表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/188

おい、変なランクをつけるな

「ガアアアアアアッ!」


 僕の眼前で、巨大な獣――ファングボーンが咆哮ほうこうを轟かせる。


 さすがは指定Cの魔物。

 その迫力は伊達ではない。


「ブルオオオオオオアッ!!」


 再び叫声をあげると、ファングボーンは土煙をあげながら突進を敢行。


 それはまさしく猪突猛進。

 かなりのスピードだ。


 さすがにダドリーには劣るものの、あの巨体に体当たりされたらさぞ痛いだろう。


 こういうときは――アレの出番だな。


 僕はスキル《チートコード操作》発動。

 選ぶ能力は《無敵時間(極小)》。


「アリオスさん! 危ない!」


 Aランク冒険者のカヤが叫んでくる。


 だが問題ない。

 この能力の効果は、以前、弱い魔物で実証済みだ。


「グルアアア――ァ?」


 僕にぶつかったファングボーンが、きょとんと両目を見開く。


 ま、さすがに驚くよな。

 文字通りファングボーンのすべてを使った攻撃が、僕にまったく通じていないのだから。


 いまの僕は傷ひとつ負っていない。

 痛みも感じていない。

 ただただ静かに、焦りを滲ませるファングボーンを観察していた。


「さて、そろそろいくぞ」


 僕は剣を抜き、攻撃の体勢に入る。


 このスキルの持続時間はもって5秒。再使用には3分のクールタイムが必要となる。……どういう原理かはわかりかねるが、これがこの一週間、僕の導き出した結論だ。


「淵源流、一の型、冥府ノ一閃」


「ウグアアアアアアッ!」


 僕の繰り出す剣技に、ファングホーンはなすすべもなく倒れた。





 

「……あの、アリオスさん?」


「はい?」


「な、なんか、また強くなってませんか? あの決闘の時とはもう比べ物にならないような……」


「はは……そうですかね」


 まあ、あのときから強力なスキルを二つも習得したからね。

 新たな境地に達したことは間違いないだろう。


 ……とはいえ、真の剣聖はおごる人物にあらず。


 あの初代剣聖のように、いかに強くとも謙虚に進んでいくべきだと思う。ダドリーに勝ったからといって、それで慢心するつもりは毛頭ない。


「僕なんてまだまだですよ。もっともっと……強くならないと」


まだまだ・・・・って……ファングホーンの攻撃にびくともしていないように見えたんですけど」


「そうですね。5秒だけいっさいダメージを受け付けない力を得たので」


「なにそれやばい!!」

 カヤが大きく目を見開く。

「はぁ……敵わないですね、もう……」


 呆れ気味に額に手をやるカヤ。


 だって本当のことだ、仕方ない。


 ――ダドリー・クレイスとの決闘から一週間。

 僕は順調にギルドの依頼をこなしていた。ランクは相変わらずDのままだが、謎の信頼度によって、Cランクの依頼までなら受けられるようになっていた。


 今回、指定Cのファングボーンと戦っていたのもそれが理由だ。


 そして《たぶんいらないけど念のため》という理由でカヤもついてきた。


 本当に謎の信頼度である。


 ギルドマスターのアルトロも、

「アリオス殿ならどんな依頼でも達成できると思うがのう」

 と言っていた。


 これも買いかぶりすぎである。


 まあ、それでもBランクの依頼を僕に振ることはさすがに難しかったようだ。

 実力の問題ではなく、本部の都合的に。


「アリオスさん、これなら近いうちCランクへの昇格もあるんじゃないですか? というより、Sランクより上の存在になるかも……」


「Sランクより上……?」


「規格外ってことです。まさにアリオスさんにぴったりの言葉ですね!」


「や、やめてください……」


 なんだよランク《規格外》って。

 もはや常軌を逸しているじゃないか。


 僕はコホンと咳払いをかますと、ファングホーンの死体を見下ろして言った。


「……ともあれ、こいつを処理したら帰りましょう。もう日が暮れますし」


「そうですね。私としては、もっと二人の時間を楽しんでもいいですが」


「なに言ってんですか、もう……」


 僕はため息まじりに呟く。

 そうしてファングボーンの死体に歩み寄ろうとした――その瞬間。


「…………む」


 僕はぴたりと動きを止める。

 そして視線だけを後ろに向け、相手・・の出方を窺う。


「どうしました――って……」


 カヤも遅れて謎の気配に気づいたらしい。表情を引き締め、僕と同じ方向に目を向ける。


(アリオスさん。なにか……いますね)


(ええ。悪意は感じませんが……いったいなんでしょうか……)


 もしかしてアルセウス救済党の手の者か。


 いや、だったら悪意がないのはおかしい。僕の立場だったら恨まれていて当然のはず。


 じゃあ、この気配はいったい……


「たす……けて……」


 ――ドサッ。

 奇妙な音が聞こえたのはそのときだった。


 いまのはなんだ。

 もしかしなくても、「助けて」と言っていたような……


 僕はカヤと目を合わせると、警戒しつつ気配の方向に進む。


「あっ……これは……」


 カヤが大きく見開いた。


 痩せ細った少女が、草むらのなかに倒れていたからだ。


「この子は……奴隷……?」


 カヤが小さな声でそう言った。

【恐れ入りますが、下記をどうかお願い致します】


すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


あなたのそのポイントが、すごく、すごく励みになるんです(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


何卒、お願いします……!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼【※超速報※】 「コミカライズ一巻」が【 2022年9月30日 】に発売されます! 下記の画像クリックで書報ページに飛べますので、ぜひ今のうちに予約してくださいますと幸いです!▼ 明日9/30、チートコード操作のコミカライズ一巻が発売します! 超面白い内容となっていますので、ぜひお手に取りくださいませれ(ノシ 'ω')ノシ バンバン ↓下の画像クリックで商品紹介ページに飛べます! i000000
― 新着の感想 ―
[一言] 最初は面白い設定かなと思ったんだがだんだんつまらなくなってきた。 それにハーレム状態についても一国の王女が時折毅然とした態度を見せるとは言えあまりにも王女らしくない。村娘じゃあるまいし一人の…
[気になる点] また少女か~い もういいって女の子は、十分出てきてるでしょ 飽きたよ。たまにはおっさんとか老女でいいだろ [一言] ↓の人と同じ感想持ちました 極小で5秒はないだろw 昇竜拳(発動の瞬…
[一言] 極小で5秒って、案外長かったな… それこそ一撃の間だけとかかと思った。
2020/08/13 21:08 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ