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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第一章 異世界に来たみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第27話 幼馴染と重婚とか、何そのエロゲ

 黙々とヴァズ草を採取していく。やはり魔素が豊富な水源の近くが繁茂地なんだろうな。

 魔素が豊富なのが森の中の為、中々採取が難しいのだろう。

 昔は森の周囲でも生えていただろうけど、皆採取すれば、それは枯渇するだろう。


 先程のゴブリンの事も考え、警戒は怠らない。不思議な感覚で周囲の気配の状況を掴みやすくなっている。

 これも『警戒』の習熟によるものなのかな。


 でも、先程のゴブリンから譲渡されたと言う事は、私より先程のゴブリンの『警戒』が上だったと言う事だ。

 食事に夢中じゃ無かったら、先に発見されていたかも知れないな。


 しかし、自身より習熟の低いスキルを獲得出来ないか。

 よく有る、「雑魚狩りスキル強奪、うまうまです」系のキャラクターみたいに成長は出来ないな。

 あれも、強奪したスキルをどうやって活用するのか疑問だったが。


 『獲得』先生って、あれか。スキル取得の切っ掛けが目的なのかな。


「実行する全ての情報及び経験の取得だしな。自分や他者がやってみた事の情報や経験を獲得するのが目的なのかな。後はこの世界のスキルアプリケーションの仕様で習熟させていくと言う事か」


 と言う事は、何らかの形で自分より強者と戦わないと獲得は出来ないと。

 チート、なのか……?うーん。切っ掛けを無条件で会得できるのはチートか。うん。そうしておこう。


 中腰で延々と採取を繰り返していく。疲れたら沢に足を浸し揉む。


「あー。こっちの方が便利だな。今度から、沢の方を目的地にしよう」


 ヴァズ草の比率が高い為、さくさくと採取出来、3時間もかからず30束になった。


「こんなものかな。鍛冶屋に行く用事も有るし、そろそろ戻ろう」


 南側に向かい、木に付けた傷跡に沿い村に戻る。


 冒険者ギルドに戻り扉を開けると、何か空気が悪い。

 見回すと、昨日出会った赤髪の女の子アリエが不機嫌そうに席に座りながら、こちらを見ている。

 何も悪い事をしていないのに、何故こう睨まれるのか。


 取り敢えず、見ない振りをしながら鑑定カウンターに向かう。


 本日の担当もいつもの男性だった。休みって無いのかな。


「ヴァズ草とゴブリンですね。確認致します。少々お待ち下さい」


 15分程で確認が完了する。


「達成料は、ゴブリン2匹で4,000。ヴァズ草が30束で24,000ワール。合計で28,000ワールです。よろしいですか?」


「はい。お願いします」


「では、カードをお出し下さい」 


 読み取り機で処理を行う。


「登録が完了しました。今回、等級の変更はございません。本日もありがとうございました。今後とも是非、よろしくお願い致します」


 5,000ワール硬貨5枚と、1,000ワール硬貨3枚を受け取る。


 挨拶を返し、さて鍛冶屋に向かおうとしたところ、アリエが袖を掴む。


「少しで良いの、話を聞いて」


 思ったより殊勝な反応が返って来た。


「ワティス達に大分怒られた。突然突っかかってごめん」


 昨日の黒髪の女の子がワティスか。

 しょうがないので、話を聞いてみる。2階の会議室に入ると、ワティスと見知らぬ金属のキュイラスを着込んだ青年が座っていた。


「ディードだ。昨日は迷惑をかけたようだ」


 青年は、ディードか。


「で、話とはなんですか?この後にも用件が有ります。端的に頼みたいです」


 ディードが説明を始める。この3人は固定でパーティーを組んでおり、リーダーはディードらしい。

 ちなみに同じ村の幼馴染との事。女の子の幼馴染なんて羨ましくないんだからね。羨ましく……。いかん、ネガティブる。


「現在、北の森の奥地にヒュージスライムが湧いている」


 いましたスライムさん。ちなみに滴型じゃない奴だ。核が有る不定形な生き物。

 属性毎に種族が有って、核が属性に沿った魔力をベースにした半物質をまとっているらしい。

 ちなみに、核を壊さない限り周囲の魔素を吸収して、復活するらしい。

 増殖は核が分裂するとの事。大きくなれば大きくなる程、分裂頻度は下がるとの事。

 基本的に何でも消化・吸収するとの事。種別毎の好みは無いらしい。森のお掃除役なのかな。


 で、ヒュージスライムは年を経たスライムが成長したものらしい。人間程度は覆い被さって丸飲みらしい。


「通常のスライムで有れば俺やアリエの剣やワティスの魔法でどうにかなる。ヒュージ程の大物になると剣は効かんし、ワティスの魔法では相性が悪い」


 どうも水属性のスライムでワティスの属性が火との事。まぁ、水の塊なら吹き飛ばした方が早いか。


「もう一人、ベルダさんと言う魔術士がいるのだが、別件で出ている」


 ん?呼び捨て?2人とも嫁なのか?重婚けしからん。重婚あるのか。


「で、現在村にいる7等級以上のパーティーは俺達しかいない。ギルド側からの指名故拒否も難しい」


 どうも7等級から護衛任務が解禁されるらしく、その辺りから冒険者が各地を移動し始めるらしい。


「ワティスの話だと、風でしかもかなりの制御と聞く。出来れば手伝って欲しい」


 何故ギルドが指名してまで倒す必要が有るのかと言うと、ヒュージクラスまで行くと後は際限無く大きくなり、生態系を脅かす為らしい。


「私は、10等級です。メリットが有りません」


「今回の達成料200,000ワールに関しては、7割を渡す。俺達は指名での増加達成数と経費のみ受け取れれば十分だ。また今回は特例として10等級の達成数として30を付与するよう、掛け合い済みだ」


 報酬は悪くないか。後は達成後に暗殺されて埋められたりしたら敵わないな。


「今回はギルド側からの指名だ。監査として斥候が1名入る。俺達では手が出ない相手だ」


 ふむ、闇に葬られる事は無いか。


「何時から向かいますか?」


「早い方が良いと言う事なので明日の朝だな。奥地と言っても大分村側なので、日帰りで可能だろう」


 日帰りか。そこは安心だな。


「正直、初心者の為、足を引っ張るかと思いますが、よろしくお願いします」


「俺達が守るし、ギルド側もそこは気合を入れてくる。安心して良い」


 ディードと握手を交わし、会議室を出る。


 ふむ、偉い事になったな。

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