登場人物の気持ち―障害を持つ人の気持ちになる
私はアンモニアが目に入ってしまい、目が見えにくくなってしまったことがあります。
入った瞬間に視界がぼやけて見え、目を洗ってもそのぼやけが消えなかったので、何故か死すら覚悟しました。
実際目の前がぼやけて見えにくいというのが不便なもので、仕事はおろか、私生活をするのもかなり苦労しました。何しろ、仕事で休みをもらっても本当に何もできない。前が見えないからパソコンも見れないし、本も読めない。ただただ目薬を差して寝ているだけでした。
目が開けられず、道を歩くのも困難です。
何かが不自由になるという怖さは、普段実際にならないと分からないものです。目が見えないというのは、何が困るって、本当に何もできなくなりますから。
人気漫画「ガラスの仮面」で、北島マヤはヘレン・ケラーの役を演じるために、目が見えない、耳が聞こえない状態を自分で作り、実際に生活してみたようです。
丸一日生活するというのはけがしたり危ないことがあるので簡単にはできませんが、気持ちを知るためには実際体験してみるのが一番だと思います。
目が見えない人の気持ち:アイマスクか何かをつけて、暗闇の世界を体験してみる。
耳が聞こえない人の気持ち:耳栓をして、周りを歩いてみる。
手や足が使えない人の気持ち:手や足を使わずに生活をしてみる。
何が困るのか、何が怖いのか、あるいは、使えないからだの代わりに何を頼りにすればいいのか。
体験してみると、いろいろ分かるのではないかと思います。
人の気持ちが分からなければ、登場人物の気持ちを描くことはできません。
実際の体験が、気持ちを知る一番の方法なのではないかと思います。
ちなみにアルカリ性のものが目に入ると失明する恐れがあるため、作業には保護眼鏡を着用するよう注意されます。
そんな機会はないかもしれませんが、注意事項というのは守らないとあとで大変なことになるのです。