530 冒険者支援システムの評価
最上位プレイヤー、及び従者の状態を診断中……。評価を開始します。
【死霊神リンネ】
神格は魔神バビロンと同等、戦闘技量も驚くほどに高く奇策も使いこなす。予想外の一手による不意打ち、予想不可能な二の矢による追撃、ダメ押しの三の矢も兼ね揃える抜かり無さを持つ。
魔神バビロンを敬愛しているが、敬愛し過ぎているのが弱点になりかねない。スライム系のモンスターが天敵であり、同時に敵視している。天使系に対しては無条件で殺意を抱いている。プレイヤー【もってぃ】が『堕天使のブローチ』を身に着けていたのが原因で、無自覚に殺意を発していた。
どの従者も信頼しており、従者ごとの得手不得手を理解した上で命令を与えている。全ての従者が計測可能な親密度を超えており、主人の取り合いをして従者同士が喧嘩しないのが不思議なレベル。
最も信頼度が高いスキルは『アンデッド憑依』で、従者のしたい動きと自分の動きを無意識に揃えて動く為、他のプレイヤーが感じている「着ぐるみを動かしているようだ」という感覚は全く感じていない。特殊能力『阿吽の呼吸』の発現も近いと思われる。
装備に関しては上の下。ひとまずの完成を迎えただけで、装備のシナジー考慮までは至っていない。これに関してはゴッズチャレンジに手を出すことで考慮し始めると思われる。装備の強化も不十分な為、この状態では宿敵と見做している光の女神メルティスに勝利するのは非常に厳しいものがあるだろう。
現状最もリンネを敵視している最大勢力は【機神トロイ】で、衝突は避けられない。
【どん太】
神格はリンネより二階下であるが、総合的な戦闘力はリンネを超えている。獣系従者の到達予測知能限界を突破しており、この原因の大部分は主人であるリンネとどん太の置かれている環境であると推測される。最高水準の戦闘環境に適応するため、著しく知能を発達させたと思われる。
自身の身体を一部変化させ、変幻自在の攻撃を繰り出す。一打全力、連撃加速、闘気放出によりオールレンジオールマイティな戦闘を可能にしている。
恋仲である【モッチリーヌ三世】との関係は好調であり、モッチリーヌ三世の成長にも貢献している。魔神殿ではメルティスに虐げられてきた様々な魔人達の話を聞いており、メルティスに直接の恨みはないものの、必ず倒さねばならない相手だということは認識している。
魔狩魔狼モードがオフの姿は非常に愛らしく、多くの人々から愛されている。オンの姿も一部のプレイヤーから愛されている。ファンが多く、非常に高いアイドル性を獲得している。
大好物は【牛肉とドラゴン肉の粗挽きハンバーグ】。
【オーレリア・ステラヴェルチェ】
魔猫大親分の格をあっという間に超えてしまった『にゃ神』。ふざけた名前ではあるが、階位は魔神バビロンにも並ぶ。これは猫を愛する人々が非常に多いため、猫への信仰心を吸収している結果である。
全属性のにゃ術を行使するが、その中でも『漆黒の猫』は無敵の威力を発揮する。当たりさえすれば光の女神メルティスや魔神バビロンにさえも有効で、最大チャージすればランク8の超抹消効果を引き起こすことが出来る。ただし、現在の技量では当てるのはほぼ不可能に近いだろう。
気を許していない相手から触られる、撫でられることを極端に嫌い、許可なく触れた相手に対して恐ろしいほどに怒りを露わにする。逆に好きな相手にはバレない程度に接近したり、撫でたり触れさせたりを誘発するように立ち振舞う。
野菜嫌いを克服しようとはしているものの、やはり嫌いなものは嫌いなようだ。肉と魚ならどちらかと言えば魚が好きなようで、特にマグロ系の食品を好んでいる。【スシ】は大好物のようだ。ただし加賀利の箸は使い難いようで、スシをフォークで食している。
【フリオニール】
神格は未だ獲得出来ていないが、神にも並ぶほどの戦闘力を持つ紅の騎士。英雄と呼ばれるのに相応しい男であるが、本人は周囲からそう呼ばれるのを望んでおらず、主人や仲間達からそう思われていれば十分だと遠慮している。
コルダのためにメルティス教を滅ぼさなければならないという呪縛から解き放たれ、己の信じるもののために剣を手にし、盾を構える。その思いを口にすることはなく、全て行動で示している。
完全に喋らないということはやめたようだが、依然としてあまり喋らない。しかし大事なことは口に出さないと伝わらないと悟ったため、それらは必ず口に出して伝えるようにしている。たまに大事ではないことも喋って怒られるのがお約束になっているようだ。
密かに気に入っている食べ物は【ラーメン】で、バビロニクスの商店にあるラーメン屋『ラーメン道』に通う時はいつもと違う鎧にわざわざ変えて出向いている。誰にもバレていないと思っているが、オーレリアやマリアンヌにはバレている。姫千代には何度か遭遇しているがバレておらず、ラーメンの良さを語り合うファン同士仲良くしている。
【姫千代】
剣術無双神狐として神格を獲得している。魔神バビロンと比べると階位は二つ下だが、神狐覚醒時には同等の神格まで跳ね上がる。
幾度も剣の道に迷い、今もまた迷っている最中であるが、主人であるリンネの『真っ直ぐな剣』に惹かれて、今一度初心に帰って新たな道を探究している。
消費した神力を回復するには三大欲求を満たさなければならず、特に食欲を満たすことで大きく神力を回復することが出来る。ただし、食べたものは当然吸収してしまうので、体型維持には非常に苦労しているようだ。それ故に食事を我慢した時には他の欲求で満たす必要が出てしまうので、欲求不満になると爆発しかねない。それらに関しては適度なタイミングでケアされているので、爆発の心配はないだろう。
大好物は意外にも【ハンバーガー】で、これはリンネから初めて貰った食べ物であることが起因となっている。タルタルソースがはみ出てくるほどに入っているフィッシュバーガーが特に好物である。
【マリアンヌ】
戦闘よりも研究をこよなく愛する研究者。研究結果を証明するのも好きであるため、どうにか最高水準の戦闘についていこうとした結果生み出した【アルテナ】を着用して戦闘に参加している。
アルテナに依存し過ぎた結果、急激な肉体の成長に対して筋力強化が追いつかず、アルテナ頼りになっているとも知らずに着用を解除した瞬間、体が支えきれずに倒れ込んだことがある。これに関してはアルテナが日常的な支援を停止したり、逆に高負荷のトレーニングになるように負荷を調整してマリアンヌをサポートしているので、二度とこのようなことが起きることはないだろう。
兎詐欺少女シャーリーが元々所属していた幻龍会の独自技術を取り入れ、状態異常を無効化するガスマスクの開発やアルテナの更なる強化に成功している。メガリスの修復にも幻龍会の独自技術を取り入れ、作業は着々と進んでいるようだ。
大好物は【ケチャップとマスタードソースを塗った目玉焼きトースト】。センスが独特である。
【ティアラ・エルドリード】
黄金の女神、魔神バビロンと階位は同等の最上位神。最近、姫千代のリンネに対する『好き』が自分とどう違うのかを理解し、自身の主人に対する『好き』が変化して主人と契りを結んだ。
身につけていた【シェアリング】は【エンゲージリング】に変化しており、リンネの権利の一部をティアラも扱えるようになっている。これはリンネがどこまで使用して良いかを明確にしており、ティアラはどこでも倉庫へのアクセスと、アイテムインベントリの共有、自由に必要なアイテムや金銭を引き出して良いとされている。
従者の中で最もお金がかかっており、マリアンヌよりも消費が多い。シルバーに換算すると、その消費量たるやマリアンヌにトリプルスコアを付けているほど。ティアラの性能を制限しては成長に繋がらないとし、どれだけ消費しても良いとしているが、主人であるリンネも少々顔を引き攣らせる消費量のようだ。
戦闘は純粋な戦闘力で言えば従者内最強である姫千代には劣る。しかし、総合的な面で見ると出来ることの多さから有利な面が多く、戦い方に拘りを持たなければ誰にも負けない戦闘力を保有している。本人の優しさからか、残忍で卑怯な攻めがなかなか出来ないのがネック。
大好物は【いちごのショートケーキ】。ホイップクリームを雪原、いちごが赤いドレスを着た自分に似ているので好きらしい。もちろん最も美味しい食べ物だと思っている。
【ゼオ】
旧死神を継承した少女、階位は死神カレンの一つ下。死神だからといって戦闘は好まず、赦されざる存在の抹消に重きを置く。
姫千代に並ぶ腹ペコ勢であり、常に何かしらを食べている。バビロニクスやローレイなどで密かに人助けを行っており、その独特な片言口調もあってか隠れファンが非常に多く、いつもどこかでご飯を御馳走して貰っている。
戦闘に関してはエバデオンへの切り替えが自由に行えるようになり、大鎌による一撃必殺によって仕留められるように武具を切り替えて立ち回る。弓や魔杖によって多数を相手することも出来るが、一対一の戦いが最も力を発揮出来るだろう。
大好物は【塩抜きフライドポテト】。細いものも太いものも、揚げたてホクホクならどちらでも良いらしい。
【デロナ】
全ての魔族系信仰魔術を行使可能な龍神少女。驚くことに神格は魔神バビロンに並ぶ。これは龍神王ヴァハールがその座を降り、デロナを龍神と認めた故の結果である。
基本的には善良な子であるが、核心をグサリと刺すような一言を発してしまうことも。主人はどうにもその鋭い一言を気に入っているようで、そんな主人の様子を見て慰めてあげるまでがワンセットになっている。
戦闘に関しては回復と補助、時に妨害とサポートに徹している。後方から戦場を広く見れることもあり、状況の変化に柔軟に対応して支援を行うことが出来る。直接の戦闘能力は低いため、攻撃が通ってしまうとあっという間にやられてしまう危険性もある。
大好物は【オムライス】。ふわとろのオムライスが出てきた場合、ドラゴンブレスの火力を調整してカチカチに焼き直す。作り直してと要求しないのは良いが、それを提供した方は少し悲しそうな顔をする。しかしふわとろが嫌いなので仕方ない。
ドラゴン愛食家からは特に反応されないので、そういう目では見られていないようだ。
【ヴァルフリート】
龍王剣ヴァルフリート。一番大きいはずなのに影が薄いのを気にしているが、暇な時は鍛錬か精神統一か、星龍ラージウスと共に宝石磨きをしているのでそれも仕方ない。
一言で表すなら常識人。義理堅く、正義感が強い。主人はかなり悪の道を行っているように見えるが、それは信念のある正義によるものと判断しているので、むしろ支持している。
戦闘に関しても基本を突き詰めたような正確無比な一撃を放ってくる。単純に強いため、搦め手で倒すのが非常に難しく、トリッキーな戦い方を得意とする相手からすればやりにくいことこの上ない。その上で起死回生の一撃も持っているので、まず基本がなっていない相手は刃が立たないだろう。
大好物は【煮込みカツ丼】。カツ丼という名前からして勝利を連想するのでそこがまず好きらしい。
【ヒュリエス】
裏切りの悪神、ヒュリエス。別に仲間を裏切ったりはしないが、心の弱い敵を発狂させるには十分な甘言を放つことはある。
何が裏切りかと言われれば、その小柄な肉体に反して膨大な量のヘルスポイントを持つところだろう。従者内でタンクを務めていたフリオニールの数十倍のヘルスポイントを保有しており、当然のように防御力も異常に高い。攻撃面は全体的に威力はそこまででもないが、ギガントアックスによる大規模破壊があるため起死回生の一手は常に振るうことが出来る。
ティアラやデロナ、オーレリア、メルメイヤと話をすることが多く、冷淡な表情とは裏腹にスイーツの話や、主人であるリンネの素晴らしいところなどの話で頬を染めることが多い。意外にも流行というものが好きらしく、リンネの所属するギルドのマスター【お昼寝したい】などから「最近流行ってるダンスなんだよ」と教えられると素直に信じ込み、暇な時や誰も居ない時にちゃっかり踊っていたりする。流行りのスイーツも見逃さない。
大好物は【流行のスイーツ】。何が好きというわけではなく、流行しているから好きなのだ。
【滅流冥夜……メルメイヤ】
修行中のニンジャガール、メルメイヤ。ニンジャマスターを目指して日々修行をしている。滅流冥夜はフーマモンに付けられた当て字。超イケてるアッララアッアーと言われたが、メルメイヤは苦笑いをしてスルーした。
剣術、忍術、体術、妖術を使い分けて戦う影の戦士だが、「ピンクの髪が目立つので忍べていないのでは……？」と、自分の髪色に少しコンプレックスを抱き始めた。ついでに言うと、他の従者に比べて可愛くない気がするのと、最近大きなやらかしをしたのと、体も凹凸が少なくて主人に嫌われているのでは……と、自分に自信が持ちきれていなかった。
これに関しては主人が定期的に褒めてくれる、撫でてくれる、応援してくれる、信じているのを伝えてくれるので、不安になってもすぐに立ち直れる。何かと一生懸命な女の子だ。
大好物は【チョコミントアイス】。姉弟子であるプレイヤー【きぬ】から勧められて苦笑いしながら一口食べた結果、その魅力に取り憑かれてハマってしまった。彼女はもう、戻れない。
【カーミラ＆ジャンボ】
月の女神の転生体。神格までは失われることなく、潜在的には最上位神の能力を持つ。
現在の肉体で月の女神の権能を発現すれば肉体がもたないため、無意識に権能にロックをかけている。再び成長すればその力を取り戻すことが出来るだろう。今はウルフの霊体【ジャンボ】と行動を共にしており、日々修行に励んでいる。
肉体的にはカーミラの幼少期～少女期のものと同じなのだが、その頃から発育が非常に良かったらしい。それだけ両親からは惜しみない愛を注がれていたのだろう。オーレリアやメルメイヤからはその肉体美に対して羨望の眼差しを向けられているが、本人はどうして見られているのか理解出来ていない。
性格の根幹は変わらないため、悪戯っ子なところがある。主人であるリンネにストレスをかけずに困った表情を引き出すのが楽しみで、オーレリアやジャンボと共に色々な悪戯を画策している。
大好物は【トマトジュース】。赤くて甘いのが好きらしい。
