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のんべんだらりな転生者~貧乏農家を満喫す~  作者: 咲く桜
第5章 農家と勇者と邪神ノ欠片 前編
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ep.125 海だ、水着だ、闘争だ

みんなの水着見たい……!

目の前には素晴らしい景色が広がっている。


白い雲、青い海、きめ細やかな砂浜、眩しいほど輝く太陽。そして、みんなの良さを最大限に生かした水着!


本当に素晴らしい。せっかくだからみんなの水着について、じっくり確認していこう。


ちなみに、先に行っておくと男性陣は基本的に普通の水着だ。数種類の柄はあったが、形式としてはすべて同じ。トランクスタイプ?みたいな感じだ。はっきりいって面白みに欠ける。


しかし女性陣は違う。上皇の爺さんがなぜここまで水着に詳しいのかは知らないが、真の変態紳士と称賛させてもらおう。


さて、話が逸れたが女性陣の水着を紹介しよう。


まずは俺の母。紹介するか迷ったが、威圧的な笑顔で睨まれた気がするのは関係ないとしても、一番最初に紹介させてほしい。


二児の母とは思えないそのスタイルと、こぼれ落ちそうなほどの巨乳。纏う水着は花柄のワンピースタイプだ。白と紺色を基調としたシンプルかつ清楚なものに仕上がっている。


「エムリア……綺麗だ……」


「あらあら、あなたも素敵よ?」


ただでさえ暑いというのに、余計に暑いのは気のせいだろうか?


お次は我が家の天使こと、シアだ。シアはまだ4歳だというのに顔立ちはとても整っており、まさに美の天使。水着はまさかのスクール水着。お腹辺りには『しあ』と名前が入っている手の込みようだ。この世界にカメラが無いのが悔やまれる……!


「お兄ちゃん、目から血が出てるよ?」


「気のせいだシア、ヴィオレとクインと一緒に遊んできなさい」


「はーい! 皆行こ~!」


はい、優勝。もうね、シアのゆうしょ――


「――アウル様、私たちを忘れていませんか?」


「や、やだなぁ、そんなわけないでしょ」


他の女性陣が、まるで虫を見るかのような目でこちらを見ていたのだ。……え、俺って一応婚約者だよね?


気を取り直してみんなの紹介をしよう。まずはミレイちゃんから。モノキニとも呼ばれるタイプの水着。前から見るとワンピース型にも見えるが、後ろから見るとビキニにも見える水着だ。透明感のある白色を基調とした柄なしのシンプルなものだ。なんというか、無意識のうちに喉をごくりと鳴らしてしまうほどに綺麗だ。


「ど、どうかな……?」


「あ、とても可愛い、よ?」


「もう、なんで疑問形なのよ~!」


「ついつい見惚れちゃって……」



はっ?!背後から突き刺さるような視線があるので、次へといこう。ルナの水着は意外にも正統派ビキニ。いわゆる三角ビキニと呼ばれるものだった。ただでさえ男好きするプロポーションなのに、それが余計に際立ってしまっている。真面目な性格の子がビキニを着けているギャップも素晴らしい。黒を基調とした無地の三角ビキニがルナの銀髪と相まって余計に映える。


「ご主人様、いかがですか……?」


「なんというか、いつもと雰囲気が違い過ぎて、ドキドキした、かな」


「えへへっ、頑張った甲斐がありました!」


モジモジと照れているのが、なおよいです!!



お次はヨミだ。際どい水着を着てくると思っていた。ヨミのことだからマイクロビキニなのではないかと、しかし現実は違う。ヨミが着てきたのは普通のビキニにパレオを巻いた、大人スタイル。落ち着きと艶っぽさが入り混じった、ヨミ独特の色っぽさが前面に押し出されている。全体的に落ち着いたグリーンで統一されている。一言で言うと、目に毒だ。グリーンは目に良いと言うが、非常に目に毒である。


俺が見惚れていると、近寄ってきてヨミが耳打ちしてくる。


「……このパレオの下が見たかったら、いつでも言ってくださいね?」


「……えぇっ?!」


「ふふふ、では泳ぎましょう?」


心臓に悪い。本当に心臓に悪い。ドキドキが止まらないんだが!もう!


本当に、みんな可愛い。こんな平和な日常が続けばいいと心から思った。


ちなみに、メイド部隊の子たちは割とシンプルなクロスデザインの水着だった。本当はもう少し観察しようと思ったけど、婚約者陣営からの視線が凄かったので断念した。


龍族の3人は魔力で服を作り出していたが、シャツに短パンをはいている。海で遊ぶつもりはあまりないようだ。


レブラントさんは泳げないらしく、砂浜のビーチパラソルの下でゆっくりと本を読んでいる。その隣にはウルリカが甲斐甲斐しく世話を焼いている。レブラントさんの顔がうっすらと赤いのは、気のせいではないはずだ。


なんというか、ウルリカは最近遠慮がなくなったな。案外押しが強いタイプのようだ。


「ご主人様!泳ぎますよ~!」


「今行くよ~!」


こうして俺たちは海で遊び始めたのだ。ちなみにカミーユは公務があって来られないらしい。トゥーン海岸から魔物がいなくなったことを報告でもしているのだろう。まぁ、おかげでこちらは気兼ねなく遊べているのだが。



シアは砂浜でヴィオレを砂に埋めて遊んでいる。砂で色々な魔物の体を作るのにハマっているのかな?とにかく可愛い。


海で泳がずにシアを眺めていると、背後から思いっきり海水をかけられた。その犯人を捜すと、ヨミがニヤニヤとしている。どうやらヨミがやったらしい。


「ヨミ、俺に喧嘩をうるとはいい度胸だね。倍返しだよ!」


手に水属性の魔力を纏って海水を掬う。両手にある海水をヨミの足元に投げつけてやった。


「ふふふ、アウル様ったらどこに水をっっっぷ……!ぷはぁ!?」


伊達に魔力を通した海水を投げていない。ヨミの足元に落ちた海水は水柱をつくるように爆散した。もちろん危険性はないように調整してある。


「へへ、俺に勝とうなんて10年早いね~!」


「お兄ちゃんかっこいい~!!」


シアがいつの間にかこっちを見ていたらしく、キラッキラした羨望の眼差しを送っていた。


「シア!お兄ちゃんは勝ったおぼぼぼぼぼ?!」


直後、俺を海水の奔流が襲った。その先にいたのはヨミとミレイちゃん。


「アウル様、私がなぜ水艶と呼ばれているのか教えて差し上げます!」

「私も日頃の成果を見せてあげるんだから!」


現状、俺たちは自動障壁を展開する指輪等は身に着けていない。なくしても嫌だという理由でだ。


そのせいで障壁による自動防御は不可能。俺は自分で展開することが出来るが、それをやったら大人げないし向こうが余計にヒートアップしそうで怖い。しかし……


「2人とも、誰が魔法を教えたのか忘れてるね……?俺が2人に負けるわけが――がぼぼぼぼ?!」


「ご主人様、私も水属性が得意だということをお忘れですか?」


そうだった。そもそもルナは学園では水属性を専攻していたのだ。完全にしてやられた……。しかし、このままでは未来の旦那として立つ瀬がない。


「俺を怒らせたこと、褒めてやる。今一度俺の本気を見せてやる!」


「アウル、その勝負受ける!」

「ふふふ、水属性では負けません」

「勝ったほうが言うことを聞くということで……!」


「「「「勝負!」」」」




ここに、第一次浜辺対戦が勃発した。

【俺vsミレイ&ヨミ&ルナ】



『えー解説はこの私、バトルメイド部隊のムムンと』

『同じくバトルメイド部隊のネロがお送りするよ!』



なぜかメイド部隊の2人が解説を始めている。というか、そのマイクどこから出したんだ?


ム『おおっと、最初に動いたのはミレイ様だ!手には水属性の魔力を纏い、腕をしならせて海水を若様めがけて弾き飛ばしたぞー!?』


ミレイちゃんがソフトボールを投げるようなモーションで、海面から水を弾き飛ばしてくる。危険はないと言え、勢いがあるのは間違いない。こんなのをくらっていては体勢を崩されてしまうだろう。それならこうだ!


ネ『しかし若様が水面に手のひらを叩きつけ、簡易の水障壁を作り出して相殺したー!?』


「ご主人様、それは悪手です!」


ム『ここでルナ様が魔力で包んだ海水球を若様の足元に投擲!しかし、若様は自ら作った水障壁で前が見えていない!これは勝負あったかー?!』


どぽぉぉぉぉぉん!!!


「あれっ!?ご主人様がいない?!」


どぽぉぉぉぉぉんってなんだよ。手加減というか、加減を知らなすぎじゃないか……?


「ルナの狙いは良かったけど、こちらを視認できていないのはそっちも同じだよ!」


「きゃあああっ!」


どぱあぁぁん!


ネ『ああっ、海中を移動していた若様がルナ様の側方から海水球を足元に投擲!発生した水柱でルナ様はここでリタイアだー!』


「さすがアウル、一筋縄ではいかないようね」

「……ふふ、アウル様、見切らせてもらいました」


「ふん、そんなこけおどしは効かないよ!」


でも確かにヨミはさっきから一度も攻撃してきていない。もしかして、この短時間に本当に俺のことを観察して見切ったというのか?いや、それはいくらなんでも……


ム『ここで若様は海水球をヨミ様とミレイ様の足元に連投!手が見えないほどの速さで投げるとは大人げないっ!』


やかましい!こうでもしないと勝てないんだよ!


ネ『しかし、そこは流石ヨミ様。水障壁を作って全てに対応していく!』


「アウル、もらった!」


なにっ!?いつの間にミレイちゃんが背後に!もしかして俺と同じように海中を移動したというのか!


ム『ミレイ様が海中から出現!さらには若様の背後を取った!しかもその手には海水球が!絶体絶命かー!?』


「負け、ないっ!」


「きゃっ!」


ネ『若様が無理やり右足を後ろへと振りぬいた!態勢は崩れて両手を前についてしまったが、振りぬいた足で発生した水柱は後方にいるミレイ様へとクリーンヒット!ミレイ様はここでリタイアだ―!』


よし、これで残るはヨミひとり!


ム『若様が崩れた態勢を利用して前方へ一回転!右足をかかと落としのように海面へぶつけることで斜め前方へ水柱を発生させた!これはヨミ様避けられないー!』


「俺の勝ち……なにっ?!」


ネ『な、な、なんと前方にいたヨミ様は水面に映った姿だったー!?本体はまさかのミレイ様と同じ背後だーっ!!』


「うふふ、私たちの勝ちですね」


どぽぉぉぉぉぉん!


ム『ここでヨミ様の海水球が若様の足元に直撃し、水柱が発生!若様の負けだーーーーー!』


くそっ、三人ともやるじゃん……。



こうして、第一次浜辺対戦は俺の負けで幕を閉じた。



浜辺大戦が終わった後はみんなでバーベキュやスイカ割りにいそしんだ。グラさんが本気を出して木の棒を振ったせいでスイカが弾け飛んだりもしたが、とても楽しい1日だった。







「レブラント様、あ、あーん……?」


「……あ、あーん……!」


ウルリカとレブラントさんには春が来た。もう暑い夏だというのに。

細々と更新していきます。

評価・ブクマ等して貰えたら嬉しいです。


無事に第一巻発売できました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
[一言] てっきり水で触手作って襲うもんだとばかり
[良い点] レブラントさん、もげろ!…とは言わないから、熱中症には気をつけてネ!(笑) ※熱中症を、ゆっくりと伸ばしながら囁くと… [気になる点] 水遊び…一見遊んでいるように見えますが、改めて考え…
[気になる点] あれ、わんこは押しかけて来ないの?
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