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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第二章 異世界で男爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第78話 初めてアイテムでコテージを手に入れた時、そこで住むの?って思いました

 リズと一緒に就寝し、夜が明けたところで目を覚ます。

 今日は曇天だが、即座に雨が降る程では無いのは幸いか。洗濯物を確認すると、それなりに乾いていたのでそのまま取り込んで荷物に詰める。

 ただ、このまま行くと雨が降りそうだ。雨の中の戦闘や、野営も体験しておきたかったので良い機会と考えた。


 朝の食事の前に、石鹸の様子を見に行く。ティーシアがお願いした通り攪拌してくれていたようだ。灰色のちょっと固形な物が甕に入っていた。

 匂いを嗅ぐと、揚げ物に使用済みのラードみたいな臭いはするが、腐敗臭はしない。獣っぽい臭いは有るが、我慢が出来ない程では無い。

 刺さっている匙で触ると、表面は有る程度乾燥し、一部油分が分離している。

 粘度は上がっているのでこのまま固形とまでは行かなくても、乾けばある程度の硬さにはなりそうで安心した。

 見ている限り昔の理科の実験の時と同じ様に鹸化も進んでいる。


 方針は間違っていないようなので、内部のクリームの様な部分を乾燥させるのと油分が分離しないよう、このまま攪拌をお願いする事にした。

 ただ、鹸化が完了するまではアルカリ性が高いので、肌には良くないだろうなと。

 乾燥が進んだら、一部は木枠に入れて型取りとどこまで乾くかの実験をしよう。


 まずまずの成功が見えて上機嫌で食事を終え、ティーシアに攪拌のお礼といつものをまとめて渡す。

 今回は攪拌のお礼分も含めているので少し多目に包んだ。


 そのまま用意をして、リズとギルドへ向かった。

 2人は既に待っていたので、3人で買い出しに出てもらう。


 その間にと、私はギルドで今回の熊の件を報告した。

 ギルドの斥候も、今回の指揮個体の後処理で森入り口の監視にシフトが偏り、奥側の様子は監視出来ていないとの事だった。

 森の入り口側も落ち着き始めているので、直ちに奥側の調査を始めるとの話をもらった。


 それと火魔術を覚えたので構文を知りたかった為、ワティスを探して貰ったが、既に村を出て町の方に向かったようだ。

 ディード達はギルドの要請で村に滞在していたが、大きな戦いが済んだので引き留めが解除されたのだろう。


 火魔術の構文に関してだが、パーディスも火は興味が無いようで構文も知らないと言っていた。火魔術は取り敢えず無視する。

 土魔術に関しては昨晩試してみたが、拳大の大きさの材料不明な石が時速30km位で飛ばせた。弾丸サイズで、旋回させた状態では時速50kmまでは出せた。

 サイズと速度の比例が良く分からないが、現状の限界はこの程度のようだ。少なくとも牽制にもならないので、まずは習熟度を上げる事にする。


 後は『軽業』の詳細が分からなかったので、『識者』先生に確認してみた。


 <告。スキル『軽業』の能力はサーバ側で予見される未来の事象をフィードバックし、動作に反映させます。この際、意識的に予見内容を認識する事は出来ません。>

 <該当の動作に際して、自動的に補正がかかります。利用者が正しいと認識する動作を行った際に発生する問題に補正が発生するものです。>


 シミュレーターの未来予知を頭で考えず、動作で補正するようなものと認識した。これも自分の動作が正しいのか、『軽業』で補正されたのかが分からない気がする。

 取り敢えず、回避したり攻撃した際の失敗の確率が減ると認識しておく。


 ギルドを出ると、皆揃っていた。ただ、荷物を見るとやはり多い。

 戦闘時は背嚢含めて全て投げ捨てて戦闘を始めるが、荷物の多さは変わらない。

 これは小型のリアカーの開発を本格的にしないと、駄目かな?そんな事を思いながら、ロットに荷物の件を相談してみた。


「一般的には、所持量がそのまま限界です。もう少し収入が安定した多人数のパーティーであれば馬車を購入し、そこを拠点にします」


 うーん。馬車は運用に金がかかりすぎる。もう少し先かな。

 前に、興味が有って大工に値段を聞いてみた。

 4人乗りサイズ御者席有りの箱馬車でも現在、皆で金を出し合えば、正直手が出ない金額では無かった。

 ただ、買うとしたらパーティーの資産なので、パーティー資金からだよなぁ。それだとまだ、結構遠い。

 と言うか、冒険者ひと月程度で馬車は早すぎるだろうとも思う。


 後の事も考えて、小型の大八車を開発するか。

 縮尺を縮めて、今後車載可能なサイズにして、馬車から降ろして使えるようにする。これなら無駄にもならない。よし。決めた。


 皆に暫し待ってもらい、ギルドの会議室を少し借りた。中で百科事典で大八車を確認して設計を起こす。

 一部は鍛冶屋の仕事も加わるが、馬車の開発は出来ているので、そこまでは高価にならないだろう。


 出来上がった設計図を3人に見せて説明をする。

 危急の逃走の際には優先する荷物を決めておき後は捨てる等、運用部分も練り込んだ。

 パーティー資金も80万ワール近く有るので、10万ワール程度で作って貰えるなら、試してみようと言う話でまとまった。


 そのまま、全員で木工屋に相談に行く。何時もの大工の主人が出て来て話を聞いてくれた。

 どうも、荷車は開発されており、大八車に近い形状の物も存在する。まぁ、税の物納を考えれば輸送手段も開発されるか。大工本人も作った事が有るとの事で渡りに船だった。

 鍛冶屋次第の部分は有るが、納期は5日程度。価格も6万ワールと思ったより安かった。


 大工側としては価格の内訳は、


「既製の規格で5万を超える程度ですから。サイズが小さいので縮尺を合わす費用と減った材料費が相殺位です。後は新規での勉強料を足した分です」


 との事だった。


 後は大きさを合わせた適当な箱を買って、紐で縛って乗せれば十分だ。車載の際は箱は馬車へ、荷車は分解して、屋根に乗せれば良い。


 しかし、ゲームの時はアイテムボックスとか便利な機能が有ったが、実際は不便なものだ。

 ゲームとかだと、昔、コテージをアイテムとして入手して、コテージってあのコテージだよな?と驚いた記憶が有る。

 一軒家を持ち運ぶ集団を想像して意味が分からなかった。しかも消耗品だった。


 これで簡易ではあるが、荷物の運搬手段も出来た。今後テントの購入も視野に入れる事が可能となった。

 意気揚々と後半戦に出発した。

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