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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第二章 異世界で男爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第171話 油断している時に限って、面倒事ってやって来ます

 さて、何故冒険者ギルドに行くと厄介事が有ると確信しているか?だが。

 答えは簡単だ。この国の冒険者ギルドは全く信用出来ない。


 この答えに至った理由は新しい町の防衛設備の設計、設置をしている時に、ノーウェの官僚から情報を貰った。

 要は、この国の冒険者ギルドの失敗率が突出して高い。


 周りの国は友好国だ。どこも魔物対策で火の車。情報のやり取りくらい当然だ。なのに何故貨幣価値に差が出るのか?

 魔物の被害が他国より多いからだ。


 始めはそんなものかと思っていた。だが、自分で狩りをして、神々と会話をして違和感が募っていった。


 どこの国も状況は変わらない筈だ。何故この王国だけ?

 官僚の持っていた資料で大体分かった。答えは、この国の冒険者ギルドの怠慢だ。


 陰謀論かも知れないが、この王国の貨幣価値を下げて利益を出している何かがいる可能性も有る。

 その尖兵か黒幕かはまだ分からないが冒険者ギルドの実績では黒い。激しく、黒だ。


 王国側もまた職務怠慢は認識している。当然統計結果も把握しているのだから、おかしいとは分かっている。

 冒険者ギルドの利権を剥奪し、職員の吸収と言う強硬論も上では出ているらしい。賛成派も結構大きな勢力になっているらしい。

 では、何故それを行わないのかは、福祉行政で手一杯な為だ。人が余っているのに、有効策も出せない。セーフティネットが働いていない。

 そう言う人間の為のセーフティネットとして冒険者ギルドが存在しているのにだ。


 豚に税処理と業務委託がギルドの権限と言ったが、それは全てのギルドに言える事だ。その業務委託で職務怠慢をやらかしているのだから、笑える。

 はぁぁ。新しいギルド長がいるんだろうが、まともなのを願う。少なくとも、真摯に対応してくれればそれで良い。もうそれ以上は望まない。


 男爵業が始まったら積極的にこの国の冒険者ギルドは何らかの形で潰す。百害あって一利か二利だ。

 トップが腐った組織は、改善しない。これはもう、自浄作用がトップに止められるからだ。

 トップ周りの首を全部変えるか新しい組織を立ち上げるか。どちらにせよ二択だ。

 死ぬ程面倒だ。公爵権限でなんとかして欲しい。ちなみに、ロスティーは国内組織のトップ首切りで身内の貴族に挿げ替える派らしい。

 あの人らしいと笑ってしまった。現実を見ている人間らし過ぎる。


 ちなみに王国側の考えはギルド側には伝わっていない。斥候団が動いている。この程度は官僚の方で教えてくれた。

 はぁぁ。国のインテリジェンスをこんな無駄な事に使わないといけないとは。そりゃ、貨幣価値も下がる。

 負のスパイラルだ。滅べ。豚の時もそうだが本気で思う。


 そこにのこのこ行くのだ。また、碌でも無い話になるのは目に見えている。

 もう、私側の信用と言う貨幣は尽きた。交換価値が無いので、貯まる事も無い。あの組織はただ利用する対象だ。


 物凄い嫌な気分になりながら、この幸せな空間から席を立つ。


「どうしたの?」


 リズが聞いてくる。


「冒険者ギルドに今回の業務の報告かな。カビアの所にも顔を出すつもりだから、少し遅くなるかも知れないよ」


「分かった」


 天真爛漫に微笑んでくれる。

 結婚指輪を渡してから一気に情緒が安定した。元々落ち着いている子だったが、芯が入った感じだろうか?女って何か有るとがらって変わる。

 ティーシアも、帰って来た時にすぐ気付いて祝福してくれた。感謝の言葉を返しておいた。娘さんを頂きます。大切にします。


 さぁ、大切な娘さんの為にも頑張りますか。


 そう思いながら、ギルドに向かう。

 受付に今回の護衛の完了証明書を提出する。額面が大きいので、処理は明日の朝、皆と一緒でお願いした。

 後、オークションが開催されてダイアウルフの皮も売れたらしい。とんでもない金額に一瞬はぁ!?と顔が崩れた。金って有る所には有るんだなって思った。

 うわぁ、ロッサどうしよう。これ問題になるかも知れない……。


 オークション品の扱いに関して、王国法とギルドの規約を再度確認した。そんな細かい事までは流石に全部覚えていない。あの時も人が増えてバタバタしていて調べる暇も無かった。

 免責事項で税金が取られないのは聞いていたが……。あぁ、取得者特権で全額こっちか。ダンジョンのアーティファクトとかで良く有る話だ。手に入れた人間達が全額貰う。

 通常は税金で半額天引きだが、オークションの手数料が税金扱いになる。高額になるのが分かっているので、そこで半額とか馬鹿はやらない。そんな事をしたら闇オークションが増えるだけだ。

 今回はギルドの都合のオークションだ。ギルドで手数料は払ってもらう。そう言う免責事項だ。


 そんな話をしていると、ハーティスがこちらに気付いたのか寄って来る。と言うか、その段階で気まずい顔は止めて欲しい。嫌な予感が上がって来る。

 話を聞くとやっぱりな感じだった。こちらが護衛に出てからすぐに新しいギルド長が就任したらしい。ただ、業務はハーティスがやって、連絡関係だけギルド長が掌握しているとの事だ。

 あぁ、激しく嫌な予感がする。豚の方がましかも知れない。案の定、オークションの詳細も金額以外は不明で今ギルド長が何をやっているか全く掴めないらしい。流石に笑顔が崩れかけた。


 そのまま、ギルド長室に誘導される。ノックの後ドアを開いた瞬間、諦めた。軽薄そうな馬鹿が椅子に座っている。

 あれだ。現場に口だけ出すけど手は出さない。問題を起こして責任は取ると言っておきながら部下に何時の間にか押し付ける。あの軽薄な口だけ人間の笑みだ。

 何度日本でこの顔を見たか。一瞬で分かるようになった自分が悲しい。


「初めまして、ディルチと申します。男爵様」


 最低限の礼儀は有るらしい。ただ、もう、声で既に軽薄だ。軽い、薄い、全く信用出来ない。何だこの組織、馬鹿ばっかりか?


「初めまして、アキヒロと言います。新しいギルド長ですか?」


「はい。今回就任した者です。今後ともよろしくお願いします」


 そう言いながら、席を勧められる。ハーティスはギルド長の横らしい。

 この世界にも礼儀作法は有るし、場所の上座下座も有る。この馬鹿、上座に座るんだが、意味が分からん。こっちは貴族で客なんだが。もう、この時点で礼儀が上辺と判断した。


 取り敢えず今回のミッションは2点。ギルドの補償とオークションの支払い額面、譲渡手段の確認だ。


 まずは軽く日常会話から始まる。今回の護衛は8等級にはかなり無理の有る話だ。詳しく聞かれたが、当たり障りの無い回答に終始した。

 こっちも社会人10年以上だ。顔も作るし話題も作る。この馬鹿、本当に機微が分からない。話題を振ってもズレる。自分の事を話したい。後は上役を褒めたい。意味が分からない。


「前にハーティスにお話し頂いた補償の件ですが……」


 あぁ、やっと本題か。正直阿呆らしくて聞き流し気味だった。中身の無い会話程、虚しい物は無い。

 ディルチの合図で職員の女性が綺麗な布に包まれた物を持って来る。


「こちらをお納め下さい」


 客が目の前で贈答品を確認するのは礼儀知らずでは無い。それを共に喜び合う慣習だ。布を開くと100万ワール金貨が1枚、大層に包まれていた。


「なんでしょうかこれは?」


「今回の補償となります」


 にこにこと何も考えていない馬鹿が、真顔で答える。


 あー。クレーマーっぽいので嫌なんだが……。


 ちなみに、クレーム処理と言う物が会社の活動上有る。これは業務上、何か問題が起こった時にお客様に対応する為の重要なお仕事だ。

 会社によって分け方は様々有る。その中でも個人的には大きく3パターンで考えている。


 まずは、何らかの過剰な対価を求める人間。これは、職業柄の場合も有るが、金銭をせびり倒す腹の人間だ。この場合はお引き取り願うか警察にお願いする。

 次に、問題に直面し、状況に混乱し何を求めるべきか分からない状況になっている人間。これは、混乱を解いて然るべき対応をすれば納得してくれる。その上で対価が必要なら必要分出せば良い。ただ、顧客に戻るかはケースバイケースだ。

 最後が最も重要な、真摯に会社を愛しその間違いを指摘する場合、若しくは何らかの(しがらみ)で状況が改善されないと困る場合だ。


 最後のケースは対応を間違うと、容易に会社の致命傷になる。

 愛情の反対が無関心なら良いが、容易く憎悪に変わる。また、柵は処理出来ないから柵だ。両者共に改善案が出ない限り一歩も引かない。

 日本でも、偶に対応を誤って、大炎上しているケースを見かける。

 最後のケースは全く自分を顧みず、捨て身で改善を求める。しかし、きちんと改善案を出して改善すると、再度超優良顧客に戻る可能性が高い。


 簡単な例で説明すると、良く有るフィクションでラーメン屋で出したラーメンに不衛生な虫が入っていたパターンで表す。


 始めのケースは、それに対して10万円を要求したり、暴力を振りかざしてくる。その場合はさっさと警察に連絡するか、叩き出した方が良い。

 次のケースは、状況説明をきちんとした上で謝罪して、代金の請求をしない、またはその上次回のサービスを確約すれば良い。

 最後のケースは、兎に角こちらの改善案を納得するまで出すしかない。調理場の徹底的な清掃を業者に発注する所を一緒に見てもらうレベルだ。納得すれば再度来てくれる可能性は高い。


 さて、今回の補償の件だが、どうしよう。正直、組織としてここまで馬鹿とは思っていなかった。びっくりだ。ひと月有った。何をしていたんだろう。

 先程の職員が待機していたので、私の口座から100万ワールを持って来てもらうようお願いした。一瞬キョトンとしていたが、すぐに階下に向かった。


 ちなみに利息は付かないが、お金の預かりサービスは有る。カードの読み取り機器に残高も登録される。

 そうじゃなきゃ大金を持ち歩くなんて危険で仕方が無い。流石にそこは神様が融通を利かしてくれる。


 職員から100万ワールを受け取り、机上に放り出す。


「これ、差し上げます。その代り、貴方を殺害します。その件を冒険者ギルドの権限で揉み消して下さい」


 唖然とした顔が返って来た。そりゃそうだ。こっちの方が唖然だ。殺されかかって、不正を暴いて、補償が100万ワール。熊1匹だ。正直、今から鼻歌交じりで狩って来る。


「どう言う事でしょうか?」


 笑みを崩さないのは大したものだ。


「同じ事をされていますが、理解はしていますか?」


 そう言うと、憮然とした顔になって黙り込んだ。え?このケースを想像していなかったの?私、会社で先程の例だとそのラーメンを食べた上で謝れって平気で言われたけど。


「貴方の所属するギルドの役職者が不正な行為を行い、揉み消しの為に私を殺害しようとしました。これは事実ですか?ハーティスさん」


「はい、事実です」


 ハーティスが若干表情を嫌そうに答える。苦労人は辛いなぁ。ディルチが、バっとハーティスの方を振り向いていたが、冷静に行こう。冷静に。まだジャブだ。


「私は男爵として、子爵様に一切の沙汰をお任せしました。その上で、それまでの間の責任を保証した上で犯罪行為の証拠を監査で洗い出す事を命令しました。日常業務は委細実行する事、大いに働き信用を取り戻す事を命令しました。これは事実ですか?ハーティスさん」


「はい、事実です」


 何か、ディルチが苦々しい表情になって来たが、事実の確認だ。意味が分からん。


「その実行内容は何でしょうか?ディルチさん」


「それは……」


 顔は笑顔になったが、目が泳いでいる。


「誰が、100万ワールを渡してくれと言いましたか?私の、貴族の、国の管理主体の命令です。その後、子爵はどのような命令を出されましたか?」


「それは……」


 また黙り込む。話が進まない。苛々してくる。


「隠蔽しましたか?」


「いえ、子爵様にはお伝えしました!」


 責任を被りそうになると話すのか。ますます口だけ人間っぽい。


「その後、どのような回答が返って来ましたか?」


「それは冒険者ギルドの守秘義務の範疇です。お答え出来ません」


 ねぇよ、そんな権利。業務上、管理主体に言えない秘密なんて無い。王国法にも冒険者ギルドの規約にもだ。

 職員用の規約が別に有るのなら知らないが、所詮一組織の規約だ。国内では王国法の方が上位権限だ。

 そうじゃなきゃ業務委託なんて出来ない。そこは豚の件も有ったので必死で読み返した。


「そのような規約は知りませんが、どう言う事でしょうか?」


 また黙り込む。


「話が進みません。次に行きましょう。オークションの結果を教えて下さい」


 そう言うと、饒舌に語り出した。どうも、冒険者ギルドの依頼を請け負った形で達成数も渡したから、半金は税金で納めるらしい。

 しかも、手数料とオークション開催にかかった費用もこちら負担との事だ。意味が分からな過ぎて一瞬固まった。


「では、達成数の返却と、取得物の返却を希望します。規約の範疇ですよね?」


 冒険者ギルドの受付が鑑定と言うのは正にそのままで鑑定までがギルドの役割だ。そこで買い取ってもらった場合は税金天引きになる冒険者側にありがたい楽なシステムだ。

 逆に気に入らなければ売らない選択肢は有る。高くなる時期まで待つとか、色々と理由も有るからだ。

 達成数に関してはもう、詫びのつもりだ。この件そのものを無かった事にする。


「それは高額の為、出来かねます」


 胡散臭い。


「信用が問題で有れば、私の名前で、再度お売りした方に物をその価格でお譲りします。そこに何の問題が有りますか?」


 また黙る。これとんでもない事してないか、この馬鹿?


「貴方、オークションの売り上げを着服しましたか?」


「いいえ!!滅相も無い」


 そう答えるが、目が泳ぎっぱなしだ。


「上役の指示ですか?」


「そのような事実は有りません」


 やっぱり目が泳ぐ。うわー。職務怠慢だけじゃ無い。下手したら脱税もしている。本気で国家に反逆しているぞ、この組織。大丈夫か?


「オークションの手数料は税金です。冒険者ギルドは税金を国にきちんと納めましたか?」


「現在手続き中です」


 これも嘘か……。国内のオークションだ。王国側も事実が分かるから、後で出納の確認は確実に有る。

 どうやって補填……。あぁ、それで半金寄越せか。そこから税金分出すのか。その割には額がでか過ぎる。個人の着服規模じゃ無い。他の不正な税金着服にも充てるつもりか。


 これ危ない。身の危険を感じる。また踏み抜いたか……。くそが。


 真理を司る神様いらっしゃいますか?


『はい。初めまして。真理を司る者、テルフェメテシアです』


 すみません。真理の真偽確認は対象者がいない場合でも出来ますか?


『ごめんなさい。裁判用のシステムなので、被告と原告が同じ部屋に揃わないと不可能です』


 この世界の裁判は文字通り神明裁判だ。教会で開催し、被告と原告が弁護人を介して論争する。その上で決着が付かない場合は真偽を神に伺う。

 真偽は論争した内容にのみ適用される。今回は、このギルド長が利益を着服したか、それが上役の指示か、冒険者ギルドが税金を正当に納めているか、だ。

 最後は拡大解釈だが、何とか範疇だろう。


「子爵様と一緒に一度きちんとお話をしましょう。何時なら空いていますか?2日程頂きたいです」


「生憎とギルド長に就任してから引継ぎが忙しく、空く日は有りません」


 ディルチが答える。こうやってのらりくらりと躱して来たのか。王国も動きたくもなる、そりゃ。

 腹括るか……。このままじゃ埒が明かない。


 まずは、リズの家族とフィアの家族、仲間達を馬車に突っ込んで子爵の元に逃げ込もう。人数オーバーだが、そんな事言っていられない。


「すみません。お暇します。ご無礼申し訳無いです」


 そう言って、席を立つ。ディルチが後で何か言っているが、知らん。


 一旦子爵の屋敷にホバーで向かい、レイを捕まえる。乗員人数と馬車の用意、私の名前で屋敷の周りに人が近づく場合警告を、それでも近づく場合は殺害するようにお願いする。

 流石にこのままだとレイも巻き込まれる。職務上の都合と言っていられない事に忸怩たる思いが募る。

 レイは元軍人らしく、復唱の後、馬車の準備を始めた。


 急いでホバーで、アスト宅に戻る。村の中でホバーを隠すとか悠長な事していられない。

 リズとティーシアに子爵の屋敷に急いで向かうようお願いをする。疑問を浮かべられたが、後だ。アストに関しては罠の場所次第で現在地は分からないらしい。そのまま一緒に屋敷に向かう。

 フィアの家にも向かう。畑に出ている家族をまとめてもらい屋敷に向かうお願いをする。フィアの父、母、兄、妹の4人だ。一緒に屋敷に向かう。

 青空亭に向かい皆を確認するが、全員揃っていて、ほっとした。そのまま装備を整えて、屋敷に向かうようにお願いする。

 残るはアストだ。夕方までは戻らない。戻る場所は分かっている。そこを見張るしかないか……。


 屋敷に揃った皆に、冒険者ギルドが不正をしている可能性が有る事、それを神明裁判で暴く事、そして結果が正しかった場合、子爵に国と交渉してもらう旨を告げる。

 もし、この話に反対で有ればそもそも暴かないと言ってみる。フィアの父親から何故かを問われたので、オークションの額と合わせて伝える。

 聞いた本人は呆然として、そのまま引き下がった。フィアにかなりの金額が入るのだ。反対出来ないだろう。

 他の皆も状況を確認し、反対する者はいなかった。正直、先に子爵の元に行って欲しいのだが、リズが絶対に聞き入れない。


 馬車の荷物はまだ整理されていない。食料も十分以上有る。畑の方も4,5日は村の人間に任せられるそうなので、その間の補償金を包み一緒にお願いしに行く事にした。

 カビアが居れば先触れに出すのだが、町に滞在中との事だ。


 屋敷には十分部屋は有る。今晩くらいは過ごせる。


 仲間達に、屋敷周辺の警戒をお願いする。レイは馬車で待機だ。他の家族には屋敷で待機してもらう。


 私はアスト宅の屋根の上で、村の出入り口を見張り、アストの帰りを待つ。あの馬鹿次第だが、気付いたら動きが有るかも知れない。あらゆる場所に目を凝らす。

 ギルドの方面から人間が出入りしないかもチェックする。さて、明日はノーウェにご対面か……。良い知らせを告げたかったが、先にとびっきり悪い知らせだ。気が重い。

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