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第二百五話 ハヤシライス

 さて、ミノタウロスの肉で何を作るか……。

 あ、あれにしよう。

 ハヤシライス。

 この間カレーを作ったときに、ハヤシライスのルーがあるの見て食いたいなって思ってたんだよね。

 そうなると、肉が余るか。

 なら、ボロネーゼでも作るかな。

 ミートソース缶でもいいんだけど、自分で作るとまた違った美味さがあるしね。

 それにこれならパスタは当然だけど、パンにも合うし。

 ホットドッグ用のバンズに挟んでとろけるチーズを載せて明日の朝食にしてもいいかも。

 残ったら残ったでこれならいろいろ料理にも使えるし。

 よし、そうと決まったらまずはネットスーパーで材料を購入しないと。

 ハヤシライスの具はシンプルに玉ねぎとマッシュルームで。

 その代わりルーはちょっといいのを選んでみた。

 他のよりちょっとだけ高いS社のフォン・ド・ボーの深いコクが売りのシリーズのハヤシライスのルーだ。

 ボロネーゼの方は、ウスターソースとケチャップはあるから、玉ねぎとニンジンとセロリとニンニク、それからホールトマト缶に赤ワインと固形スープの素にローリエだね。

 まずは今夜の夕食のメインのハヤシライスからだ。

 ミノタウロスの肉を薄切りにして、玉ねぎとマッシュルームも薄切りにする。

 鍋に油をひいて熱したら、そこに玉ねぎを入れて透き通るまで炒めていく。

 次に肉を入れて軽く塩胡椒をして炒める。

 肉の色が変わってきたところで、マッシュルームを入れて軽く炒める。

 そこに水を加えて、アクをとりつつ20分程度煮込んだらいったん火を止める。

 火を止めた鍋にハヤシライスのルーを割り入れて溶かしていく。

 再度火を点けて、とろみが出るまで煮込んだら出来上がりだ。

 うん、いい香り。

 ちょっと味見をしてみる。

 おー、コクがあって濃厚で美味い。

 隠し味を入れなくてもこのままで十分美味い。

 これは飯が進みそうだね。

 出来上がったハヤシライスは冷めないようにアイテムボックスにしまっておく。

 次はボロネーゼだな。

 まずは、ミノタウロスの肉をミンサーでひき肉にしていく。

 ひき肉が出来たら、ニンニクをみじん切りにして、玉ねぎとニンジンとセロリは粗みじん切りにする。

 鍋にオリーブオイルとみじん切りにしたニンニクを入れてから火を点けて弱火で炒めていく。

 ニンニクの香りが出てきたら、玉ねぎとニンジンとセロリを入れて炒めていく。

 野菜がしんなりしたらひき肉を入れてさらに炒めていく。

 ひき肉に火がとおって色が変わったところで、ホールトマト缶に赤ワインと固形スープの素とローリエを入れてホールトマトをつぶしながら煮ていく。

 ホールトマトをある程度つぶしたところでウスターソースとケチャップを少量入れる。

 これを入れるとコクが出るんだよね。

 軽く煮立つくらいの火加減で焦がさないように混ぜながら煮ていって、ある程度汁気が飛んだところで塩胡椒で味を調えたら出来上がりだ。

 ひき肉もたっぷり入れて粗みじん切りにして入れた野菜の旨味も感じられる具沢山ボロネーゼだ。

 うん、美味そう。

 どれどれ味見を……うん、上出来。

 これは鍋のままアイテムボックスに収納だ。

 陽もだいぶ沈んだし、そろそろ夕飯にしてもいい時間かな。

 今日の夕飯はもちろんハヤシライスだ。

 フェルとドラちゃんとスイ、ネイホフで買ったそれぞれの大皿に飯を盛って、たっぷりハヤシをかける。

 俺の分は普通の皿に盛ってと。

 さすがは貴族の別荘だった屋敷だ。

 ここにもばっちりワゴンがありますぜ。

 ワゴンに皿を載せて、フェルたちのいるリビングに向かった。

「飯だぞー」

 そう声を掛けると、みんなすぐに起き出した。

『おお、いい匂いではないか』

 フェルがクンクン匂いをかいでいる。

『ホントだな』

 ドラちゃんも鼻をヒクヒクさせている。

『いい匂い~』

 スイはどうやって匂いを嗅いでいるのか未だにさっぱりわからん。

 でも、不思議なことにスイは匂いにも味にも敏感なんだよねぇ。

 みんなの前にハヤシライスを盛った皿を出してやった。

 フェルもドラちゃんもスイも無言でバクバク食っている。

『『『おかわりっ』』』

 早いなー。

 フェル、ドラちゃん、口の回りが茶色くなってるよ……。

 みんなにおかわりを出してやると、再びバクバク食っていく。

 何も言わないけど、これだけバクバク食ってりゃ美味いってことなんだろうね。

 どれ、俺も食おう。

 米に茶色いソースをたっぷりつけてパクリ。

 はぁ、美味い。

 たまに食うとウメェな、ハヤシライス。

 S社のハヤシライスのルー使って正解だったよ。

 売りにしてるフォン・ド・ボーの深いコクっていうのは伊達(だて)じゃないね。

 どんどん飯が進むよ。

『は~美味かったぁ~』

 ドラちゃんが2杯目を食って腹いっぱいになったのか、そう言って大の字になって寝てしまう。

『『おかわり』』

 フェルとスイはまだまだ食い足りないみたいだ。

 おかわりをよそってやると、またバクバク食っていった。

 鍋が空になるころ、ようやくフェルもスイも腹いっぱいになったようだ。

『ふぅ、美味かったぞ』

『美味しかった~』

 ホント、フェルもスイもよく食うなぁ。

 けっこう多めに作ったんだけど鍋の中もスッカラカンだよ。

『あるじー、スイ、ケーキ食べたいなー』

 あんなに食ったのにスイがケーキの催促をしてくる。

『うむ、食後のデザートは基本だな』

 フェル、なにが基本なんだよ。

『プリンッ、プリンッ』

 ドラちゃんも大の字で寝てたのに、ガバっと起き上がってプリンプリン言ってるし。

「じゃ、今日の分2個ね」

 1日2個の約束で、今日は朝からみんなケーキ類は食ってないからね。

 いつものようにネットスーパーの不三家のメニューを開く。

 フェルにはいつものようにイチゴショート、ドラちゃんにはプリン、スイにはモンブランと夏限定のマンゴーのレアチーズケーキを選んだ。

 みんなに出すとすぐに食い始めた。

 何だかんだ言ってみんな甘いもん大好きだよねー。

 デザートに舌鼓をうつみんなを見ながら、俺は食後のコーヒーを楽しんだ。

 いよいよ明日はクラーケンの討伐か。

 どうなることやら。






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