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私が妹だ!  作者: 結城 慎
黎明編
3/31

百合香と地方紙

 翌日の地方紙で(自称)百合香はその活躍を報じられた。片隅だけど。



「お兄ちゃん見て。

 へへーん、『ゴスロリ美少女大手柄』だって」

「おう、良かったな。

 これで(自称)百合香も地方の有名人だな」

「もう、そう思うならいい加減(自称)は外してよね」



 ぷぅっと膨れる百合香の頬っぺた。

 そのうちな、と言った程度では膨れは戻らず、俺は両手で(自称)百合香の顔をサンドイッチし、物理的にその頬を元に戻す。

 そういえば



「(自称)百合香、昨日はどうやって事件を解決したんだ?

 何故か兄ちゃんには全く思い出せないんだが……

 それに、出来ればあんまり危ない事はして欲しくないんだぞ」

「へへーん、百合香の活躍は描写厳禁なの!

 お兄ちゃんがそう言うなら十分注意するよ。

 でも、お兄ちゃん心配してくれるんだ、嬉しいなぁ。」



 しかし、そんな俺の心配と(自称)百合香の言葉とは裏腹に、翌日から毎日の様に(自称)百合香の活躍は紙面を賑わせた。



『ゴスロリ美少女再び!』

『またもゴスロリ美少女』

『ゴスロリ美少女、その名は百合香ちゃん』

『決めゼリフは【私が妹だ!】』



 一ヶ月を過ぎる頃、この街で(自称)百合香を知らない者はいなくなっていた。


 かつては根暗で友達もいなく、ずっと俺の後ろをついてまわっていた(自称)百合香。

 そんな(自称)百合香も人気者となり友達もでき、それでもやっぱり俺の周りをついてまわる(自称)百合香。


 和やかな日々が、ずっと続いていくものだと信じていたそんなある日。

 俺たちの両親が突然いなくなった。

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