酒が欲しい
ワイバーンの肉で宴会をした時に思った。
酒が欲しい。
酒。
酒の原料は?
米から日本酒。
ブドウからワイン。
ある。
大丈夫。
日本酒の作り方は……TVや漫画で知っている。
しかし、麹菌の存在がネック。
【万能農具】で麹菌をどうにかできるだろうか?
研究の必要がある。
なので、お手軽にワインを考える。
ワインは簡単。
ブドウを潰して醗酵させるだけ。
……
ワインに適したブドウじゃないと駄目だよな。
現在、収穫できているブドウは甘くて美味しいスーパーで売っているブドウだ。
これでもできるかもしれないが……
ワイン用の品種があったはず。
ワイン用のブドウと念じながら畑を作ればできるだろうか。
……
とりあえず、すぐに酒が手に入らないのはわかった。
諦めよう。
そして、俺はそのまま酒用のブドウ畑を作った。
ははは。
勢いは大事だ。
新畑エリアの東側を拡張し、畑の面積は単純に倍になった。
畑八面×八面の六十四面。
そのウチ、三十二面が酒用のブドウ畑だ。
冷静になったつもりだったが、やはりワイバーンに襲われたことでイラついていたのかもしれない。
反省。
それにしても、ブドウなら果実エリアだよな。
なんで新畑エリアに作ってしまったのだろう。
普段の仕事に戻る。
まずは前々から考えていた追加の調味料系を、家の近くの初期の畑の空いている場所に作ってみる。
数はそれほど要らないと思うので、数本ずつだ。
ただ、オリーブだけは多めに欲しかったので果実エリアに作る。
果実エリアも手狭になりつつあるので、北側に拡張。
果実エリアが畑四面×八面になった。
果実エリアと言えば、前にザブトンの子供たちが面倒を見ていた蜂だが……
順調に育っており、しかもすでに巣分けが行われていた。
四箇所に新しい巣が作られ、ザブトンの子供達の要請によって風避けや雨避けの屋根を作ってやった。
そして、最初の巣からそれなりのハチミツを確保できた。
量としては三百五十ミリリットルの缶ジュース一本分ぐらい。
石を削って作った壷に入れてもらったが、見た目を考えるとガラス瓶が欲しい。
できるだろうか。
……欲張らない。
やれることからコツコツと。
貰ったハチミツを皆で味わうとあっと言う間に半分以下になった。
好評で何より。
料理で使う分は、次回以降に期待しよう。
ハイエルフのララーシャが優れた技能を持っていた。
なんと、水を入れる樽が作れるらしい。
俺は彼女の指示に従って、樽のパーツを作る。
主に木の伐採と加工。
ララーシャは俺の作ったパーツを微調整しながら組み、樽を作っていく。
ララーシャにとっても二百年振りの樽作りだったらしいが、最初の一樽から水漏れ無しの成功だった。
水を入れる樽は、色々と役に立つ事が予想されるので大量に作ってもらう。
最優先は、酒用だ。
調子に乗って作った酒用のブドウを醗酵させるためにも、樽が必要だ。
頑張ってもらった。
その間、彼女のリクエストの料理を作ったら、他の者も参加し始めた。
さすがにいきなり成功はしなかったが、数回の失敗の後は上手に作り始めた。
俺より器用だな。
速度的にはララーシャに敵う者は居なかったが、樽作りが捗った。
多くて困ることは無い。
作れる時に作ってしまおう。
ちなみに、リクエストで多かった料理は鍋。
昆布や鰹節が無いのでダシが作れず、肉を煮て作ったスープに野菜をたくさんと肉を少量放り込んだ鍋だ。
俺にすれば色々と足りない鍋だが、受けが良い。
昆布や鰹節はともかく、調味料を増やし、もっと美味くしたい。
ああ、柚子も育てないと……
前の世界は恵まれていたなぁ。
現在、シイタケを使ってダシっぽいものができないか研究中。
一文字 50×50メートルぐらいの大きさ。
□□□□□□□□□□□□果実果実
□□□□□□□□□□□□果実果実
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□□□□□□□□□□□□果実果実
□□□□□□□□□□□□果実果実
□□□□□□□□□□□□果実果実
□□□□□□□□□□□□果実果実
□□□□□□□□□□□□果実果実
□□□□□□□□□□□□畑畑畑畑○○○○
━上水路━━━━━池池□畑◇◇畑○犬○○
━下水路━━━━━池池□畑◇◇畑○○○○
□□□□□□□□□□□□畑家家畑○○○○
□□□□▼風呂▼▼▼▼▼△△△△△△△△
□□□□▼▼▼▼▼南西▼△新畑△△△△△
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←五キロぐらい向こうに川。