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その鎌で何刈る気 作者:織田 涼一
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030:実践戦闘グループ

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「部長、見学希望者です。本日からの入学なのでお手柔らかに」ティーナに続き頭を下げる。
「魔法科のリュージです、興味が出たら入部届けをだします」と言うと「冒険者を目指すなら色々な状況に対応できないとな。少し訓練していくか?」と早速戦闘に誘われる。
「いやいやいや、今日は見学だけで」と言うとこのグループの説明をしてくれた。

 実践戦闘グループはこの学園の最大グループで各科からも満遍なく参加している。
この学園は文武両道をモットーとしており、このグループは幅広く門戸を開いていた。
同じくらいの実力を持った人同士で戦うグループや強い人に対してパーティーを組んで戦うグループ。
異種分野の戦いをするグループに指導者を目指すまたは指導を受ける事に特化するグループなどあった。
その他にも基礎練をしたり体力作りをしたりと活気があるグループだった。
戦闘場所は【冒険者講習その1】で模擬戦をしたエリアが4面くらいあり、部長・副部長・顧問ほか数名が審判や旗を持って何時でも割り込めるように待機していた。

「決して戦闘しか考えていないグループではないぞ、いかにパーティーの効率を上げるか危険を減らせるか緊急時の行動が出来るかを考えるグループでもあるんだ」いつの間にか人数が少しずつ増えていたようだった。
「魔法使いが見学に来てるんだって」とか「うちのパーティーに入ると女子にもてもてだぞ」とか少し気になる台詞も聞こえてくる、「騙されるなよー」って声も聞こえてきたけどね。
このグループには顧問の先生が3人いるようで、その一人が【冒険者講習その1】の旗を持っていた人だった。
「Eランクのリュージだな、学園へようこそ。この間の模擬戦では初めてにしては良い動きだったな」と言うと周りの目が光る。不穏な空気を感じたので今まで影に徹していたヴァイスに視線を送り、ティーナにそろそろ次の所に行こうかと言おうとした所「しかも魔法科の特待生なんて周りもほっとかないだろうな」と顧問が続けるもんだから囲んでいた輪が増え若干圧迫感が増す距離になった。

「あ、そうだ。サリアル教授の所に行かないと」と白々しい独り言を呟くと「まだグループに顔を出す時間には早いぜ」と一人の男性が前にでてくる。
「魔法科のフレアだ、火の属性魔法を得意としている」と言うと握手を求めてくる。
手を差し出そうとすると「いよ、破壊王」と何処からか声が聞こえてくるのでビクッと反応してしまう。
「ただの握手だ、気にするな」と言うが周りが緊張感を出して見つめてくる。
「・・・ここの流儀をしらないやつに何を求めてるんだ」とヴァイスがその手をはじいた。

「ああ、やっちゃった」と項垂れるティーナ。
「こんな不意打ちみたいな事をしてるから冒険科は・・・」とヴァイスが言うと「それ以上はこのグループへの挑発行動と見做すが」と部長が割り込んでくる。
「教授~、見学してないで止めてくださいよ」とティーナが懇願するが「楽しそうだからいいんじゃないか」とわれ関せずな顧問。「ちょっと教育してやるよ」と部長がヴァイスを連れて別のコートに消えていった。

 フレアが「特待生さま、是非ご教授願えますか」と杖を取り出す。
どうやら戦わずにこの場を辞することはできないようだった。
顧問の教授が旗を持ち副部長が審判を務める。観客は真っ二つに割れていて、こちらを見学しているのはパーティー勧誘目的が多かったようだ。
「このエリアは武器の使用がOKで通常は木剣などの木製武器を使えるの、あそこから必要な武器を選んでね。また、魔法を使ってもいいけど殺傷能力が高いものは使用禁止、割り込まれた側は自動的に負けとなるわ」とティーナがルールの説明をしてくれる。魔道具もありらしいので耐火手袋を出して木の短剣を取りベルトに挿す、さっき買った杖を取りだして軽く振ると準備が出来たことを審判に告げた。

「では、持てる実力を発揮するように。正々堂々と戦う必要はないぞ」と変わった模擬戦の説明をする副部長。
開始線が若干後ろ寄りなのは、魔法使いが主に戦うエリアだったかららしい。
「はじめ」の掛け声に相手の出方を伺う。

 フレアは魔力を練っているようだ。
動かない相手なのでさっき教わった理論で魔法を試してみる。
「えーっと・・・出来るかな?ブロック」大きな身振りで何かを詠唱しているフレアの足元にレンガ状くらいの土の塊を発生させる。

《New:スペル ブロックを覚えました》

 あ、躓いた・・・そして少し下がってまた魔力を練っている。
「ブロック・ブロック・ブロック」足元に何個か土の塊を発生させる。
集中を乱されてイライラしているようだった。
そして最小限の動きをしてフレアがファイアボールを完成させていた。
「彼の敵を滅ぼせ、ファイアボール」杖をこっちに向けたが当たる気配もなく後ろのほうに着弾していた。

 審判を見ると「増長しているようだからやっちゃっていいよ」とフレアを挑発する言葉を出してくる。
「審判が贔屓する気か」とフレアが叫ぶとまたファイアボールを撃とうと準備をしていた。
「ブロック・ブロック・ブロック・・・・なんかめんどくさいな。出来るかわからないけどウォール」と適当な詠唱をすると突如フレアの目の前に土壁が現れる。

《New:スペル ストーンウォールを覚えました》
《New:土属性魔法のレベルが上がりました》

 魔法が完成しても射線が通らないと魔法を放つことができない。
壁が完成するとすぐに木の短剣に武器を切り替え全力で壁まで走る。
フレアは地面がブロックで凸凹している足場で集中をきらさないように慎重に歩いている。
歩いている方向は足音でわかったので体勢を低くし端まで来るのをじっと待つ。
丁度壁の向こうにフレアがいる場所で突如「トン」と叩くと崩れだす壁、そして呆然としているフレアが辛うじて留めている今にも霧散しそうなファイアボールに対して片手を突っ込み払いのける。
そして木の短剣を首に突きつけると「それまで」という声が聞こえた。

「お前は魔法使いの誇りがないのか」と叫ぶフレアに「まだ魔法科で勉強することがあるんじゃないか」と副部長が諭す。魔法科に生徒が入ると『とりあえず勧誘』と皆が集まるので実力がないものでも増長してしまうらしい。
「フレアは火の属性持ちだし期待したい気持ちは分かるんだけどな」と副部長は悲しそうな表情をしていた。
ティーナはお疲れ様と言うと少ししてヴァイスが部長と歩いてくる。
後で聞いた話だけどヴァスと部長は大の仲良しで、たまーにサプライズとしてこういう悪戯をするらしい。
ただ、模擬戦闘はきちんとするらしく勉強になるので観客も多いようだった。

「土属性の魔法かぁ」とか「阻害系の魔法は使い所難しいぞ」とかがっかりした声が聞こえてくる。
とりあえず一段落したことだし移動するなら今だよな?と思ったところ「なあ、今の特待生って詠唱してたか?」と声が聞こえてくる。「詠唱どころか予備動作もしているようには見えなかったが」という声もあがり段々こちらへの注目が増してくる。「もう1戦すればわかるんじゃね?」の発言にじりじり後退りすると「覚悟を決めろや」と顧問が後押ししてきた。
ざわざわした空気が止まらない、初日にしてかなりのピンチだった。
すると遠くの方から「良い覚悟だ」と聞こえてきた。

 囲んでいた輪から人が通れるスペースが開けられ男性と女性が歩いてくる。
「サリアル教授とマイクロさん・・・」久しぶりの人物に驚いていると「ちょっと待ってな」とこちらに合図を送るマイクロ。「覚悟を決めろやって事は勿論自分に向かっての事でもあるよな」と顧問ににこやかな笑みを向けていた。
「いや・・・あの・・・その」としどろもどろになっている顧問に「魔法科同士の戦闘訓練は専門の教授の指導が必要な事は勿論知っていますよね」と追求するサリアル教授。
「まあ、いいさ。武器を取りに行こうぜ」とマイクロが顧問に言うと「無理です、無理無理無理」と連呼していた。

 軽く顧問を締めた後、マイクロはサリアル教授に耳打ちをしていた。
「なあ、こんだけ注目されたらもう1戦くらいやらなきゃ明日から付き纏われるぞ」と脅してくるマイクロ。
「しばらく修行してからならいいんですが」と言うと「じゃあ俺がやる」「俺がやる」「俺がやる」と手が次々と挙がる。
「俺なら危険もないだろう」とマイクロが手を挙げると周りは少しずつ手を降ろし始めた。
「鉄壁対土壁かぁ、勝負にはならないだろうが頑張れ」と何時の間にか土壁扱いされた。

 マイクロさんの装備は棍棒に木盾で私服姿だった、こちらはさっき戦った時と同じでローブに杖と腰に木の短剣を挿している。念の為本当にやるのかサリエル教授を見ると大きく頷いてきた。
「例の本気は危険だからやるなよー、後は何でもいいぞ」とマイクロが言うと開始線に立つ。
審判は部長が務め顧問が旗を持つ、さりげなく杖を取り出したサリアル教授が少し怖い。
「この訓練も評価点が入るから頑張れよ」とマイクロが言うと「はじめ」の声が聞こえた。
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