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にっこり笑う君は「死んじゃえば?」と僕に言った。 作者:RN

第一章:遭遇

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07:ふふふ。気まぐれ屋、だからさ

「もういいよ」
 コイツは……女の子は……君は言った、
「謝らないで。悪いのはあなたじゃなくてわたし」
 ありがとう。
 優しい君に感謝します。

――――――

「で、話す変わるけど」
「なに?」
「宿題」
「ああ……あれか」
 宿題。
 二日前のことだ。
 いつものごとく君が僕の前に現れ、色々言った後に出した例題。
『悪逆無道をひたすら進む悪女。非道で非常識な可憐な美少女。それが、わたし。けして理不尽は振りかざさない』
『つまりさ、真理や道理ってなんだろう』
 本人ですら意味不明と告げた言葉。
 何を伝えたかったのか分からなかった。
 何を思っていたのか理解できなかった。
 君の言動と思考と行動は無茶苦茶なんだ。
 でも。
 頭を冷やして冷静になって考えると、見えなかったモノが少しだけ見えてきたような気がした。
『世の中ね。分からないこと理解しがたいことだらけなんだ。答えを見つけることができなくてもさ』
『それらを考えたりするのも面白いことなんだよ』
 最初からダメだからと言って、考えることを放棄した僕。
 でも。
 この世界はいつだって分からないことだらけなんだ。
 相手のことが分からない。
 だから知りたくない。
 仲良くなりたくない。
 こういう考え方は間違いだ。
 当たり前のことなのに……気づかなかった。
 気づけなかった。
 君の意味不明の言葉だって、分かろうとすれば少しくらいなら分かるんだ。
 僕は君に瞳をしっかりと見つめる。
「宿題の答えだけど……答えは」
 そして考え抜いた、見つけ出した答えを言う、
「見つけることはできなかった」
「……だけど、一つだけ気づいたことがあるんだよね?」
「うん」
「何に気づいたの?」
 僕が気づいたこと。
 それは、
「死ぬ気はない。死ぬ勇気がない。死に対する覚悟を持っていない」
「自分に対しても、他人に対しても鈍感でヘタレだから……あなたは」
 君は最初から僕のことに気づいていたのか。
 鋭い。
 恐るべき観察力と洞察力。
 だから最初に出会ったときに「もうすぐココが自殺現場になると聞いて、やってきました」などとふざけたことを言ったのか。
 僕にそんな気も勇気も覚悟もないってことはお見通しだったんだ。
 でも一応聞いてみたい。
「いつから気づいてた?」
「最初から」
「なんでわかった?」
「目が死んでなかったから」
「それでも……あの時の僕は、この世界に希望を見出せなかった。いや、希望はないと確信していた」
「鈍いから自分でも気づいていないだけ」
「どういうこと?」
「希望を見出せなかった? 希望はないと確信していた? ううん。あなたは希望を誰よりも求めていたはずだよ。その証拠に本当はわたしにとめてほしがってた。生きてることに感謝して泣いたよね。本当に希望がないと信じてたなら、あなたはわたしを無視しいて、わたしの言葉に耳を傾けず生きてることに殺意を感じながら飛び降りていたはず」
「……うっ」
「あなたは、遠いところに希望を忘れてきただけ。希望を忘れたから持てない少年。それが君」
「そう、か」
 なんで君は僕のことより僕を知っているんだろう。
 でも。
 それでも。
 誰かと一緒にいる。
 他人に理解されているってこんなにも心地良いものなんだね。
「なあ。質問いいか?」
「体重とスリーサイズ以外なら、お答えしましょう」
「君はなんで、いつもここに来るんだ。なんで僕に話しかけてくるんだ?」
「ふふふ。気まぐれ屋、だからさ」

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