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第七章6  『はるか南の地』



「なぁ、行商人やってて一番ヤバかったのってどんなときだった?」


「なんですか、それ。また嫌な質問をしますねえ……」


 自室で書類とにらめっこしていたオットーが、スバルのその質問に顔をしかめる。

 元々書類相手に眉間に皺が寄っていたのだが、質問の効果で皺の深みの倍率ドン、さらに倍といった塩梅だ。


「いや、一人旅云々って話をガーフィールとしててさ。微妙にノリは違うけど、行商って言えば一人旅みたいなもんだろ?」


「そう言えなくもないですが、僕の場合はフルフーがいますからね。加護のおかげで話し相手には事欠きませんから、一人旅って印象はさほどですよ」


 そう言いながら、オットーは自分の目元を揉んで書類を机に置いた。そして、資料が山積みとなった机の前、応接用のソファで向かい合い、シャトランジ盤を広げている来訪者――スバルとガーフィールの方を見やる。

 盤上、優勢なのはスバルだが、一進一退の攻防といったところだ。


「……ガーフィール、商人を二歩前進ですよ」


「あ! オットー、てめぇ!」


「ん? おォ! そォいうことッかよォ! 命拾いしたぜ、オットー兄ィ!」


 ぱっと見で最善手を教えたオットーに、スバルとガーフィールがそれぞれ反応。一手で苦しい状況に立たされたスバルを余所に、オットーは「それにしても」と呟いて、


「ガーフィールは一人旅に興味があるんですか?」


「興味のあるッなしで言やァ、興味はあんぜ? ただ、俺様はずっと『聖域』にこもりっきりッだったからよォ。旅なんてしたッことねェんだ」


「ああ、なるほど。本当に興味の話ですね。まぁ、自活能力と自衛能力、どっちもガーフィールは水準は満たしてそうですし。ナツキさんは絶対無理ですが」


「おいおい、あんまり俺を見くびるなよ。最近、お師匠さんからいい感じに上達を褒められてんだぜ、知らねぇの?」


「褒めて伸ばす方針にしたんでしょうね。褒めるか叱るか、決めかねてたみたいなので」


 ガーフィールに甘く、スバルに厳しいオットーのコメント。

 実際、自分を厳しく戒められるガーフィールと、調子に乗りやすいスバルに対しては正しい対応と言えるだろう。

 ともあれ――、


「それで、行商やってて一番ヤバかったのは?」


「まだその話続けてたんですか?」


「大将ァ興味本位かもしんねェが、俺様ァ興味あんぜ、オットー兄ィ。オットー兄ィがやべェと思うとか、ドラゴンにでも絡まれッたかよってなァ」


「ガーフィールはガーフィールで、僕をなんだと思ってんですかねえ!?」


 それぐらいの緊急事態でなければ、オットーを窮地に追い込めない。

 そう考えるガーフィールのオットーへの信頼もやや過剰だが、危機的状況における対応能力という意味では、スバルもオットーに付ける評価は似たようなものだ。

 もしも陣営のみんなに一番ヤバいのが誰か聞いたら、きっと満場一致でオットーの名前を上げることだろう。


「まぁ、そんな状況あんまり想定できねぇけども……」


「何をブツブツ言ってるんだか。……僕が人生で危なかったことは何度かありますが、危険な集団に囚われの身になったことが一番でしょうね」


「危ねェ連中ッだァ? 野盗にッでも襲われッたかよ」


「――。まぁ、似たようなものです。フルフーや竜車も引き離され、武器も道具もない状態で簀巻きにされて、死を覚悟したもんですよ」


 遠い目をしたオットーの呟きを聞いて、スバルとガーフィールが顔を見合わせる。

 よほどの恐怖を味わったのだろう。オットーの言葉には相応以上の重みがあった。


「絶体絶命ッじゃァねェか。『孤立無援のデクー高地』ってやつだぜ」


「実際そうでしたよ。たまたまの偶然、通りがかってくれた親切な方々がいなかったら、僕の命はなかったでしょう。――なので、忘れられませんよ」


「なるほどなぁ。人に歴史あり、ってわけだ」


 腕を組み、うんうんと頷きながらスバルはオットーの苦境を思う。

 野盗に縛られ、道具も奪われ、生殺与奪の権利を相手に委ねた状態というのは、スバルも滅多にあることではないが、心当たりがないではない状態だ。


「とはいえ、助かったおかげで今のオットーがあるわけだしな。そのとき、通りがかってくれた人たちにも感謝しねぇとじゃんか」


「――。そうですねえ」


「――? なんだその生温かい返事、気持ち悪っ」


 オットーの反応が全く予想外のものだったので、スバルは顔をしかめた。そんなスバルの答えにすら、オットーは不思議な余裕を持った菩薩の姿勢だ。

 ゾクゾクと寒気を覚えるスバルの傍ら、ガーフィールが「けッどよォ」と拳を固め、


「オットー兄ィがしんどい目に遭ったってなァわかったぜ。まァ、安心してな。今後は俺様がオットー兄ィをそんなッ目に遭わせやしねェからよォ」


「そうですか? いやぁ、ガーフィールは実に頼りになりますね。それと比べて、ナツキさんときたら……」


「俺とガーフィールを武力面で並べて比較するなよ! 俺の今やってる努力も水泡に帰すような気分になんだろうが!」


 何も持たない手で、見えない鞭を振るう仕草を見せるスバル。それをガーフィールの牙に食い破られるジェスチャーをされ、無力感を味わわされる。

「ぐぬぬ……!」と唸るスバルと勝ち誇るガーフィール、そんな二人を眺めて、オットーは「は」と力なく息を抜くと、


「ガーフィール、商人を右斜めに前進。商人の底力を見せましょう」


「あ! て、てめぇ、オットー、この野郎!!」


「ん? おォ! こいつでしまいじゃァねェか! 大将、弱ェ!!」


「お前が言えた話かぁ!!」


 シャトランジ盤を挟んで、追い込まれた自軍と共に吠えるスバル。ガーフィールとオットーの連合軍の前に大敗は必至――まさに、負け犬の遠吠えなのであった。



                △▼△▼△▼△



 ――捕虜。


 その一言を聞いて、スバルの頭の中を過ったのはそんな一夜の四方山話だ。

 武器や道具も取り上げられ、自由も奪われた状態で得体の知れない相手に囚われる。確かにオットーの言う通り、『死』を覚悟して当然の状況だった。


「――――」


 周囲、スバルが囚われているのは、大河ドラマなどで目にする合戦のために作られた野営陣地のような場所だ。

 いくつもの天幕や、装備されるのを待つ具足や武器が並んでいるのが見える。行き交うのは物々しい雰囲気の男たちであり、人と亜人の混成軍のようだった。

 スバルは固い土の上に座らされ、風をよける簡易的な幕が張られた場所にいる。後ろ手に縛られ、足も拘束されていて自由を奪われた状態だ。

 ただし、スバルにとって重要なのはそれ以上に――、


「レム……俺と一緒に、女の子がいたはずだ。どうなった?」


「お、自分が捕虜って言われてすぐ気にするのが女の子? あの子らって、君にとって大事な相手ってことでいいのかな?」


 スバルの静かな問いかけに、目の前にしゃがみ込んだ男――スバルの口に靴を突っ込んだ乱暴者、それを止めてくれたらしい若者が片目をつむった。

 明るい橙色の髪をした、スバルより少し年上ぐらいの青年だ。人好きする笑みを浮かべているが、状況が状況なので緊張がほぐれたりはしない。

 鎧こそ付けていないが、具足を纏うための軽装ではあるため、彼もこの陣地の戦士の一人なのだろう。――騎士ではなく、戦士だ。


「――――」


 曲がりなりにも異世界で一年以上を過ごし、騎士と戦士を見比べる機会には幾度か恵まれた。もちろん、立場や権威といった違いはあるが、騎士と戦士にはそうした実務的なものではなく、見てわかる違いがある。

 騎士は華やかで、戦士は無骨――悪い意味ではない。求められるモノの違いだ。

 騎士は技量はもちろんのこと、人心の安堵を得られなければならない。その点、どうしたって見た目の清廉さが必要となる。ラインハルトやユリウスがいい証拠だ。

 一方で戦士に必要なのは、戦うための力のみ。


 故に、この陣地に集まった男たちは戦士、目の前の青年も例外ではない。


「……もっぺん聞くぞ。俺と一緒にいた女の子は?」


「強情だなぁ。俺は嫌いじゃないけどさ。……無事だよ、無事。二人とも元気だ。ちょっと元気すぎるくらい元気」


「――っ、本当か!?」


 苦笑いしながらの青年、その答えにスバルが食いつく。

 聞きたかった答えが聞けて前のめりになるスバルに、青年は「おっと」とこちらの額を手で押さえ、それ以上の前のめりを防いだ。


「手足を縛られてるんだ。あんまり勢い込むとひっくり返って舌噛むぞ? ああ、そんな目で睨むなって。どっちも無事だよ、嘘じゃない」


「どっちもなんて半端な答えはやめてくれ。青い髪の子が無事ならそれでいい」


「ずいぶん薄情な答えだな!?」


 掛け値なしの本音だが、そのことを青年に告げても何の意味もあるまい。

 とにかく、いったん青年の言葉を信じるとして、次なる問題はスバルたちの立場だ。先ほど彼は、スバルを捕虜にしたと言っていたが。


「俺が捕虜なのは受け入れづらいが、受け入れるとして……なんでレムたちと離れ離れにされてる?」


「会いたいならあとで会わせてやるさ。お前さんが俺たちの質問に素直に答えてくれるんならな。……あの子らは今、牢に入れてる」


「牢屋!? なんでそんな真似を!?」


 牢と聞かされ、即座に過酷な状況がスバルの脳裏を掠める。しかし、その件について詳しく聞こうとするスバルの左手、折れたままの三本の指に激痛が走った。

「ぐあ……ッ!」と目の前を火花が散り、歯を食い縛ったスバルの背後、後ろ手にされた負傷部位を靴で踏み躙るのは、片目に眼帯をした男だ。

 男は荒々しくスバルの折れた指を踏み躙り、


「さっきから聞いてりゃ、囚われの身の自覚が足りねえ奴だな、てめえは。聞かれたことに答えりゃいいんだよ、違うか? ああ?」


「ジャマル、やめろ! また気絶しちまうだろ!」


「立場がわかってねえのが腹立つんだよ。首から上が無事なら喋れる。どうせ三本折れてんなら、あと二本も……」


「――ジャマル」


 蹲るスバルの手を足蹴にする男――ジャマルが邪悪な笑みを浮かべて言い放つと、不意に青年が静かな口調で名前を呼んだ。

 それを聞いて、ジャマルは息を詰めると、「わかったよ」と渋々足を引く。


「が、ぐ……っ」


「ちっ。トッドに感謝しとけ。胸糞悪ぃ」


 折れた指を解放され、呼吸できるようになるスバルにジャマルが吐き捨てる。そのままジャマルは背を向け、この天幕から苛立たしげに離れていった。

 そうして足音が遠ざかると、「やれやれ」と青年――トッドが自分の頭を掻いて、


「悪かった。ジャマルの奴は気が立ってるんだ。水辺でお前さんらを見つけたのはジャマルの部隊だったんだが……」


「だったん、だが……?」


「そこで、お前さんの連れの子にだいぶ抵抗されたらしくてな。部隊の仲間が半壊、隊長のあいつは面目丸潰れってわけだ」


「あぁ……」


 おおよそ何が起こったのかを把握して、スバルも頭を抱えたくなる。

 水辺に這い上がり、スバルが意識を失ったあとのことだろう。先に目覚めたレムが、やってきたジャマルと仲間たちを叩きのめした。だから、ジャマルは不機嫌なのだ。

 一見、レムは足の動かせない可憐な少女なのだから、先制攻撃を許してしまったジャマルたちが責められる謂れはない。謂れはないが――、


「俺、あいつ、嫌い……」


「はは、奇遇だな。俺もあんまり好きじゃないよ。と、話が逸れたな。指は?」


「折れてるよ。……痛みは、マシになってきたが」


 それでもじんじんとした痛みの主張は絶えないが、スバルはぐっと奥歯を噛みしめ、一時的に痛みに呻く弱さをシャットアウト。あとで時間の許す限り、溜め込んだ痛みの負債とは付き合うとして、今は目の前の――、


「トッド、でいいのか?」


「へえ、よく聞いてたもんだ。そうだ、トッドだよ。で、そのトッドさんから質問だ。さっきも言ったけど……」


「素直に答えたらいいんだろ。……何が聞きたいんだよ」


 所詮はしがない、一介の異世界人でしかないナツキ・スバルだ。

 世界を渡る術なんて知らないし、生憎と異世界モノのお約束である知識チートをするほどの専門知識もない。ないない尽くしで、突き詰めると泣けてくる。


「そんな身の上の俺に、はたして何が答えられるかな?」


「どういう方向の卑屈さなんだか。まぁ、望み薄だが、聞きたいことはひとまず一個だけだよ。――お前さん、『シュドラクの民』かい?」


「……しゅどらく?」


 もったいぶった青年――トッドの問いだが、聞き覚えのない単語だ。

 だが、そうして聞き返したスバルの反応を聞いて、トッドは「ほら、やっぱりだ」と自分の額に手を当てた。


「その反応でわかった。お前さんは無関係だってな」


「おいおい、待てよ。まだ何にも答えてないだろ。いくら何でも早合点……」


「んなことないさ。士族を聞かれて偽る奴はいない。聞き覚えがない奴もな。それで『シュドラクの民』なんて言われても、誰も信じやしない」


「――――」


 断定的な物言いだが、ハッタリには聞こえなかった。

 トッドの確信を持った言い方には説得力があり、スバルも食い下がれない。

 しかし、そうなると――、


「その『シュドラクの民』ってのは、なんなんだ?」


「俺たちの探し人だよ。あのでっかい森……バドハイム密林のどこかにいる」


 質問に答えたトッドが、スバルの後方を指差す。が、手足を縛られたスバルは簡単には振り返れない。すると、「仕方ないな」とトッドがこちらに肩に手を添え、ぐるりと後ろを向かせてくれた。そして――、


「――バドハイム密林」


「ここいら一帯、全部が森だ。ちまちま探ってたんじゃ何年かかるやらだよ」


 億劫そうに呟くトッドだが、彼がそう言うのも無理はない。

 そのぐらい、それは広大な森だった。


 スバルの捕まった陣地から見て、右も左も果てなく地平線まで緑が続いている。奥行きもそれに匹敵するとしたら、比喩抜きにアマゾンに匹敵するかもしれない。

 そんな広大な森から、『シュドラクの民』とやらを見つけ出すなんて。


「……控えめに言って、無理なんじゃないか?」


「お前さんもそう思う? いや、ホントに参ったよな。帰るのが何年も遅れたら、婚約者にそっぽ向かれちまうよ」


 戦地に送られ、恋人と離れ離れにされる兵士の悲哀。

 それに近いものを感じさせるトッドの発言に、スバルはいくらか同情してしまう。が、現在進行形で大事な相手と離れ離れなのがスバルなので、その同情もあまり長続きはしない。それよりも、目の前の問題の方が大事だ。


「なぁ、トッドさんよ。あんたの目から見て、俺は正直に答えたと思う。だったら、あんたも約束を守ってくれると嬉しいんだが」


「人が婚約者に会えなくて嘆いてるのに、自分は女に会わせろって? 血も涙もないな」


「怪我人の折れた指を踏む奴の仲間に言われたくない」


「はは、そりゃ違いない」


 かなり不敵なスバルの答えだったが、トッドは怒るどころか噴き出した。それから彼はスバルの傍にしゃがみ込むと、ぎゅっときつく縛られていたスバルの足の縄を緩め、歩けるぐらいにしてくれる。


「小股で歩くぐらいはできるだろ。牢まで連れてってやるよ」


 脇の下に手を入れられ、ぐっと体を持ち上げられる。そうして立ち上がると、普段の一歩の半分くらいの間隔だが、足の自由が取り戻されていた。

 これなら歩ける。短足でよかった。もしもスバルがモデル並みに足が長かったら、大いにバランスを崩していたことだろう。


「それじゃ、案内頼む」


「ふてぶてしい……貴人かい、お前さんは」


 苦笑したトッドに背中を叩かれ、スバルもちまちまとした歩幅で歩き出す。

 そうして捕虜の天幕を出されたスバルがちまちま歩くのを、周囲の男たちから好奇の目が見ているのがわかった。いくらか嘲笑めいたものも見られたが、スバルはそれには頓着しない。むしろ、男たちの方を逆に観察してやる。


 やはり、戦のための陣地に見える。

 急ごしらえの木の柵などが陣地の周りを覆っており、百人以上の人間がいるようだ。ただし、百人ではとても森全域を調べるなど不可能。トッドが嘆く気持ちもわかる。

 と、そんな風にトッドと、その婚約者に同情していたスバルへと――、


「ああ、貴人で思い出したんだが……お前さんの荷物を漁ったら出てきたナイフ、あれはどこで手に入れたもんだ?」


「――――」


 ふと、思い出したようなトッドの問いかけに、スバルは一瞬だけ眉を寄せ、すぐに心当たりのナイフを回想した。

 森の中、覆面男から譲られたナイフは、障害物の多い森や、レムの仕掛けた罠を突破するのに大いに役立ってくれた。――今さらだが、あの覆面男が彼らの探す『シュドラクの民』だったのだろうか。

 もしもそうだとしたら、彼の存在を話すのは恩人への裏切りに他ならない。


「どうした?」


「いや……」


 沈黙をトッドが訝しむが、スバルも内心に難しい二択を抱えている。

 捕虜にされた状況下、トッドは比較的スバルに穏当に接してくれているが、それでも捕虜待遇には違いない。友好的、とは言いにくい相手だ。

 一方で覆面男の方はもう会えない可能性が高いが、レムを探すのに効果的なアドバイスもくれた上、あのナイフを譲ってくれた。恩人レベルの高い相手だ。

 つまり――、


「おい、どうした?」


「――。あのナイフは俺の家のもんだよ。家宝だ」


「そうなのか? おいおい、それじゃ、お前さんちょっとしたもんじゃないか」


「え?」


 色々と考えた結果、心の中で恩人を庇うことに決定。

 そう思って嘘をついたスバルに、トッドの声が驚きでわずかに上擦った。

 その理由がわからずにいるスバルだが、トッドは「だって」と言葉を継いで、


「剣狼の国紋が入ったナイフだ。聞いた話だと、ああいうのは皇帝から臣下が直接賜るもんだって。ってことは、お前さんも名誉の家系ってことだろ?」


「――待て」


 声を弾ませたトッド、彼の話を聞いていたスバルはそう息を詰めた。

 受け取ったナイフの謂れは、ひとまずのところいい。それもなかなか驚きに値するエピソードがあるようだったが、いったんは置いておこう。

 問題はもっと別個のところにある。――剣狼の国紋、それに皇帝だ。


「――――」


 唇を結んだまま、足を止めたスバルは周囲に改めて目をやった。

 いくつもの天幕、焚火、嘲笑する男たち、大きすぎる森――そして、大きな天幕の傍、風になびいている青い旗が見えた。


 ――青い旗の中央には、剣に貫かれた黒い狼が描かれている。


 スバルも、この異世界にやってきて一年以上が過ぎた。

 エミリアの一の騎士として紹介される機会も増え、いつまでも異世界人だと胡坐を掻かないため、色々とこちらの世界の常識について勉強の真っ最中。

 その勉強の成果と、剣に貫かれた狼――『剣狼』とが一致する。

 それは――、


「――神聖ヴォラキア帝国」


 親竜王国ルグニカの南方、国境を跨いだ帝国の国紋。

 王国と帝国との国境を飛び越え、自分たちが他国へ飛ばされていたことを、スバルはこのとき、初めて理解したのだった。



                △▼△▼△▼△



 ――神聖ヴォラキア帝国。


 それがスバルが現在、捕虜とされた土地――否、国の名前だ。

 異世界の勉強の成果としてスバルが抱いたヴォラキアへの印象は、「ゲームとかでもそうだけど、帝国ってなんか悪の巣窟みたいだよな」というものだった。


 ルグニカ王国と同じ、この世界のパワーバランスを担う四大国の一つであるヴォラキア帝国は、世界図の南を支配する最も大きな国土を持つ大国だ。

 肥沃な大地と温暖な気候、北のグステコや西のカララギと比べても豊かな土壌に恵まれたヴォラキアでは、当然の如く、『弱肉強食』の仕組みが形成されたらしい。


 多数の種族、民族が入り乱れ、強者が全てを手に入れ、弱者は失い虐げられる。

 そんな暴挙がまかり通るのがヴォラキア帝国――つまるところ、ナツキ・スバルにとって最も相性の悪い人々の住まう地であった。


「――神聖ヴォラキア帝国」


 天幕の傍で揺れる軍旗を目にして、思わずスバルの口からそれがこぼれる。

 その唖然としたスバルの呟きを聞きつけ、トッドは軽く眉を上げると、


「――ヴォラキア万歳!」

「うお!?」


 突如、すぐ後ろで爆発したような声が上がり、スバルが仰天する。と、飛び跳ねて驚いたスバルの反応に、トッドは「ははは」と笑った。


「なんだなんだ、その反応。お前さんから振ったくせに」


「ヴォラキア万歳?」


「ヴォラキア万歳」


 覚えのない濡れ衣だが、何となくわかった。

 神聖ヴォラキア帝国と、そう呼びかければ「ヴォラキア万歳」と答える。それが彼らの常識であり、国民性の一端なのだ。

 そして、もう一個わかったことがある。


「……俺がルグニカの人間だって、迂闊にばらせなくなった」


 それが地味に、スバルにとっては大きな痛手であった。


 現在、スバルの立場はルグニカ王国で行われる王選の候補者、エミリアの一の騎士だ。ロズワールの後見の下、正式に騎士叙勲を受けたスバルは、実は一代限りではあるが、一端のルグニカ貴族の端くれなのである。

 そうでなくとも、ルグニカ王国の中でなら王選のことを知らないものはまずいない。

 故に、身分を明かせば便宜を図ってもらうこともできる。――少なくとも、レムの無事が確かめられたら、話の通じるトッドにそれを話そうとは思っていた。

 だが、ここがヴォラキア帝国ならば、話は別だ。


「――――」


 ルグニカ王国とヴォラキア帝国との関係が悪いことは、この世界の歴史書を読んだスバルにもよくわかっていることだった。

 四百年以上前には幾度も国土を巡った大戦争を繰り返した両国は、四百年前にルグニカ王国が『神龍』と盟約を結んで以来、大きな戦いから遠ざかった。

 が、その後も散発的な小さな戦いは勃発しており、今なお、両国の関係が冷戦状態にあることは疑いようもない。王選の開始が宣言される前には、この機に乗じて帝国が戦争を仕掛けてこないよう、事前の取り決めが為されたとも聞く。


 そんなヴォラキア帝国内で、自分がルグニカの貴族の端くれなどと話せばどうなる。

 これが良識ある帝国貴族相手ならともかく、ここは戦場の端っこの陣地だ。――トッドはともかく、ジャマルのような血の気の多い輩に国賓待遇が望めるだろうか。


「絶対無理だ」


 つまり、スバルは自分の身分を迂闊に明かせなくなった。

 こうなってくると、同行者がそれすら忘れているレムだったことは、不幸中の幸い――本当に、不幸の不幸の不幸の中の小さな幸いだったが。


「おい、本当にどうした? 指だけじゃなく、足もダメになったのか?」


「いや、そうじゃない。ただ、ヴォラキア万歳って言葉を聞いて、胸の奥から湧き上がってくる畏敬の念の震えが堪えられなくてな……」


「ああ、なるほど。そりゃ仕方ない。帝国貴族に所縁がある人間なら、帝国の在り方に胸を打たれて当然だ。それは俺の方が配慮が足りなかった」


「はは、まぁ、あはは」


 頭を掻けたら頭を掻きたいところだったが、トッドの答えには愛想笑いしか出ない。

 なるほど、文献でしか知らなかった世界観だが、これが『帝国』なわけか。

 トッドのような、一般兵にまで染み渡っている帝国主義。今の彼の言動にそれが表れているのがわかって、スバルは静かに歯を噛んだ。


 ある種の切り札、身分を明かしてメイザース領へ帰還する術は封じられたと見ていい。

 あるいは良識的な帝国人なら、こちらの立場を尊重してくれるかもしれないが――、


「……二択に賭けるには、ちょっと分が悪すぎる」


「何をブツブツ言ってるんだ? ほら、念願のご対面だぞ」


「――ぁ」


 背中を押され、小股で進んでいたスバルの肩が叩かれる。

 トッドに言われて顔を上げれば、連れてこられたのは陣地の端に設置された鉄製の檻。整然と並べられたいくつかの檻の中、そこにぺたりと座った少女がいて――。


「レム!」


「――っ、あなたは」


 探していた少女の姿を見つけ、スバルが檻へと飛びつく。こちらに気付いたレムが、その勢いに眉を顰め、変わらぬ敵愾心でスバルを睨んだ。

 が、構わない。まずは彼女の無事が確かめられれば――、


「ああ、よかった! 何もされてないか? どこも痛く……へぶっ!」


「うわぁ、痛そう」


 小股で急いだ結果、足がもつれて前のめりに倒れる。当然、体を支える手が使えなかったため、スバルは顔面から鉄の檻に激突した。

 そのまま「くはっ」と呻いて、スバルが後ろに倒れ込む。


「ちょっ、いきなりなんですか!?」


「いや、悪ぃ……お、怯えさせるつもり、は……」


「怯えたりしません! 馬鹿にしないでください。……鼻や歯は大丈夫でしたか?」


「え!? 心配してくれたの?」


「は? 違いますけど?」


 芋虫のように体を起こし、鼻を啜ったスバルにレムの答えが冷たい。

 ただ、薄青の瞳に見つめられ、スバルは心持ち、嬉しさの滲んだ吐息をこぼした。その様子を見て、ますます檻の中のレムは頬を強張らせたが。


「はいはい、感動のご対面なのはわかったけど、ちょっとすれ違ってるじゃんか。さて、それでええと、君はレムさんってことでいいのかな?」


「――。さあ、どうでしょうか」


「おいおい、困ったな。強情にも限度があるだろうに」


 スバルとレムの邂逅に割り込み、トッドが渋い顔をする。

 つんと顔を背けたレムだが、彼女の塩対応はスバルに限った話ではなく、この陣地――つまりはトッド含めた帝国人に対しても一貫しているらしい。

 それはそれで、内弁慶気質のレムらしいと言えなくもないが。


「そんな誰彼構わず噛みついてると、狂犬なんて異名を付けられるぞ」


「言うに事欠いて、私を犬呼ばわりですか。体臭だけじゃなく、失礼な人ですね」


「体臭が礼を失してるってどういうこと? 清潔感が足りないって意味? でも、清潔感って具体的になんなのかわからないものなんだけど」


 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという慣用句があるが、レムのスバルに対する言いようはまさにそういう代物だ。

 初対面の印象の悪さが拭えないまま、こんなところへきてしまったのがよくない。


「とにかく、この子はレムで正しい。助けてくれてありがとう……って、この檻に入れられてる状況を見ると、礼が言いづらいんだが」


「言ったろ? ジャマルの部隊の連中がボコボコにされたんだ。このぐらいはさせてもらえないと、こっちとしても面目が立たない。まぁ、傷モノにはしないさ」


「……それ、信じていいのか?」


「帝国貴族の信任があるんだ。ジャマルだって、あれこれ言えやしないよ」


 言いながら、トッドが自分の懐を探り、あのナイフを取り出した。それにスバルが目を見開くと、彼はナイフを鞘から抜いて、スバルの手と足の縄を切る。

 途端、拘束からの開放感でスバルは「お」と息を吐いた。


「このまま解放してくれるのか?」


「ああ、この子を連れてどこへでも……と言いたいとこなんだが、そうはいかない」


「――――」


「そんな怖い目するなって。別に意地悪してるわけじゃない。見ての通り、俺たちは森にいる『シュドラクの民』と戦うために布陣してる。けど、配置されてるのは俺たちだけじゃないんだ。下手にうろちょろしてると、別の陣地の奴らに捕まるぞ」


 広大な森を攻略するために、陣地は各所に点在しているという意味だろう。

 もし、スバルたちがうっかり他の陣地の敷地に入った場合、やはりここと同じように捕縛されたり、尋問されたりされる可能性があるわけだ。

 それどころか――、


「ジャマルだらけの陣地で、腹いっぱい靴を食わされる可能性もあるってことか」


「自分で言うのもなんだけど、俺みたいなのは帝国軍人としては珍しい方だよ。俺は痛いのとか嫌いだから、なるべく話して進めようとするけど」


「大抵の輩は、あの無礼な殿方のように居丈高だと」


「まぁ、それで君のお怒りを買ったんだから自業自得だけども」


 レムの硬い声は、強烈な嫌悪に満ちていた。

 スバルも好感を抱きようのない相手だが、よほどジャマルとの初対面が最悪の出会い方だったのだろう。事情を知っていそうなトッドもジャマルをフォローしないことから、味方も擁護できない内容だったと知れる。


「トッドさん、あんたが俺たちの身の安全を心配してくれるのはわかった。だけど、どうしたらいい? あんたも嘆いてたけど、この森の攻略が済むまでいてくれって言われても頷けるもんじゃねぇぞ」


「そりゃそうだし、部外者を長々と陣地に置いてたら俺たちだってどやされるよ。心配しなくても、数日後に補給隊が近くの町に向かう。その補給隊と一緒に陣地を出れば、余計な騒ぎを起こさずに済むだろうさ」


「なるほど、補給隊か」


 当たり前だが、大勢の人間を食べさせるためには相当量の食料や水が必要となる。それを全て現地で賄えるはずもなく、軍隊には戦闘部隊と同じぐらい、それらの補給物資を運搬する部隊が重要となる。

 なので、この陣地にもそうした役割のモノたちがいて、それと同行するようトッドは勧めてくれているわけだ。


「じゃあ、しばらくは厄介になってもいい……のか?」


「いいんじゃないか? そんなにすぐに戦況は動かないだろうし……ただ、ジャマルの奴には近付かない方がいいぞ。また靴を食わされたくなかったらな」


「それは骨身に染みてるよ。……レムも、その方針でいいか?」


「――――」


 つん、と顔を背けたまま、レムからの返事はない。

 しかし、面と向かって否定してこないということは、反論や代案はないのだろう。ただの可愛い反抗と、そう受け止めておく。


「しかし、お前さんたちは変わった関係だねえ。どういう二人なんだ?」


「あー、風来坊か旅人だと思ってくれ。レムは俺の大切な子で、もう一人の一緒にいたのは知らない子だ」


「まだそんなことを言って……」


 トッドの問いへの答えを聞いて、レムの不信感がますます募る。スバルも失敗したとは思うのだが、もう一方でどうしてもルイを同行者とは認めたくない。

 正直、帝国が引き取ってくれるならそうしてほしい。


「そう言えば、あいつはレムと一緒に檻に入ってないんだな。どこいったんだ?」


「――。あの子なら、治療のために連れていかれました。川に飛び込む無謀をしたときにどこかで額を切ったみたいで」


「治療……治療?」


 視線を逸らしたレムの答えに、スバルは一瞬呆けたあと、真顔になる。

 そして、牢に飛びついた。


「治療って言ったのか!?」


「な、なんですか。そうです、治療です。それとも、あなたが嫌いなあの子には、傷の治療を受けさせるのも嫌だって言うんですか?」


「それも間違ってねぇが、問題はもっと別のとこだ。おい、トッドさん! ルイの奴はどこで治療を受けてる? どのテントだ!?」


 振り向いたスバルの剣幕に、トッドが「なんだ?」と驚く。しかし、事の重大さが全くわかっていない彼の肩を掴み、スバルは今一度「どこだ」と問いかけた。


「治療を受けてるなら、赤い旗のかかった天幕だ。でも、急にどうした?」


「どうもこうもねぇ、全員死ぬぞ!」


 目を剥くトッドの肩を押して、スバルは大急ぎで赤い旗の天幕へ向かう。

 そのスバルの勢いに、思わずレムとトッドが顔を見合わせた。


「なんだ? とにかく、追いかけるが……」


「いってください。止めないと、無茶をしそうです」


「なんで俺が言われなきゃいけないんだか……」


 頭を掻いたトッドが、急ぎ足に突き進むスバルを慌てて追いかけた。

 そうして離れていくスバルの背中が見えなくなると、


「……なんなんですか。あの人はずっと、私を振り回して」


 と、レムはそう、誰にも聞こえない小さな声で呟いた。



「――――」


 一方、先の話を聞いたスバルは、赤い天幕を探して視線を彷徨わせている。

 ルイが治療を受けると聞いて、スバルの脳裏を最悪の可能性が掠めた。


 それは、どういうわけか正気を失っている状態らしきルイ、彼女が治療を受けることで正常に戻り、『暴食』の大罪司教の一人として復活する可能性だ。

 そうなった場合、スバルはもちろん、記憶のないレムにも太刀打ちできない。トッドやジャマル、陣地の帝国人が束になっても多数の犠牲者が出るだろう。


 そんなことはさせない。あってはならないと、スバルの心を焦燥が満たした。

 そして、目に留まった赤い天幕に向かい、ずんずんと突き進んで――、


「悪い! ここに、金髪の恐ろしいガキが――」

「あーうーあー!!」


 天幕をめくろうとした瞬間、中からものすごい勢いで金色の弾丸が飛び出す。

 それは狙い違わずスバルの鼻の下――人中を直撃し、「ぐあ」と意識と上体をぐらつかせた。そのまま、スバルは後ろに尻餅をつく。

 そして、とっさに左手を地面についてしまった。――指の三本折れた左手を。


「ぐぎゃああああ――ッ!!」


「あー! あー! うーあー!」


 壮絶な痛みに悶絶するスバル。その悶え苦しむスバルの上に跨り、キャッキャと楽しそうにはしゃいでいる悪魔がいる。――ルイだ。

 彼女は草原でスバルを目覚めさせたときと変わらず、無邪気な邪悪の顕現と言わんばかりの笑みを浮かべ、こちらの胸にすり寄ってきている。

 それを払いのけてやりたいが、痛みに焼かれる意識がそれを許さない。


「が、く、あ、ぁ……っ」


「うわ、左手ついたのか? それは、うわぁ、きつい……けど、見たとこ、この子も普通そうじゃないか。額の傷も手当てしてもらって」


 悶えるスバルに追いついたトッドが、倒れた胸の上ではしゃいでいるルイをそっと担ぎ上げた。ルイは「あーうー」と手足をバタつかせるが、トッドは意に介さない。

 そのトッドの言う通り、ルイの頭には包帯が巻かれ、額を切ったという傷の手当ては行われているようだった。ただし、魔法ではなく、シンプルな医療手段で。


「く、ぁ……そ、そうか。頭の治療って、そういう……」


 てっきり、魔法で傷を治すのかと思ったので焦ったが、その方法なら治ってほしくないところに治癒が及ぶことはあるまい。

 ひとまず、スバルの懸念は杞憂に終わったようだった。


「こんなに懐いてる子を知らない子扱いして、大切にしてる子には冷たく当たられてる。……よくわからないけど、お前さん、大変みたいだな」


「……それは否定しねぇよ。俺ぐらい大変な目に遭う奴はあんまりいない」


 人間が一生に体感する苦労に限度があるなら、スバルのこれは一生分の苦労が畳みかけてきているだけなのだろうか。それとも、『死に戻り』している分だけカウントがリセットされて、安らげるときは永遠にこないのか。

 考えただけでも恐ろしい。恐ろしいが――、


「ひとまず、生きてる。それが大事だ」


「目標が低く感じるな。……で、お前さんはどうする? 数日後の補給隊に同行するってことで進めていいのか?」


「あ、ああ、それで頼む。けど、世話になりっ放しなのは悪いな」


「うん? それなら安心しろい。無駄飯喰らいを置いとくつもりはないから」


 そのトッドの言葉に、胡坐を掻いていたスバルは「え?」と顔を上げる。すると、トッドは足をバタつかせるルイを地面に下ろし、腰に手を当てた。

 そして、自分の後ろに広がっている帝国の陣地を手で示すと、


「これだけの陣地だ。人手はいくらあっても足りないからな。仕事は山ほどあるし、あれこれ手伝ってもらわないとだ」


「……働かざるもの食うべからず、ってか?」


 スバルがぽつりと呟くと、それを聞いたトッドが「働かざるもの……」と繰り返し、


「そうだな。まさにそれって感じだ。お前さん、いい言葉知ってるじゃないか」


 うんうんと頷いたトッドの横で、ルイがそれを真似るようにうんうんと頷く。

 そんな二人の様子を見上げながら、スバルは首の骨を大きく鳴らした。


「……何もするなって言われたり、靴食わされるより、ずっとマシか」と。




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― 新着の感想 ―
事あるごとに仲間たちのこと思い出してるのが切ない…突然引き離されて、一緒にいるのはスバルを忘れて敵愾心丸出しのレムと憎き敵、って誰も助けてくれないじゃん…強がってるけど不安だし寂しいから仲間たちのこと…
なんの拍子に大罪司教の暴食に戻る可能性があるからまあスバルの態度もわかる
[一言] ルイを嫌うのは分からなくもないが、ルイに厳しく当たるたびにスバルに対する自分の好感度がどんどん下がっていくなぁ笑 元から上下激しかったけれども笑
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