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ありふれた職業で世界最強  作者: 厨二好き/白米良
ありふれたアフターストーリーⅢ
292/535

シア編 後は頼んだ


 ボートを隣り合わせて、川の上で行う話し合い。


 ハジメと顔を突き合わせたウィルフィードは、ついでにガトリングと大型リボルバーの銃口を突きつけられながら、冷や汗をダラダラと流していた。特に、眉間にゴリゴリと当てられている大型リボルバーの威容には、確実に現在進行形で寿命が縮んでいるだろう。


 ちなみに、彼の部下は〝やはり〟というべきか、かなり優秀だったようだ。ウィルフィードのボートに乗り込むか、端に掴まってぐったりしているのが大半ではあるものの、トリアイナの暴威の中でもほぼ全員が生き残ったようだった。


 あと、何故か研究者のブランドンもウィルフィードのボートに乗っていたらしく、今は頭を抱えてガクブルしていた。何故乗り込んでいたのか全く不明だった。


「それで、お前等は実のところ何者なんだ? 確か……レリテンス社とか言ったか?」


 ハジメの問いかけに、ウィルフィードはビジネススマイル全開で口を開く。


「なぁに、ただの貿易会社だよ。いろんな物品を売買――」


 ゴリッとドンナーの銃口が眉間に皺を刻む。


「というのは表の商売で、裏では〝力ある遺物〟の捜索・研究・活用……主に兵器転用だが、そういうことをしている会社だね」


 あっさりゲロったウィルフィードに、頭を抱えていたブランドンがくわっと目を見開いた。


「馬鹿かお前は! 裏切るつもりか! 遺物のことは極秘だろう!」


 視線を向けもしないウィルフィード。


 男達も特に反応しない。彼等はどちらかというとウィルフィードよりの人間らしい。


 ハジメが首を傾げて問う。


「……〝力ある遺物〟? またファンタジーっぽいワードが出てきたな。それはなんだ?」

「私からすると君の方がよほどファンタジーなんだが……」


 ウィルフィードが言葉を選んでいるかのように思案顔を見せる。眉間がゴリゴリされた。


 会社の秘密をマーライオンしそうなウィルフィードに、ブランドンが吠え立てる。ギャンギャン、ギャンギャン。


「青年、ちょっと失礼」


 ウィルはさっとブランドンに近寄ると、コキッとその首を捻り、あっさりと永遠に沈黙させてしまった。なんとあっさりした退場劇だろうか。


「おいおい、随分とあっさりだな。同僚じゃなかったのか?」

「元から嫌な奴だと思っていたんだ。それに、この状況でこの有様だ。私と部下が生き残るためには……うん、しょうがない。さて、それで〝力ある遺物〟のことだが……」


 やはり只者ではないウィルフィードの説明によると、どうやら地球には〝力ある遺物〟と呼ばれるものが存在しており、いわゆる〝場違いな工芸品(オーパーツ)〟の内でもなんらかの効果を有するものをいうらしい。


 世間一般に認知されているものではなく、極一部の者達が知っているだけで、国などでも情報統制しているものらしい。むしろオーパーツは、それらから注目を逸らすためのアイテム扱いなのだという。


「……どうしよう、シア。地球も十分ファンタジーだった」

「私はそこまでびっくりって感じじゃないですけどね。UMAとかUFOもそうですけど、不思議現象の特番なんてしょっちゅうやってるじゃないですか。その内のどれかは本物でもおかしくないなぁって思ってましたし」

「特番イコール眉唾物っていう認識で固まってたが……まぁ、確かに世界は広いしなぁ。というか、トータス云々以前に、よくよく考えると俺達の境遇自体、地球で起きたファンタジーか……」


 世界は不思議と未知で満ちている。ハジメは片手で額を押さえながら、「とんでも経験しているのに常識に囚われすぎてたか?」と唸った。


「それで、この箱の中身は? 正確な場所を把握してたんだ。これの正体も詳しいところまで分かっているんだろう?」


 再びゴリゴリ。ドンナーで話を催促する。


「わざわざ話を聞こうとするから、あるいはと思ったが、やはり詳しくは知らないか。どうだろう、青年。ここは取引と行こうじゃないか。これ以上の情報が欲しければ――」


 ゴリッ。


「ッ。悪いけど、さっきも言った通り命が惜しくてね。全部話した途端、ズドンされちゃあ敵わない。ああ、拷問には慣れているから効果はないと思ってくれていい。だから、まずは私達を解放して、それから――」


 ハジメは、ドンナーを引っ込めた。


 交渉に乗った! とウィルフィードが笑みを浮かべる。


 ハジメさんは片手を天にかざした。


 ウィルフィード達が揃って「???」と首を傾げる。


 数秒後。空に星が瞬いた。昼間なのに。


「「「「「……」」」」」


 ウィルフィード達が揃って空を見上げる。徐々に輝きを増していく真昼の星。煌々と光るそれにウィルフィード達はあんぐりと口を開けた。


 次の瞬間。


 天から熱波と衝撃を撒き散らす光の柱が降り注いだ! 偶然にも、着弾地点には先程吹き飛んだボートの残骸が! 木っ端微塵どころではない。まさに完全消滅! 水が一瞬で蒸発し川底が姿を見せる! 凄まじい衝撃が川を氾濫させる!


 にもかかわらず、何故かさざ波程度の揺れしか感じないボート周辺。熱波も衝撃もない。


 やがて、川の地形を少々変えた天の光が収まると、清々しい声音が響いた。


「今日はいい天気だな。こんな日は無性に、太陽の光でも落として全てを真っ赤に染め上げたくなるなぁ」


 ウィルフィード達は、ギギギッと音が鳴りそうな動きでハジメへと顔を向ける。ハジメの口元が裂けた。


「OK、ボス。犬と呼んでくれ」

「誰がボスだ。それは止めろ」


 ウィルフィードは実に生存に貪欲だった。彼の部下も異論はないらしい。まさに、犬の群れというべきか。ボス犬の決定には大人しく従うようだ。


「いやなに、どうせこの仕事が失敗したら社内の居場所を失いますし。そもそも入社したのも、独立してトレジャーハンターやる資金を稼ぐ為ですし。そろそろ転職の頃合いかと思っていたんですよ。ボス、私達は中々役に立つと思いますよ?」

「ここぞとばかりに売り込んでこなくていい。聞きたいこと聞けたら生かして帰してやるから」

「……役に立ちますよ? マジで」

「念を押さなくていいっての。忠犬ならぬ忠ウサギがいるんでな。これ以上、やっかいな連中を背負えるか」


 トータス時代のように、やたらめったら敵対=殺害はしない。トータスと違い、人が死ぬか消えれば、いろいろ面倒が起きるのだ。後で対策する手間を考えれば、ある程度の許容はする。もちろん、状況や相手によるが。ウィルフィード達は裏世界の人間ではあるが、カルト集団やテロリストのように話が通じない相手ではない。なので、ハジメの言葉に嘘はなかった。


 しばらく本音を探るようにハジメへと視線を注いでいたウィルフィードだったが、なんとなくハジメの考えを察したのか、直ぐににこやかな笑顔を取り戻した。


「いやぁ、そいつは良かった。話が終わったら直ぐに消えるんで平にご容赦を。で、その箱がなんなのかってことだが……」


 曰く、金属の箱の中には、やはり古代の生物兵器が入っているらしい。


 実はまったく別の場所で発掘された古代の遺跡において、大量の石版が見つかったそうなのだが、ここに生物兵器のことが記載されていたそうだ。


 解読した結果によると、元は秘境に住む少数部族が治療に用いていたもので、原料は山間部の極一部の土。それを独自の方法で調薬し服用することで不思議と万病が治ったらしい。ただ、用法用量を間違えると、逆に体の中からボロボロになって死ぬ。


 当時、覇権を狙っていたとある大国が、その効果に目をつけた。そして、その土を研究し兵器へと転用した。加工し、風に乗せて飛ばすことで空気感染し、感染した人間は瞬く間に体の内からボロボロになって死ぬのである。


「当時の記録を解読したところ、社の研究チームは土中の微生物――それも古代に生息した肉食性の微生物ではないかという推測を立てている。発熱したり、細胞が壊死したりするわけじゃなく、物理的に〝内側から食われて死ぬ〟ということだね」

「なんでそんなこと分かるんだ?」

「ミイラが発見されてね。厳重に保管されていたから、おそらく隔離された遺体なんだろうが……それを調べた結果分かったらしい」


 ハジメは「なるほど」と思った。それなら、毒耐性以前の問題だ。実際は物理的攻撃と変わらないわけであるから、耐性能力より防御力である。そして、内臓に防御力を期待するのは難しい。ハジメにも効果があるのは頷ける話だ。


 シアなら気合い防御で内臓でも防御しそうな気がするが。


「ん? そう言えば、それを発掘したチームは無事なのか? 生物兵器にやられた人間を発掘したんだろ?」

「紀元前のものだ。死滅してるさ」


 おかしな話である。もしそうなら、シアの未来視が発動するはずがない。


 となれば、


「なるほど。その石版には、生物兵器の保存方法と、ここに持ち込まれた経緯でも記載されてたか」

「……話が早い」


 確かな記録はないが、その微生物も何かが原因で死滅したのだろう。生物兵器の猛威は終息を見せた。だが、全てではなかった。その発掘された遺跡は、滅ぼされた国の王族の墓所だったらしいのだが、記録によれば王女の一人が生き残ったらしい。


 彼女は、紆余曲折を経て微生物を仮死状態で保存する術と、微生物そのものを確保して、敵国の追撃から逃亡したのだという。


「それがこの遺跡か」

「元より、その国の王族専用の隠れ家だったようだね。あの地下迷宮を見たのなら分かるだろう? 余程の権力と財力がなければ建設なんて不可能だ」


 確かに、国の技術の粋を集めた場所と考えるのが自然である。


 ウィルフィード達は、徹底的に記録を調査し、最後の王女が逃げ込んだことを突き止めた。同時に、その最後の王女が覇権国家内において生物兵器を使用し、復讐を果たそうとしていたことも分かったらしい。この遺跡は、まさに雌伏の時を過ごす隠れ家だったのだろう。


「だが、結局、その王女は兵器を使わなかったんだな」

「らしいね。記録にはそう残っていたよ」


 曰く、王女は敵に追われて迷宮に潜ったのではない。彼女は、おそらく復讐心と、再びこの世に悪夢を放つ罪の重さの間で揺れていたのだろう。結局、生物兵器を永遠に葬るべきと考え直した彼女だったが、家臣達はそう思わなかった。


 憎悪と復讐心に駆られる家臣達が強奪を試みたのだ。


 彼女は最奥に逃げ込み、それ以降、自分ごと兵器を封印するため出て来なかった。


「あるいは、家臣の裏切りと亡国の事実に疲れ果てていただけかもしれないけどね」


 あの扉の前の戦士の骸。彼はたった一人の王女の味方だったのだろうか? それとも、最後まで追ってきた裏切り者だったのだろうか? はたまた、彼女はなぜ、あの仕掛けの上で息絶えたのか。


 今となっては分からないが、遙か昔に起きた悲劇であることに違いはない。


「当然、敵国が王女を探しに来たようでね。生き残りの家臣を締め上げて事情を把握して、地下迷宮に潜ったはいいけど死傷者多数。実のところ、生物兵器をばらまいたその国の王自身、『やっべ、これマジやっべ』状態だったみたいでね、迷宮を完全に封印することにしたとのことだよ」

「なんで、生物兵器ばらまいた国の王の言葉だけチャラいんだよ」


 とにもかくにも、そういう経緯を調べ上げたレリテンス社は、古代の生物兵器を手に入れるべく、ウィルフィード達を派遣したというわけだ。


「さて、青年。私の知っていることは全て話した。どうやら青年は、バチカンの人間ではないようだし、もう私に用はないと思うのだけど?」


 力強い瞳で「殺さないでプリーズ」と、再度訴えるウィルフィード。


 ハジメ的に、なんだか気になるワードがあったので、再びゴリッとしながら視線を無視する。


「なんでそこでバチカンなんて言葉が出るんだ?」

「ああ、良かった。その反応で確信したよ。いやなに、我々の業界ではバチカンは最大のライバルみたいなものでね。基本的に、力ある遺物を収集・管理しているのはあそこなんだよ。あそこのエージェントは容赦がなくてね。ライバルであると同時に恐怖の代名詞でもあるんだ」


 地球、マジでファンタジーだった。と、ハジメが微妙な顔で天を仰いだ。


 が、次ぐウィルフィードの言葉で表情を変える。


「まぁ、ある意味、〝帰還者〟を相手にする方がよっぽど割に合わないだろうけどね」


 ゴリッとな。ウィルフィードさんのこめかみに冷や汗がたらり。


「あ、はは、やっぱりそうかぁ。くそったれ。最初から最悪のカードを引いてんじゃないか。これだから人生の斜め上具合といったら」

「悪態吐くのもいいが、俺の聞きたいことは分かるよな? 素直に答えておく方が身のためだぞ? 魚の餌にはなりたくないだろ?」


 ウィルフィードは冷や汗を流したまま答える。


「世界の不思議を追う業界だよ? 日本で起きた集団失踪事件と帰還者騒動、興味を持たないわけがないだろう」

「……まぁ、確かに。オカルト系の秘密結社とかにも探られたしな……」

「おまけに、気味が悪いくらい完璧で異常な情報統制だ。レリテンス社も、あるいは力ある遺物が関係してるんじゃないかって調査してたんだよ。碌な事も分からなかったけどね」

「へぇ、碌な事も分からなかったのに、どうして俺が帰還者だと?」

「いや、だって……」


 ウィルフィードの視線が、先程天からちゅどんされた跡地を見やる。


「三ヶ月くらい前だったか。あれ、英国でも使っただろ?」

「? 英国で……あ、あの時か」


 某卿に頼まれてちゅどんした時だ。


 英国での事件はレリテンス社もある程度把握しているらしい。関係者への口止めや認識操作はある程度しているが、流石に、あの光を見た近隣住人全ての記憶を抹消などはしてない。天ちゅが知られているのも不思議はない。何せ、施設が地形ごと消し飛んでいるわけであるし。結果、一時断水にもなっているわけであるし。


「というわけで、レリテンス社には青年達の情報がある程度集まってる。なんなら私が処理してきても――」

「だから売り込まなくても殺さねぇって。……お前は、計算は得意な方だろ?」

「Yes,ボス。ボスにも、帰還者関係者にも、私ウィルフィードとその部下は一切関わりません! むしろ、必要とあらばいくらでも役に立つと――」

「ほんとグイグイ売り込んでくるな、お前! いいよ、そっちは自分達でやるから。それと、次にボスって言ったら、やっぱり撃つぞ」


 呆れたような表情でドンナーをしまうハジメ。ウィルフィードは肩から力を抜きつつ、大きく息を吐いた。外見に反して、内心は相当緊張していたらしい。


「特に仕事もないようなら、早速撤退させてもらおうかと思うんだが……」

「あ? ああ、もういいぞ。行け」

「うん、そうしたいのは山々なんだけどね。ほら、ボートが壊れてるから……」


 ウィルフィード。実に良い性格をしている。遺跡までか、プーハンクの町までか乗せて行ってくれない? と言外におねだりしているらしい。


 確かに、どちらにしろ距離的に結構ある。しかも、この川、普通にワニがいる。今もボートの縁にしがみついているだけの男達が時折周囲を気にしているのはそのせいだろう。


 ウィルフィード達が期待に満ちた眼差しをハジメに向けている。


 そんな彼等に、ハジメは当然にっこり笑って。


「必要か?」


 しんと静まり返る。


「いやぁ、ほら。怪我人もいるし、流石に――」


 ゴリッ


「お前達! プーハンクの町まで競争だ! さぁ、泳ぐぞぉ! ワニに注意しろ!」


 ウィルフィードは水を得た魚の如く、元気に下流へ向かって泳いでいった。男達が怪我人を抱えたりしながら慌てて追い掛けていく。


「ある意味、愉快な連中ではあったな……」

「ですねぇ~。ただのキザな人かと思いましたけど、どちらかというとギャグ要員でしたね」


 ちなみに、彼等はブランドン氏を普通に置いていった。仕方ないので、ハジメ達はブランドンを乗せたボートを流れに任せて放逐した。きっと、彼もどこかに流れ着くことだろう。


「さて、シア。これからだが……」

「はいです。どうしましょう?」


 ハジメは少し思案する素振りを見せる。


「そうだな。当初の目的だった遺跡の更に奥地をハウリアの拠点に、という案だけど、もういっそ、あの古代遺跡をハウリアの拠点にしちまえばいいんじゃないかなと思うんだ」

「ですねぇ。軽く要塞ですからねぇ。殺意マシマシな地下迷宮の」

「だろ? ブービートラップをこよなく愛する連中だからな。喜ぶだろう。水没したり、壊れたりしているところは、後でビフォーアフターすればいいしな」

「でも、隠れ家としては……レリテンス社とか結構知られちゃってますよ?」

「それな。地元の人間は呪いの噂で近づかないし、この国の機関には価値を知られていない。とすると、外国勢の認識をどうにかする必要がある」


 それさえできれば、確かに古代遺跡の地下迷宮は、ハウリア族のよい新拠点になるだろう。


 ハジメは、「というわけで……」と前置きし、


「ちょいとレリテンス社に乗り込もうと思う。今からさくっと。俺達の情報とやらも気になるし」

「そうですね~。私達の情報は気になります。デートが中断なのは残念ですが、はい、さくっとやっちゃいましょう」


 二人は互いに頷き合うと、羅針盤とクリスタルキーを取り出し、さっそく密林地帯から米国の大都市の中枢へと転移したのだった。






 西海岸にある大都市。その一角にある高層ビル――レリテンス本社の三十階にて、


「まさか侵入した先で、既に強盗事件が起きていたとはこれ如何に」

「流石ハジメさん。どこで何をしようと必ずトラブルに遭遇する。ハジメさんに限っては、〝予想の斜め上〟ってあり得ないですよね」


 そんなハジメとシアの会話が響いた。


 二人の視線の先では、明滅する電灯、一部が割れたガラス製の壁、ちょぴり飛び散っている血、そして倒れた警備員が幾人かと、同じくスタッフらしき者が複数。


 どう見ても事件現場だった。


 時差により、既に夜の帳は降りきっている。ほとんどの人間が退社済みのようで、社内に人の気配は少なく、喧噪も警報の類いも聞こえないことから未だこの階層で起きた事件は発覚していないらしい。


 羅針盤の導きでやって来たので、この階の端末で帰還者や古代遺跡に関するファイルを見つけることができるはずではあるが……


「産業スパイにでもやられたか? ルフィ曰く、裏家業が盛んな会社みたいだしな」

「ハジメさんハジメさん。また変なトラブルに巻き込まれる前に、さっさと目的を果たしちゃいましょう」


 シアの言葉に頷いたハジメは、アラクネさん達を呼び出した。倒れている者達に、念の為、睡眠薬を打ち込んでおくためだ。


 傍から見ると死体にむち打つ外道な行いではあるが、一応、傷の酷そうな警備員には回復薬もちょっぴり注入しているので、むしろ善行である。たとえ、彼等がビックンビックンと痙攣し始めたとしても。


「そういえばハジメさん、情報なんてどうやって確認するんですか? たぶんですけど、PCにはプロテクトがかかってますよね?」


 古代遺跡に関するデータは後でサーバーごと破壊し、関係者も割り出して「はて? 何か忘れているような? まぁ、忘れたのなら大したことじゃないだろう」的な認識操作を行えばいい。


 とはいえ、帰還者の情報に関しては、どの程度掴めているのか、その情報収集能力に関しては、一応、確認しておきたいとことろだ。


 なので、端末からデータを閲覧するのが手っ取り早いのだが、企業のデータなど当然すんなり閲覧できるわけがない。パスワードなどで保護されているに決まっているのだ。


 ハッキングなどは完全に地球技術の分野で、ハジメはゲーム製作関連のプログラミングはできるが、企業の端末に侵入するような技術力はない。


 なので、当然と言えば当然の疑問ではあった。


「問題ない。これを使う」

「なんです?」


 ハジメは宝物庫からサングラスを二つ取り出した。それを自分にかけ、ついでにシアにもかけてあげる。


「過去の光景を再生して、それをレンズ越しに見るアーティファクト――ウルド・グラスだ」


 ティオが映像アルバムの収集のために頻用しているアーティファクトである。ティオの場合、使用するカメラのレンズがウルド・グラスを用いている。


 このアーティファクトによる過去見は、遡る時間に比例して魔力を消費し、その消費率も馬鹿にできないレベルではあるのだが、今日一日を遡ってパスワードなどを覗き見するくらいは問題ないというわけだ。


 なるほど、と頷きつつ、取り敢えずシアは首をコキコキ。気合いを入れて~


「なんで私のサングラスだけパリピ仕様みたいなんですか! めちゃくちゃハート型じゃないですか!」

「それだけじゃないぞ。魔力を流してみろ」


 流してみた。ペッカペカ光った! 七色の光が暗い室内を鮮やかに、超カラフルに彩る!


 シアは輝いていた!


「他のないんですか?」

「何が不満だ」

「およそ全てが」


 シアのために作ったのに。ユエは気に入ってくれたのに。と、ぶつぶつ呟きながら別のサングラスを取り出した。ティアドロップタイプだった。


 シア的に、「え~、もっとスマートなのないんですかぁ?」という気持ちだったようだが……かけてから思ったようだ。「あれ? 私、意外に似合います?」と。


「まぁ、私はこれでいいですけど……ハジメさんが丸型のサングラスすると、もの凄く怪しいというか、胡散臭い感じになりますね」

「最近のマイブームなんだ。これで政府の人間と会うとな、大体相手の方が引くんだ。ポーカーフェイスが得意なはずの連中が、思いっきり顔に出るんだぞ。『こ、こいつ、なんて胡散臭いんだ!』って」

「政府の人の反応で遊ばないであげてくださいよ」


 ケラケラと笑いながらも、ハジメはシアを促してウルド・グラスの過去視能力を発動させる。


 ウルド・グラスを通して部屋に過去の映像が投影され始める。


 まず、事件の様子が映し出された。


「おぉ、映画みたいですぅ! この泥棒さん、なんだか凄いですよ! ハジメさん、襲撃の最初から見てみましょうよ!」

「確かに映画みたいだなぁ。よし、じゃあ襲撃の最初から……」


 逆再生のように投影されていた画像を、襲撃当初から普通に再生してみる。


 二人の言葉通り、そこにはまるで映画のワンシーンのような光景が広がっていた。


 襲撃者は体にフィットするようなコートを着て、顔を仮面で隠していたのだ。その仮面は、某神隠しアニメ映画のカオ○シみたいな面で、なんとも不気味であった。


 その襲撃犯は一人のようで、居残っていたスタッフ数人を音もなく気絶させると、最後の一人をナイフで脅し、端末情報を閲覧し始めた。そして、恐怖に引き攣る男性スタッフに指示を出して記録媒体に情報をコピーし始めた。


「……こいつ」


 閲覧された情報、そしてコピーされた内容に、ハジメは目を細めて思わず声を漏らした。


「古代遺跡の情報でしたねぇ~。なんともタイムリーな。まぁ、それはいいんですけど、何故、帰還者の情報まで……」

「目的だったというより、偶然ファイルを見つけて、ついでにかっぱらっていこうって感じみたいだけどな」


 とはいえ、何故わざわざコピーまでしていく必要があるのか。産業スパイの類いであるなら、他にももっと利益になりそうな情報はありそうなものだ。


 ハジメとシアが首を傾げている間にも映像は進む。すると、コピー途中で警備員二人がふらりとやって来た。見回りのようだ。


 一瞬、脅されているスタッフがホッとした様子を見せるが、直後には殴られて気絶。襲撃犯は警備員達にも襲いかかり、一人を古めかしい伸縮式警棒のようなもので殴り飛ばし、もう一人は三角飛びしながらの回し蹴りでガラスの壁へと吹き飛ばした。


 警備員達が沈黙したのを確認すると、襲撃犯はコピーを終えた記録媒体を抜き取り、闇に溶け込むように暗い廊下の奥へと消えていった。


「ほぇ~、凄かったですね。明らかにプロですよ。一体、何者なんですかね?」


 感心の声を上げるシアだったが、ハジメからは反応がない。見れば、ハジメは腕を組んで何やら考え込んでいる。


「どうしたんです? 帰還者の情報を取られたのを気にしてるんですか?」

「いや、それは大した問題じゃない。襲撃者の居所は羅針盤で探せば一発だからな。どうにでもなる。ただな……」

「ただ? なんです? 何か気になることでもありました?」

「一瞬だが、奴が見せた警棒、それに跳躍したときにはだけたコートの内側に……十字架の刻印が見えてな」

「??」


 それが何か? とシアがウサミミを傾げる。ハジメはなお思案しながら説明した。


「ただのファッションじゃないかと言えばそれまでなんだが、そうじゃなかった場合、いろいろ面倒だなぁと思ったんだよ。もし奴が俺の想像した通りの背後を持っていた場合、その背後にいる者達が〝帰還者〟に興味を持っていることになるんだ」

「背後のいる者達……襲撃者さんは組織に所属していて、その組織が厄介ということですか?」

「厄介かどうかは分からないけどな。相手の意図も分からないし」

「う~ん? 一体、どこの誰なんです?」

「ルフィが言ってたろ? この業界において鬼門だって組織」

「え~と……あっ」


 思い出したような表情でポンッと手を叩くシア。それを見てハジメは頷くと、襲撃者が所属しているかもしれない組織、というより国家を口にした。


「そう、バチカンだ」






 英国のとある場所にある住宅街。


 新旧の建物が見事に調和した町の中心から少しはなれた長閑な場所にある一軒家に、楽しそうで嬉しそうな、あるいは幸せそうといっても過言ではない女の子の声が響いた。


「こ~すけ~! パイが焼き上がったわよ~!」


 声の主は、ふりふりエプロンとふわふわキッチンミトンを身につけたサイドテールの金髪美少女――エミリー=グラントだ。


 その手には今し方焼き上がったアップルパイの器がある。ふんわり香る甘く香ばしい香りを、すんすんっと鼻を鳴らして堪能し、猫のような吊り気味の目を満足そうに細めた。


「こ~すけ~! 聞こえてる~? お庭の手入れは後でいいから、冷めない内に食べましょう~」


 今、庭の手入れをしている彼女の愛しい人を、アップルパイよりも甘そうな声音で呼ぶエミリーちゃん。


 現在、庭にいるのはコウスケ・E・アビスゲ――ではなく、遠藤浩介その人だ。


 もっとも、正確にはその分身体の一つだ。本体は日本にいる。とはいえ、分身体でも情報は本体とリアルタイムで共有できるし、食事なんかもできる。味覚情報も共有できるのだ。


 〝本体でない〟という時点で、エミリー的には寂しいものは寂しいし、恋しいものは恋しいのだが、「ちょっとリアルで便利な通信手段」と自分を納得させている。


 ちなみに、今は家に家族はいない。出かけているところだ。なので、二人っきりである。家族の前では自重するエミリーだが、二人っきりの時はもの凄く甘くなる。いろいろと。


 庭の方から、「分かった~! 直ぐに行く!」という声が聞こえてきた。それだけで、エミリーの表情はふにゃ~と緩んだ。


 アップルパイを鼻歌交じりで皿に盛り付け、足取りも軽くリビングへと行く。


 そして、


「よ、お邪魔してるぞ」


 魔王がいた。


「ひぃいいいいいっ、出たぁ!?」


 エミリーちゃん、悲鳴を上げて飛び上がった。アップルパイが宙を舞う。


「あぶな~い! そしてもったいな~い! ですぅ!」


 シアが残像を発生させながら皿とアップルパイをキャッチ。それを尻目に、ハジメが青筋を浮かべながら不満を口にする。


「おいこら、顔を見るなり悲鳴とはどういうことだ?」

「ごめんなさい! いつもうちのこうすけがお世話になってます!」


 直立不動から綺麗なお辞儀。まるで夫の上司――それも、社長とか会長クラスが突然家にやって来て、テンパリながらも必死に挨拶する若妻のような対応をするエミリーちゃん。


 初邂逅の際、いろいろあったのだ。いろいろ。


「んもっ、ハジメさんったら! だから直接転移するんじゃなくて、玄関から訪ねましょうって言ったじゃないですか。私の可愛い妹分を怖がらせないでくださいよ。大丈夫ですか、エミリーちゃん」

「シ、シアお姉さん……私は、ダイジョウブでっす!」


 どう見ても大丈夫には見えなかった。


 ちなみに、直接家の中に転移したのは、グラント家の周辺には英国保安局の護衛官達がいるので、彼等を刺激しないためである。彼等より、エミリーを刺激しないで欲しいと思うシアだった。


 と、そこで、浩介が「エミリー? 大丈夫か? 南雲とシアさんが来たっぽいけど」と、手をタオルで拭きながらリビングに入ってくる。


「こうすけぇ!」


 ささっと浩介の隣に寄り添うエミリー。魔王の御前は、余程緊張するらしい。


 エミリーをよしよしと宥めつつ、浩介は尋ねた。


「南雲に、シアさんも。二人揃ってどうしたんだ? 確か、旅行中だったよな?」

「あぁ、ちょっと面倒なことになってな。仕事の依頼だ」

「……面倒?」


 浩介の警戒心が跳ね上がる。嫌そうな表情でハジメを見る。


 そんな浩介に苦笑いしつつ、金属の箱をアップルパイの隣に置いた。


「これな、古代遺跡の地下迷宮で見つけた、過去に国を幾つも滅ぼした強力な生物兵器なんだが」

「ちょっと待てぇええええっ! ツッコミどころが多すぎて何から突っ込んだらいいか全く分かんねぇよ! でも取り敢えず、エミリーのアップルパイの隣に置くな!」


 アップルパイをひょいっと回収しながら、冴え渡るツッコミを入れる浩介。


 その視線が強烈に、「一から事情を説明しろ! いや、やっぱりもう帰れ!」と訴えている。


 もちろん、魔王様は帰らない!


 エミリーが「そういえば、私ったらお客様にお茶も出してなかったわ!」と、足音をパタパタと鳴らしながら、やっぱり若奥様みたいな感じでキッチンへと戻っていくのを尻目に、ハジメは問答無用で事情を説明し始めるのだった。


 エミリーお手製の紅茶とアップルパイをうまうまっと頂きつつ、全ての話を終えた後、「地球、マジファンタジー」と乾いた笑い声を上げる浩介に、ハジメはにっこり笑って言った。


「つーわけで、背後がでかすぎて調べるの大変だから、お前に任す」

「任すな。止めろ。俺は知らないぞ」

「この生物兵器な、元は独自の調合で万病薬になったそうだ」

「いや、話を聞けよ。俺は引き受けないぞ」

「エミリーが興味あるなら譲ってもいい。物が物だからな。設備はこちらで用意するし、必要なものも揃えてやる。報酬の一部だ。興味なければ、俺には扱いきれないから処分するけど」

「おいこら南雲。やらないって言ってんだろ。相手がでかすぎるって自分で言ったんじゃねぇか。俺単独より南雲達の方が――」

「報酬は、これだけだそう。結婚式の資金も必要だろ?」

「結婚式の資金ってなんだ! そんな言葉で釣られると――」


 自分の言葉をスルーして話し続けるハジメに浩介が咆えるが、隣の属性過多なエミリーがキリッとした顔で食い気味に答えた。


「お引き受けします! 魔王様! 頑張ろうね、こうすけ!」

「エミリーが釣られた!? チョロすぎるだろ!? っていうか、どっちだ? どっちに釣られた? 古代の万病薬か? それとも俺との結婚資金か!?」

「こ、こうすけ……魔王様とシアお姉さんが見てる前で、〝俺との結婚〟だなんて……私、恥ずかしい……」

「記者みたいに都合のいいところだけ抜粋するの止めてくれる!?」


 両手で赤く染まった頬を抑えてイヤンイヤンするエミリーちゃん。トレードマークのサイドテールもふりんふりんと揺れる。


「仲が良いようで何よりだ。必要なものがあれば後で連絡しろ」

「あ、待て、南雲! なんでお前はノータッチなんだよ! 丸投げしすぎだろ! せめて一緒にやれよ!」


 席を立ち、ゲートを開いたハジメに、浩介が切実に訴える。


 そんな浩介へ、ハジメは再びにっこり笑うと、


「シアとのデート中だ。それを中断しろだなんて……遠藤、お前、いつからそんな残酷な奴になった?」

「うるっせぇよっ。お前にだけは〝残酷な奴〟って言われたくないわ!」


 変わっちまったな……お前。みたいな態度でそんなことをいうハジメに、浩介は青筋を浮かべながらツッコミを入れる。


 しかし、そんな抗議は柳に風と受け流し、


「だってそうだろ? 一応、目標の医大合格は確実って言えるくらい模試の結果は出せるようになったし、勉強ばっかりしてたら体を動かしたい、それもスポーツとかじゃなくて緊張感のある何かをしたいって言ってたじゃねぇか。だから、リフレッシュに付き合ってやろうと提案したのに、シアを悲しませてまで自分でやれだなんて、お前って奴は――」

「だぁぁああああっ、分かった! 分かったよ! やればいいんだろ!」


 ぐちぐち、ぐちぐち、といった感じで語り出したハジメに、浩介はやけ気味で応える。


 ハジメは、「おぉ、引き受けてくれるか。流石、アビスゲート!」と称賛(?)の言葉を贈り、


「じゃあ、後は頼んだ」


 あっさりそう言って、シアを伴いゲートの向こうへ歩き出した。


 背後から、「後で連絡するからな! 電話に出ろよ!」と、声が響く。仲間の情報漏れのことなので、結局のところ、最初からハジメを手伝うくらいなら躊躇いはなかったのだろう。懸念通りなら相手が大きすぎて、一人だとちょっぴり不安だったのだ。


 そんな浩介の微妙な心情を察してたか、ゲートが閉じた後、シアが唸った。


「う~ん、大丈夫ですかね?」

「大丈夫だろ。遠藤に任せておけば」


 それはある意味、魔王最大の信頼の証か。


「シアとのデートが優先なのは確かだが、デートが終わったら俺は俺で企業関連を洗い直したい。レリテンス社みたいな、な。それに、隠密調査であいつの右に出る者はないから、こちらの動きが悟られたくない相手に対応するには、あいつこそ適任だ。ま、必要ならいくらでも手を貸すさ」


 そう言って肩を竦めたハジメは、気を取り直して提案を口にした。


「それより、シア。ここ、まだ英国なんだが、拠点探しの続きといかないか? 旅行の予定日はまだ余ってるし」

「古代遺跡はどうするんです?」

「キープで。英国は自然が豊かで森も沢山ある。魔女のいる森のお話なんて有名だしな。魔術や魔法なんてオカルト的な話も定番だ。もしかしたら、新たな地球のファンタジーが見つかるかも?」

「おぉ、それはいいですね! では、残りの予定日は英国の森デートと行きましょう!」


 嬉しそうにぴょんっと跳ねるシア。


 ハジメも自然と頬が綻ぶ。


 何やら大きな力に目をつけられているようではあるが、そんな天真爛漫そのものの笑顔を浮かべるウサギの前には、些細な問題だと思えてしまう。


 シアとの大事な時間をたっぷり楽しんだら……その後、一応、卿の様子を見ておくか、と心の中で呟きつつ……


 楽しそうに笑いながら差し出してきたシアの手を、ハジメは強く握り返したのだった。




いつもお読み頂ありがとうございます。

感想・意見・誤字脱字報告もありがとうございます。


先週から引き続き、アニメ化お祝いコメを沢山頂きました。

本当にありがとうございます!


さて、お知らせが二つほどあります。

・ガルドにて、ありふれ日常の最新話が更新されております!

 相変わらず面白いです。ネタ逆輸入させていただくくらいw

 良かったら、是非、見に行ってみてください。


・二つ目はお詫びです。

 12月25日発売予定だった、外伝「ありふれた職業で世界最強 零1」の発売日が、12月28日にずれ込むことになりました。……いろいろ事情あったようで。

 7巻は25日発売のままです。予定を立てていて下さった方、楽しみにしていて下さった方々には、心からお詫び申し上げます。三日ほどずれ込みますが、何卒、よろしくお願い致します。


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― 新着の感想 ―
本体の方はまた巫女さんかおんみょーじの娘さんとだいぼーけんの後、どーなったんだろー?
アビスゲート卿、便利に使われてしまって………ほろり。 エミリーが完全に現地妻になってるなあ。
[一言] そのうち深淵卿が某財団と関わったりとかしそうだよなあ あとミュウちゃんと収容違反クソトカゲ+幼女が友達になったりしてそう笑
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