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その鎌で何刈る気 作者:織田 涼一
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019:旅立ち

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4900PVを超えました。
 その日は一言で言えば秋晴れだった。
翌日に村の収穫を控えていて一足先に芋掘りと試食会を開こうと提案した所、孤児院の子供達の他にシスターとマザーまで参加すると言い出した。

 あの後「リュージ君、その辺で勘弁してあげてくれないかな」というマイクロさんの言葉で武器を収める事が出来た。穴に埋まった状態の代官以下数名をトンネルという魔法で前方に穴を開け、偶然?通りかかった短剣使いの兵士とマイクロさんで引き上げ作業をする。そして、更に通りかかった兵士と衛兵により救出&捕縛。
その後、馬に乗った騎士っぽい団体が荷馬車に積み込み作業をしてどこかに消えていった。
トンネルは出来るかなと思って唱えたら覚えてしまった魔法である。

「随分手際がいいですね」と言うと「年季かな?」というマイクロさん。
「じゃあ、後の処理は村長頼むわ」とマイクロさんが言うと「明日、金貨6枚用意するが契約書はいるかの」という村長。「もう、契約書は勘弁してください」と言うと自然と笑いが起こった。

 翌日は3番の畑を耕し直し村長からお金を貰う。
そして正式に村の収穫を手伝ったらここを出ることを告げる。
「でも、その前に明日芋掘りをするので時間がとれたら来て下さいね」と告げる。

 朝食が終わるとみんなで色々な道具を持って軍手っぽい手袋をして開墾跡地に着いた。
「見事な光景ですね」というマザーを筆頭にみんなに芋掘りについて説明する。
「難しくない作業なのでやってみようか」と言うと小さい子は2人1組で協力して作業をしていく。
「うんとこしょ、どっこいしょ。これってどんな意味―?」と聞く子には力が出る合言葉だよと告げる。

 順調に作業が進んでいるようなので、もう1面の畑で作業してくると伝え少しみんなから離れた。
「モグラさん、モグラさん。いますかー?」と言うと何時ものごとく「呼んだ?」と看板を出してくる。
黄色いヘルメットには第三セクターと書いてあった、とても謎なワードである。
「今日これから芋掘りをして試食をするんだけど精霊さん達来てくれるかな?」と言うと「準備OK」と看板をひっくり返す。

 モグラさんが穴に潜り数分後、地面から出た光がふわふわ浮かぶ。
魔力を掌に込めて大きめなエナジーボールを準備すると何方向からか色々飛び込んできた。
「我は炎の精霊、悪は必ず滅ぼす」
「僕は緑の精霊、環境破壊は許さない」
「私は水の精霊、水割りは氷にこだわる」
「ワシは土の精霊、ひなたぼっこ大好き」
「あっしは風の精霊、行き先は風に聞いてくれ」
「「「「「5人揃って精霊戦隊・・・」」」」」打ち合わせが出来ていなかったようでグダグダだった。
もぐらさんはサングラス越しに冷めた目で見ていた。

 サツマイモを焼き芋にして精霊さまに奉納しますと言うとみんな喜んだ。
届けられるならこの世界の女神様にもと言ったがみんなはワイワイしていて聞いていなかったようだ。

 時間が経つにつれて見学者が増えてくる。
また、興味深げに俺も手伝うかという農家の方や兵士達。
村長まで楽しそうに芋掘りしていた。

 調理はどうしようかと呟くと「任すのじゃ」と土の精霊が自分の胸を叩きゴホゴホ言っていた。
「まずは、ここにするのじゃ」とトンネルで直径数メートルの底の浅い穴を作る土の精霊。
「僕もやるよー」と言い、藁召喚という謎魔法を唱える緑の精霊。
「この上に石を撒くのじゃ」と土の精霊が言うので玉砂利を薄く敷いた。

 収穫した芋は着々と背負うタイプのカゴに積まれていく。
みんなが収穫した芋を回収し、空のカゴを置いてくる。
そして、調理の準備してきますねと言うとみんなのやる気が更にあがったようだった。

「カゴごといくわよ」と言うと魔法で芋を洗う水の精霊さん、結構シュールな光景だった。
そしてミストヴェールと唱えると芋にうっすら保水魔法がかかる。
風の精霊がどんどん石の上に芋を並べて行き、「石で覆うのじゃ」の言葉に玉砂利をかぶせる。
「ああ、これ石焼き芋だ」と今更ながらに気がついた。

「我の業火が全てを灰燼に化す」と極大ファイヤーボールを撃とうとしている火の精霊に他の精霊が総ツッコミを入れていた。結局ヒートウェーブという加熱魔法をかけていたようだ。
遠赤外線と蒸し焼きによるホクホク化は順調に進んでいるようだった。
魔法をいっぱい撃っているうちに精霊達はハイになっていたようだ。
火の精霊はこれを与えようと言い、ある石に魔力付与をして【連鎖炎石】を作り、今している手袋に【耐火】の効果を付与してくれた。
また、精霊全員でウエストポーチにエンチャントを施し、更なる拡張と時間停止の効果がついた。
「他に願いはないか?今ならサービスをするのじゃ」と言ってくれたので代官から貰った小さなお金が入っていた皮袋にもちょっとした容量拡張と時間停止の付与をしてもらった。

 焼き芋の待ち時間のうちに精霊さんにお別れの挨拶をする。
火の精霊と風の精霊は乗り遅れたので力を示した時に力を貸そうと言ってくれた。

 そろそろかなと思い少し石をどけて現れた芋に「竹串召喚」というまたしても謎魔法を唱えた緑の精霊が焼き芋に串を刺した。
すっと入った竹串に「出来たよね」と満面な笑みを投げかける緑の精霊。
モグラさんと精霊5人分+αの芋をザルの上に取り出しみんなの前に置く。

「お世話になりました、熱いので気をつけて食べてくださいね」というとわいわい食べ始めた。
「ホクホクじゃー」とがっつくおじいちゃんが軽く咽る。
「もー、おじいちゃんがっつくから」と水の精霊がキョロキョロ見回す。
水筒に魔法を唱えると火の精霊も呼んで続けて魔法を唱える。
水筒を傾けるとお湯が出たようだった。

「おしいのぉ、じゃがこれはうまい飲み物が必要なのじゃ」というと緑の精霊が任せてと言う。
「おーちゃーのーきー、成長しろー」と言うと突如お茶の木が出た。
みんなで茶葉を摘み、土の精霊がザルの上で揉むと一瞬で高級茶葉になった。
更に土を捏ねる土の精霊・・・急須とよく試供用で出される湯のみが出来ていた。
「火の精霊よ頼むぞ」と言うおじいちゃんに「我の業火が・・・」また突っ込まれていた。

 フリーダムな精霊は軽くスルーし芋を次々と取り出した。
精霊達は縁側でお茶を飲む感じで寛いでいた。

「みんな、第一陣焼けたよー」というと小休止である。
子供達が駆けてきたので落ち着くように言い「熱いから気をつけて食べるんだよ」と言う。
「うわぁ、あまーい」とか「ホックホクだぁ」と賑やかになる。
どうやら精霊達の姿はみんなには見えないようだった。

 大人達も作業に区切りがついた人から試食に入る。
急須に予備の湯のみ・・・・ってか、おじいちゃん。
湯のみどれだけ作ったんだと思うくらいあった。とりあえずお茶を入れみんなをもてなした。

 こっそりウエストポーチからディーワンを取り出し鍬で石を少しどける。
第二陣も焼こうと準備をすると水の精霊が保水魔法を唱えてくれた。
芋を並べて石をかけると火の精霊が「連鎖炎石を投げてみよ」と言うのでポイって中心に投げてみる。
着地した石から過熱の魔力がぶつかった石に移る、そして次々に隣接する石に連鎖すると全体に魔力が移って行った。

 同じだけ時間を待つと見学に来た農家のみんなへお裾分けする。
食べ足りない人へもどんどん配っていく。
村長に話した流れで結構な人数が見学と試食に来ていたようだった。
ゲイツさんや大将と女将さんも食べにきた。
雑貨屋のおばあちゃんのところは後で届けるらしい。

 焼き芋タイムも終わりお土産に好きなだけ持っていって貰った後「皆さん、お世話になりました」と頭を下げる。
「この村で皆さんに会えて良かったです」と言うと「元気でなー」とか「楽しかったぜ」とか声が聞こえ何時の間にかパチパチと拍手が沸きあがった。
精霊達も拍手をし、風の精霊と緑の精霊は指笛や草笛でフィーイっという音を出し盛り上げた。

 片付けの時、孤児院用にも多くの芋を確保した。
また緑の精霊にも藁を大量に貰い、連鎖炎石と玉砂利の半分はウエストポーチに回収する。
残った芋も大量にあったのでこれも同様に仕舞った。

 翌日は村の収穫日だった。
30cmモードのディーワンを鎌モードにして昼頃まで収穫の手伝いをした。
手伝いで刈り取りをしている姿を村長が一瞬「あ・・・」というような表情を見せたけど気にしないことにした。

 お昼が終わりマザーに挨拶する。
「この袋にサツマイモの苗がたくさん入っています」と言い代官から受け取った皮袋を渡す。
この話は村長にもしていて、この芋が王都で流行すれば交易も増え村も豊かになるかもしれないですねと言い、春になったら植えてみてくださいと伝える。
「ラース芋って名付ければここも注目されるでしょう」と言うと両手を包み込んでありがとうと涙した。

「みんなには挨拶出来ているので旅立とうと思います」と言うと「あなたの人生が実りあることを祈っています」と祈りのポーズをした。
この後、街道をゆっくり歩いているとマイクロさんが馬に乗って追いかけてきた。
「次の町まで乗せていくぜ、王都行きの馬車も用意しているから乗るといい」ラース村は最後まで甘々だった。

章管理をするならここまでが第一章になります。
初投稿作品でしたがいかがだったでしょうか?。
皆様の感想が気になります。
是非、何かコメントをください。
宜しくお願いいたします。
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