具体的な数値よりも具体例を提示する
文字だけの世界では、文字だけでいかに相手に自分が考えているイメージを想像させるかが重要となります。
登場人物の容姿、服装、登場人物の性格、舞台となる場所の風景、季節……
こういったものをいかに思ったイメージ通りに再現するか、というのはなかなか難しいものです。
小説は絵や動画と違って、そのものをダイレクトに表示することはできませんから、それを連想させるキーワードをいくつか並べる必要があります。
読者の頭の中には、見たことのあるさまざまな「絵」や「動画」が収められていますから、引き出しの中からイメージに合うものを引き出させる言葉を使うことが重要となります。
人間は、文字情報だけよりも絵の情報、絵の情報よりも動画の情報の方がより理解しやすく、頭に入りやすい傾向にあります。
小説よりもマンガ、マンガよりもアニメ、といった具合ですね。
また、頭の中で一から設計するよりも、すでに出来上がっているものをイメージした方が、理解しやすくわかりやすいものです。
具体的な数値や色を出されても、それをどのくらいの大きさでどんな色か、というものを頭の中で設計しなくてはならず、読者によってかなりバラバラなイメージが描かれてしまいます。
それよりも、その大きさや色に近いものを提示することで、イメージしやすくしたほうがよいでしょう。
例えば、「百メートル四方の広場で、子供たちが遊んでいた」とするよりも、「野球のグラウンドほどの広さの広場で、子供たちが遊んでいた」としたほうが、イメージがしやすいのではないかと思います。
他にも、「赤い」というのを表すのも、「夕焼けのような赤さ」「血のような赤さ」「バラのような赤さ」などの比喩表現もあります。
時には詳細なデータを明示するよりも、それに近いものを提示した方が状況を理解しやすくなります。
その文章は、ほかの人にイメージできるものか。難しそうなら、何かにたとえてみましょう。