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1話

「ららちゃん」


声をかけて来たのは、私の大好きな先輩だ。


可愛くて、一生懸命で誰よりも努力家。


泣く時はいつも一人で静かに泣いている。


「何ですか?」


問い尋ねると、抱きつかれた。


「充電させて」


優しい声でそういった。


私が、この人を好きになったのはいつからだろう。


何でだろう、全てが愛おしく感じる。


好きになっちゃいけない人なのに、いけないって分かってて、先輩の事を求めてしまう。


「あー、紗季ちゃんまたららちゃんに抱きついてるー」


突然の声にびっくりした。


紗季さんは、それでも離れなかった。


「えっ!無視?私の事は無視?」


さっきからひとりでぶつくさぶつくさと。


紗季さんを見ると固まってた。


「紗季さん?」


肩を掴んで離そうとするが離れない。


紗季さん、寝てる。


「ここの、ちょっと申し訳ないんだけど、席を外してくれない?」


私はそういった。


「わかった」


なにをしたいとかではないけれど、この人と一緒の時間を静かに過ごしたかった。


この思いが報われないのなら、せめて、紗季さんを見守っていたい。



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