳すと、目の前にいきなり家が現れました。
 わたしは何を言っているのでしょうか。
 もう一度、確認します。
 ユナお姉ちゃんが何かをしました。
 そしたら、家が現れました。
 やっぱり、わかりません。
 家ってこんなに簡単に出来る物なのでしょうか。
 そんなことはないはずです。
 子供のわたしでも知っています。大工さんが作るものです。
 でも、どうして家の形が熊なのでしょうか?
 わたしが疑問に思っていると、

「とりあえず、中に入って休憩にしましょう」

 と言うユナお姉ちゃんの言葉に頷くことしか出来ませんでした。 
 家の中は見たこともない部屋でした。
 入り口で靴を脱ぐように言われます。
 床は綺麗です。
 確かにこれを汚すわけにはいきません。
 靴を脱いで部屋の中に入ります。
 ユナお姉ちゃんの薦めで椅子に座ります。
 緊張しながら周りを見ているとユナお姉ちゃんが果汁を持ってきてくれました。
 冷えていて驚きました。
 でも、それはとても美味しかったです。

 わたしは気になったことを尋ねます。

「ユナお姉ちゃんはどこかの貴族さまですか?」
「違うよ」
「それじゃ、お姫様ですか?」
「わたしみたいな姫がいるわけないじゃん。普通の冒険者だよ」

 どちらも違ったみたいです。
 でも、普通の冒険者ではないと思います。
 こんな家を作り出したり、くまきゅうたちを出したり、一人で魔物を倒したり、何よりもくまさんの格好をした普通の冒険者はいないと思います。


 質問を終えたあと、果汁を飲みながら今日の予定の話をします。
 ユナお姉ちゃんは一人でタイガーウルフを探しに行くそうです。
 わたしはこの山の中で薬草を探す許可をもらいました。
 解体をするのも自由と言われました。
 とりあえず、少しだけ薬草を探してくることにしました。
 一人では怖いですが、くまきゅうが一緒にいてくれるそうです。
 それなら安心です?
 少し探して見つからないようだったら解体の仕事をすることにします。そのために来たのですから。


 ユナお姉ちゃんはくまゆると一緒に出て行きました。
 わたしもくまきゅうに乗って薬草を探しに行きます。
 くまきゅうに乗って山の中を歩きます。
 薬草があるといいのですが。
 このくまさんが薬草を探してくれるとうれしいのですが。

「くまきゅう、薬草を見つけられる?」

 駄目もとで尋ねてみます。
 くまきゅうは首をこちらに向けると頷きます。
 えっ、わかるのでしょうか。
 くまきゅうはどんどん、進んでいきます。
 探してくれているのでしょうか。わたしもくまきゅうの上から薬草を探します。
 何度も見ている薬草なので遠くからでも見つけることはできます。
 すると、くまきゅうが速度を上げます。
 あれは!
 くまきゅうの走る先に薬草が見えます。
 凄いです。
 くまきゅうから降りて薬草を採ります。
 全部採ると次が育たなくなるので半分だけにします。
 それでもかなりの量になります。
 こんな山の奥だから誰も採りに来ないのでしょうか。
 薬草を採っていると草を分ける音がします。
 音がした方を見ると、ウルフがいました。
 わたしは驚いて後ずさりすると、ウルフはすぐさまに逃げ出しました。
 そうでした。わたしにはくまきゅうがいるのでした。
 ウルフはくまきゅうを見て逃げ出したのでしょう。

「くまきゅう、ありがとう」

 頭を撫でてあげます。
 うーん、かわいいです。
 薬草を袋にしまい帰ることにします。
 早く見つかって良かったです。
 これで戻って解体作業が出来ます。


 さて、帰りましょう。
 くまきゅうに乗ります。
 帰ろうとして気づきました。
 帰り道がわからないこと。
 どちらに向かえばいいかわかりません。
 迷子です。
 そう思ったら、くまきゅうが普通に歩き出します。
 帰り道がわかるのでしょうか。

「お家の場所わかるの?」

 尋ねてみると、頷きます。
 わたしよりも賢いくまさんです。

 しばらくするとくまさんのお家が見えてきました。
 迷子にならずに良かったです。
 くまきゅうに感謝です。

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