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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第二章 異世界で男爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第341話 そろそろきちんとした対人集団戦の訓練もしたいです

 箱から取り出した二匹に骨の玩具を投げる遊びをさせる。ヒメも昨日は酷使後だったので止めさせたが、寝起きだし、筋肉がびっくりしない程度なら大丈夫だろう。もう、二匹共しっかりスヤァしたので、元気いっぱいだ。ただ1個だとタロが有利過ぎて、ヒメが取れずにストレスを溜めるので二個を交互に投げて次々と取りに行かせていく。ヒメもこう、獲物を追う感覚が新鮮なのか、目をキラキラさせて追っている。


『まま、つぎ!!つぎ!!』


 タロが戻ってきてはっはっと催促する。また放物線を描かせながら、投げるとダッシュしていく。


『ぱぱ!!たのしい』


 タロがそうやって遊ぶものと見せたので、ヒメも骨自体にはじゃれつかず、素直に私の前に落とす。


「ほら、取っておいで」


 また、骨を投げると、ヒメがウォフッ!!と気合を入れて走って行く。庇っている感じは無いが若干左後脚の動きがぎこちない。瞬発力が出るシーンだと如実に見えちゃう。やっぱり要リハビリかな。


 そんな感じで遊んでいると、リズのご飯出来たよーと言う声が聞こえてくる。玩具を回収し、箱に戻す。二匹共興奮状態で、もっともっとと思考が流れ込んでくるが、朝ご飯を食べないと駄目だし、ヒメはまだ足を休め休めじゃないと使えない。箱の中で撫でていると落ち着いてきたのか、双方グルーミングに移行した。仲良しさんっぽくて良かった。


 リビングに入ると、皆がもう席に着いている。遅れを詫び、食事を始める。アストはいつも通り、このまま猟に出る。


「あ、リズ。リナを誘って重装の最終調整に行って欲しい。ドルがもうそろそろ希望している」


「本当!?行く!」


 手伝い地獄から解放されるのが嬉しいのか、リズが食いついてくる。


「リズが傷つくのは怖いから、早めにお願いしたいかな。出来れば盾もドルが持っている大盾に変えて欲しいけど。その辺りも含めて相談してもらえるかな」


「うん!!」


 嬉しそうにリズが答える。鉄材はまだ在庫は有る筈だ。『リザティア』に移れば、ネスが鍛冶関係は牛耳る。材料不足の部分は解消されるだろう。


 そんなこんなで朝食を終えて、アストを見送る。二匹に関しては、ティーシアにお願いする。


 リズと一緒に宿に向かう。皆まだ宿でのんびりしているかなと思ったら食堂で話し込んでいる皆を発見した。


「おぉ、リーダーおはよう。どうしたの?」


 いつも元気なフィアが目敏く見つけて、挨拶してくる。


「おはよう。ノーウェ子爵様が戻るまでの事でちょっと相談が有って来たよ」


 そう言うと、皆も食事は終わっており、話をしている最中だったようだ。ロット達の部屋に集まり、ノーウェが戻るまでの間の話を進める。


「リズとリナに関しては、重装の完成を急いで欲しい。ドル頼めるかな?」


 そう言うとドルが頷く。


「後、リズの盾の大型化。これは材料次第だと思うけど、今の盾だとちょっと弱い。指揮個体戦の事も考えると、もう大型盾にしてしまっても問題無いと思う」


「材料は前の分でまだ予材は有る。リナの大盾を参考に作る。こっちは少し時間がかかるが三日四日の話だ。ネスに頼めば、こちらで手を出す部分も最低限になる」


 リズの盾まではOKと。


「後、皆だけど、レイに鍛えて貰って欲しい。新領地に行けば、敵はオーク。人型相手が主になる。人間相手の戦い方を覚えて欲しい」


「でも、レイさんやと、強すぎませんか? 相手になってませんよ」


 チャットがやや渋面で言う。後ろで見ているだけに余計に分かるか。


「直接レイとやり合って欲しいと言う訳では無いよ。基本は4対4の状況を作ってもらって、指示と行動の反復をして欲しい。人員をぐるぐると変えて行く形かな。サブリーダーとしてはロット、後はティアナ。指示よろしく。斥候として後ろから状況を見て、まとめていって欲しい。常に私が指示を出せる状況にいられるか分からないから、そろそろ育って欲しいと言うのも有る」


 そう言うと、今までの流れが有ってロットは頷く。ティアナはちょっと予想外だったのか、戸惑いながら頷く。


「レイは、双方やり合っている時に隙を突いて邪魔してくる感じかな。実際、複数戦で怖いのは突然見えていなかった場所からの攻撃だから。視野を広げる為にも、ちょっと訓練しちゃいたい。金にもならない話だけど良いかな?」


 そう聞いてみると、皆が若干戸惑いながら頷く。強くなりたいと言うのは共通項だが、中々集団でのがっつりした訓練と言うものは経験出来る物では無いし、経験もした事無いだろう。それぞれがフォーメーションを組んで敵に挑む程度の訓練はやっていたようだが、熊とか相手の話だ。


「んじゃ、レイにちょっと頼もうか。」


 そう言って、ぞろぞろとノーウェの屋敷に向かう。門衛に話をすると、執事に話が行き、そのままレイが門まで出てくる。


「訓練ですか。はい。損は無い話かと考えます。私の方は何も問題御座いません。御者の仕事も並行ですが、そこまで訓練で縛られる程、(やわ)では無いですし。やりましょう」


 レイがにこやかに了解を返す。それを聞いて皆もその気になったのか、雰囲気が出てくる。


「細かい話は詰めておくから、明日からでもお願い出来るかな?」


「分かりました。訓練と聞くからにはビシビシと対応致します。よろしくお願い致します」


 それを聞いたリナが若干嫌な顔をしたのはちょっと笑えた。


 そのまま、皆は解散。ドルとリズ、リナが重装の最終調整に入る。リズは盾の寸法調整もかな。


 さて、私は当初通り、冒険者ギルドで南の森の採取品確認かな。若しくは薬師ギルドの方がその辺りは詳細情報を持っているのかな?ちょっと謎だけど、まぁ、当たって砕けろで、冒険者ギルドに向かう。

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