明日は試験
チョコバナナの毒にやられながら、私たちは家に入る。
「お帰り!楽しかった?」
「はい、楽しかったです!」
「よかった!夕ご飯のしたくできてるから、食べて!」
「はーい!」
私たちは手を洗い、ご飯を頂く。
「「いただきます!」」
ユウスケと一緒にいただきます。
なんか、もう日常になっちゃったけど、
こうして一緒の食卓を囲めるのはなんだかうれしい。
「リノン、試験は大丈夫かい?」
「はい、お父さん。
一通り教科書は読み終えました。
明日の午前に仕上げて、試験に臨みます。」
「心強いね。
じゃあ、明日は頑張って。」
「はい!」
そっかぁ…明日は試験かぁ…。
そう考えると、ちょっと緊張してきた…。
「「ごちそうさまでした。」」
ユウスケと一緒にごちそうさま。
やっぱりこの風景って、良いなと思う。
私は自分の部屋に行き、日記を広げる。
・・・・・
シルビィへ。
水族館に行ってきたよ~。
そういえば、ビックオクトパス出たけど、
抑えつけられなかった?
あと、シルビィにお土産買ってきたんだけど、
そっちに送る方法ないかな…。
疲れたけど、楽しかったよ!
リノンより。
・・・・・
このお土産、送る方法無いかなぁ…。
日記が光りだす。
シルビィから返事が来たみたい。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
いいなぁ…私も行ってみたいかも?
どんなところだったの?
色々教えてね。
お土産…うれしいけど送る方法あるかな…?
異世界のはざまに持ち込んで、毒針とかに付けてみたら
どうかな?
届いたら報告するね!
シルビィより
・・・・・
うんうん、お土産を毒針に括り付ければいいのかな?
・・・・・
シルビィへ。
うん、明日にでもやってみるね。
届いたらよろしく!
水族館はね、いろんなお魚が居たよ。
あと、ゲーセンってところも行けたの。
それと、クレープって食べ物も甘くておいしかったよ!
リノンより。
・・・・・
…そういえばクレープ…。
とってもおいしかったけど…。
…まぁ、まだ毒が回ってるかな…。
あっ、シルビィからまた返事だ。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
お魚の事…食べる話しとかしてないよね?
クレープはこっちの世界にもあるけど、
お姉ちゃん知らなかった?
あの食べ物はねぇ…。
ふふふ…クレープ甘かったのは、
クレープそのものの甘さだけかしら?
もっと聞かせてー。
シルビィより。
・・・・・
…クレープ、むこうにもあったのか…。
…てか、シルビィ、なんか鋭い…。
・・・・・
シルビィへ。
クレープ、そっちにもあったんだ…。
知らなかった…。
えっと…。
うん、甘かったよ?
うん…甘かった…。
リノンより。
・・・・・
よしっと。
…シルビィ返事早いなぁ…。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
ふふふ…。
こっちの世界でもね、デートには定番の食べ物だよ?
お兄ちゃんに『あーん』とかした?
…な~んてね♪
シルビィより。
・・・・・
…シルビィ…。
…また思い出しちゃったよ…。
う~ん…。
・・・・・
シルビィへ。
そんなこと…してないから…。
じゃあ、明日お土産送ってみるからね!
リノンより。
・・・・・
とにかく、明日お土産送ろっと。
…に、してもシルビィ返事早いなぁ…。
・・・・・
お姉ちゃんへ。
ごちそうさま♪
シルビィより。
・・・・・
…また、「ごちそうさま」って…。
まぁ、いいや…。
私は疲れたので、寝る前にお風呂に行くことにした。
「…ごちそうさまかぁ…」
私は脱衣所で服を脱ぎ、ぽつりとつぶやく。
「トントン」
今日は楽しかったなぁ…。
また行ってみたいなぁ…。
「パタン…。」
「ん?」
「わっ!!」
あ、ユウスケだ。
「きゃう!!」
「ご、ゴメン!!」
ユウスケは、思いっきりドアを閉める。
「って、なんでノックしたのに返事しないのさ!!」
「あ、ゴメン、考え事してた。」
「今のは絶対リノンが悪い!!」
ユウスケ、叫んでる…。
じゃあ、追い打ちで。
「だから、私は一緒に入っても良いって言ってるの!」
ふふっ♪
ユウスケ逃げた♪
今日もご機嫌で、私はお風呂に入った。