伏線作りのヒント――不自然さを導入する
小説、特に長編を描く際に苦労するのが、「伏線をどうやって張るか」ということでしょう。
伏線、と言えば、後々の出来事に関連することを先に提示しておくことですが、きっちりとしたプロットを作っておかなければ、盛り込むのは難しいものです。
伏線を作る上でよく使われるのが、物語中に不自然さを取り入れることです。
何かが苦手なキャラが、それを苦手としていないとか、よくよく考えるとおかしな状況を作るとか、場所や時間を考えるとありえないことが起こっているとか、そういうものです。
しかし、ただ不自然なだけでは突っ込まれてしまうだけですし、何かの書き間違えと思われてしまうかもしれません。
それらをこっそり文章中に忍ばせることで、後から「なるほど、そういえばそんなこと書いてたな」と思わせることができるのです。
不自然さを導入するためには、自分の書いている小説の舞台、登場人物がどういう性格なのか、現在どういう状態なのかということをしっかり意識しなければなりません。また、変なところで不自然さが出ないようにすることも必要です。
なかなかそういう描写をするのは難しいのですが、いろいろと試してみるとよいのではないかと思います。
例えば、私が書いている「意味が分かると突っ込みたくなる話」みたいな、短い話の間に自然な不自然さを取り入れたショートショートを書いてみる、というのも一つの手です。
こういう話というのは、書こうと思って書くよりも、どこか出かけているときにふと思いつくものです。
そういった思いつきをメモしておき、いろいろと作品を作ってみましょう。
ただ、不自然さを取り入れた場合、後で回収し忘れないよう、どこかでメモを取っておきましょう。
全然回収されないまま物語が終わってしまうと、「あれは一体なんだっんだ」と読者は思ってしまいます。
難しい技法ではありますが、読者を驚かせたり、感心させたりするのには一番効果があると思います。
ぜひともいろんな方法を試してみてください。