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第110話・第五世代戦闘機との圧倒的な差

 

 自衛隊反撃部隊の接近を、北朝鮮は未だに探知できていなかった。


 工作船が出した緊急信号によって接近していることはわかっていたが、北朝鮮の防空システムではF-35Aを全く捕捉できないのだ。


「ホークアイよりライトニングへ、前方の機影はMIG-29戦闘機と思われる。おそらく、弾道ミサイル護衛のために発進したんだろう」


 北朝鮮軍は、東部沿岸をロシア製戦闘機と防空ミサイル『ポンゲ5』で固めている。

 特に、『ポンゲ5』はウクライナ戦争でも戦略級の影響を与えた『S-300』が元の兵器で、非常に高性能なシステムであることが知られていた。


「了解、距離120キロまで接近する」


 だが、それら綿密な防空網を空自は既に易々(やすやす)と突破していた。

 元が酷い電力不足の国なため、どうしても広域をレーダーでカバーできないのだ。


 日本のように、24時間監視など夢のまた夢。

 もっとも––––それができたところで、『ポンゲ5』ではF-35Aを探知できないのであるが。


「レーダーコンタクト、MIG-29を8機確認」


 このMIG-29という戦闘機は、北朝鮮が保有する中で最も新しい戦闘機。

 性能で言えば、初期のF-15戦闘機と同レベルだ。


 第4世代機でまともにやり合えば、確実に被害が出るスペック。


「FOX1」


 F-35Aのウェポンベイが開き、中へ格納されていたミサイルが次々発射された。

 AMRAAMと呼ばれるこれは、アメリカ製の中距離空対空ミサイル。


 通常––––ミサイルと言えば、狙われた瞬間機体に搭載されたRMR(警報装置)が反応し、いわゆるロックオンアラートを響かせる。


 それに基づき、早い段階で回避行動を行えばそれなりにかわせるのだ。

 しかし––––


「AMRAAM飛翔中、誘導コースに乗った」


 放たれた16発のミサイルが迫る中、北朝鮮のMIGは一向に回避機動を取らない。

 なぜか、もちろん理由があった。


 第一に、MIG-29の旧式レーダーではF-35を捉えることがほぼ不可能と言って良い。


 この戦闘機のRCS(レーダー反射面積)はゴルフボール程度。

 MIG-29のレーダーでは、まず捉えられない。


 捕捉するには、最新のデュアル・バンド・レーダーが必要となる。


 しかし、これに相当するレーダーを持つ国は現状ほとんどいない。

 正確には、空自が今後方に展開させているE-2Dならギリギリ捉えられるだろう。


 まぁもちろんだが、北朝鮮にそんな高級兵器は無い。


「弾着まで42秒」


 第二に、このAMRAAMは誘導の最終段階までレーダー波を発信しない。

 敵機の目前まで飛翔してから、初めて誘導波を出すのだ。


 結果––––


「なっ!?」


 距離20キロという超至近距離で、北朝鮮空軍の戦闘機に設置されたRWRが鳴り渡った。

 マッハ4まで加速していたミサイルは、あっという間に接近。


 横から殴りつける形で、MIG-29を続々と粉砕した。


「回避!! かい––––」


 操縦桿を引いた瞬間には、1機につき2発のミサイルが襲いかかる。

 燃え盛る火の玉となった機体が何個も落ちていき、山岳部に落下。


 膨大な山火事を発生させた。

 生還した機は、1つもいない。


 第五世代のステルス戦闘機が相手では、第四世代機がたとえ100機揃っても意味は無いのだ。

 北朝鮮最強の戦闘機部隊は、ほんの数分で全滅してしまった。


「フェーズ1完了、これよりフェーズ2に移る」


 MIGを撃墜したF-35部隊は、さらに前進を続けた。

 北朝鮮の農村部上空を、我が物顔で空自は飛行する。


 もう、北朝鮮側にこの化け物級の戦闘機を止める術は無い。


110話を読んでくださりありがとうございます!


「少しでも続きが読みたい」

「面白かった!」

「こういうダンジョン×自衛隊流行れ!」


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― 新着の感想 ―
[気になる点] F-35Aって航続距離が2200kmくらいらしいですが、三沢から出て平壌直行して帰還だと、西日本でもギリギリだと思うのですが、どこかで給油しないのですか! 2話前から気になって夜しか眠…
[良い点] 「こういうダンジョン×自衛隊流行れ!」 なるほど、北朝鮮はダンジョンだったか [一言] あながち間違ってはいない…?
[一言] 東側諸国はもう西側諸国の戦闘機には太刀打ち出来ない。 電子機器の差も広がるし、炭化珪素合金による新エンジンの差は詰めようがない。 最先端を更新し続ける技術力にダンジョンの資源が加わった日本…
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