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Re:ゼロから始める異世界生活  作者: 鼠色猫/長月達平
第六章 『記憶の回廊』
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第六章24 『へそ曲がりの試験官』



 ――女、一人の女がいた。


 女は感情的だった。女は常に泣いていた。痛みに敏感で、常に泣き続けていた。

 嘆き悲しむ理由は一つ、自分の無力が許せなかった。


 女の周りには常に争いが、戦いが、奪い合いが満ち溢れていた。

 何度声を上げても、どれだけ縋ったとしても、自分が泣こうと喚こうと、その悲しみは決して終わろうとしなかった。だから女は運命を呪った。

 運命を呪って、呪って、呪った挙句に女は気付く。いくら泣いても無駄なのだと。


 それに気付いた女が次に欲したのは、ただひたすら純粋な力だった。

 他者を圧倒し、全てを薙ぎ払う力を欲し、女は自分を限界に投じて痛めつけ、得られる限りの力を得んと、求める限りの強さを極めんと奔走した。


 必要なのは、傷付ける力ではない。奪う力、そんなものでもない。

 誰も追いつけないほど、圧倒的な強さを求めた。それが戦いと止めると信じた。

 涙を流し続ける女は、泣かずに済む力が欲しかった。


 力と力がぶつかり合う戦いを、無力なままでは止められない。


 声は届かない。願いは叶わない。嘆きは遠ざけられ、悲しみが空を覆っていく。

 何故、平気でいられる。何故、他人を傷付けられる。何故、傷付けられたままで生きようと思える。何故、何故、何故、別の道があると思えない。


「子どもが泣いてる。お年寄りが泣いてる。男が泣いてる。女が泣いてる。みんなが泣いてる。なのに、どうして――!!」


 それを止めるために、ひたすらに力を欲した。

 己を鍛え上げ、どんな苦痛にも耐えて鋼の意志を貫徹した。

 やがて女は到達する。無双の力に、他を寄せ付けない圧倒的な境地に。


 戦場に立った女は、戦いをやめろと声高に叫ぶ。

 全ての力を力でねじ伏せ、全ての嘆きを力で押し潰し、あらゆる悪意を力で叩きのめして、流れる涙を止めるためだけに奔走した。

 剣を握るものを殴り、魔法に頼るものを蹴りつけ、牙を剥くものを砕き切り、戦いを求めるものたちを一人残らず粉砕する。


 だが、女が抗えば抗うほど、強ければ強いほど、剣も魔法も牙も数を増す。

 それはまるで螺旋、戦いの螺旋だ。


 力に力で対抗する以外に、誰も自分を生かす答えを持っていない。

 だから誰も、戦って勝ち取る以外の道があると知らないのだ。


「どうして――!!」


 そう思う自分も、結局は暴力を振るっている。

 血濡れの拳を下げて、返り血に塗れたまま天を仰いで、女は慟哭した。


 戦いは止まらない。努力も奔走も全ては無駄で、彼我の涙は決して止まらない。

 止まらず、走り続けてきた女の胸に、ついに絶望が去来した。


 涙が流れた。溢れ出た。

 止まらず流れ続けていた熱い涙ではない、冷たい無力と失望の涙が。

 しかし、同時に、湧き上がる別の感慨があった。


 胸の内をどす黒く染め、それ以上に視界が真っ赤に、頭が白くなるほどの激情。

 その感情の正体を、泣きながら女は知ることになる。

 その感情の名前を知って、その感情の始まりを知って、女は理解する。


 自分はずっと、悲しくて泣いていたのではない。

 ただただ、自分はずっと、怒り狂っていたのだ。

 その感情の名前を、人は怒りと――否、これを人は『憤怒』と呼ぶのだ。


 涙を強要する世界に、戦いをやめない人々に、いつか必ず終わる命の理不尽に。


 ――鉄拳を、喰らわせてやろう。


 いつしか女は立ち上がり、汚れた膝の土を払い、再び走り出していた。

 まだ戦いを続ける人々のど真ん中に飛び込み、その顔面を殴り飛ばし、叫ぶ。


 戦いをやめろ。空を見ろ。風に聞け。花を嗅げ。家族と、恋人と生きろ。


 女の声に、初めて戦場に動揺が走った。

 大地が割れるほどの拳、空が唸るほどの蹴り、その全てが人を生かした。


 傷が塞がり、悲鳴が止まり、温もりに膝が折れ、戦いに意味はなくなる。

 命は日常に回帰し、泣き喚く声が戦場から消える。


 人々の涙は止まった。人々は女に感謝した。声を上げ、手を振り、笑って。

 だがそのとき、すでに女の姿はどこにもない。


 当然だ。

 女にはまだやるべきことがある。振り返る暇も、足を止める理由もない。

 誰も泣かない、争いのない、何も奪われない、そんな世界を求めて。


 走り、走り、走り続け、女は拳を振るい続ける。

 いずれ全ての涙が止まるまで。自分の頬を濡らす、熱い雫が止まるまで。


 ――『憤怒の魔女』は悲しみへの怒りを燃やし、ずっとずっと走り続けた。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「――――」


 また一つ、知り得る死者の本を見つけて、現実にスバルは回帰する。

 開いた本から流れ込んでくるのは、本に記される名前の人物が生前に駆け抜けた戦場と掲げた信念、そのほんの表層に過ぎない一部分。

 そうわかっていても――、


「……重い」


 ズシリと、胸の内側に形のない鉛が溜まっていくような感覚がある。

 人間の一生、どんな人間であれ、一秒は一秒、一分は一分、一年は一年だ。その人生の濃度を測る物差しなどなく、故にこそ時間は常に平等に流れる。

 そんな時間の積み重ねを、こんな薄っぺらい紙に書き残しただけの文章や、特殊な技術を用いた記憶の転写で伝えきれるはずもない。

 それでも、たかだか触りの部分に過ぎなくとも、スバルは流れ込んでくる意識に自分が引きずられないように耐える必要があった。


 それほどまでに、人の足跡というものは大きく、重いものなのだ。


「スバル、大丈夫?」


「……ああ、大丈夫。平気だ。少し、頭がふらっとしただけ」


「それ、大丈夫って言わない……」


 開いた本を閉じて、本棚に戻すスバルをエミリアが思わしげに見つめる。彼女の視線に片目をつむり、スバルは今しがた戻した本を指差して、


「また一冊、魔女の本を見っけた。今度のは、まぁ、魔女の中ではマシな方の子の本だよ。やっぱり、ちょっと変な子だったけど」


「変な子……セクメト?」


「あれはだいぶ変な人だろ。って、セクメトのことは知ってんだ?」


 『聖域』の墓所、夢の茶会でエミリアも魔女エキドナと出くわしたはずだが、エキドナ以外の魔女との接点については聞いていない。あるいはエキドナは、スバル以外には他の五人を会わせなかったのではと思っていたので、エミリアの口からセクメトの名前が出たことには驚きがあった。


 『怠惰の魔女』セクメト、赤紫の髪を伸ばし放題にしていた自堕落な女性だが、振る舞いはともかく人間性は魔女の中で最も常識寄りの人物だった。


「セクメトを知ってるなら、他の魔女は? 例えば、この本のミネルヴァとか」


「ううん、ごめんね。私、エキドナとセクメトの二人としか墓所では会ってないの。セクメトとも、ちょっとだけしか話してないし」


「そっか。いや、別にいいんだ。仮に知ってる相手だったとしても、あんまり見て気分のいいもんじゃないからさ」


 しゅんと項垂れるエミリアに苦笑して、スバルは本棚の側面を軽く叩く。

 死者の生前の記憶を封じ込めた書棚は、木製とも鉄製ともつかない不思議な素材でできており、スバルの掌を受けてもびくともしていない。


 現在、三層『タイゲタ』の書庫を荒らすスバルたちは、書棚に収まった無数の本が死者の記憶を呼び起こすものと理解した上で、地道な捜索活動を続けている。

 何を探すための活動なのか、それはいたって簡単だ。


「それにしても、上の階に上がる階段ってどこにあるのかしら」


「今のところ、手掛かりゼロだからなぁ……」


 首をひねるエミリアと、反対側に首をひねってスバルは嘆息する。

 今、一同が揃って頭を悩ませているのが、三層『タイゲタ』の『試験』を越えて、次に出題される問題――ではなく、そもそも二層へ挑戦するための階段の所在だ。


 モノリスの展開する白い空間が消えて、『タイゲタ』の大書庫は開放された。

 おかげで死者の記憶に触れられるという、人によっては垂涎の技術が用いられた空間に辿り着けたはいいが、


「正味、あんまし今の俺たちには関係ない場所だからな」


 スバルたちの欲する情報、それを顔と名前の一致する死者の記憶から、それも能動的に選ぶことのできない記憶から探り当てるのは膨大な時間と運が必要だ。

 そのどちらも、現状は期待できない。時間はもちろん、スバルは自分が幸運に恵まれているなどと嘘でも口にする自信はなかった。


「だからたぶん、俺たちの欲しい情報は上にあるはずなんだが」


「なのに、上にいけない。本棚の上にも飛び乗ってみたけど、ダメだもんね」


「エミリアたんって結構、大胆だよね……」


 天井を指差して、エミリアが先ほど実演した出来事を回想する。

 上へ向かう階段探しに業を煮やして、円状に並ぶ書棚の一番外側――『タイゲタ』の書庫は中心から外に向かって床の段差が高くなる構造のため、最も高い位置にある本棚の上に飛び乗ったのだが、それでも天井に手がつかないほどだった。


 ちなみに本棚の上に乗った際、エミリアの短いスカートの裾がかなり大胆に揺れていたのだが、不思議と中が見えない動きになっていたことを記しておく。

 そのスバルの遠回しな指摘に、エミリアは自分のスカートの裾に触れると、


「パックに教わったのよ。えーと、女の子らしいお淑やかな護身法……だっけ。それ、いつもちゃんと気を付けてるから」


「パックを褒めたいような責めたいような複雑な気持ちだ。……ま、ともかく」


 物理的な手段で強引に上階を目指すのは、エミリアがすでに失敗している。

 つまり、階段は何らかの方法で現れるギミック――書庫の出現だけでなく、上階へ上がるだけでもひと手間かかるとはいちいち凝っている。

 凝りすぎると挑戦者のやる気を削ぐと思うのだが、おそらく設計者であるフリューゲルはそのあたりも考慮して監視塔を作ったのだろう。憎たらしい。


「親の顔が見てみたい……そもそも、本人の面構えも謎だけど」


「――スバル、少しいいだろうか?」


 ぼやくスバルの後頭部に声がかけられる。相手はスバルたちと反対側の書庫を荒らしていたユリウスだ。隣にアナスタシアを連れた彼がこちらへ歩み寄ってくるのを見て、スバルは片手を上げる。


「ん、何か見つかったのか?」


「残念ながら、収穫はないよ。最初の一冊以来、見知った名前の本を探り当てることもできていない。君たちの方も同じ結果のようだ」


「そうでもないわ。スバルはちゃんと、また別の一冊を見つけてふらふらしてたもの。ね、スバル」


「エミリアたんが自慢げだから便乗するけど、そうなんだよ」


「そうか。自愛してくれ」


 微妙にしこりの残ったこめかみに触れて、顔をしかめるスバルにユリウスは淡々と顎を引いた。その男二人のやり取りを横目に、エミリアは「だけど」と言葉を継ぎ、


「ユリウスたちも階段は見つけられてないんだ。ホント、すごーく困っちゃう」


「エミリア様の心中お察しします。……ですが、もしもこの書庫が本当に、過去から今に至るまで全ての死者の名前を記録しているのだとしたら、とてもではありませんが我々だけでは手が回りません。もっと多くの、それこそ国を挙げるべき事案です」


 人手不足と前置きした上で、ユリウスは真面目腐った顔でそう提案する。

 そのユリウスの発言に、スバルも究極的には異論はない。すでにアウグリア砂丘は攻略され、監視塔へ辿り着くだけなら魔獣の巣窟を抜けるだけでいい。それだけでも十分、大冒険には違いないが――、


「以前に比べれば、塔までの道行きは開かれたも同然だ。この不可思議な書庫を有効利用する意味でも、国に報告する価値はあると考える」


「資料的価値は半端じゃないもんな。……お前の大好きな歴史関係の虫食いも、かなり埋まるのは間違いねぇだろうし」


「それはあくまで副次的要素だ」


 スバルの茶々に早口で応じて、それからユリウスはしばし沈黙。が、すぐに彼は吐息すると、「いや」と目をつむり、


「それを全く期待していないと言えば嘘になる。すまない。私心があった」


「そんな凹むなよ、私心で動くのの何が悪いんだよ。それで盛大に反省されると、下心百パーセントで行動する俺はどうなるんだよ」


 基本、スバルは見返りを期待するし、私心を捨てて使命感で動けるとも思わない。いつでも自分のことばかり、それがスバルの行動理念であり、方針だ。

 だからこそ、ラインハルトやユリウスのような高潔の騎士像に近付けないのだが。


「殊更、遠ざけようとするもんでもない。そもそも、俺の記憶にある限り、アナスタシアさんが王様になりたい理由なんか私心丸出しだったぞ。違った?」


「んーん、違わんよ。うち、王様になりたい理由は欲を満たしたいからやもん。結果的にうちの周りにも利益が回る。それだけの話」


 無礼か不躾なスバルの物言いに、アナスタシアは気を悪くする風もなく笑う。それから彼女は自分の襟巻きに触れて、その白い毛並みを撫でながら、


「せやけど、そんなユリウスとウチが主従になるんやから面白い。そんな風に思うんやけど、エミリアさんらはそう思わん?」


「個人的には余所の足並みが揃ってないのは助かるから、そのまま音楽性の違いで解散してくれると助かる……痛っ! エミリアたん、痛い!」


「イジワルなこと言わないの。――私は、アナスタシアさんたちのこと、前よりちゃんとわかってないから迂闊なことは言えない。でも、相手がどんな風に立派でも、私は私のやり方で、私の騎士様たちと一緒に頑張るから」


 私の騎士様、の部分でスバルの袖を摘まみ、エミリアは胸を張ってくれた。その横顔に胸がいっぱいになって、スバルは鼻から長く息を吐く。


「へなちょこかもしれないけど、負けないわ」


「へなちょこってきょうび聞かねぇな……痛っ! 痛い!」


 茶化した途端に腕を抓られて、スバルはエミリアのお仕置きから跳ねて逃げる。そんな二人のやり取りに、ユリウスとアナスタシアは毒気を抜かれた顔だ。

 特にユリウスは、直前までの自省する雰囲気でもなくなった様子で、


「……時々、真剣に君たちのことが怖くなる。どこまで本気で、どこまでがそうではない部分なのか見分けられず」


「俺はともかく、エミリアたんは大体真面目で真剣だよ。そこが可愛いだろ?」


「胸に留めておくとするよ」


 そうしてユリウスが顎を引くと、脱線した話もひとまず終着駅につく。代わりに本題に引き戻すのは、両手を叩くアナスタシアだ。


「それで、さっきまでのお話に戻るんやけど……人手が足りないから、外から人を呼んだ方がええって話やったやんな?」


「はい、その通りです。現状、砂丘に対する不安は大部分が軽減され、規模の大きな調査隊を塔へ入れることも可能でしょう。上階への道だけに限らず、この書庫で何らかの発見ができれば……」


「それなんやけど、ウチはちょぉ怖く感じるんよ」


「怖い、ですか?」


 熱弁するユリウスを遮り、アナスタシアがゆるゆると首を振る。その答えに眉を寄せる自分の騎士に、アナスタシアは「あんな?」と指を立てた。


「人手が増える、そのことはうちも歓迎なんよ。この書庫、見回るだけでも大変なんやもん。特にうちは背ぇが低ぅて、本棚見てるだけで首が痛ぁなるから」


 自分のうなじをトントンと叩くアナスタシアは、「せやけど」と続けて、


「本当に、塔の中に大勢が入れるんか疑問やわ」


「――――」


「商売の基本は相手の立場になって考えること。まぁ、商売に限らんと、どんな場面でも役立つ人生の基礎やね。で、それに則って考えてみよか」


「考えるって、相手の立場? でも、誰のこと?」


「この塔を作って、『試験』の準備して、シャウラさんを置いた人……やね。その人の気持ちになって考える。すると、見えてくるやん?」


「性格がひん曲がってるってか?」


「バキバキやとうちは思うよ」


 スバルが唇を曲げると、アナスタシアも同感とばかりに頷く。

 その言葉に、真面目なエミリアとユリウスは難しい顔だ。が、どちらかといえば性格の悪い側に所属するスバルとアナスタシアは自然と同調する。


 アナスタシアの言い分はもっともに思えた。

 もしも本当に、性格の悪い人間がこの塔の攻略難易度を上げようとするなら。


「シャウラ! 聞きたいことがある。ちょっとこい」


「お師様ー? はいはーい、今すぐいくッスー!!」


 大きく、書棚の向こう側にいるシャウラを呼ぶと、威勢のいい返事があって、すぐに高々と跳躍する人影が目に入る。シャウラだ。

 彼女は両腕を伸ばし、長いポニーテールをなびかせながら、満面の笑顔でスバルの胸の中に突っ込んできて――、


「おーしーさーまっ!」


「ひょい」


「んぎゃッス!」


 その勢い余った抱擁を、スバルは絶妙な体捌きでかろうじて避けた。

 途端、勢いを殺せないシャウラが地面を弾み、床に手足をついたまま恨めし気な顔で睨みつけてくる。


「うー、お師様マジいけずッス」


「いや、今のはお前だから避けたんじゃなくて、勢いがすごかったから反射的に」


「じゃ、ゆっくり近付いたら抱きしめてくれるんスか!?」


「え? 嫌だけど?」


「なんでッスか! あーしのどこが不満ッスか! こんなグラマラスなのに! こんなビッチなのに!」


「ビッチなのかよ。じゃあ、それが理由だ」


 不満丸出しに騒ぐシャウラが、すげないスバルの言動にぶーたれる。と、そうして拗ねるシャウラの跳ねた先から、ちょうどこちらへ二人の少女がやってきた。

 ベアトリスとメィリィ、外見はともかく、珍しい取り合わせだ。

 そんなスバルの考えが視線に出たのか、それに気付いたベアトリスが少しだけメィリィから距離を置く。


 ベアトリスと同年代(外見上)なのはペトラもそうだが、彼女に対する接し方とメィリィへのそれとではかなりわかりやすい線引きをベアトリスはしている。

 無論、同陣営で好意的な味方であるペトラと、元々どこかからの刺客として送り込まれた上、禁書庫と屋敷の焼失に関わったメィリィを同じに扱うのは無理だろうが。


「そうやって人見知りしてると、いつまで経っても友達ができないぞ」


「いきなり何を言い出したのかしら。それに、途中でシャウラが持ってかれて、おちおち話もできないのよ」


「あー、そっちの話の腰折って悪かった。なんか収穫とかあったか?」


「……特になかったかしら。それに、よく考えたら話ってほどのことでもなかったかもしれないのよ。うん、そうだったに違いないかしら」


「――?」


 ぷいっと顔を背けて、ベアトリスがスバルの問いをすげなく切り捨てる。

 微妙に頑なな態度にスバルは疎外感を味わったが、そのことをベアトリスに追及するより、崩れ落ちていたシャウラが立ち直る方が早い。

 地面に横倒しになっていたシャウラは、腹筋の力だけで立ち上がって屈伸すると、


「ま、お師様がいけずなのは今に始まったことでもないッス。気を取り直すッス。立ち直りの早さはあーしの持ち味ッス」


「その点、実に協力的で助かるよ。時にシャウラ嬢、聞いてもいいだろうか」


「なんスか? お師様じゃない人に、あーしは簡単に口説けないッスよ」


「確かに君は魅力的な女性だが、食事に誘うのは別の機会にしよう。――この塔を取り巻く事情について、いくつか確認したいことがある」


 ビッチにあるまじき身持ちの固さを表明するシャウラを、ユリウスが優雅な口説き文句を交えて華麗に躱す。シャウラも、その受け答えは予想していなかったのか、彼女らしくもなく目を丸くして、「あ、はいッス」と素直だ。


「感謝する。では、まず最初に……君は、ここから二層へ上がる階段がどこにあるのかは知っているかい?」


「二層『エレクトラ』の階段ッスか? さあ? あーし、四層から上にいったことなんてねッスもん。知らないッス」


「それはそれで衝撃的な発言やね」


 自己申告が事実なら、シャウラが監視塔で過ごした年月は四百年ほどのはずだ。

 その間、砂丘の監視に集中して、自分の暮らす監視塔の散策もしていなかったとするなら、さすがにそれは見上げすぎた忠誠心と言わざるを得ない。

 正直、お師様扱いされるスバルとしては複雑極まりないが。


「ユリウス、ちょっとええかな」


 と、今度はユリウスに代わり、アナスタシアがシャウラと向かい合う。騎士に続いて質問権を主張するアナスタシアは、その浅葱色の瞳にシャウラを映して、


「シャウラさんはアレやろ? 正確にはこの監視塔……やなくて、大図書館プレイアデスの番人って立場やんな?」


「いーぐざくとりぃッス」


「なるほど。したら、ウチの予想やと……四つ。ん、五つかな?」


 右手を持ち上げ、五本の指を立てるアナスタシア。その仕草と発言に、意図を読めないシャウラはきょとんとした顔で目を瞬かせた。

 しかし、


「――シャウラさんが言われてる、塔を守るための内緒の決まり事。五個と違う?」


「――――」


 はんなりと微笑するアナスタシアの言葉に、シャウラは初めて絶句した。

 目を見開き、肩を跳ねさせたその反応は、言葉よりも明快に、アナスタシアの疑いが事実であると示していたのだった。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「そもそも、あーしは別に隠し事してたわけじゃないッス。ただ、聞かれないから言わなかっただけッス。そこのところ、ちゃんと書面に残してもらいたいッス」


「いいから、全部話せ」


 アナスタシアに秘密を看破され、あたふたするシャウラの弁明をスバルが潰す。

 その強硬な姿勢に、シャウラは自分の両手の指をそれぞれ突き合わせ、


「例えばの話ッスけど、お師様たちがあーしに内緒で塔を出ていこうとかしたら、あーしはもう容赦なくぶっ殺すッス」


「すげぇいきなりだな!?」


「別にやりたくてやるわけじゃないッス! 例えの話ッス! そもそも、これはあーしにとって逆らえない問題なんスよぉ」


 まさかの敵対宣言にスバルが目を剥くと、シャウラは長身を小さくして首を振る。ぺたんと座って膝を抱えるシャウラは、その豊満な胸を自分の膝で潰しながら、


「あーしがお師様をぶっ殺すなんて、そんなのできるわけないじゃないッスか。あーしの方がぶっ殺されて終わりなのに、メチャメチャしんどいッス……」


「そんなに嫌なら拒否すれば……まさか、契約とか言い出さないだろうな」


 嫌な予感がして、スバルはシャウラにその単語を口にする。

 そもそも、最初からシャウラの素性について考えていれば思いつく話だ。四百年前から塔にこもり、『賢者』の代わりに魔女の封じられた祠を見張る番人。

 そんな気の長すぎる役割を任され、その上、実際に数百年の期間にわたって指示を守り続ける。――寿命も在り方も、人間的なそれではない。


「お前も、ベア子みたいに精霊なんじゃないか?」


 ありもしない約束を理由に、四百年間、禁書庫に縛られていたベアトリス。

 その彼女と同じように、シャウラもまた四百年、監視塔に近付くものを次々に仕留めながら、条件を越えられるものが辿り着くのを待っていたのだとしたら。

 あるいは彼女も、ベアトリスと同じ存在――。


「なわけないじゃないッスか。精霊とか、そんなフワフワした連中と一緒にされたらたまったもんじゃないッス。断固拒否……なんか、急にみんな目が怖いッス!」


「この場の面子、八割が精霊と関係あるからな!」


 なにせ、未熟な人間も含めて精霊術師が三人。さらに精霊そのものである幼女が一人と、暫定精霊に体を乗っ取られている人物も一人。無関係なのは階下で待っている鬼の姉妹と、何故か悪戯っぽい顔でシャウラを眺めるメィリィぐらいだ。

 シャウラの言い分は、そんな一同にとって快いものではない。

 ただ、


「それならそれで、お前はなんなんだよ。精霊でもないんなら、そんな必死になって契約を守ろうとする必要ないだろ」


「何言ってるの、スバル。精霊でも精霊使いじゃなくても、約束したんなら守らなくちゃダメに決まってるじゃない。約束は大事。はい、繰り返して」


「いや、今のは俺が悪かったけど、言葉の綾で……」


「約束は大事。さんはい」


「約束は大事約束は大事約束は大事」


 思わぬところでエミリアの叱責を受け、三回繰り返して許しを得る。

 ともあれ、スバルとエミリアのとんちきなやり取りは余所に、シャウラの頑なな姿勢はまったく以て理解し難い。

 本当に、メチャクチャ義理堅いというだけの話とは思えないのだが。


「今、大事なのはシャウラ嬢が何を命じられているか、だ。話が大きく脱線していくのは君の悪い癖だぞ。意識した方がいい」


「あたかも俺が全て悪いかのように……わかったよ! 俺が悪かったよ! 俺が悪かったのは認めるから、それはそれとしてキリキリ吐けてめぇ!」


「わー、完全に八つ当たりッスけどそれでこそお師様ッス。話すッス」


 情けない顔で詰め寄るスバルに、シャウラはご満悦な様子で手を打つ。と、それから彼女は咳払いして、妙にかしこまった態度で「では」と口を開いた。


「不肖、あーしが言われてることを簡単ながらお話させていただくッス。まず、大図書館プレイアデスの挑戦者は、もう絶対に外に出さないッス」


「いきなりどうしようもねぇぞ」


「大丈夫! ちゃんと抜け道があるッス! たーだーし、ちゃんと大図書館の『試験』を解き終えて、一層『マイア』までいけば問題ないッス。オールOKッス」


 親指を立てて、グッとサムズアップするシャウラ。


「ちなみに、この条件に違反した場合、あーしは血も涙もないキリングマシーンに早変わりするッスから、お師様との約束は無効ッス。手出しするッス」


「俺との約束より優先度上ってか。傷付くわー」


「おおー、お師様を傷付けるのに成功するなんて、あーしも腕を上げたッス! これは進化に違いないッス! 四百年の集大成ッス!」


「皮肉だよ!」


「あーしもッス!」


 鋭く言い合い、それからシャウラは二本目の指を立てて、立てた指をリズミカルに揺すりながら「続きましてー」と言葉を継ぐ。


「もう飽きたんでポンポンいくッス。一、『試験』を終えずに去ることを禁ず。二、『試験』の決まりに反することを禁ず。三、書庫への不敬を禁ず。四、塔そのものへの破壊行為を禁ず。五……あー、五は……あー、ないッス」


「全部で四個の決まり事……だけど」


 どうにも歯切れの悪いシャウラの言葉を引き取り、エミリアが思わしげな顔つきでスバルたちへ振り返る。彼女の抱く不安と懸念、それにスバルも首肯した。

 シャウラの口にした内容は、おおよそ、守れる範疇の問題だが、気になることがいくつかある。特に問題になるのは――、


「『試験』の決まりに反するのを禁ず、ってのは気になるな」


「何か、我々の知らない決め事が裏に隠されているということになる」


 顎に手を当てるスバルに、ユリウスも同意見の様子だ。

 三層『タイゲタ』の『試験』、少なくともモノリスを用いたアステリズムの問題に関して、スバルたちはそれらしい決め事の指摘を受けていない。

 しいて言えば、間違ったモノリスに触れた途端に失格扱いされたことだが――。


「決め事、決まり……なんや、いやぁな響きに聞こえるんよね」


「……墓所の『試練』は、失敗すると次の日まで挑戦できなくなった。それって、さっきの『試験』のやり直しにちょっと似てるけど、もしかしたら」


 そこで言葉を切り、エミリアは躊躇うように唇を噛む。震える紫紺の瞳がちらりとスバルの方を見て、その視線にスバルは頷き返した。


「思いついたことがあるなら話してくれ。何言っても馬鹿にしたりしないから」


「うん、わかった。あのね、スバルとアナスタシアさんも言ってたけど、この塔を作った人はすごーくイジワル……でしょ?」


「言葉の選び方が可愛らしぃなってるけど、そやね。それで?」


「相手の立場になって考えるのも大事。つまり、すごーくイジワルな人の気持ちになりながら、今のシャウラの言ったことを考えると、こうじゃないかなって」


 全員の視線が集中し、エミリアはそこで一度、自分の唇を舐めた。それから、彼女は両手を重ねて、その指先を天井に向けると、


「守らなきゃいけない決め事、それなのに決め事の内容がわからない。……それ自体、イジワルなんだって思わない?」


「……つまり」


「決め事の内容を想像しながら、それを破らないように進めってことかもって」


「――――」


 エミリアの不安げな言葉に、スバルたちは顔を見合わせた。

 その反応にエミリアは長い睫毛に縁取られた目を伏せ、


「エキドナだったら、そういうことしそうだなって」


「……エミリアたんも、性格悪い奴でパッと思い浮かぶのはあいつか。気が合うね」


 補足に付け加えられた一言が、少なくともスバルにとっては信憑性を増す。

 エミリアの慣れない、性格の悪い人間的な発想――そしてそれは、かなり正しいのではないかとスバルには感じられた。


 破ってはいけないルールを設け、その内容を挑戦者に明かさない。

 なかなか、性格も趣味も悪い仕掛けだ。


「ちなみに、この決まり事を破った判定ってお前がするのか?」


「なんかわかるようになってるらしいッスよ。今、言った条件のどれが破られても、あーしにはそれがわかるらしいッス。だから、誤魔化せないんス。――あーしのことも、お師様たちのことも、絶対に」


 言葉の後半、やけに神妙な態度で言い切られた声には力があった。

 それはシャウラの力量、という意味での力ではない。むしろ、逆だ。


 ――シャウラに、シャウラほどの力を持つ存在に、言わせるだけの力があった。


「元々、厄ネタだったところにさらに厄ネタが重なっただけだ。今さらだ」


「そう言い切れる君がたまに羨ましい」


 吐息をこぼし、そう呟いたスバルにユリウスがそう言った。その美丈夫の横顔をスバルが見返すと、彼は肩をすくめて、


「やはり、常に格上としか相対できない立場がそうした精神を培わせるのだろうか。だとしたら、それは私にはなかなかできない経験の差だな」


「お前はもっと足下に怯えろ。今に、机の角に小指をぶつけるからな。ぶつけろ」


「はいはい、仲良ぅケンカするんはええけど、本題を忘れんとこな?」


 スバルとユリウスの間に割って入り、アナスタシアが座るシャウラを見下ろす。


「それでホントに終わりなん? それ以外は大丈夫なんやね?」


「誓うッス。今度は嘘じゃねッス。それに、この決め事が破られない限り、あーしの体はあーしのものッス。間違ったッス。お師様のものッス」


「いらねぇ」


「突き返されたッス! でも、心は常にお師様の傍にあるッス!」


「それもいらねぇ」


 腰に手を当てたアナスタシアに再確認されて、シャウラはいらない情報とともに自分の立場をしっかりと表明する。あちこち余計な装飾があるものの、ひとまず、階下でのスバルとの約束――スバルたちに危害を加えない、は守るということだろう。

 無論、決め事が破られない間は、という条件付きであるが。


「それにしても、『試験』を終わらせなきゃ外に出られないなんて……なんだか、ますます墓所の『試練』に似てるわよね」


「いや、最悪、敵対するこいつを倒せれば帰っていいんだろ? 墓所より緩いよ」


「お師様はそんなことしないッス! 誰よりも心が広くて優しかったッス! やべ、嘘ついたせいで体痒くなってきたッス!」


 嘆息するエミリアとスバルの前で、自業自得のシャウラがばたついている。

 ひとまず、シャウラから聞き出すことは本格的にこんなところか。


「お話は終わったあ? もお、裸のお姉さんとくっついてて大丈夫う?」


「終わった終わった。いいぞ、好きにしろ。って、すげぇ懐いてるな」


 話の終わりを見取って、それまで蚊帳の外にいたメィリィがシャウラへ駆け寄る。そしてその細い肩にしがみつくと、また背中に上っていた。

 完全に塔内での、メィリィの指定ポジションに落ち着いた形だ。竜車を担ぐほど怪力のシャウラにとっては、メィリィぐらいの重さはそれこそ羽も同然だろうが。


「お姉さんの傍にいるとお、なんだかすごく落ち着くのよねえ」


「あーしはまぁ、別に気にしないッス。ちびっ子二号の面倒ぐらい見るッス」


「二号?」


「二号がこっちのちびっ子で、一号があっちのちびっ子ッス」


 メィリィを肩車したまま、シャウラは一号と称してベアトリスを指差す。

 そのシャウラのかなり無礼な発言に、ベアトリスは何の反応も示さない。普段であれば顔を赤くして、シャウラに食って掛かるのが彼女の性格なのだが。


「ってか、さっきも話に全然混ざってこなかったし、どうかしたのか?」


「――――」


「ベア子? おーい、ベアトリス。しゃんとしろ。おでこにキスするぞ」


「……勝手にすればいいのよ」


「――――」


 聞いていないわけではないのか、スバルの言葉にそんな気のない返事だ。それが面白くなくて、スバルは眉を寄せる。

 それから、


「むちゅー」


「んぎゃーかしら!?」


 なんか腹が立ったので、本当に額にキスしてやると、途端にベアトリスは我に返り、口付けされた額を押さえたまま大きく飛びずさる。転ぶ。立ち上がる。転ぶ。


「動揺しすぎだろ……」


「な、な、な、何をいきなりしているのよ!? 脈絡なさすぎるかしら!」


「脈絡はあったし、お前の許可も取ったよ。お前、ホントに大丈夫か?」


 額を必死で擦っている姿に多少傷付きながら、スバルは少女のことを心配する。

 考えてみれば、ここは曰く付きの砂丘の真ん中にある塔だ。スバルにはよくわからない瘴気やらなんやらが漂っているはずだし、それが原因かもしれない。


「調子悪いなら俺と手繋いでろ。それで落ち着くだろ」


「この流れでは無理なのよ! ちょっと落ち着く時間を寄越すかしら!」


 顔を赤くして、ギャースカ喚くベアトリスにスバルは肩をすくめた。手を繋ぐのまで拒否されたのはちょっとショックだが、これで普段通りの彼女の態度だ。

 何か心配事でもあるのなら、また機を見て聞き出すとしよう。


「さて、そうなると、あとの問題は……」


「結局、二層への階段の所在は闇雲に探す以外にないということか」


 改めて、書棚に向き直るスバルの言葉をユリウスが引き継ぐ。

 わずかに消沈して見えるのは、人手が必要とした彼の考えが、シャウラに命じられている決め事によって半ば頓挫したからだ。

 『試験』を終わらせなければ、塔から外に出ることは認められない。当然、人を呼ぶために砂丘へ戻ることも許されないということになる。


 故に、捜索は今の面子で続ける以外の選択肢はない。


「砂丘に落とした金の粒を探す気分、って言ってわかるか?」


「君らしくもなく詩的な表現だが、素直に同意できるね」


 スバルとユリウスが珍しく、目の前の難題に対して素直に意気投合する。

 このまま身構えていても埒が明かない。さっさと、この本の海に身を投げ、上へ向かうための方法を模索せねば――と、思ったところだ。


「ねえ、私、少しだけ思ったんだけど」


 意気込みも新たに書庫へ臨もうとする二人に、エミリアが小さく手を上げる。

 振り返る二人に彼女は首を傾げ、その唇に指を当てると、


「性格の素直じゃない人が、塔を作ったってところでずーっと考えてたの」


「言葉の選び方が可愛らしぃなってるけど、そやね。それで?」


 先ほどのリフレイン、まるで繰り返しのような錯覚に襲われるやり取りの最後に、エミリアは「だから」と付け加えて、


「階段の場所なんだけど、ひょっとして――」



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「やっぱり、この塔作った奴の性格、クソ最悪だな!!」


 高く長く伸びる階段――二層『エレクトラ』へ向かうそれを前に、スバルは堪え切れない怒りを盛大に吐き出した。

 二層への階段、エミリアが思いついた、その隠し場所は――、


「四層とか五層の、今まで見てないところに出てくるかもって思って」


 当たって嬉しいような複雑なような、そんなエミリアの言葉。

 彼女の推測はばっちり当たって、二層への階段は四層の、ラムやレムの待っている緑部屋のすぐ隣室――その空白のスペースに出現していたのだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱ好きだなぁ、ミネルヴァ
[一言] なんでエミリアがセクメトのこと知ってるのかと思ったら、なろうだとあのシーンで出てくるのセクメトなのか
[一言] 読み直し中なのですが この回のメィリィの 「お姉さんの傍にいるとお、なんだかすごく落ち着くのよねえ」 ってのが、シャウラの正体を加護でなんとなく察してたってことなんですかね。それならスバルの…
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