#03 放課後
授業がひと通り終わり、自宅へ帰ろうと歩を進めていると、下駄箱付近で「お疲れ様です!」と声をかけられた。
この子は2年の島崎実鈴、部活の後輩の女の子だ。僕はもう部活を引退しているが、この子はこれから部活へ向かうのだろう。
彼女には目と乳首の位置を入れ替えてある。本来目があった部分にはアイマスクのようなもので隠してあり、セーラー服のトップスを胸まで上げて、インナーとして胸部が開くセーター(いわゆる童貞を殺すやつ)を着ていて、その開いた隙間からおっぱいを惜しげも無く出している。彼女にとっては顔面に着いた乳首を見られる方が恥ずかしい行為らしい。
これから寒くなってもあんまり厚着が出来なくて困ってるなどと言っていた。戻してあげようか...?
高校を出ると、最寄り駅までは住宅地を縦断していく。小中学生の下校時間と被っているのか定期的に見覚えのある人達とすれ違う。というのも、筋肉質な男の体に小学生の女の子の頭で赤いランドセルを背負っていたり、男女の中学生カップルの上半身が服装ごと入れ替わっていてセーラー服とズボン、学ランとスカートになってたり、むしろ見覚えしかなかった。
駅に着くと数十人の同じ高校の制服を着た生徒を見かけた。ギャル風の後ろ姿をした女の子の顔が柴犬になっている子が居た。そんなこともやった気がする。
電車に乗り込むと、中学時代の旧友に遭遇した。こいつは高山健太だ。
「おぉ~久しぶりだなぁ、元気してたか」
「まぁな、お前進路はどうすんだよ?」
などとたわいも無い会話をしながら、せっかく久しぶりに会ったのだし、と周りを見渡してこいつと入れ替える対象を探す。
丁度停車していた駅から乗り込んできた20代くらいの女性をターゲットにしよう。
声と口調を入れ替えるように念じると
「私も国公立行くにはさぁ~…」
と一人称も雰囲気もガラッと変わった。
ついでに脚もその女性と交換させてみた。パッと見ではわからないが裾が少したるんで靴が女物になっている。
そんなこんなで降りる駅に着いたので友人に別れを告げる。
「またね~」
見た目にそぐわない可愛い声が響いていた。
そんなこんなで帰宅すると、みぃちゃんが玄関まで迎えに来てくれた。みぃちゃんとは水上さんの体を持つ黒猫であり、我が家のペットだ。
頭を撫でると人間さながら抱きしめてくれる。同級生の女の子に抱きしめられているようで少し罪悪感もあるが、僕自身も女の子の体になっているので問題なし。
自分の部屋に行って着替えようとすると、みぃちゃんも着いてきて構って欲しそうにまとわりつく。女の子の匂いが鼻をくすぐる。
みぃちゃんと戯れて居たら結構な時間が過ぎていた。
「ひろくん、お風呂入っちゃいなよ?」
と声を掛けてきたのは実の父である。実の父ではあるが、その姿はもう何年も前に駅前を歩いていたギャルと身体、趣味嗜好を入れ替えた。そのため、自分が父親である事も男であることも理解しているし、今は女の体である事も理解している。そして徐々に趣味嗜好がギャルに染まっていき、ピークを超えて今は清楚ギャル風の大学生みたいな見た目になっている。ギャルになっていった父に疑問を感じる人はもちろん居なく、むしろ2回りも年下のギャル友達が出来たりして生き生きしているような気がする、と思った。
次は2026年かも