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状態異常の恐怖

===移動===>海底ダンジョン B5


「昔手こずっていた強敵を難なく倒せるようになると自分の成長を感じるよな。」


「私達の成長もそうですが、大部分はガットさんの作ってくれた武器のおかげですけどね。」


・・・おのれ、アルマ。人が良い気分の所を・・・まったく言い返せないが。


「しかし、随分と強力になったな、魔法。・・・正直、引く。」


「・・・ミスリルゴーレムを真っ二つにしている人に言われたくないのですが?」


・・・誰の事だ?・・・俺?これは失礼。


【豪剣アディオン】を使えばミスリルゴーレムも真っ二つだ。・・・やっぱ武器のおかげじゃん。調子に乗らないようにしよう。自分の実力以上に調子に乗る奴は必ず痛い目にあうのが世の中の真理である。ソースは俺。


「クルー!」「ピュイー!」「・・・攻撃続行。」


一方でアーテル、フィオレ、カイザーは絶賛苦戦中だ。アーテルとフィオレは前回よりレベルが上がっているので、前回のように攻撃が効かない、なんてことはないようだ。カイザーもアヴァンから受け取った新兵器のおかげで、俺たちほどではないが強力な武器での攻撃を行えている。


なので倒せないことは無い。ただし、時間がかかるといった具合だ。ちなみにこの階での戦力配分は俺が2体、アルマが2体、残り全員で1体といった感じである。・・・変な配分だが、実際こうなってしまっているのだから仕方が無い。


「【グランディスマグナム】バスターモード・・・ディスチャージ!!」


お、カイザーが決めた。だが、ここのゴーレムたちとアーテルたちは相性が悪いな。カイザーは武器をより強力にすれば何とかなるかもしれんが・・・アーテルたちはどうにかできるだろうか。


「・・・アルクさん、次の階で試してみたい事があるのですが・・・」


「ん?・・・わかった。」


アルマがなにやら試したいというので彼女に先頭を任せて次の階へと降りていった。


===移動===>海底ダンジョン B6


次の階ではミスリルゴーレムが6体、鈍重な動きでこちらに向かってくる。・・・このスピードの無さもこちらが助かっている要因だが、スピードタイプでミスリルゴーレムのような硬い奴が出てきたらいよいよまずいかも知れんな。


なんて心配をしている俺を他所にアルマがまず仕掛ける。魔杖をゴーレムたちに向けて・・・


「・・・【スタンショック】!!」


アルマが叫ぶと同時に雷のようなものが6体のミスリルゴーレムに落ちる。ダメージは無いようだが、ゴーレムたちはその場から動かなくなった。


「・・・何やった?いや、なんとなく分かるけど・・・」


「お察しの通り状態異常を引き起こす【呪魔法】ですね。前回の反省を踏まえて取得しておきました。」


・・・そういえばそんな話もしたっけ。俺たちが脳筋クランだって思い知った瞬間だった。・・・今もそんなに変わらない気もするけど。しかし・・・


「・・・とうとう呪いにまで手を出してしまったか。(ボソッ)」


「・・・【パラライズ】。」


「アイダダダダダ!」


・・・どうやら俺の余計な呟きが聞こえてしまったようだ。全身が痺れる・・・これが状態異常か・・・考えてみれば状態異常になった事が無かったな、俺。スゲー変な感覚。


その痺れよがってる俺を無視してアルマは次の行動に入る。


「【フォールダウン】!!」


再びアルマが叫ぶと今度はゴーレムたちが黒い煙のような物に覆われる。その煙は直ぐに晴れたが、ゴーレムたちの体が心なしか黒ずんで見える。


「物理防御力と魔法防御力を下げる【呪魔法】です。【魔杖ブルーゼブル】のおかげでかなり強力にかかっているはずです。今ならフィオレたちでも苦も無く倒せるはずです。」


「ピュイー!!」「クルー!!」「戦闘開始。」


アルマの話を聞いて俄然やる気を出したアーテルたちが勇んでゴーレムたちへ突進していく。しかもゴーレムはまだ動けないようで棒立ちでアーテルたちの攻撃を受けている。・・・あ、もう一体倒した。


「・・・えげつないな。(ボソッ)・・・待てアルマ。杖を俺に向けるな。痺れて動けない俺に何をする気だ。」


「・・・何をすると思います?目が見えなくなる【ブラインド】、音が聞こえなくなる【サウンドネス】、喋れなくなる【サイレンス】なんてどうです?」


・・・やべえ、アルマさんの目に暴虐の光が・・・コイツ、ドSだったのか?【呪魔法】なんて、なんて物を作ってしまったんだこのゲームの開発陣は!!


「・・・わかった、謝るからその杖を引っ込めてくれ。【解呪(ディスペル)】!」


状態異常を解除して立ち上がる俺。・・・【浄化魔法】を取得しておいて良かった。


「・・・せっかく、アルクさんが言っていたから取得したのに。(ボソッ)」


・・・アルマがぼそぼそ言っているが・・・ツンデレ要素もあるとはレベル高いな。(全部聞こえている)・・・確かに俺が悪かった。どうもすいませんっす。


「ピュイー♪」「クルー♪」「戦闘終了。」


お、アーテルたちが戻ってきた。3対6で余裕の勝利とは恐るべし【呪魔法】。


「【魔杖ブルーゼブル】のおかげで相当強力に効いたようですね。効果時間も長くなっています。私が前に試した時はそれほどでもなかったのですが・・・」


どうやら武器の性能によるところも大きいらしい。アルマ曰く、魔法攻撃力が高く、相手の魔法防御力が低いほどより効果的に効くらしい。逆に相手の魔法防御力が高いとまったく効かないそうだ。俺にかけられた【パラライズ】もゴーレムたちに比べれば随分軽い方らしい。これは俺が着ている【攻鎧アルドギア 】のおかげだな。ガットに感謝、感謝。


それにしても、ということは、だ。


「ということは俺が【呪魔法】を使っても効果は薄いってことか・・・」


「・・・一応聞きますが、誰に使うつもりなんです?」


「・・・」


「・・・」


「・・・いやだなぁ。女の子相手に身動きが取れなくするなんてこと・・・するわけないだろ?だからその杖をおろせ、アルマ。」


クッ、アルマへの復讐計画がばれてしまった!アルマの身動きを封じてあんなことやこんなことを考えていたのに!!


・・・ん?メールが・・・


『Seven World Onlineは公序良俗に反する行為は禁止されています。by人間界総合管理AI【ヒューザー】』


「・・・」


・・・やっぱり悪い事考えちゃいけないよな、うん。


「さ、さあ気を取り直してガンガン進もうか!!」


俺はアルマの冷たい視線から隠れるように先へと進むことを推奨する。幸い、追求されることも無く先に進むことを了承してくれたが・・・ホント、すいません。


===移動===>海底ダンジョン B10


破竹の勢いで奥へ奥へと進んでいく俺たちだったが、地下10階に来た所で様子が変わった。具体的には出てくるモンスターが、だが。


【ミスリルタイガーゴーレム Lv50】

ミスリルで構成された虎の姿をしたゴーレム。堅牢な体は生半可な攻撃を寄せ付けない


「虎の形をしたゴーレムか。人型以外にもゴーレムが存在するのか。」


あとミスリルの虎ってことでちょっと格好良く見えてしまった。全身鎧を纏った虎みたいで・・・おっとアーテル、お前の方がカッコいいよ。(親ばか)


「見るからに強そうですね。一体しか居ないようですが・・・とりあえず動きを止めましょう。【スタンショック】!」


先ほど同様、【呪魔法】で状態異常を起こそうとするが・・・雷のような物が落ちる直前、虎ゴーレムはかわしてこちらに向けって来た!


「速い!」


俺はアーテルに、アルマはフィオレに乗って回避する。カイザーは自前のブースターがあるので無事だ。


「高速移動が出来るタイプのゴーレムか。・・・いるとは思ったがやはりいたか。」


「ですね。【呪魔法】が避けられてしまいました。次のステップ、といった所ですか。」


「仕方ないな。ここは力ずくだ。」


【豪剣アディオン】と【魔杖ブルーゼブル】を虎ゴーレムに向ける。速いとは言ってもアーテルやフィオレほどじゃない。そして攻撃に関しては俺やアルマの武器なら問題は無い事は確認済みだ。


要するに負ける要素なし。


俺たちは哀れな虎ゴーレムに向かって突進していった。


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