テンプレート利用のメリットと使い方の失敗
活動報告をちらちら見ているときに、ベギンレイムさんという、スーパー読専で数々のレビューを書かれ、そのリストは「ベギンレイムガイド」とも言われているほど良質な作品を紹介されている方に出合いまして、その活動報告でテンプレート作品について議論されていました。それについて、活動報告の内容も交えながら持論を語りたいと思います。
長いこと「小説家になろう」にいる人は、上位ランキングや連載作品が偏っていて、なんだか似たような作品ばかりで面白くない、と思っている人が多いのではないかと思います。
VRMMORPG、チート勇者、異世界転生、ハーレム、妹系……
偏りはともかく、テンプレートな作品が多すぎるのが問題なのです。
小説を書こうと思った人の中には、何らかの作品に影響されて、自分も同じような作品を書きたいと思った人も多いのではないかと思います。
ただ、書き方がわからないから、既存作品と似たような世界観、キャラクター、舞台、設定、物語の進行、結末になりがちになってしまいます。そういった流れの中に、ちょっと自分のオリジナル展開を持ち込んだだけで、オリジナル作品としてしまう。
書き手としては、最後まで書ければそれが「頑張って書いたオリジナル作品」と感じるのでしょうが、実際読んでみると、ほかの人からは「どっかで見たような作品」「また同じ展開の作品か」と思われる。それが、現状となっているようです。
もちろん、完全なオリジナル作品というのは、もはやできないといってもいいでしょう(もし完全なオリジナル作品ができて、それが面白ければおそらく世界中で大ヒットすると思います)。
何故かというと、どんな小説でも何らかの影響を受けており、自分の読んだもの、経験したものを、パズルのように組み合わせているからです。なかなか無から有を作るというものはできないのです。
テンプレート作品のメリットというのは、共感のしやすさです。つまり、ややこしい説明をしなくても、読者が「すでに作られている世界観」に入っていくことができ、そこで物語を進行させることが容易になるのです。
ですから、しょっぱな展開される読むのも飽きるような世界観説明も省けますし、表現方法も共通の表現方法である程度片付いてしまいます。説明が不要な分、物語に集中できる、すなわち自分が本当に書きたいことに集中できるわけです。
完全なオリジナル作品はできない。じゃあテンプレートは仕方ないんじゃないかとも思われるかもしれないですが、それでも「面白い」作品と「面白くないorありきたりだと感じる」作品があるわけです。
何故そのような差が生まれるのか。ベギンレイムさんは、「テンプレートの使い方が下手」という表現をしていました。
テンプレートを使うのは構いませんが、あまりにもテンプレートすぎるというのが問題なのです。
せっかく自分が書いている作品なのに、まるで他の人のコピーのように感じてしまう。それは、そこに「オリジナル要素」が少なすぎるからではないかと思います。
テンプレートを利用しようがしまいが、書くのは自分です。自分である以上、自分のオリジナル要素がなければ、自分の作品とは言えません。
では、オリジナリティとはどういうものなのでしょうか。