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異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう  作者:
第二章 異世界で男爵になるみたいだけど如何すれば良いんだろう?
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第170話 綺麗な奥様は好きですか?私はNTR属性無いので未亡人辺りまでで……

 休憩を挟み、調査団と引き続き協議を進める。


 水に関しては古井戸の確認を行ったが真水が出ているようだ。井戸の中の植生が塩分に弱い物が生えていたので一旦そう判断する。

 ただ、掃除されておらず、蓋も朽ちていたので手入れが必要だろうとの事だ。

 新しい井戸を増やす事も含めて、村の配置を見直していく。最終的な結論が出たのは明けて17日夕方近くだった。流石に長い。疲れた。


 肉食圏の人間に魚を連続して出すのも躊躇われるかと思ったが、思いの外海の魚に忌避感が無い。どうも、食生活が劣悪気味なので食べられる物は何でも食べると言う感じだった。

 ティアナにしても、貴族生活より冒険者生活に適応しているのでその辺りは大丈夫のようだ。


 と言う訳で、釣って来た魚を塩焼きにして夕ご飯とした。実は結構、釣り上げる際に岩場で糸を切っており、仕掛けがかなり減って来ている。

 お魚さんには申し訳無い状況だが、まだまだ擦れてはいない。入れ食い状態だ。

 日本人の釣り人なら、狂喜乱舞しそうだ。いや、魚との頭脳戦を楽しむのなら逆効果か?量を確保したいなら網漁で良いとか言われそうだな。


 そんな感じで17日目も終わる。さざ波の音と、潮風に吹かれながら、満天の星空の下での露天風呂も今日で一旦お預けだ。またの機会までと、ちょっと長湯をしてしまった。


 18日目の朝、食事を終え、馬車に乗り込む。私達は村までで契約完了となる。調査団は村で休み、町まで戻りノーウェに報告する。今回の報告で、建設が一気に始まる。いよいよだ。

 報告を終えてノーウェが消化した辺りで一旦顔を出して欲しいと調査団に頼まれた。


 帰りに関しては特に大きな問題は無かった。行った道を戻るだけなので、危険もほぼ無い。注意をしながらは進むが、基本的に速度は出せる。


 ただ、竹林を抜けた辺りで大雨にぶつかり、流石に足を止めてもらった。視界が悪い状態での馬車移動は自殺行為だ。御者たちは問題無い顔をしているがこっちが怖い。

 お願いして、なんとか雨が通り過ぎる2日間休んでもらった。24日目には新しい町と村への道に着いた。そこで一泊となった。


 街道の設営は先んじて始まっていた。ローマ街道は兎に角、大きな均等サイズの石材を使う。近くの岩丘から切り出し、まずは村方面へと伸ばしている。

 村からも子爵領の岩丘から切り出し真ん中で接合するイメージだ。資材の運搬にもコストがかかる。合理的とは感じる。


 海方面も途中に岩丘を幾つか見つけ調査団が記録している。そこから切り出して運搬コストを浮かす。私の領地だ。好きに使う。


 ただ、自然環境には配慮してもらう事はお願いした。崖崩れが多発とか危な過ぎる。


 しかし、人海戦術は偉大だ。重機も無いのに凄い勢いで道が伸びている。猫車くらいはさっさと開発して渡すか……。

 毎回荷車一杯にして必死に運ぶのを見ていると非効率だ。石材も荷車からは、もっこで運んでいる。小型の荷車と猫車で効率化すべきだろう。


 しかし、ここまで北上すると結構寒い。都合一か月近くの旅だ。季節の変化は如実に感じる。


 そこからは村に向けて進む。盗賊も流石にこちら側から向かう場合はいない。29日目の朝に村に到着となった。


 旅の間、暇を見つけては訓練を続けていた。

 現在のスキル状況はこんな感じだ。


 ◇スキル情報◇

 『識者』

 『認識』

 『獲得』

 『槍術』0.55

 『隠身』0.62

 『警戒』0.89

 『探知』1.19

 『軽業』0.32

 『勇猛』1.19

 『剛力』0.89

 『祈祷』2.34

 『術式制御』2.11

 『属性制御(風)』2.03

 『属性制御(水)』2.04

 『属性制御(土)』0.60

 『属性制御(火)』0.38

 『属性制御(神)』1.14

 『術式耐性』0.47

 『フーア大陸共通語(会話)』0.62

 『フーア大陸共通語(読解)』0.45

 『フーア大陸共通語(記述)』0.09


 槍の訓練の際に、相手に避けられたイメージで振ると、体が勝手に当たる方へと調整される事が実感出来るようになった。

 これが『軽業』の感覚かと新鮮に感じた。実際『軽業』も上がっている。ちなみに振る時に能動的に切る事も出来る。フェイントも普通に使えるので便利だ。

 そうやって色々試みるとなんとか『槍術』もじりじり上がってきた。


 『隠身』、『警戒』も夜の番でじりじり上がっている。『警戒』をさっさと1.00まで上げたい。これが上がれば、魔術の圏内とのリンクで先制の殺傷範囲が広がる。


 魔術系は風と水が上がらない。何時の間にか水が逆転していた。頻度的に水を使う頻度が高いのでしょうがない話だろう。土は結構上がった。火は……まぁ、ねぇ?


 『祈祷』は怖い。3.00に上がった時にどうなるか全く分からない。


 ちなみに、この旅でまともに倒したのはお化け蟹一匹だ。あいつは『警戒』しか持っていなかったので、新たなスキルは獲得出来ていない。そもそもお化け蟹の『警戒』範囲に入ると、蟹の方が逃げる。

 流石に旅の途中なので、獣に絡まれる事は有ったが、仲間達が処理してくれたので私には何も影響が無い。


 調査団に29日分の護衛完了の証明書を貰う。日当に関しては冒険者ギルドで一緒に支払うよう手配してくれるそうだ。

 団員たちは冒険者ギルドとの調整や、報告書のまとめでこの村に1泊して、明日町に向かうとの事だ。

 この団員たちの一部は、新男爵領の幹部官僚になる。きちんと最後まで挨拶をして一時の別れを惜しんだ。


 仲間とは明日からの遠征を告げて一旦解散した。本日くらいゆっくり休んで欲しい。フィアとロットも流石にベッドが恋しいだろう。毛布を敷いていても腰が痛くなりそうだ。


 家に戻ると、予定より長めと言う事で心配していたティーシアに迎えられた。お土産が無いのが心苦しいが、その内昆布に役立ってもらおう。

 リズとティーシアが話し込んでいる間に、石鹸の状況を見に行く。


 3号、4号は問題無く在庫として置かれている。香りもそのまま仄かに香っている。成功だろう。3号の在庫の一部が減っている。後でティーシアに確認しよう。

 5号、6号が別の在庫として置かれている。7号の作りかけも有る。ティーシアが独自に作った物だ。出来上がりも遜色無い。これなら商品として流通出来そうだ。


 家に戻り、お茶を飲んでいるティーシアに3号と5号以降の話を聞いてみる。


「聞いてよ!あの新しい、香りのする石鹸?あれ使ってみたのよ。そうしたら、もう。良い香りがずっとするし。アストも……あら、恥ずかしい!!」


 あー。近づくとほんのりと私が買った香油の香りが漂う。うん。唐揚げ臭じゃ無い。香油の香りだ。成功だ。

 ちなみに、お互い良い香りがする状況に興奮して、夜の営みは順調らしい。良い事だ。良い事だ。


 5号に関しては、失敗したらしい。原因は灰の燃焼が悪く黒いままの物を混ぜたところ、黒くて完全に固まらない物が出来たとの事だ。と言う訳で、それは埋められた。

 5号改からは燃焼を工夫して白い灰になるまで燃やしてから使って、成功したとの事だ。6号、7号もそれに準じている。と言う事は石鹸事業は完全に手を離せる。


 村には、1号、2号の在庫の手洗い石鹸が広まり始めたらしい。ただ、明らかに手と腕の垢の違いが出るので、女性は肩口まで洗っているそうだ。まぁ、分からなくも無い。

 目に見えて体の汚れが落ちるので、奥様方の評判は高いらしい。あまりお勧めはしないが洗顔にも使い始めているとの事だ。

 リズとティーシアは私が付いていたので、もしかぶれたりしても治せたが、いやはや、女性の美に対する貪欲さを嘗めていた。

 結果?旦那が惚れ直して営みが増えたらしい。めでたい、めでたい。


 香油配合タイプに関しては、試していないらしい。香油も結構値が張る。そこは個人で手を出す物では無い。その辺りはしっかりと話しておいた。


 石鹸に関しても労力分で価格を算出しているらしい。手洗い用の石鹸と言ってもかなり安い。今までのを試供品として、値段の調整が出来ないかと聞くと、全然可能らしい。

 今でも無くなったら、次のを!!と言う感じで来るらしい。製造コストが上がったと言う形で、価格交渉は出来る。と言うか容易いとの事だ。

 

 まぁ、それでも税の滞納分の処理は見えてきた。このひと月の油かすと獣脂蝋燭の売り上げが凄い。

 特に油かすが、かなり出ている。どうも町にお土産で買って帰る冒険者が多いようだ。保存食としても使えるし、野営の手軽なスープの具材として重宝されているようだ。


 お茶を飲みながら、リズとティーシアに村の近況や旅先の話をしてほっこりした。あぁ、平和って素晴らしい。指揮個体の時頑張って良かった。


 そう思いながら、冒険者ギルドに行くのを躊躇する自分も感じていた。絶対に厄介事が待っている。これは予感じゃ無い、確信だ……。はぁぁ。面倒事は勘弁して欲しい。

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