表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/73

3.【トニー隊長side】秒でつまずいたSランクパーティ


 ダンジョンを進んでいくトニーのパーティ。


 すでに攻略済みの第一階層にはほとんどモンスターが現れないので、スムーズに進んでいけた。

 そして攻略中の第二階層にたどり着くと、いきなりAランクの魔物が現れる。


「ウォーウルフです!」


 前衛のアニスが剣を引き抜き、仲間に警告する。


 ウォーウルフは3体いた。


「いつも通りサクッと倒すぞ!」


 トニー隊長が部下たちに檄を飛ばす。


 後衛が支援スキルを維持しつつ、前衛が武器でウォーウルフに立ち向かう。


 ――だが、


「くっ! 早く、回復魔法をお願いします!」


「なんかいつもより力が出ないぞ! もっと強化バフをちゃんとかけてくれ!」


 前衛から後衛にそんなクレームが飛ぶ。


 いつもならAランクの魔物相手でもそれほど苦戦することはないのだが、今日は違った。

 なかなか敵にダメージを与えることができない。

 どうにも攻撃が効いていないのだ。


「おい、どうしたんだ! 我がパーティはSランクだぞ!」


 トニーは部下たちに発破をかける。

 だが、それで状況が良くなることはなかった。


 相変わらず前衛たちはすぐダメージを食らうし、

 逆に敵にはダメージをほとんど与えられない。


 ――――それもそのはず。


 今のパーティには“倍返し”のスキルを持つアトラスがいないのだ。


 アトラスの“倍返し”は、敵から受けた攻撃を倍にして返す。

 だから相手が強ければ強いほどすぐに倒せる。


 そして仲間からの強化バフを仲間に“倍返し”もしていた。

 だから仲間たちは2倍の強化を受けられて、力が底上げされていたのだ。


 それがなくなった今、Aランクの魔物相手に苦戦するのは当たり前だった。


 ――結局、パーティがウォーウルフたちを倒せたのは、30分も経ってからだった。


「……全く、お前たちたるんでいるぞ!」


 トニーは部下たちを叱責する。


「し、しかし隊長……なんか力が出ないんですよ!」


 普段イエスマンのコナンだが、今日ばかりはそんな風に愚痴をこぼした。


「言い訳をするな! お前たち、気合いを入れなおせ!」


 トニーの激励がダンジョンにこだまする。


 だが、彼の言葉では部下たちの違和感は拭えなかった。


 †


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
▼アメカワの新作です。本当におもしろいので、ぜひお読みください。▼

☆『ドM勇者は追放を悦ぶ。~ダメージを受けるほど強くなるマゾヒスティック勘違い無双~』
― 新着の感想 ―
[気になる点] >今のパーティには“倍返し”のスキルを持つアトラスがいないのだ。 >............. >それがなくなった今、Aランクの魔物相手に苦戦するのは当たり前だった。 何か「当たり前…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ