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東方兎録~幻想入り~  作者: ファム
序章、外の世界
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ほんのすこしの日常

少し短めです、大丈夫な方は、ゆっくりしていってください



 僕、こと夢殿(ゆめどの)玉兎(ぎょくと)はいつか起こる未来のことを時々夢で見るという体質以外は何にも特質すべきことはない、いつも通りの日常を繰り返すただの高校生である。 


 ――僕以外の家族は普通とは言い難いのだけど、それは後後話そうかと思う。


 ベタベタした寝汗まみれの下着にうんざりして朝シャワーでスッキリしてから規則通りの制服に着替えて、神棚へと一礼する。

 『今日もいつも通り、平和でありますように。』

 そんな、他愛もない願いを思い浮かべながら高校へ行く準備を進めていく。

 教科書を滅多に使わない付属の冊子まで一通りパズルみたく組み合わせてカバンに押し込み自室を出る。

 玄関に重くなったカバンを置いてキッチンへと向かう。


 「んはよ」

 「おはよ」


 朝の挨拶を済ませ、テーブルの定位置の母親と対面の席に座る。

ご飯に味噌汁に卵焼き。もうかれこれ10年は同じメニューだろうと思う平日のテンプレ朝食を前にして手を合わせる。


 「「いただきます」」


 隣の居間で寝ている父親のイビキに耐えかねてふすまを閉じ、形が崩れた目玉焼きに醤油をかけ、それをおかずにベッタリと固まった水っぽいご飯をかきこむ。


「「ごちそうさまでした」」


 朝食の片付けをいつも通り母親に丸投げし、口周りの汚れをティッシュで拭き取って玄関へと足を進める。


「行ってらっしゃい、玉兎。

今日は嫌な予感がするからいつも以上に気をつけなさいよ!」


「ん、行ってきまーす。」


 母親の不吉な言葉を胸に止め、駅へととことこ歩く。


 ――母は、霊感などがあり死相が見えるらしい。

 しかも、2~3回ほどそれが適中し、死ぬはずだった人を救ったり隠れた病を早期発見できたりしたらしく、母親の不吉な言葉は俗に言うフラグなるものにあたる。

 なので、言われた時は一応気をつける位の感覚で毎回過ごしている。


 のったりのったりとした勢いで走る農耕車とすれ違ったり田舎特有の明らかに速度のおかしい車(事故予防軍の車)に轢かれかけてそれに怒鳴ったりしながら自転車をこぎ、蝉の声が鳴り響き田んぼの稲が青々としげっている夏真っ盛りなのどかな農村の家から都会の高校へと登校していくのだった。

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