表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/974

再確認

 足りない物が多過ぎる。


 わかっていたけど、改めて自覚した。


 現状、切実に欲しいのが調味料、塩だ。


 作物はそのまま食べても美味しいが、塩味が欲しい。


 それに、料理や保存のことを考えると塩は必要だろう。


 しかし、周囲に海は無い。


 寝床周辺を耕したため、遠方を見ることができるようになったが、四方にあるのは山だ。


 どうも、今居る場所は盆地のような場所のようだ。


 なので、海は絶望的だろう。


 となると、残る望みは岩塩。


 だが、そう簡単に岩塩が見つかるだろうか?


 ……


 探してみないと、どうしようもないな。


 その前に、収穫を終えた畑を耕し直し、次の作物を育てることにする。


【万能農具】で畝を作れば、希望した作物ができると信じ、今回は何を育てるかしっかり考える。


 作物は備蓄できるぐらいにあるので、今回はそれほど成果を求めない。


 それよりも、何ができて、何ができないかを理解する実験を行いたい。


 なので、畑の一部を果実系にしてみる。


 果実系なら保存しやすいし、収穫も慌てなくて良いだろう。


 とりあえず、リンゴ、ナシ、ミカン、オレンジ、カキ、モモ。


 果実なら畝ではなく、苗木を植えたと仮定して作ってみた。


 一本ずつのつもりだったが、一本だけで実をつけるのか少し不安になったので四本ずつにした。


 これで畑を二面分使った。


 上手く果実が育つなら、もっと多く育てたい。


 次に、クロたちの評判が良かったトマトを二面。


 そして、一面を稲にしてみた。


 稲は苗を育て、その後に水田で育てるらしいが……詳しいことは知らない。


 色々と実験してみないといけない。


 また、【万能農具】で水田が作れるかどうかも心配だ。


 現状、井戸から水を確保するとした場合、俺の体力が死ぬ。


 しかし、米は食べたい。


 なので稲の苗は一面だけ。


 水田はゆっくりと実験していこう。


 後、油が欲しいのでアブラナ。


 上手くいったら、絞る方法も考えないと……


【万能農具】で絞るような道具に変形させる?

 そんな道具があっただろうか?


 まあ、後でいいか。


 絞る発想から、サトウキビで一面。


 塩はともかく、これが上手くいけば砂糖ができる。


 その他に大豆、小麦もやってみる。


 まだ畑は空いているが、そこで水田の実験をしていこうと思う。


 なんだかんだで二日ほど掛かってしまった。



 気分一新。


 俺は新しい物を求めて森に向かう。


 森に向かう時も変わらず、クロたちの誰かがお供をしてくれる。


 場合によっては複数。


 気持ちは嬉しいが、畑の方の見張りもやってほしいのだが……


 十日ほど、色々な方角に進んでみたが特に何もなかった。


 どこを進んでも変わらず森。


 遭遇したのはいつもの牙の生えた兎、大きなネズミ、大きな猪。


 遭遇率は、30対8対1。


 この森には牙の生えた兎が多いようだ。


 背の高いイタチのような動物を見かけたが、こちらを見て逃げてしまったので詳しくはわからない。


 考えてみればクロたち以外は攻撃的だったので、近付かない動物は新鮮だった。



 しかし、新しい物が見つからないのは残念だ。


 日暮れまでに寝床に戻ってこれる程度にしか進まなかったのが駄目だったのだろうか?


 マッピングしたように、耕した部分が平らになっているので重複して探さなくて済むのはいいが……

 このままやると寝床周辺から森が無くなり、木材確保が厳しくなる。


 どこかで木材確保を重視した日を作るべきだろうか。


 茹でただけのほうれん草とダイコン、ニンジンを食べながら、考える。


 塩、もしくはそれに代わる調味料が欲しい。


 あと十日ほど探して、駄目だったら木材確保に励もう。


 ちなみに、探索していた十日で稲や小麦は芽を出し、果実系は小さな木になっていた。


 果実系も問題無く収穫できればいいな。



 耕しながらの探索中。


 少し考える。


 耕さなければ、木材確保を考えなくてもいいのかな?


 つまり、【万能農具】をクワ以外の形にしてみる。


 クワ以外で動きやすい形の道具……一輪の手押し車?


 できるかな?


 できた。


 おお、これなら手押し車が進めるスペースがあれば、なんとかなる。


 耕すのではなく押すだけなので移動速度も速くなる。


 が、気付く。


 俺が森で迷わないのは耕しながらの移動だからだ。


 耕さないと、道に迷ってしまう。


 ……


 手押し車は諦めるか。


 と考えていたら、今日のお供のクロヨンが手押し車の中に飛び込んできた。


 重くない。


 さすが【万能農具】だ。


 クロヨンは尻尾を振っているが、これは新しい玩具じゃないぞ。


 ……


 そうか、クロたちが居れば道に迷わない。


 なにせ、クロたちは単独で森に入って兎とかを狩って、戻って来るのだ。


 おおっ。


 凄く良いアイディアだ。


 そうしてみよう。



 ちなみに、手押し車が可能なら自転車、マウンテンバイクに形を変えることは可能かとチャレンジしたが駄目だった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
忘れられしトウモロコシ油・・・
[良い点] こんばんわ、暇な人です。 ただ今2周目です。 [気になる点] 作中に於いて紹介されてはいなかったのですが、「フリスビー」「石鍋」「鍋のフタ」等、傍目にはマルっちぃ道具を削り出す加工の際に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ