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とんでもスキルで異世界放浪メシ 作者:江口 連
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第二百六話 水陸両用

 夕べは、俺とスイとドラちゃんで風呂に入ったよ。
 それから2階に上がってフェルはどこだろと探したら、前と同じく主寝室で寝そべっていた。
 しょうがないからフェルの布団を出してやり、俺は違う部屋で寝ようと思ったらスイがさ……。
『あるじ、一緒に寝ようね~』
 そう言うんだもん、断れなかった。
 結局、ネイホフの屋敷の時と同じくみんなそろって主寝室で寝ることになったよ。
 9LDKの豪邸借りといて、何でみんな一緒の部屋で寝てんの?とは思ったものの、主寝室は広いしベッドはデカいし、それに旅の間と大して変わらないからまぁいいかってことになった。
 そして早朝、みんなで起きて朝飯を食ったら早速クラーケンの討伐に行く予定だ。
 フェルもドラちゃんもスイも朝は強くて、明るくなるとパッと起きるんだよね。
 朝飯食いっぱぐれないようにっていうのも多分にあるとは思うんだけど。
 さてと、朝食は昨日作ったボロネーゼを使いたいと思う。
 パンにしようって考えてたんだけど、なんかボロネーゼの匂いを嗅いだら無性にパスタが食いたくなった。
 どうしよっかな……。
 うん、パスタにしよう。
 朝には少し重い気もしないではないけど、パスタって意外と消化にいいみたいだしすぐにエネルギーに変わるとも聞くしね。
 フェルたちでも食いやすいように、ここはショートパスタをチョイス。
 ペンネにしてみた。
 ネットスーパーでペンネを買ってゆでてボロネーゼソースを絡めて朝食にした。
 ペンネにボロネーゼソースがよく絡んで美味かったぞ。
 フェルとドラちゃんとスイにも好評だった。
 朝食を食い終わったところで、俺たちはクラーケンの討伐へと繰り出した。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 港に着てみたはいいけど……。
 クラーケンを仕留めた経験があるフェルがいるし、フェルも自信満々だったから何か方法があるんだとばっかり思ってたんだけど。
 クラーケンがいるのって沖合いなんだよね。
 どうすんだろ?
 そういえば詳しくは聞いてなかったんだけど、フェルはどうやってクラーケンを仕留めたんだ?
「なぁ、フェルは前にクラーケンを仕留めたときってどうやったんだ?」
『ぬ? 崖の上から海にいるクラーケンに雷魔法で電撃を食らわせてやったのだ』
 …………崖の上、から?
「な、なぁ、崖の上からって、そこからクラーケンが見えてたってことだよな?」
『うむ。岸から近かったからな』
 …………。
 こぉのバカチンがーっ。
 昨日、マルクスさんの話をフェルも一緒に聞いてただろうが。
 話では沖合いに出るんだぞっ。
「おいおいどうすんだよ? 今回クラーケンが出没してるのは沖合いなんだぞっ」
『ぬ、そういえばそうだったな。それで、どうするのだ?』
 どうするのだ?ってねぇ。
 そこで俺に丸投げすんなよ。
「フェルが自信満々だから何か方法があるんだと思って何も考えてねぇよ」
『グッ……み、見えさえすればクラーケンなどすぐに仕留めてみせるぞ』
「見えさえすればってことだろー? 昨日、フェルも話聞いてたよな? 沖合いのクラーケンがこっから見えますかねぇ?」
『ぐぬぬぬぬ』
 ぐぬぬじゃないよ、ぐぬぬじゃ。
「はぁ~……。クラーケンの討伐の依頼は受けちまったんだし、何にしろやらなきゃならないのは変わりない。沖合いに行くにはとにかく船だな船」
 そう思って、港にいた船持ちの漁師に船を出してもらえないか話をしてみた。
「ダメだダメだ! クラーケンが出る海域になんかいけるわけねぇだろっ!」
 すごい剣幕で断られてしまった。
 話を聞くと、クラーケンはあの吸盤がついた足で船を締め上げて船を壊すことで有名で、漁師の間では特に注意すべき魔物なんだそう。
 特に船持ちの漁師は、クラーケンが出た海域には絶対に近付かないそうだ。
 船持ちの漁師にとっては、船は命と同じくらいに大切なものだ。
 それをみすみす壊すような真似はしないということだった。
 他の港にいた漁師にも当たってみたけど、返事は同じだった。
「クラーケンを討伐してくれるっつう話は俺らにとってもありがたい話ではあるんだけどなぁ」
 そうは言ってくれるもののやはり断られてばかり。
 クラーケンが出没する海域では漁ができないため、ここの漁師たちも離れた場所で漁を続けてはいるものの漁獲量が減っているそうだ。
 何でもクラーケンが居座ってる海域が、この辺では1番魚が獲れる場所だったらしい。
 それだけ魚がいる場所だからこそ、クラーケンも居座ってるのかもしれないけどね。
 うーん、これは困ったぞ。
 船がなけりゃ沖合いに出れない。
『あるじー見て見て、しょっぱいお水の中きもちーよー』
 見ると、いつの間にかスイが海にプカプカ浮いていた。
『あっ、何かいるー』
 そう言うと、ここからも見える魚影に向かってスイがススーッと滑るように水面を泳いで移動する。
 そして……。
『えいっ』
 ドスッ―――。
 スイの体から伸びた触手が魚を貫いた。
 スイがその魚を持ち上げて……。
『あるじー、これ見てー、スイが獲ったんだよー! ねぇねぇあるじー、これ食べてもいーい?』
 食べてもって、なんか黄緑っぽい色した魚なんだけど毒とかないよな?
 とりあえず鑑定してみる。

 【 グリーンフィッシュ 】
    沿岸に住む雑魚。食用可。

 うん、食用可だって。
 食っても大丈夫みたいだね。
「スイ、食べてもいいよ」
 そう言うとスイがグリーンフィッシュを体内に取り込んだ。
『うーん、あんまり美味しくなぁい』
 グリーンフィッシュはお気に召さなかったようだ。
『もっと美味しいのいないかなぁ』
 プカプカ浮きながらスイがそんなことを言った。
 プカプカ浮きながら、浮きながら…………あっ!
 スイ、浮いてるよな。
 しかも泳いでたよな。
 考えればスイは水の女神のルカ様の加護があるんだから、泳げるのは何の不思議もない。
 それに……。
「スイ、そのまま海の中で大きくなれるか?」
『んー? このしょっぱいお水の中で大きくなるの? できるよー』
 そう言ってスイが海に浮いたまま大きくなった。
「よっっしゃ! でかしたスイ!」
 これで沖合いに出れるぜ!




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