24−1
「って。ここ何処ですか!?レックスさんっ!!??いやいやいやいや、その前に!!貴方魔法が使えたんですか!?しかもアレは何ですか!?転移ですか!?転移魔法!!?つまり、そういう事なんですよね!?今までのは偽装なんですかっ!?完璧、偽装だったんですね!?ギルドに嘘ついちゃダメでしょうって!!そもそも貴方のアレ何ですか!?莫大な魔力量っ!!ちょっと限界が見えなかったです!!一般人には途方も無くて、もう声もでませんよっ!かなり叫んでますけどね!?あれだけあっての偽装なの!?つーか、あんなの放出したら、軽〜く世界が滅んじゃうでしょ!!!」
オイオイオイオイ、マテマテマテマテ。
だからオチツケ!オチツケ!!ワタシ!!!
「クッ……はははっ。それが地か!」
「えぇ、えぇ、えぇ、えぇ、これが地ですっ!!」
「見込んだ通りだ。ベルは面白い」
「いやいやいやいや、面白い、とかではなくてっ!!」
何か言え!大事な事を!そもそも説明を入れてくれ!!
と、肩をならして息をゼエゼエ。
レックスさんはそれにすらクッと唸って、次にはハハハとお腹を抱えて笑う。
クールなキャラを脱しての連発する噴出に、彼はひとしきり声をあげると、ふう、と息を吐いてみて。
「ベルに嘘をついた事はない」
「でも、魔法は使えない、って!」
「あぁ。そうだな、俺はあの時、“魔法はな…”としか返していないが?」
「………!!!(゜゜;)」
あぁ、そうだ。
そうかもしれない。
確かに彼はあの時、確かに。“魔法はな”としか、語っていない……驚愕の真相が。
愕然とした面持ちで涼しげに戻った彼を見定め、サアッと血の気が引いた私は、異世界からの転生者。
名前をベルリナ・ラコットという、ごく普通の18歳。
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*.・*あっ、よく見たら自然が豊かで……結構、綺麗な場所じゃない?*.・*
頭を振り振り意識を切り替え、現実逃避に移った私。
その隣でレックスさんもゆるりと意識を切り替えて、ふと建物が立つ一方へ体を反転させてみる。
そんな気配にポツリと1つ。
「あの〜……ところで此処って…?」
「あぁ。リメス・フルールだ。花の境界……この時代だと【境界の森】と呼ばれる場所だな」
そして我々の間(ま)を縫うように、ぴよぴよと鳴く小鳥さん。
ふわふわと舞う色とりどりのちょうちょさんを近くに見出し。
「う」
「う?」
「うそでしょぉおおおおおおおお!!!!!<(゜△゜||)> <(||゜△゜)>」
と、叫んだ私は悪くない。ハズ。