表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法青年すねげ☆スネゲ  作者: エアロ
【第1章】はじまり〜逆から読むと「りまじは」〜
1/6

失禁

けたたましい騒音の中、ゆっくりと重い瞼を持ち上げる。

一日の中でこれほどに不快な瞬間は無いと、毎朝そう思っている。


体を横たえたまま諸悪の根源であるメザマシドケイに手を伸ばし、それを床に叩きつける。ようやく静寂が訪れた。


「今日も買って帰らなきゃな」

木っ端微塵になったメザマシドケイを横目にそう呟く。


老人の如く時間をかけて体を起こし、目をこする。

床に散らばる悪魔の破片を踏まないよう気を配りながら、部屋の中央にある座椅子へと歩を進め腰を下ろす。


「ふぅー…」

目覚めの一服は格別だ。死んでいた脳が徐々に覚醒していくのがわかる。


心地よいラッキーストライクの香りに包まれながら、俺はゆっくりと立ち上がりカーテンを開ける。


6時間ほど闇を見ていた俺の網膜に、日光の刺激は強すぎた。思わず目を細める。


「何だ、あれ」


狭めた瞼の隙間から覗くいつもの街並みに違和感を感じる。


何かが宙に浮いている。

遠くに豆粒のように佇むそれは一瞬にして膨張した。



バァーン。


膨張したように見えたそれは窓を突き破って俺の部屋に侵入してきた。

風圧で俺は吹き飛ばされ壁に叩きつけられる。


「かはっ…!」


人生で初めて吐血した。

思考が追いつかない。何が何だか分からないままそれを見上げる。


人間?

顔の前に紙っぺらがくっついている。

紙の中央には「New-2」と書いてある。

怖い。震えが止まらない。


死を覚悟する俺の前でそれは静かに呟いた。


「魔法青年を倒したいんだ、僕は」


その言葉を聞きながら俺は失禁しつつ気を失った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ