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義姉たちが全員重度のブラコンだった。  作者: 個味キノ/藤宮カズキ
共通ルート 第一部
1/51

重度のブラコンとはこういうものである

※1/31 改稿版に変更しました!

とにかく年上お姉さんに甘やかされたい欲望を作品にしたものです!

辛いところは一切ないので、みなさんも読んでストレス解消してくれると嬉しいです!


 訳あって俺には三人の義姉がいる。


 といってもシリアスな話じゃ全然ない。

 親父が再婚しただけだ。


 本当の母親は俺が生まれてすぐに病死して、写真でしか見たことがない。かなりの美人で、親父の思い出話だとかなり気立てがいい人だったらしい。

 でも、新しく母親となる人も、それに負けないぐらい優しい人だった。


 正直、親父にはかなり苦労をかけたと思う。誰の助けもなく、男手ひとつで高校生になるまで俺を育ててくれたんだから。


 だから親父が再婚すると知って、俺は安心したんだ。いつもいつも深夜に帰ってきては、朝早くに出かけて行く姿を見ていたから。


 再婚にこれっぽっちも不満なんてなかった。

 これで親父はも少しは楽になって、もしかしたら休みにゴロゴロ出来るだけの余裕も生まれるかもしれないと喜んだくらいだ。


 飯だって俺が作るものだけではなく、美人な奥さんの手作りを食えるしな。


 だけどちょっと待って欲しい。


 再婚相手に娘が三人いるってどういうこと!?


 それはさすがに聞いてない!


 そりゃ、俺と二人きりの生活を送ってた親父からすれば、奥さんだけじゃなく娘も増えれば、楽しくなるだろうさ。


 でも俺は違う。


 親父は自分が健全な思春期男子だった頃のことを忘れてるに違いない。だってそうだろう? 色々敏感な年頃に、いきなり女の子の家族が三人も増えるなんて言われれば、そりゃ誰だって緊張するだろ!?


 その話を聞いてから、俺が一体どれだけ悶々とした時間を過ごしたことか。

「仲良くなれるのかな」とか「いい匂いすんのかな」とか「毛嫌いされたらどうしよう」とか。


 しかも写真を見る限り三人共めちゃくちゃ美人だし!


 そりゃ、幼馴染の優美が負けず劣らずの美少女だけど、それが一気に三人も、しかも同じ屋根の下で暮らすことになるなんて、ハードルが高すぎやしないか!?


 とにかくまあ、そんな感じで。

 仲良くなる前にまず嫌われないようにと、自分なりに色々考えていたわけだが──


「ねえねえ春斗、デート行こうよ! 制服デートだよ。楽しそうでしょ!!」

「はるく~ん、お昼寝しよ~。んふふ~、はるくんをぎゅーってすると気持ちいいね~」

「春斗くん。新作のゲームを買ってきました。今なら春斗君限定の初回特典で、私の膝の上でプレイできますよ」



 ……どうしてこうなった。


 いや良いんだけどさ。嫌われるどころか好かれてるみたいだし。

 でもほら、俺にも色々とあったわけじゃん。心の準備したりとか、初めて会う時のために美容院に行ったりとかさ。


 ぜ~んぶ無駄だったよね。


 だって初対面からこんな感じだったし。

 会って早々三人で俺を取り合い始めたし。

 余りにも衝撃的過ぎて、女の子っていい匂いするんダナーとか、ちょっと現実逃避しちゃったし。


「春斗ぉ! ほら行こうよー。せっかくいい天気なのに、春斗とデートしないなんてもったいないじゃん!」

 いやそれ、夏希姉ちゃんの都合だよね?



「はるくんは~、前から抱きしめられるのと~、後ろから抱きしめられるの~、どっちが好き~? 私ははるくんが好き~」

 抱きしめるってか押し倒しかけられてるんですけど!? あとどさくさに紛れて何言ってんの!?



「春斗くん、デートとお昼寝はいつでも出来ます。でも、私の膝は初回特典なんですよ? 今を逃すともう二度とチャンスがないかもしれません。何が一番優先度が高いか、言わなくてもわかりますよね?」

 俺には冬華姉さんの言ってる意味がわからないっ!!


 頼む、誰かわかってくれ。初対面からこのテンションで迫られる大変さを。

 姉さんたちは三人だけど、俺はひとりしかいないんだ。体だってひとつきりなんだ。

 しかもさ、その、大変言いにくいんだけど、三人ともね、ほら、おっぱいが当たってるんだよ。こう、ぐいぐいとさ、当たってるんですよ。

 身動きが取れないこの状況、一体どうしろと?



「秋ねえも冬ねえも、今日は諦めてよ! 春斗だって困ってるでしょ?」

 困ってるのは事実だけど、冬華姉さんと秋ねえのせいだけじゃないからね?


「私ははるくんがいないとぐっすり眠れないんだから、二人とも離してよ~」

 いや、秋ねえ。あなた俺がいないとこでもぐーすか寝てるじゃん。


「夏希と秋奈は大人しくしていてください。春斗くんがゲーム出来ないって泣いてるじゃないですか」

 冬華姉さんはゲームの悪すぎで目が悪くなったのかな? 俺の頬はからっからに乾いてるよ?


 なんて、心の中で突っ込んでる場合じゃないよねー。

 本格的に収集付かなくなってきたー。

 そしておっぱいがヤバいー。


「姉さんたち、いい加減に落ち着い……」


 て、と言い切る前に三人揃って手を離さないで欲しい。何そのシンクロっぷり。もしかして俺だけ仲間外れ?


「冬ねえと秋ねえがそこまで言うならしょうがないよね」

「とーかちゃんもなっちゃんもワガママなんだから~」

「秋奈、夏希。あなたたちは本当にもう……」


 おや、三人とも諦めてくれた?

 お互いがお互いに譲り合って、結果として俺を解放してくれた?


「三人とも、わかって──」


 と言う俺の声をかき消すのは、これまた見事な三姉妹のシンクロした一言だった。


「「「全員で一緒にお風呂に入ろ!!」」」


 いやもう、意味が分からない!!


読んでくださった方、ありがとうございます!

2話の改稿版もすぐ投稿します!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 結構、送れましたが、題名だけでめっちゃ気になって、今、読んでます! めっちゃ良いです!自分もなろうで年上お姉さん系のものを書き始めたんですけど、やっぱり、お姉さんは最高です。 [一言] 書…
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