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[4a-18] FILE:小さな異界の研究

 遙か昔、『中庸の者』がこの世界を形作るために使った創世の力は、今はその大半が神々のものとなり、この世界のあらゆる法則を機能させるために使われている。

 しかし、地上に残された創世の力が時折色濃く出る場所があり、そんな場所では奇妙な異界が形成されることがある。これは俗に『妖精郷』や『神域』と呼ばれることもあるが、ここでは正式に『隠れ里』として述べる。


 創世の力は言うなれば『法則を超える力』『法則を形作る力』であるため、隠れ里の中は我らの住む物質世界の法則に囚われない独自の法則に支配される。

 魔力無しで魔法が使える世界や、逆に魔法が存在しない世界。気まぐれに天地が入れ替わる世界や、全ての生命が不老不死となる世界も存在しうるのだ。


 これらの隠れ里が、隠れ里の外に対して影響を及ぼすことは少ない。

 この世界は総体で見れば、神々の敷く法によって支配されており、隠れ里はそのほんの一部を切り取って抱え込むことで、自由に絵を描けるキャンバスを手に入れたに過ぎないからだ。

 絵の中のドラゴンが火を噴いても、それを鑑賞する我らが火傷などしないように、隠れ里の中の出来事は外界と切り離されている。


 しかして、この絵は見ている者を絵の中の世界に誘い、吸い込んでしまうことはある。

 また、小さな奇跡を宿したアイテムを持ち出すことができたり、外界への探索者を用立てるという形で触手を伸ばしてくることもある。

 なぜなら我々も隠れ里とは別のキャンバスに別の絵の具によって描かれた、神々の筆による絵に過ぎず、繋げて見てしまえば(そこに幾許かの違和感があるとしても)一つの絵・一つの作品と見なせるからだ。

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