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0151




 「上手く出来ていると思います。話だけでよくここまで出来ましたね?」


 「随分苦労したんだぞ? 正直に言えばトンデモない作り方をしよる。よくもまあ、そんな剣を作ろうと思ったもんだ」


 「ガルドルがそこまで言う程かい?」


 「鍛冶師なら全員そこまで言うだろう。呆れる程だぞ。作られるようになった理由も少し聞いたが、鍛冶師の苦心の作と言える物だ。同じ鍛冶師としては尊敬もするがな」


 「へー。名工と言われるガルドルがそこまで言うんですね」


 「それはな、ここまで切れ味を追求した者が居なかったと言うべきだ。4人か5人斬ったら駄目になる刃物など、戦いには役に立たん」


 「そんなに駄目な剣なの? アルメアは首を斬り落としていたけれど」


 「凄い斬れ味だったけどね。大飛竜の首さえ斬れたんだよ?」


 「だ、大飛竜!? そ、それは横に置いておく。それより、この刀という片刃の剣は、上手く扱えんと4人か5人斬ったら駄目になるだろう」


 「つまり、腕が求められる剣って事かい?」


 「そうだ。素人が持ったって役に立たん剣なのだ。代わりに達人が持つと、トンデモない事になるだろう。凄まじい斬れ味と突きの威力になるだろうからな」


 「そういえば刀って、突きなら数十人突き殺しても大丈夫なんだっけ?」


 「材質にもよるだろうし、鍛冶師の腕にもよるだろうが……。不可能ではあるまい。それにこの刀なら、狭く細い隙間からでも斬り裂く事が出来るだろう」


 「防具の隙間を狙って斬り裂くって事だね。私の大太刀でも可能かな? いや、流石に難しいか……」


 「大太刀とはなんだ!? 違う刀か? どういう形なんだ!?」



 あーあー、ガルドルさんのテンションが凄い事になったなぁ。その所為でアルメアが、アイテムバッグから大太刀を取り出した。ガルドルさんのテンションが更に凄い事に……。


 おっと騒いでいるからか、ヴェルが2階から下りてきた。丁度良い、今の内に話を詰めておこう。農具はともかく武器はギルドだろうからな。



 「ちょっといいか? ギルドが求めてる武器はなんなんだ?」


 「ああ、はい。ギルドが作成依頼として出すのは、剣10本、短槍20本、メイス10本、斧10本です」


 「全部で50か……。問題は無いが、前に作った分はどうしたんだ?」


 「大半が新人に買われて、あまり残ってはいないんですよ。新人達も武器が壊れると、その後の生活が大変ですから」


 「昔みたいに、木の棍棒で魔物を狩る新人は居ないのかい? 昔は武器が駄目になったら、新人同士で力を合わせて木を伐ってたけどね」


 「それで棍棒を作って戦っていたんですか?」


 「そうだよ。中には石を投げて戦ってた奴もいてね、そんな物でも戦えるし狩りはできるんだ」


 「姉上、姉上。あの時代でも、そうやって戦ってたのは少数でしたよ? 流石に死亡率が高過ぎます。棍棒はともかく投石では厳しいです」


 「まぁ、確かに接近されて喰われてたけど。木を伐るぐらいは出来るだろうに……」


 「そうなんですが、戦いの最中に壊れる可能性が高いんです。更に重い武器は攻撃に失敗すると、挽回する前に殺されてしまいます」


 「アルドの作る石と木の武器は、木の武器の表面に石を被覆する形の物なんだよ。だから重さとか使い勝手が良いのさ」


 「それに、錆びない武器って優秀ですからね。青銅の武器より遥かに質が良く、錆びなくて安い。新人達が群がるのは仕方ないんですよ、姉上」


 「成る程ね。流石は主様と思うけれど、本当に青銅の武器より優秀なんだ……」


 「アルドいわく、青銅の武器の質が悪過ぎるらしいよ。何か不純物が多いんだって」


 「不純物な……。お前さんは【錬金魔法】と【練成魔法】を使っているから、要らん物を取り除ける訳だな?」


 「ええ。とはいえ、不純物があった方が硬くなる場合もあるので、全て取り除けば良いという訳でもありませんが……」


 「ふーむ。その辺りを意識して仕事をせねばならんな。とにかく戻って試すか……ではな!!」



 そう言ってガルドルさんは帰って行った。今日は濃い人達に会う日だなぁ。夕方前なのに疲れてきたよ。ヴェルと5人組の仕事を請けたら宿に帰ろう。ヴェルとルタを連れて受付へ行く。


 ミュウさんに手続きをしてもらう間、ボーッとしていると妙なのが絡んできた。3人組で全員女性、そして同じ鎧を身に着けている。トゲの付いた肩パッドが付いてる鎧だ。



 「終わったなら、邪魔だからどいてくれないかい?」


 「うん? まだ終わってないぞ。見りゃ分かるだろ? ミュウさんが木札を処理してるだろうに」


 「はんっ! 言われなきゃ分かんないかい? ”どけ”って言ってるんだよ」


 「頭の悪い男だね。リーダーの言ってる事も分からないのかい? これだから男って奴は……」


 「仕方ないさ。下半身でしか物事を考えられない生き物だからね!」


 「「「アハハハハハハッ!!」」」



 何だろう……女版のモヒカン? 北○の拳に出てくるモヒカン軍団を女性にしたら、きっとこんな感じなんだろうな……。髪型はモヒカンではなく、唯のショートヘアだが。


 雰囲気が物凄くモヒカン軍団と言うか、三下臭い。なんだろうな、この滲み出るザコ臭は。……そしてウチの4人の顔が怖ろしい事になってます。あっ、裏に連れて行かれた。


 今日は2度も、訓練場で地獄を見る奴が生まれる日らしい。嫌な日だなー、早く明日にならないかな……。凄い悲鳴が中まで聞こえてくるが、全員が完全にスルーしている。


 誰も彼も一切関わりたくないらしい。うん、当たり前だよね、俺だって関わりたくない。凄い悲鳴だなー、まだ聞こえてくるよ。そして隣に居るヴェルがカタカタ震えてる。


 今日ボコられたのを思い出してるんだろうか? 猛烈に顔色が悪いうえにカタカタ震え続けてる。んー? これ、完全にトラウマになってるな。すごい汗出てるし、青白い顔だ。


 仕方ない、【浄化】の権能で心と体を丁寧に浄化してやるか。浄化が進んでいくと、少しずつ顔色が良くなり震えも収まってきた。トラウマにも効く様だな、これで大丈夫だろう。



 「手続きが終わりましたので、登録証をお返し致します」


 「ありがとう。……と言っても、4人はまだ帰ってきてないから持って行ってやらないと」


 「あの、死なないようにお願いします」


 「ああ。流石に分かってるさ。だが、手遅れだったらスマン」



 ヴェルのトラウマは完全に払拭出来た様だな。それでも怖いのか、自分で見に行く気は無いらしい。とりあえず、悲鳴が聞こえる訓練場に行くか。段々声が小さくなってるんだよな。


 俺が訓練場に着いた時、スッキリした4人と地面に倒れてピクリともしない哀れな3人が居た。4人全員の拳に血が付いてるのは、浄化して見ない振りをしよう。



 「皆、手続きが終わって登録証を返してもらった」


 「おや、手続きが終わったかい」


 「何故こういうバカは居なくならないんでしょうね?」


 「さぁ? 死にたいんじゃないかしら」


 「ゴミの命に価値なんて無いんだけどね?」



 凄いキレてるな。ここに来てから更にバカな事を口走ったんだろう。連れて行った時よりも怒ってる。男を見下した感じだったから過去になんかあったのかね?。


 それとも元々そういう性格の連中だったのか。全員人間だったから種族的なものじゃないだろうしな。俺が考える必要も無い事か……。さっさと宿に帰ろう。


 宿の調理場で旦那さんにイエローボアの肉を渡したら、部屋に戻り装備を外す。全てを浄化して十手を持ったら、食堂へ下りてカウンター席に座る。もう女将さんがこちらに向かって来てるぞ。


 物凄く嬉しそうな顔をしてるな。つまりは、もうイエローボアの肉を確認したって事か。速いなー、さっき渡したばっかりだっていうのに。


 女将さんは俺達の目の前に来て、早速とばかりに話を始めた。



 ▽▽▽▽▽


 0151終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨62枚

 大銀貨79枚

 銀貨47枚

 大銅貨70枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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