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神無の世界 作者:赤雪トナ
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27 家出娘と決闘と

 夏が盛りを過ぎて、ほんの少しずつ夜中の涼しさが増している。
 そんな日々を四人は元気に探索をして過ごしている。オータンたちとの避暑は、仕事であっても四人に十分な休息となった。現在は五十四階を探索中だ。

「新しいナックルの使い心地はどうだ?」
「いい感じですわ」

 岩と土でできた等身の人形を殴り壊したイオネに、シデルが聞く。
 以前の黒革の籠手ではなく、今は青の籠手をつけている。自分で貯めたお金半分、セルシオのお金半分を出して買ったのだ。より良い物をということでセルシオからお金を出すことを提案した。
 黒革の籠手は地元の魔物の皮を使って作ったもので、今回のものは百八十階にいるサイの皮を使い作られている。特殊な能力はないが、頑丈さ、衝撃の吸収率がまるで違う上物だ。
 イオネが使っていた籠手はサイズを調整してもらい、リジィに譲られている。積極的に格闘ツールを使いはしないが、持っていて邪魔にはならない。

「俺もそろそろ剣を買い換えようかな」

 セルシオが自身の剣を見て呟く。歪んではいないが、小さな刃こぼれがところどころにある。大きな問題はないのでまだまだ現役だ。

「なんの能力もないんだろう? いいと思うぞ?」

 シデルの斧は頑丈さを優先したおかげで、まだ刃こぼれ一つない。

「考えてとこ」

 次に買うとしたら能力付与された鋼の剣だろう。高価武具にはまだ手を出しづらい。
 鋼の剣のワンランク上はダマスカスの剣で、最低でも七万コルジとなる。
 セルシオはパーティーのメインアタッカーではない。ダメージ増加を急ぐ必要はないのだ。もしかすると防具の買い替えの方が先かもしれない。魔王級討伐戦であちこちに傷が入っているのだ。

「兄ちゃん、あっちに魔物がいるよ」
「あ、話してて警戒が弛んでたね、ありがとリジィ」

 現れた魔物はさっき戦った土石人形だ。雷が効きづらいので、リジィは待機。それでも三人で十分余裕を持って倒せる魔物だった。手を出さないとレベルアップに繋がらないが、気力の無駄遣いは控えておく方向だった。
 魂稀珠と落とした材料アイテムのガラスの欠片三つを拾う。その中の一つをリジィは摘みあげる。

「涙型のガラスの欠片、もらってもいい?」

 水色でアクアマリンに似たそれを気に入ったリジィが三人に聞く。
 三人とも反対はせず頷き、リジィは笑みを浮かべて礼を言い、ガラスの欠片を手の中で転がす。
 綺麗なものに関心を示したリジィに、三人は小さく笑みを浮かべた。

「女の子ですわね」
「そうだな」

 少しだけ穏やかな空気が流れ、四人は再び探索を始める。
 昼を食べて新しい部屋に入った時に、ダンジョン内では珍しいものが目に入ってきた。
 テントだ。部屋の隅に、テントが張られていた。その周囲には窯や水の入った瓶がある。本格的にそこに滞在しているようだ。
 四人の気配を感じてか、テントから二人の男女が出てくる。のんびりとしてそうな男と強気そうな女だ。男は三十ほどで、女は二十ほどに見える。

「こんにちは。ぶしつけな頼みですが携帯食を持っていたら、材料アイテムと交換してもらえません?」
「いきなりだな。セルシオ、どうする?」

 携帯食はセルシオのリュックの中にまとめて放り込んである。

「別にいいけど。どれくらい?」
「あるだけもらえれば助かります」

 ちょっと待ってと答え、リュックを下ろし、携帯食を出していく。そう多くはいれていない、三日分だ。

「これで全部」
「ありがとうございます。こちらから出せる材料アイテムはこれだけです」

 女もリュックから携帯食と同等と思われる材料アイテムを取り出す。
 セルシオたちは目算し、大きく違いはないと受け取った。

「こんなところでなにをしているんですの? なにか特定の材料アイテムを集めているとか、修行とかですか?」

 わざわざ泊り込む理由はそれくらいしか思いつかない。

「恥ずかしながら家出中なんです」
「家出、ですか」

 イオネの表情が固まり、すぐに解れた。
 本当なのかセルシオは男に視線を向けると、苦笑を浮かべて頷かれた。

「どうして塔の中なんだ? 街から離れるだけでもいいと思うんだが」

 故郷から離れて街に来たという可能性もあるが、どちらにしても塔に住み込むというのはおかしい。

「ここなら追っ手が来にくいと思ったからということと、この街に家があるんですがこんな場所に隠れているとは思わないだろうと思ったからです。時々遭遇する挑戦者に食料はもらえますし、どうしようもなければ変装して売店にいけばばれません」

 住みだして二週間が経っている。魔物避けのアイテムなどを使って、安全圏を確保して比較的平穏に暮らせていた。
 女の実力ではここで暮らすことはできない。五階くらいが限度だろう。しかし男の方の実力が高いため、ここに滞在することができた。

「どうして家出しようと思ったのかお聞きしても?」
「知らない相手との結婚が進んでいたからです」
「それだけで?」

 セルシオが不思議そうな表情を浮かべた。女の背景がまったくわからないので、シデルたちもセルシオと同じ思いだ。

「お嬢様はいいとこの出でな。貴族ってわけじゃないが、それなりに力を持った商人の娘なんだ」
「政略結婚といったやつか。でも家のために使われて当然なんじゃないか?」
「当然ではないでしょう! 自分の生き方を他者に決められるなんて!」
「そうです! わかりますか!」
「わかりますわ!」

 意気投合する二人の横で、シデルは男に話しかける。

「あんたは恋人なのか?」
「いや、護衛として四年前に雇われただけだ」
「こんなところまで付き合ってんだから、好意はあるんじゃないのか?」
「まあ、好意はあるが、それはお嬢様の気質を好んでいるだけだぞ?」
「それだけでここまで来るのか?」
「お嬢様の身の安全を守るのが仕事だからな。主も強引なところはあるが悪い人じゃあない。そんな人の娘を守るんだ、やりがいのある仕事だよ。できるならこんなところに篭るのはさっさと止めてほしいが」

 恋人に会えやしないと溜息を吐く。実のところ、女の居場所は男から家に伝えられている。迎えにこないのは、ある程度好きにやらせれば飽きて帰ってくるだろうと思われているからだ。

「止めてほしいって言えばいいのに」

 セルシオの言葉に苦笑を浮かべる。

「言ったが聞かないんだ。親子揃って頑固者だぜ。主もお嬢様の幸せを願って結婚を進めたんだ。選んだ相手もおかしな奴ではないしな。家の発展って考えがあったのもたしかなんだが」
「よくわからない話」

 農民出身のリジィには理解できない話だ。リジィにとっては結婚は村の中の誰かとするもので、そこに利益が発生するものではなかった。

「こういった話は金持ちや貴族特有だしな、嬢ちゃんは理解できなくていいさ。好きな人と結婚して、子を作って幸せに暮らすって認識で問題ない」

 巻き込まれると面倒だから、金持ち相手は止めておけと忠告する。
 それにリジィはこくこくと頷く。

「あ、シデルさんはお金持ちが相手。大丈夫?」
「そうなのか?」

 男がシデルを見る。自分に話がくるとは思わなかったシデルは苦笑を浮かべて、頬をかく。

「まあ、そうなるな。でも結婚とかの前にやることがある。もし結婚するならいつになんのかねぇ」
「あまり相手を待たせるなよ? 不安に思うだろうからな」
「俺としても早く終わらせたいんだが、いつになることやら」

 こういって話している間にも、イオネと女は愚痴を言い合っていた。

「ああいった話に共感できるってことは、イオネはそういった出ってことかな?」
「おそらくな。それなのに一人で行動してたんだから、なにかしらの事情があるんだろう」

 馬鹿らしい事情なら関わるだろうこちらとしても気が楽なんだがと、シデルは思う。
 そろそろ帰るぞと声をかけ、二人とわかれ四人は来た道を戻る。
 ダンジョンから出て、温度の違いに四人は少しだらけ出発の間を出る。そこに、

「見つけたぞ、イオネ」

 という男の声がかけられた。
 声のした方向をみると、男の虎獣人がイオネをまっすぐ見ていた。年齢は三十手前、イオネと違い髪や耳や尾はごく普通の虎柄だ、
 表情には安堵と怒りがある。イオネは苦い表情となっている。

「ヴァヅル兄さん」
「手紙も残さず村を出て、皆がどれだけ心配したと思っているっ。帰るぞ!」
「帰りませんわ。挑戦者としての生活が充実してます。いまさらあんな窮屈なところに帰る気はありません」

 顔を背けて、話は聞かないと態度で示す。

「お前は自分がどれだけ重要なのかわかっているのかっ!?」
「重要重要ってそればっかり! 聞き飽きましたわ。私はこのパーティーとやっていくことに充実感を得ているんです。次期族長という立場よりも!」

 ここでいう族長は、いくつかの村をまとめる立場の者だ。今は一番強い者がその立場についている。特例がなければ族長は強い者が就くのだが、イオネは生まれた頃から族長になることが決まっていた。

「いきましょう! 話すことなどありません」

 イオネは三人の背を押して、宿へと歩く。
 ヴァヅルはそんなことじゃ諦める様子は見せず、四人の後を歩きつつ話しかける。

「こっちは話すことばかりだ! だいたい髪もそんな色に染めてなにをしているんだっ。小さい頃から聞かされていただろう、お前の持つ髪と目の色のことは!」
「聞き飽きるくらい聞いてます! ですがそれがどうしたって感じですわ!」
「髪を染めてるの?」

 純粋に疑問に思って聞いたリジィに困ったような表情を向け、少しの間を置き頷いた。

「染める前ってもしかして白?」
「そうですが、色の意味を知っているんですの?」

 あってるんだなぁと思いつつセルシオは頷く。本で読んだことがあったのだ。

「詳しいことまでは知らないけど、虎の獣人にとって白毛金眼はありがたられてるってことくらい。虎の獣人にも勇者が二人いて、二人ともが白毛金眼だったって本に書いてあったよ」
「そのとおり! 強く偉大なレシムとオリシオン! 彼らと同じ特徴は我らにとって何にも変えがたい敬うべきものなのだ! イオネが生まれた時、我が村だけではなく同胞たちはその誕生をどれだけ喜んだことか!」
「五月蝿い!」

 強く感情を込めて言うヴァヅルに、イオネは短く切って捨てた。

「村を出たのってわりと大事なんじゃ?」
「かもしれませんが、私はあんな環境は嫌いです!」
「どんなだったの?」

 リジィの言葉にイオネは顔を顰めた。聞かれたことに不機嫌になったのではなく、思い出すことも嫌だったのだ。
 変化した表情にリジィがすまなそうな顔となり、リジィが悪いわけではないと慌てて謝る。

「思い出したくもありません」
「ひどい扱いでもしたのか?」

 話しそうにないと判断したシデルは、振り返りヴァヅルに聞く。

「するわけないだろう! 逆だっ皆大事にしていた! 成長を見守り、健康に気遣い、危険から守りと手を尽くした! 飢えることのないよう食料は常に潤沢で、知識のために本も集め、きちんと皆を導けるよう現族長や村長たちに指導も願った」
「至れり尽くせりじゃないか。そのどこが不満だったんだ?」

 話を聞くかぎりではなにも問題ないように思え、セルシオたちはイオネが故郷を嫌う理由がわからない。
 理由を察せないのは三人が人間だからだ。

「私はたしかに白毛金眼という特徴を持って生まれましたが、虎の獣人なのです。そしてこれまでの私を見ていればわかるように虎の獣人は戦闘を好んでいますわ。それなのにこの人たちはっ危ないからと戦うことを制限してくるのですよ!? 本能を押さえつけられて暮らし続けなければならなかった私の気持ちがわかりますか!?」

 虎の獣人にとっては戦うことは生きていくうえで優先度が高い。呼吸する寝る食うといった当たり前のように行うことと同等とまではいわないが、それでも自我が確立してから一ヶ月戦わずにいれば体調を崩すといったことは珍しくない。それほどに闘争が生活の一部となっているのだ。
 セルシオたちに当てはめるならば、水と食料は与えられるが常に不足した状態といったところか。死にはしないが、いつ体調を崩してもおかしくはない状態。

「それはお前の身になにかあってはいけないと」
「戦いで怪我をするのは当然のことでしょう!? 誰もが手合わせで手加減してくるし、魔物との戦いは故郷で一番弱い魔物としかできないしっ。そんな戦いでは満足などできませんっむしろ不満が溜まるばかりでした!」

 そばにいる同年代の者たちに置いていかれないよう、一人で必死に修行しセルシオたちと初めて会った時の実力を得たのだ。
 かたや大事な跡取り娘を守るため、かたや生物的な理由。どちらの言い分もわかるだけに、セルシオたちは口出しできない。

「ああっもうっいつまでもついてこないで! 先に宿に帰ってますわ!」

 そう言うとイオネは駆け出し、ヴァヅルも後を追って走っていく。

「イオネさん帰るのかな」
「どうなんだろうね」
「帰ることはないだろうな、今のままなら。イオネが妥協することはないだろうし、となると村側が妥協してどうにかってとこか」

 交渉するにしても粘り強くいかなければイオネは頷かないだろう。ただ言うことを聞かせたいならば薬や魔法といった手段もとれるだろが、敬う存在ということなので使う可能性は低い。
 どうなることやらと三人は今後の進展に気が重い。

「俺としては出て行ってほしくないんだけどね。抜けられるとパーティー攻撃力がた落ちだし、イオネは嫌いじゃないし」
「うん、あたしもいてほしい」
「仲良くやってきたからなぁ、俺もいてほしいってのに同意見だな」

 そんな感想を抱きつつ宿に戻るとセオドリアが話しかけてきた。

「イオネの奴どうしたんだ? えらい剣幕で部屋に戻っていったぞ? その後を知らない奴がついていくし」
「簡単に説明すると家出娘を連れ戻しにきたってことになるんだが」
「家出か、親御さん心配してそうだな。まあ、あの年だし独り立ちしててもおかしくはないんだが。心配性なんだな」
「ただの家出だったらそれで話が終わるんですけどねぇ」

 セルシオのなにか含んだ言葉で、ただの家出ではないとわかる。

「少しくらいなら騒いでもいいが、度を過ぎると叩き出すと二人に伝えておいてくれ」
「わかりました」

 三人は頷いて、部屋に戻る。
 部屋の前には、入れなかったヴァヅルが話しかけていた。

「あの調子だと俺たちも入れなさそうなんだが」
「さすがにそれはないと思いたい」

 げんなりとしたシデルに、似た表情でセルシオが返す。

「そこに立たれると俺たちが入れないんだが」
「ちょうどいい、お前たちも説得に協力してくれないか?」
「説得って言っても、俺たちでも無理じゃないかなって思う。とりあえず扉から離れて。そこにいるとイオネが入れてくれそうにないし。あと大きく騒ぐと叩き出すって宿の主人からの伝言」
「……居場所がわかっただけでも今日はよしとしておいた方がいいか。邪魔してすまなかった」

 扉前からどいて、ヴァヅルは一階に続く階段へと向かう。
 姿が消えて、セルシオは扉をノックする。

「あの人一階に下りたから扉を開けて」
「ほんとですの?」

 確認するように返事が返ってくる。それにリジィとシデルが肯定の返事して、扉が開く。
 申し訳なさそうなイオネが立っていた。
 武具を外した後、イオネが三人に不安そうに話しかける。

「皆さんは私がいなくなったらどう思います?」
「困るってさっき皆で意見が合ったよ。イオネにはいてほしい」
「ほんとですの?」

 三人は頷いて、それを見たイオネは嬉しげに笑みを浮かべてリジィに抱きついた。
 満足するまで抱き続け、夕食のため一階に下りる。
 セオドリアに注文を頼む時に、ヴァヅルもここに宿をとったことを教えられた。

「……一時的に宿をかえたくなってきました」
「俺たちと一緒に行動するってわかってるだろうし、また管理所で待ち伏せされるだけじゃないか?」

 簡単に予想でき、さらに難しい表情を浮かべた。

「しばらく三人と行動や時間帯をずらして行動しますわ。それで諦めてくれたらいいのですが」

 三人よりも少し早く宿を出たり遅く帰ったり一緒に行動しなければ、ヴァヅルは話しかけるタイミングを失うのではと思う。そうなればいいなという希望がふんだんに込められているが。
 料理を待つ間に、ヴァヅルも夕食を食べるために食堂にきて、イオネ近くのテーブルに座る。
 いろいろと話しかけてくるヴァヅルを無視したイオネは、一人でさっさと部屋に戻っていった。その後ろ姿を大きく溜息を吐いて見送ったヴァヅルも料理を食べていく。
 これからしばらく見ることになりそうな光景だった。
 その予想通り、セルシオたちが朝食を食べる前に食堂にいて話しかけようとしてイオネの姿がないことに肩を落とし、管理所についていきて合流したイオネに話しかけようとして出発の間で振り切られ、探索から戻ってきた時に待ち伏せて走って逃げられと繰り返し、そのたびに溜息を吐く姿を見る。
 それを二日続けて、ヴァヅルはイオネの行動を予測しより時間に幅を持たせて動き出す。
 三日目は食堂で一人朝食を食べようと下りてきたイオネと会うことはできた。即逃げられたが。次の日イオネは身支度を整えると、二階の窓から外に出て、ヴァヅルを避けた。
 こんな追いかけっこを十日続けて、両者ともによく粘ると思いつつ夕食を食べていると、どことなく憔悴したヴァヅルが三人に話しかけてくる。

「すまないが、力を貸してもらえないだろうか。仲間の言葉なら耳を貸すと思う」
「前にも言ったが、無理だと思うぞ? 一度諦めて村に帰ったらどうだ? 親なり村長なりを連れてきたらまた反応が変わるかもしれん」

 そうは言うが変わらない可能性の方が高いだろうなと考えている。

「……それもやってはみるが、やれるだけのことはやりたいのだ。金なら言い値で払おう。村に戻るように説得してくれないか?」
「それは金で人を売れってこと?」

 不機嫌そうにセルシオが聞く。不機嫌なのはリジィもシデルも一緒だ。
 その反応をヴァヅルは仲間意識からだと勘違いした。

「言葉は悪いかもしれんが、そういうことだ」
「断る」

 はっきりとセルシオは言い切った。
 仲間意識の有無もあるのだが、奴隷として売られた三人だ、人との関係を金でどうこうされるのは不快でしかなかった。
 傭兵との交渉では金銭での解決は当たり前だ。しかし知らないとはいえ、仲間に関して三人との交渉でそれは悪手でしかなかった。
 セルシオは目つきを鋭きしてヴァヅルを睨みつける。

「協力は一切するつもりはないっ」
「少しくらい考えてくれてもいいだろうっ」

 遅々として進まない交渉にいらつきもあるヴァヅルの言葉が荒くなる。

「考える気はないともう言った!」
「こっちは一族の問題なんだ! 多くの者が帰りを待っているっ少しくらいは協力しようと思わないのか!」
「思わないね! ずっと一人で説得し続けろ!」

 徐々にヒートアップしていく。

「それをやって無理だったからこうして頼んでいるんだろうが!」
「それだけやって無理だったんだっ諦めて帰れよ!」
「帰れるか!」

 セルシオとヴァヅルは椅子を立ち睨み合う。こういった諍いは酒が入れば当たり前の光景なので、周囲の者たちは煽るだけで止めない。様子を見ているセオドリアも暴れだしたら止めるが、言い争い程度ならば関わらない。
 シデルとリジィは興奮しすぎだと思い、止め時を計っている。
 少し言い合いが続いて、

「こうなりゃイオネ立会いで勝負だ! こっちが勝てばイオネは無理矢理にでも連れ帰る! 止めさせはしない!」
「俺たちが勝てば、諦めて帰るんだな!」
「首を洗って待ってろ!」

 話の流れで決闘が決まった。女を巡っての男の争いだと周囲は勘違いし、やんややんやと喝采を送る。
 セルシオを指差し言った後ヴァヅルは部屋に戻っていき、セルシオは椅子に荒々しく座る。
 水を飲むセルシオに、シデルがふと気づいたことを口に出す。

「勝負って言っていたが、あいつセルシオとやる気じゃないか? 指差していたのお前だし」
「……あ、たぶんシデルの言うとおりだ。勢いのままに承諾したけど、どうしよう?」

 テンションがいっきに下がり、やっちまったと手で顔を覆い、項垂れた。

「今更なしだとは言えないしな。どうするかな」

 さすがに事情があるとは聞き入れないだろう。ヴァヅルも事情があると言っていて、それを拒否されたのだから。
 悩みだした三人に、セオドリアが話しかけてきた。

「よう、セルシオがああいった風に言い合うのは珍しいな」
「なんか相手に言い方にむかつくものがあって」
「まあ聖人ってわけじゃないだろうし、むかつくこともあるわな。それでなにか悩んでいるみたいだが、困りごとか?」
「勝負ってのは聞こえてただろ?」
「ああ、セルシオとやるんだろう?」
「やっぱそう思うよな。セルシオは対人戦ができないんだよ」
「そうなのか? でも以前はオルトマンたちと模擬戦やってたような気がするんだが」

 模擬戦やっているとオルトマンと話した時に聞いたことがあったのだ。

「オルトマンとやらとわかれて、俺たちが加わるその境でなにかあったらしくてな」
「なにかってーと、あの時か。様子がおかしかった時があったな」
「詳しいことは知っているか? 俺たちも全部は知らないんだ」

 なにかしらの情報が得られるかとリジィも期待してセオドリアを見る。

「すまないが、知らないんだ」
「そっか」
「対人戦ができないってなにかしらの理由があるんだろう? 強者が怖いとかか?」
「わからないんだよ。セルシオに聞いても本人にも自覚がないようだし。ただ強い奴が怖いってのは違うと思うな、魔王級と遭遇した時俺たちの中でただ一人気絶しなかったんだ」
「魔王級に遭ったのか!? それで気絶しないとなると恐怖とは違うんだろうな」

 強者が怖いという理由で戦えないのなら、圧倒的強者の魔王級のプレッシャーに耐えられるはずもないのだ。

「怖いというわけじゃないとなると……そういや」
「なにかわかったのか?」
「十年以上前に来た客なんだが、魔物と戦えない傭兵がいたんだ。戦えない相手がいるということは同じだろう?」
「たしかにな。そいつはどういった理由で戦えなかったか知っているか?」
「聞いたはずだ」

 なんだったかとセオドリアは首を捻る。三人の視線が集まり、一分以上経ち、思い出したと手を叩く。

「魔物討伐に行って負けて、仲間共々餌として捕まったらしい。助けられたんだが、救助までの間に食べられていく仲間たちを見続けることになってな、以来魔物を前にすると食べられる仲間の姿や悲鳴が思い出されて体が固まり戦えないんだって言ってたな」
「それはきついな。でも傭兵なんかやってたら魔物と遭う機会はいくらでもあるだろう? その度に戦闘はほかの奴に任せたのか? ずっと街中で仕事してりゃそうでもないかもしれんが」
「万が一の備えはあるんだとさ。なにか薬を持ってて……たしかデッドアクターとか言ってたか?」

 聞き覚えあるかとセルシオとシデルに聞くも、二人も知らなかった。

「それがあったら今後のことはなんとかなりそうだな」
「それはどうかと思うが」

 どうしてだという視線にセオドリアは、

「常に使えるなら、魔物退治も問題なくやれていたはずだろう? それなのにあいつは魔物討伐は避けていた。魔物を憎む思いもあるだろし、避けることはないんじゃないか?」

 と思いついたことを語る。

「あ、それはそうだ」
「使うにしてもきちんと調べてからにした方がいいだろうな」

 ちょうどクースルトという医者に知り合いがいるので、聞いてみることにした。
 ちょっと行って来るとセルシオは管理所に走り、医務室に入る。
 いないかもしれないと思っていたが、夜勤だったようで会うことができた。

「こんばんは。いてくれて助かった」
「やあ、なにか用事かい?」
「デッドアクターって薬知っているか聞きたくて」
「知ってるけど……そうか使おうと思っても無理はないか」

 セルシオの戦いを見ていたクースルトは、心に傷の一つも残るだろうとそれを必要とすることにすぐ納得する。
 少し待ってろと言って、クースルトは医務室を出て行く。そして十五分ほどで戻ってきた。

「デッドアクターってのはこれだ」

 ポケットから一辺二センチのタイルみたいなものを取り出す。
 使い方は、片面の紙を剥がして、剥がした面を首横に押し付けるだけ。剥がした面には注射のような細い針が何本かあり、そこから薬が注入され、すぐに体に回っていくのだ。持続時間は四時間。効果は感情を抑えつけて、何事にも動じないようになるというものだ。あまりの動じなさに生きてるのか疑われたことが由来で、死者を演技する者という名がつけられた。
 こういった説明を受けて、受け取ろうとセルシオは手を差し出す。しかしクースルトは渡さない。

「まだ説明は終わってない。どんな薬にも使用上の注意がある。これにもな。その注意のせいで、このデッドアクターは準禁制品扱いなんだ。麻薬のように医者だけに使用が許された薬なんだよこれは」
「副作用でもある?」
「注意を守ればない。注意ってのは使用は半年に一回だけということだ」

 半年に二回使うと、感情が薄いままで固定される。その状態でさらに使うと生きた死体となる。心臓は動いているが、体は動かない。飲み食いせず寝てるだけ、そんな状態になってしまうのだ。

「わりと怖い薬だったりする?」
「怖いな。日数把握しないで使い、感情が薄くなったっていう話を聞いたことがある。それでも使うか?」
「……うん、使う」

 少し迷った様子を見せたが、手を差し出す。
 自分では入手できないので、ここに来なければ使う機会はないだろうと思ったのだ。

「わかった、本当に気をつけろよ? あとはこれの代金は預かっている金から引いておくからな」
「それでいいよ」

 受け取ったデッドアクターをポケットに入れて、もう一度使用方法などを聞き、宿に帰る。
 イオネも帰ってきていて、二人から事情を聞いていた。

「セルシオまで巻き込んでしまい申し訳ありません」
「仲間のためだし、気にしなくていいよ。魔王級の時は俺が迷惑かけたし」
「ありがとうございます。それでデッドアクターという薬は手に入りましたの?」
「これがそう」

 ポケットから出して三人に見せる。

「副作用はあったのか?」
「副作用はなかったけど、注意しないといけないことはあった」

 連続して使えないという理由に、万が一という扱いになったのを納得した。

「兄ちゃん、二度と使ったら駄目だからね」
「二度とは無理かもしれないけど、半年以内には絶対使わないよ。俺も感情をなくしたくない」
「できるだけ使ってほしくない」
「ごめんなさいね、リジィ」

 申し訳なさそうにしているイオネに、複雑そうな表情を向けて今回は仕方ないと首を横に振った。

「ちょっとあいつの部屋に行って、明日のいつどこで勝負するか聞いてくる。その方が薬を使う時間を調整しやすいだろ」
「お願い」

 セルシオに手をひらひらと振って、シデルは部屋を出て行く。
 勝負する時間は午前中、場所は街の外。ヴァヅルはダンジョンに入ることができないので、そこになった。
 朝起きて、待ち合わせ時間が迫り、宿を出る時にセルシオは薬を使う。

「どんな感じ? 大丈夫?」
「ん、よくわからない」

 心配そうに聞いてくるリジィに、正直に答える。
 使ったすぐ後なので、セルシオにもリジィたちにも変化があるようには見えない。
 効果が出始めたのは門に到着する前だ。様々なものに対する感想が湧かなくなってきた。屋台から漂う匂いに美味そうだと思えず、客寄せの声を自然と聞き流し、これからの闘いに関して緊張も高揚もない。

「効果が出始めた」
「大丈夫か?」

 聞いてくるシデルに小さく頷きを返す。表情は冷めたもので、そこからは大丈夫なのか判断できない。
 袖を引いて心配そうな目を向けてくるリジィにも、セルシオは表情の変化を見せない。
 いつもなら心配させないように笑みを向けるのだが、それもないことにリジィの不安は高まる。その反応に、セルシオは小さく小さく表情を変化させ、リジィの肩に手を置いた。
 薬では抑えきれないほどにリジィのことを大事に想っているのだろう。
 その手を取ってぎゅっと握る。こんな兄は嫌だと、デッドアクターは二度と使ってもらいたくないという思いを強くする。
 門の外に武装を整えたヴァヅルが立っていた。格闘主体で、イオネと似たような姿だ。籠手はイオネが使っていたものと同じものだ。

「ここから離れるぞ」

 ついてこいと言って先を歩く。十分ほど歩いて、見晴らしのいい草原に到着する。少し離れたところには広い畑が見え、収獲前の手入れを行っている。

「約束は覚えているだろうな?」
「勝ったらイオネは帰って、負けたらあんたが帰る」

 平坦な声音にヴァヅルは疑問を抱くが、気にする意味はないと追求はしない。

「始めるぞ。合図はイオネ出してくれ」
「わかりましたわ」

 この素直さが帰還の返答時に出てくれたらなと一瞬だけ思うが、これからの戦いに向けて集中する。
 頑張ってというリジィの声援を背にセルシオは進み出る。
 セルシオは剣を抜き、ヴァヅルは拳を上げて構える。ヴァヅルから放たれる闘志をセルシオは感じ、これから戦いが始まると自覚を持つ。心にわずかな揺らぎを感じたが、体が震えることも固まることもなく、薬が役立っていることを確認した。
 イオネはセルシオとヴァヅルの間に立ち、両者に始めていいか聞く。頷きが返ってきて、右手を上げて、始めっという声とともに下ろす。
 即座に動いたのはヴァヅルだ。様子見など考えず、いっきに近づいて、スキルではなく技術としての右ストレートを放つ。

「うぉらっ!」

 掛け声とともに迫る拳をセルシオは盾で受ける。

「んっ」

 盾を通して衝撃が感じられ、体が押される。動きや威力から自分よりもレベルが上かもしれないと推測する。
 続けてヴァヅルは左足のローを、セルシオの右足に叩きつけた。
 足の動きに気づいていなかったセルシオはローをまともにくらい、ブーツ越しにそこそこの痛みを感じた。薬のおかげでそれが表情にはでないので、ヴァヅルはどれだけ効果があったか推測できない。それでも自分の方が実力が上ではないかと推測する。

「俺の方が強いんじゃないのか? 降参するなら今のうちだぞ? 痛い目みないですむ」
「……」

 それに対する返答は無言での斬り下ろしだった。バックステップで避けて、すぐに踏み込んでくる。

「剛拳っ」

 使われたスキルを、引いていた盾で防ぐのは間に合わないと、下がりながら受ける。胸部に当たった拳の完全に勢いを殺すことはできず、咳き込みながら、下がって距離を取る。そしてすぐに治癒魔法で痛みとダメージを緩和する。
 その様子を見て、ヴァヅルは目つきを鋭くする。

「治癒魔法を使うのか」
「文句は言わさない。スキル使用を禁じなかったのだから」
「言わないさ。回復速度以上のダメージを与えればいいだけだ。治癒魔法があるからと余裕があるのなら、そんな余裕は無駄なものと思い知れ」

 速度を上げて、ヴァヅルは攻める。拳と蹴りが次々とセルシオを襲っていく。

「反撃もできないのか!」

 それに答えず、ヴァヅルの攻撃が弛む間にセルシオは剣を振るう。
 ヴァヅルが三回攻撃し、セルシオは一回攻撃できる。その攻撃も当たることは多くないので、ヴァヅルが八回当て、セルシオは一回当てるといった感じで勝負は進む。
 技術差が明確に現れた戦いだ。一方的ともいえる勝負を、リジィは祈るように両手を組んで見ている。シデルとイオネは勝つことを願い、勝負から視線を放さず見続ける。

「剛拳っ」
「ぐぅっ」

 右ストレートを盾でわざと防がせ、前に出てきた盾をヴァヅルは左手で掴んで横に動かし、開いた箇所にスキルを叩き込む。
 セルシオはそのまま下がり、治癒魔法でできるだけ治していく。

「また治癒魔法か、粘るのはすごいが、いい加減諦めたらどうだ? ここまでの戦いで勝てないとわかっただろう?」

 返答はせず、回復時間に当てていく。
 その姿を見て諦める気なしと、ヴァヅルは小さく溜息を吐いて攻める。

「気力はいつまでもあるわけじゃない。治癒魔法はいつか使えなくなる。負けは明確だろう? ならばさっさと諦めろ」

 この勝負で何度か使ったパターンの攻めにセルシオは気づき、攻撃の合間にわりこんで剣をヴァヅルの頬に掠めさせた。
 そんな小さなダメージには構わず、ヴァヅルは攻める。
 顔目掛けて振るわれた拳に、セルシオは盾を突き出して当てる。
 両者はそこで押し合い、動きを止める。力の差で少しずつセルシオは押される。押されながらも口を開いた。

「諦めるにはまだ早い」
「早い? どこがだ? 手も足もでず、攻められっぱなし。回復はできるが、それは何度も使えるわけじゃない。勝てないとわかりきっているだろ」
「確かに言うとおり。でもこれまでの戦いよりはまし。ホコラッテはもっと強かった。オオコゲラ山の主はさらに。それらに比べたら死のイメージはわかない、威圧感は大したことない、ダメージも耐えられる、攻撃も当たる。勝つ目がある。なら諦めるには値しない戦いだ」

 薬のせいで静かだが、確固たる思いが込められていた。
 ホコラッテという格上との戦いで、心を折らなかったセルシオが少し実力が上なだけというヴァヅル相手に諦めるわけはなかった。
 現にヴァヅルに攻撃は当たり、小さいながらもダメージは積み重なっている。

「ふんっ気合や根性や不屈の闘志か。嫌いじゃないが、それだけで勝てると思うな!」
「このまま粘って勝ちを引き寄せてみせる」

 二人は同時に力を込めて、同時に引いた。
 そこから先の戦いも、これまでと同じだ。ヴァヅルが幾度も攻撃を当てて、セルシオが回復し時々攻撃を当てる。
 互いに互いの動きに慣れたことで、攻撃が当たる頻度が下がるかと思われたが、体力消費と動きの鈍りにより、頻度に違いはなかった。
 そしてそろそろ一時間が経とうとしている。互いにぼろぼろな様相となり、最後の一撃と思われる攻撃を放つ。
 スキルではないただのストレートと袈裟斬りはリーチの差で、セルシオが先に当て、ヴァヅルは倒れた。それを確認する前に剣を振り切った形でセルシオも倒れたので、引き分けと判断できるだろう。

「兄ちゃん!」

 治癒薬を持ってリジィが駆け寄る。勝負は終わりと判断していたシデルとイオネは、それを止めなかった。
 イオネも体のあちこちから血を流しているヴァヅルに治癒薬を塗っていく。
 起きると血が少々足りずくらりとするかもしれないが、命の危険はない。それにイオネは小さく安堵の溜息を吐いて、気絶しているヴァヅルの汚れを軽く落としてかつぐ。
 シデルも治療の終わったセルシオをかついで、イオネの隣を歩く。

「引き分けみたいなものだが、この場合どうなるんだろうな?」
「両者の主張無効といった感じになると思いますわ」
「そんなところか」
「次は私が戦って、勝利を掴み取りますわ」
「遠慮して戦いそうにないんだが」
「それならそれで押し通して、勝ちます。そして主張を認めさせます」

 いつもならば手加減されるのは怒る要因にしかならないが、今回は勝利を掴み主張を通すため歓迎できることだった。
 宿に戻り、ヴァヅルを部屋のベッドに置いて、イオネたちは自分たちの部屋に戻る。
 武具を外してベッドに寝かせたセルシオを、リジィとイオネがよく絞った布で拭いていく。
 一時間ほどでセルシオは起きて、心配するリジィに異常の有無を答えていく。いまだ薬は利いていて、始終冷静な反応だった。薬が切れたのは昼食後だ。
 セルシオが起きたことでヴァヅルも起きたかもしれないと思い、部屋にやってくるかとイオネは予想していたが反応はなかった。
 昼食を食べるために四人が部屋を出る時に、扉の隙間に手紙が挟まっているのに気づく。

「これは?」

 宛名はイオネになっている。

「ヴァヅル兄さんからですわ」

 手紙を持って、食堂に下りて、そこで読んでいく。
 内容は短く、負けたので約束どおり帰るとだけ。追伸として、元気だと示す手紙くらいは出せともあった。
 ヴァヅルはあの勝負を引き分けとは見ずに、セルシオの粘り勝ちだと考えていたのだ。セルシオは言葉どおり諦めず粘り、先に倒れたのが自分なのだからと。

「手紙があるということはもう帰ったんでしょうね」
「一言くらい別れを告げなくてよかったのか? 今から追えば間に合うかもしれないぞ?」

 店員に確認を取ると宿を出て十五分も経っていないらしい。

「追いません。ですが手紙は出すことにします。今日までにあったこと、故郷にいては体験できなかったこと、それに対して思ったことなどたくさん。今を楽しんでいることをこれでもかと」

 戻ってきてほしいという考えは変わらないだろうが、知らせることで安堵はするだろうと。危険もある現状を楽しんでいることを知れば、少しは考えが変わることも期待して。
 また連れ戻しにきたら、シデルに言ったように今度は自力で追い返すことも書こうと思っている。
 それが実行可能なように、さらなる精進を心に刻む。
感想誤字指摘ありがとうございます

》最初から考えられているプロットのままなら~
プロットなしで始めて、今もデータとしてはプロットを書き起こしてなかったりします。頭の中で流れを思い浮かべてるだけ
いまだプロットなしでどこまでいけるか企画続行中

》でもリジィの軸はぶれないだろうし~
その可能性が高いですね。うっかり百合に転ぶ可能性はコンマ以下

》なにやら終わりの話がでているようで~
》ままままじですか!?あいやー
予定は未定なんで、終わりが伸びる可能性もありますね
最後辺りは見えてるけど、そこまでいく話はぼんやりとしているもので
それくらいで終わるんじゃないかなと思って書きました
文字数でいえば百万字には絶対届かないと断言できます

》『神無の世界』→「かんなぎのせかい」
かんなのせかい、と読んでます
タイトルの意味は、どこかの王族か最後らへんに出てくるキャラが語る話でわかるかと
それ以外でも意味はもたせる予定だけど、それはネタばれになります
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