帰って来たクマさん(アニメ告知用)
アニメ告知小説です。
「ユナお姉ちゃん〜」
「ユナさん〜、来ましたよ〜」
フィナとノアがクマハウスにやってきた。
「ユナお姉ちゃん、家に来てほしいなんて、どうしたんですか?」
「もちろん、なにもなくても、呼んでくださっても大丈夫です」
とりあえず2人は二階のわたしの部屋に来てもらう。
部屋に入ると子熊化したくまゆるとくまきゅうが出迎えてくれる。
「くまゆるちゃん、くまきゅうちゃんは今日も可愛いです」
「「くぅ〜ん」」
ノアはくまゆるとくまきゅうを抱きかかえる。
「それで、2人とも4月3日がなんの日か覚えている?」
「もちろんです。TVアニメ、『くまクマ熊ベアーぱーんち』が始まる日です!」
「また、わたしたちが不思議な箱の中に映るんですね」
ノアとフィナが見る先にはクマのアニメしか映らないTVという名のモニターが置かれている。
2期が決まってから、何の音沙汰もなかったが、数日前に神様から手紙が来て、新しい情報がモニターに映るようになった。
それで、その情報をフィナとノアと一緒に見るため、今日は家に呼んだ。
「いろいろな人に見られると思うと恥ずかしいです」
まあ、それはわたしも一緒だ。
でも、2期が決定したときに諦めている。
今は楽しむしかない。
「前回の話は覚えている?」
「はい。ユナさんとフィナが喧嘩して、わたしが2人の仲を取り持ったところで終わりました。わたし格好良かったです」
ノアは胸を張って自画自賛する。
「そうだけど。わたしがミリーラの町のためにクラーケンを討伐して、町を救ったところだね」
「そうでしたか? クラーケンと戦っているとき、お米、味噌、醤油と叫んでいた記憶があるのですが。ミリーラの町のためというか、お米と味噌と醤油のために戦ったように思えたんですが」
そんな細かいところ、よく覚えているね。
流石、貴族の令嬢か。
「それでもミリーラの町を救ったのには変わりないでしょう」
目的がお米、味噌、醤油だったのは間違いないけど、ミリーラの町を救いたい気持ちはあった。
嘘じゃないよ。
それにしても、アニメって人の心の中まで描写されるから困る。
「まあ、ユナさんがミリーラの町を救ったのはいいとして、そのあとにユナさんは、クリモニアへ繋がるトンネルを掘って、お父様と一緒にミリーラの町に行ったんですよね。お父様、ずるいです」
「いや、それは仕事だから。それに、その後に孤児院のみんなとミリーラの町に連れて行ってあげたでしょう」
「そうですが、ミリーラの町に行ったのはかなり先の話です」
そう言われたら困るけど、トンネルが完成するまで連れていけなかったのは事実だ。
「まあ、その話は横に置いておいて、新しいアニメの話です。前回はユナさんとフィナがメインでしたが、今度はユナさんとわたしがメインの話ですよね?」
「さあ、わたしも新しいアニメの内容は知らないけど、ないんじゃないかな」
ノアはフィナと違って、一緒にいる時間が短い。
「きっと、あります。なかったら、神様を訴えます」
いや、無理だからね。
神様を訴えることができるなら、わたしがすでにしているから。
会話は一方通行だ。
「まあ、ノアの話じゃないけど、新しいわたしたちのアニメが始まる前に、いろいろな映像が公開されたみたいだから、2人と一緒に見ようと思って、呼んだんだよ」
「そうだったんですね」
「それじゃ、PVを見てみようか。もしかしたら、情報があるかもしれないし」
「PVってなんですか?」
「確か、プロモーションビデオだったかな? 宣伝のために作られた映像ってことだね」
わたしたちはベッドの上に座って、モニターに目を向ける。わたしはリモコンを持つとモニターの電源(なんで点くのかは謎)を付け、PV第1弾を再生する。
モニターにはわたしが登場して、フィナが登場する。
「くまが」「あのくまが」「あのくまが帰ってくる!」とテロップが流れる。
久しぶりに自分がアニメになったところを見ると、やっぱり恥ずかしい。
映像はわたしの紹介から始まり、フィナ、ノア、シュリ、ティルミナ、ミレーヌ、ヘレン、クリフ、シア、エレローラ、ミサ、フローラ、国王と紹介が続く。
「フィナが2番手ですか、今度こそ、わたしが2番だと思ったのですが」
「3番でも、凄いと思うよ」
「うぅ、恥ずかしいです」
みんなの簡単な紹介が終わると、わたしがレッドオークやオークと戦うシーンが流れる。
「ユナさんが魔物と戦っています」
「オークです。もしかして、ハチミツのときの戦いですか?」
「たぶんそうだね」
レッドオークと戦ったのは野性のクマとハチミツの木を守ったときだけだ。
「それじゃ、ハチミツの木にいたクマさんが登場するんですね」
「たぶん、登場するかもね」
映像には映っていないので確定はできないけど、普通に考えれば登場すると思う。
「また、クマさんに会いに行きたいです」
「今度はみんなで会いに行こうか」
「はい」
それから、PV1弾の映像が終わる。新しい情報はなかった。
情報を小出しにしている感じだ。
「う〜ん、なんとなく、新しい映像はあったけど、これだけだと分からないね」
「そうですね」
「登場する人の紹介って感じでした」
「それじゃ、続いてPV2弾を見るよ」
いきなり、フィナが登場して、白クマの格好で寝ているわたしの布団を剥がされて起こされる映像から始まる。
「フィナ、乱暴な起こし方だね」
「それは、きっとユナお姉ちゃんが起きないからです」
「もしかして、いつも、こんな起こし方をしているのですか?」
「してません! ……たまにです」
そして、PV1弾のとき同様にキャラ紹介が始まる。
わたしはシアの「実習」って言葉を聞き逃さなかった。
それから、半分ほど映像が流れると、歌が流れて、新しい情報がどんどん流れていく。
ミスリルって言葉から、オークの映像。
映像は流れ、放送開始日が流れ、映像が止まる。
「いろいろな、情報が入っていたね」
「わたしには分かりませんでした」
「そうですね。ユナお姉ちゃんとオークが戦っていました。やっぱり、ハチミツの木のときですね」
「それから、シアが実習って言っていたから、わたしが学生を護衛したときの話もあるみたいだね」
「そのことなら、お姉様から聞きました。学生のみなさんを護衛したんですよね」
「あのときに会った4人ですね」
「フィナ、知っているんですか?」
「えっと、はい。ユナお姉ちゃんと一緒に王都に行ったときに、シア様と他の3人の学生さんたちに会いました」
ああ、王都の鍛冶屋にミスリルナイフを頼みに行くときだ。
「ず、ズルイです。また、2人で王都に行ったんですか?」
「前に話さなかったっけ? フィナの解体ナイフを王都に買いに行ったって」
「なんとなく、聞いた覚えがあります」
「それから、わたしがミスリルって言葉を言っていたから、ミスリルの話もありそうだね」
「そうなんですね」
PV2弾の情報から、ハチミツの木、学生の護衛、ミスリルの話は出てくるのは分かった。
PV2弾はいろいろと情報が詰まっていた。
それから、キャラクターPVもあり、わたしのがあったので、再生ボタンを押してみる。
いきなり、何かを食べているシーンから始まる。
食べるのは好きだけど、別に食いしん坊キャラじゃないよ。
やっぱり、オークと戦い、ミスリル装備とか言っている。
それから、フィナのキャラクターPVも再生するが、新しい情報はなかった。
そして、ノアのキャラクターPVもあったので、そのまま再生する。
すると、いきなりノアの前にクマさんのパンケーキが映り、最後もクマさんパンケーキに目を輝かせながら終わる。
「わたし、こんな食いしん坊じゃありません!」
先ほど、わたしが心の中で思ったことをノアが口にする。
「いや、ノアって、こんな感じでしょう」
「違いますよね。フィナ」
ノアは同意を求めるように、横に座っていたフィナの肩を摑む。
「そ、それは」
フィナはゆっくりと視線を逸らす。
「そんな〜。わたしは優雅で、可憐な貴族令嬢として、通っているのに」
「いや、ノアって、明るく元気な、誰にでも優しい貴族令嬢でしょう?」
「褒められているように聞こえますが、貴族令嬢っぽくありません」
「それに、優雅で可憐な貴族令嬢って、ミサみたいな子のことを言うんじゃないの?」
わたしが知っている貴族の中では、ミサが一番貴族令嬢っぽい。
ユナお姉様とか、呼ばれているし。
「ユナさん、酷いです。わたしだって、優雅で可憐な貴族令嬢です」
そんなノアの抗議は聞き流し、PV3弾の再生ボタンを押す。
すると、歌が流れてくる。
それと同時に、わたしがクサいセリフを言うシーンが始まる。そんなクサいセリフをノアが真似をする。
「ここからは冒険者の仕事だよ。足手まといだよ」
「ノア、恥ずかしいから、やめてくれる?」
「ええ〜、カッコいいと思いますよ。ほら、箱の中のフィナも褒めていますよ」
映像のフィナが「ユナお姉ちゃんは凄いね」と褒めている。
恥ずかしくなってくる。
そもそも、わたし? あんなクサいセリフ言った?
思い出してみる。……マリクスたちが黒虎と戦おうとしたとき、なんとなく言った記憶がある。
映像として聞かされると、恥ずかしい。
そんなわたしの気持ちとは関係なく、映像は流れていく。
その映像には新しく登場する人物がいた。
モリンさん、カリンさん。それから冒険者のメルさんとセニアさんもいた。
まあ、モリンさん、カリンさんは前からいたからあれだけど。メルさんとセニアさんが登場するってことは、間違いなく鉱山の話になりそうだ。
「いい歌でした」
ノアの言うとおりに、映像と一緒に歌が流れていたけど、OPかEDなのかな?
いい歌だった。
「もう明日なんですね。1話が観れるのは」
「うん」
「それじゃ、また、みんなでお泊まり会ですね」
「ちゃんと、クリフの許可をもらうんだよ」
「はい!」
「フィナもティルミナさんの許可をもらってね」
「はい」
恥ずかしいけど、どこまで、わたしの物語が映像化になるのか楽しみだ。
※PVはアニメ公式サイトにて公開中です。リンク先は活動報告にて貼ってありますので、よかったら、見てください。
早いところでは明日4月3日より、TVくまクマ熊ベアー2期、「くまクマ熊ベアーぱーんち!」が始まります。
アニメ開始前には【ABEMAアニメ(アベマ)】様にて1期の再放送や特別番組が放送予定です。
詳しいことは活動報告にてお願いします。
TVアニメ「くまクマ熊ベアーぱーんち!」
放送局
【AT-X】毎週月曜 22:00~
リピート放送:毎週水曜10:00~/毎週金曜16:00~
【TOKYO MX】毎週月曜 22:30~
【サンテレビ】毎週月曜 24:00~
【KBS京都】毎週月曜 24:00~
【BS11】毎週月曜 25:00~
ネット配信
【ABEMAアニメ(アベマ)】
【ニコニコ動画】
【Lemino】
【FOD】
【バンダイチャンネル】
【Hulu】
【TELASA】
【J:COMオンデマンドメガパック】
【milplus見放題パックプライム】
【U-NEXT】
【アニメ放題】
【DMM TV】
【Amazon】
など、順次配信予定になっています。
詳細は各サイトでお願いします。
※1期のときは毎週、番宣小説を書いていましたが、今回は時間がなさそうなので書かないと思います。書くと、本編が進まなくなってしまうので。
もしかすると、息抜きにたまに書くかもしれませんが、そのときはよろしくお願いします。