第百五十話 待ってましたの貢物
今日は149話と150話更新です。
2つとも短いですが。
さてさて女神様たちに貢物を渡しちゃいますか。
「えーみなさん聞こえますか?」
そう呼びかけると、すぐに返事が返って来た。
『おおーっ、待っておったのじゃ』
『やっと戻って来たのね~』
『おうっ、待ってたぜ』
『……早くご飯』
『おおう、待っておったぞ』
『やっとかよ、早く酒だ酒っ』
……な、なんかみんな手ぐすね引いて待ってたみたいだね。
『早速妾からなのじゃっ。お主っ、あのダンジョンの中で食べていた“あいすくりーむ”とは何なのじゃッ?! あんな美味そうな甘味を隠していたとは何事じゃッ! 妾も食べたいのじゃッ!!』
あー、ニンリル様しっかり見てたんだね。
ってこの人が逃すはずないか。
「あー、はいはい分かりました。そうすると、ニンリル様はいつものように甘味で、アイスクリームは入れてほしいと」
『そうなのじゃっ。あとはいつものようにどら焼きもだぞ』
へいへい、わっかりました。
ネットスーパーを開いて、まずはアイスクリームを購入していく。
えーと、どれどれ、これとこれでいいか。
選んだのはカップアイス6個入り(3種の味)のファミリーパックと、それからもう一つはチョコでコーティングされたアイスバー6本入りのファミリーパックだ。
あとはどら焼きと適当に菓子類をカートに入れていく。
「次どうぞ」
『次は私よ~』
この声はキシャール様だな。
『この間のクリーム高いだけあってすんごく良かったわよ! それでね、あなた高い分美容成分が豊富に入ってるって言ってたじゃない? だから高くてもいいから、今度は化粧水をお願いしたいわ』
ふはは、姉貴と一緒だな。
化粧品にハマると何故かだんだんと高い物を選ぶようになっていくんだよなぁ。
美容成分がどうとかこうとか言うんだけど、俺にはさっぱりわからん。
まぁ、高いってことはその分いいもんが入ってるんだろうけどさ。
俺はネットスーパーで、この間キシャール様に購入したクリームと同じシリーズの化粧水を選んだ。
これも1つで銀貨3枚だったよ。
まだこれくらいだったら姉貴に比べればかわいいものか。
でも、そのうち3回分溜めて高いのドンッと購入とかしそうだけど……。
ネットスーパーだからある程度の品揃えしかないですからね。
「お次は……」
『おうっ、オレだ。オレはもちろん酒だ。この間と同じようにいろんな種類で頼むぞ』
アグニ様は酒だね。
この間と同じくいろんな種類でメーカー違いを選んでいく。
今回は外国産の酒を多めに選んでみた。
「次は……」
『ご飯とお菓子。私もアイスクリーム食べたい』
ああ、ルカ様だね。
今は作り置きしてるのがないから、ネットスーパーの惣菜中心だね。
牛肉コロッケとハムカツ、それからから揚げと焼き鳥にエビチリ、マカロニグラタンだろ、それからいつもの食パン。
あとはルカ様ご所望のアイスクリームだな。
ここはニンリル様と同じものをチョイスした。
あと残ったのは菓子類を購入と。
次は酒好きコンビのあの2人か。
「次はヘファイストス様とヴァハグン様ですね」
『おうっ、俺たちだ』
この2人は協力して酒を確保するんだよな。
『この間と同じで儂の分はウイスキーじゃ。んで、戦神のはウォッカじゃウォッカ』
『おう、あのウォッカっつう酒は良い酒だ。あれは効くな、最高だぜ』
あーこの2人本当に酒好きなんだね。
ウイスキーやらウォッカやらアルコール度数の高い酒をカパカパ飲んでる姿が目に浮かぶよ。
俺は酒は嗜む程度でいつもビールとかその辺になっちゃうから、ウォッカなんてアルコール度数高い酒は飲む気にもならんけど。
前に一回、ちょこっと口にしたけど吐き出しそうになったぜ。
でも、酒好きにはたまらんもんなんだろう。
俺は2人の所望するウイスキーとウォッカをカートに入れていく。
今回も産地の違うウイスキーを3本選んだ。
それからウォッカの方はそれほど種類も多くないからとりあえず目についたスウェーデン産のものとロシア産のものを選んでみた。
よしこれでいいな。
ネットスーパーのカートの中身を精算していく。
それぞれに渡すものを分けて、段ボールの祭壇の上に載せてと。
「あ、ニンリル様にルカ様、アイスクリームは氷と同じで冷やさないと溶けちゃいますからね」
『分かったのじゃー』
『……(コクコク)』
「それじゃ皆様どうぞお受け取り下さい」
段ボール祭壇の上の品々が消えていく。
女神たちと男神たちの歓声が聞こえてくる。
その中でも特にデカい野太い声が聞こえてくる。
『ヒャッホウ! 酒じゃ酒じゃ。戦神の今日は久しぶりの宴じゃぞ』
『分かってるわ。今日はたっぷりと飲み明かそうじゃねぇか』
酒を渡したらすぐに宴会ですか、あなたたちは……。
どんだけ酒待ってたんだよ。
はぁ~、何か疲れたわ。
もう放っておいて早く寝よ。
そんじゃなくても明日はダンジョンのドロップ品の仕分けっていうこれまた面倒なことしなきゃならんのだからな。




