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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第二章 異世界で男爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第438話 久々のアレクトアとチャット先生の個人授業

 明るさに目を覚ます。暖炉の炎はまだ黄色く灯ったままだ。何時だと時計を出すが、夜明け前辺りだ。窓を開けるとまだ太陽は顔を出していない。四月九日は晴れかな?

 部屋の中は一晩中灯っていた火魔術のお蔭で暖かく、少し暑いくらいだ。うん、困った。はぁぁ、頼りたくなかったけど。


 魔術の炎が消えないんですが、どうしたらよいでしょうか?


「お前は、思慮深いと思えば加減を知らん部分も有って本当に面白いな」


 アレクトアの声が聞こえる。『祈祷』で神頼みだ。もう、しょうがない。魔術の神様だし、何とか分かるだろう。


「結論から言うと、後三十時間以上は燃え続けるぞ、その炎は。通常の人間が炎を維持しようとしてもイメージが貧困な為、魔力の無駄が多くて維持は出来ない。だが、お前の場合は燃焼のプロセスを理解した上で、どうすれば燃えるかを考えてイメージを練り上げている。魔力の消費ロスがその分少ない。故にこのような事態になっている訳だ。時間無制限と言うのを試したいのは分かるが、程々にせぬと、こういう事態を招く」


 本当に済みません。


「一旦、魔力を魔素に分解する」


 アレクトアが言うと、暖炉の中で燃えていた火球が一瞬膨らみ、ふっと消滅する。良かった……。


「お前の場合、イメージできちんと時間指定はした方が良い。『術式制御』は魔素と魔力の変換効率を上げると共に魔術を使った際のロスも減らす。故に過剰帰還が起きにくくなり、威力が上がる。それにお前に関しては核の炎すら認識、理解しておろう。この程度の尻拭いは出来るが、後悔はしないようにな」


 ありがとうございます。助かりました。


「いや。面白い事をしていると、皆楽しみにしておる。統治のが言っていたが、そろそろ温泉も解禁となろう。そうなれば楽しむつもり故な。この程度は造作も無い。では、またの機会に」


 アレクトアがそう言うと、ふっと気配が消える。

 これ、焼夷弾代わりになるな……。チャットの魔道具の件に寄るけど下手すると、物凄い危ない物が出来そうだ。


 気になっていた事がクリアになったので厨房に行って、タロとヒメの食事を受け取る。部屋に戻ってきてタロとヒメを起こして、朝ご飯をあげる。最近モツが常時出るのが嬉しいのか食事の度に大はしゃぎだ。


『まま、とぶの、するの!!』


『ぱぱ、とるの』


 どうも昨日の遊びの話なのに、きちんと覚えているようだ。インパクトがそれだけ大きかったのかな。


『後でね』


 『馴致』で告げると納得したのか、食事に戻る。食べ終わった辺りで水を生む。


 リズを見るとまだ眠っているので、声をかけるが起きない。最近早起きだったかなと思ったが、一時的な物か。蒸しタオルを作って、ほっぺを拭いてあげるとふにゅっと笑顔になって起きる。


「あ、ヒロ。ふふ。この起こし方、好き」


「そう? 子供の頃によくやられたけど」


「あー。子供扱いしている?」


「いや、そう言う訳じゃ無いよ。気持ち良く起きて頂きありがとうございます」


「もう、ヒロったら。朝から、おかしいの」


 そう笑顔で言う。


「あれ? 暖炉の炎消えたの? 良かった。一晩はもたなかったのね」


「うん。延々燃えてたらどうしようって思ったけど、なんとか消えてくれた」


 神様に消してもらったとも言えず、誤魔化す事にする。

 お湯を生み、体を清めて、朝の支度を済ませる。


 暫くリズと雑談をしていると、侍女が朝ご飯の支度が出来たと呼びに来る。


 食堂に着き席に着くと、食事が並べられるのだが、黒パンに葉野菜とソーセージが挟まれている。ホットドッグにかなり似ている。噛むとミンチが細かい。ハンバーグの応用が生かされたか。アレクトリアの応用が早い。


「これ、お肉のきめが細かくて、美味しい。皮と中のお肉の食感が気持ち良いわね」


 ティアナがソーセージを絶賛している。個人的には粗挽きのソーセージも好きだがこの世界の人間に関しては細かく挽いている方が珍しいのだろう。

 スープと一緒に楽しみ、朝ご飯を終える。


「じゃあ、皆は訓練だよね?」


「うん、いってくるね」


 リズがムンっと力こぶを作ると、皆が苦笑しながら訓練室の方に向かって行く。


「じゃあ、チャット先生に色々教わろうかな」


「先生やなんて、言わんで下さい。魔道具でしたよね? 私の部屋の方に器材を置いていますから、そちらでお願いします」


 チャットが先導して、部屋に戻る。さて、魔道具そのものを見た事は殆ど無い。これが上手くいくなら、クロスボウの配備は一気に加速出来る。出来れば条件系が細かく設定できれば幸いなんだが。

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