覇王国へ
俺は星間国家の悪徳領主! 4巻 をよろしくお願いします!!
首都星からバンフィールド家の本星に戻ってくると、宇宙港が慌ただしい雰囲気に包まれていた。
覇王国との国境を任されたという噂が広がっているし、実際にバンフィールド家が戦時体制に移行している。
港に来ると、本星を任せていたクラウスの出迎えを受けた。
「リアム様、ご指示通り出陣の準備を進めております」
足を止めずに歩くと、クラウスが俺の斜め後ろについてくる。
「皇太子殿下にも困ったものだな」
嫌みを込めて皇太子殿下と呼ぶと、クラウスが聞き流してしまう。
「勅命ですので拒否は出来ませんが、覇王国相手に本気で戦われるつもりですか?」
闘争が大好きな覇王国は、時に自軍の被害を無視して突撃してくる。
戦うと必ず被害が大きくなるため、帝国の貴族たちは戦いたがらない相手だ。
そんな相手に、俺は全力で戦うための命令を出していた。
戦力の温存など考えない。
全力では王国にぶつかってやる。
「不満か?」
クラウスに顔を向けると、本人はなんとも言えない表情をしていた。
「重要拠点の守りを固め、出来るだけ覇王国と争わないのがベストと考えます」
守るだけを考えれば、クラウスの考えは正しい。
だが、どうして俺が帝国のために戦うのか?
悪徳領主は自分の利益を追い求める存在だ。
「これは俺の戦争だ。俺は俺のためになると判断したから、全力を出すと決めた。クラウス、お前も本気を出せ」
「微力を尽くします」
「俺の個人的な感想だが、お前はもっと欲を持った方がいいな」
能力は高いが、自己主張が弱い――いや、自分の利益を追い求める欲がクラウスは薄い。
俺の右腕としては頼もしく完璧だが、悪徳領主の部下としては真面目すぎる。
忠臣と言えるだろうが、もう少し欲を持った方が好みだ。
贅沢な悩みだと理解はしているが、もう少しだけ遊び心を持って欲しい。
「さて、覇王国はどの程度のものかな?」
◇
「今回はあまりにも酷すぎますぞ!」
屋敷に戻ってくるなり、ブライアンが激怒していた。
これまで支援してきたクレオの裏切りに憤慨し、更には俺を覇王国相手にぶつけるのが許せないのだろう。
「落ち着けよ。もう歳なんだから、怒ると体に悪いぞ」
「これが落ち着いていられますか! リアム様もここは怒るべき場面ですぞ!」
確かにクレオの命令は腹立たしいが、今回は俺にとって好都合な展開だ。
――堂々と覇王国と接触できるからな。
それ以外にも目的はあるが、ブライアンに説明しても理解はされないだろう。
「必要ない」
きっぱりと言い切ると、ブライアンの隣に立つセリーナが俺に真剣な視線を向けていた。鋭い何かを探るような視線だ。
「リアム様、本気で覇王国と戦われるのですね?」
「当然だ。手を抜いて何になる?」
「それは帝国への忠誠心からでしょうか?」
「忠誠心?」
セリーナの問いに噴き出しそうになってしまった。
この俺に忠誠心を求めるとは、セリーナは何も理解していない。
「笑わせるなよ。この世は結果こそ全てだ。忠誠心なんてものは、そいつが死ぬまでの行動で示した結果に過ぎない。――まぁ、俺が覇王国との戦いで死ねば、忠誠心を示したと後生では語られるだろうな」
俺自身は忠誠心に何の価値も見いだせないけどな。
俺が信じるのは、俺を裏切らずに死んでいった奴らだけだ。
「それでは――」
俺の答えにセリーナの視線は険しくなったが、ブライアンの絶叫で次の言葉を遮られてしまう。
「縁起でもない事を言わないでください! リアム様はバンフィールド家の当主にして、領民全ての希望の星ですぞ! 当家があるのもリアム様の存在あってこそ! それを軽々しく死んだら、などと――もっと自覚をお持ちください!」
「お、おう」
ブライアンの熱意に押されて曖昧に返事をしてしまった。
目が血走っていて怖いんだよ。お前、そんなに激高すると血管が切れて倒れるぞ。
◇
ブライアンの説教が終わり、寝室に向かうとロゼッタが待機していた。
「お疲れ様でした」
「最悪だよ。ブライアンの野郎、この俺に説教を一時間もするとか、身の程知らずにも程があるだろうが。あいつじゃなかったら、手打ちにしていたところだぞ」
ベッドに腰掛けると、ロゼッタが隣に腰掛けて来る。
「覇王国との戦争は大丈夫なのですか? 戦力はあちらが上と聞いているけど」
不安そうなロゼッタが、俺の手を握って来るので僅かに力を込めて握り返した。
こいつも不安なのだろう。
「うちからは第一陣で六十万の艦隊を出す」
全てが精鋭とは言えないが、数だけならば揃えている。
「覇王国はとても恐ろしい国だと聞いているわ」
「恐ろしい? この世に恐ろしくない国などあるものか。帝国がこれまで何をしてきたと思う? 俺からすれば、覇王国の連中なんて武力重視で素直奴らに見えてくる」
覇王国よりも帝国の方が恐ろしい。
何故ならば、案内人が言っていた真の敵――それこそが、帝国の皇帝バグラーダなのだから。
俺の敵になると案内人が忠告してきたくらいだ。
気を付けるべきは覇王国ではなく、帝国そのものだ。
ロゼッタが悲しそうに俯く。
「クレオ殿下は変わってしまわれたわね。以前は優しそうな方だったのに」
「弱いからいい人を演じていただけだ」
「そうかも知れないわね。――でも、とても寂しいわ。ダーリンは何とも思わないの?」
「思わないな。俺は最初から信じてなどいなかった」
本当に優しい人間ならば、側で守り続けていた実姉を邪険にはしないだろう。
「――明日には出発する。領内の事はお前に任せるぞ。現状維持を心がければいい」
「今度はいつ戻れるの?」
「さぁな。それよりも、しばらくは連絡も取れなくなる。屋敷には天城を残すから、困った事があれば頼れ」
「はい」
◇
国境の守りというのは複雑だ。
そもそも宇宙は広い。広すぎる。
基本的に拠点となる惑星や、ワープに適した宙域の防衛となる。
ワープにも二種類存在する。
ワープに適している場所から専用のゲートを使用して移動する長距離ワープと、宇宙船が単独で行う短距離ワープの二つだ。
長距離ワープのメリットは、特定の場所にすぐに移動できること。ただし、ゲートがなければ利用できず、ワープに適した場所というのも限られている。
短距離ワープのメリットは、ゲートを使用せずに行えること。ただし、移動距離が短く、宇宙船のエネルギーを大きく消費する。オマケに、失敗すれば大事故にも繋がる。
とりあえず、ゲートを停止させるか破壊するため、戦争では短距離ワープが主流になっている。
敵と偶然に遭遇することはほとんどなく、規模の大きな戦争は陣取り合戦となる。
どこに攻めてくるのか不明なため、防衛側は重要拠点に戦力を配置することになる。
戦力は基本的に分散させないのが基本だが、分散させないと守れないというわけだ。
そのため、何十万という艦隊を分散させなければならない。
惑星アウグル。
かつてバンフィールド家が守っていた惑星に到着した俺は、久しぶりに宇宙港に足を運んだ。
「マリオンは元気かな?」
役人時代の後輩を思い出していると、俺についてきたユリーシアが呆れた顔をする。
「遊んでいる暇があるんですか? すぐに派遣軍の司令官たちが集まります。会議まで時間がありませんよ」
「俺が面倒を見た惑星が、どうなっているのか興味があるからな。自分の目で見ておきたい」
かつてはティアやクラウスを派遣して、開発を行わせていた。
アウグルは随分と発展している。
周囲の居住可能惑星が田舎ばかりの中、アウグルは都会に見える。
前世の感覚で言えば小さな地方都市だろうか?
そんなアウグルの様子を自分の目で見るため、こうしてお忍びで宇宙港に足を運んだわけ――ではない。
私服姿でユリーシアと宇宙港のお土産店を眺めていると、柄の悪そうな軍人たちが俺たちに近付いてくる。
三人組は俺を無視して、ユリーシアに近付いた。
「お姉さん美人だね。俺たちとお茶でもしない?」
「俺たちはバンフィールド家の軍人だぜ」
うちで使用している軍服を着用している三人組は、どうやら休暇をもらって宇宙港に来ていたようだ。
どの艦の所属か知らないが、随分と軽薄そうである。
ユリーシアは顔を背けて、毅然とした態度で言う。
「お断りします」
すると、三人組はいかにも不機嫌そうな顔に変わった。
「――おい、調子に乗るなよ。俺たちはバンフィールド家の軍人だぞ。舐めた態度は容赦しねーぞ」
「うちの領主様は無敵のリアム様だ。敵対したら、どうなるか分かっていないみたいだな?」
「黙っている彼氏なんか放って、俺たちと遊んでくれよ」
バンフィールド家の名前を出し、俺の名前まで使って威張り散らしている。
――雰囲気的に、最近手に入れた惑星出身の連中だろう。
他家の軍人たちは、惑星を手に入れる際にバンフィールド家に組み込んでいる。
再教育は行っているはずだが、どう見ても練度が低い。
自分の目で確認できてよかった。
一瞬斬り殺してやろうかと思ったが、この手の連中はきっと沢山いる。こいつらを殺しても何の解決にもならないだろう。
俺はユリーシアとこの場を去ることにしたのだが――。
「か、彼氏!? や、やっぱり恋人同士に見えちゃいますよね~。いや~、困ったな~」
――俺を彼氏と勘違いされて、何故か顔を赤くして照れていた。
声をかけてきた三人の軍人たちが、俺に対して嫉妬して鋭い視線を向けてくる。
「オマエも本当に残念な奴だな。もう行くぞ」
「待ってくださいよ!」
ユリーシアの手を引いてこの場から立ち去ろうとすると、軍人たちが俺に手を伸ばしてきた。
「おい、待て!」
「――俺に触るな」
「ひっ!?」
軽く睨んでやると、軍人たちは怯えて尻餅をつく。
無視してユリーシアを連れて戻ろうとすると、宇宙港では態度の悪いバンフィールド家の軍人たちが目立っていた。
――こいつらいらないな。
◇
総旗艦アルゴス――超弩級戦艦では、将官クラスが立体映像で会議に参加していた。
取り仕切るのは、当然のようにクラウスだ。
「バンフィールド家の艦隊は六十万。帝国から派遣された艦隊ですが――」
うちの騎士や将軍たちが、帝国から派遣された艦隊に対して不満そうな顔をしている。
参加した派遣組の将軍や騎士たちは、会議の場で立体映像なのに居心地悪そうにしていた。
それもそのはずだ。
俺は派遣された艦隊の数に、笑いがこみ上げてくる。
「よくもかき集めたものだな。どれも旧式で時代遅れの艦艇や機動騎士ばかりだ。残った正規艦隊もろくに補給や整備を受けていないじゃないか」
その数は百二十万隻。
数だけ聞けば頼もしいが、その中身が問題だった。
帝国が抱える問題の一つに、増えすぎたパトロール艦隊が存在する。
最低限の補給と整備を受ける彼らは、何もない宙域をパトロールしているだけの艦隊だ。
その数は数隻から数百隻。
帝国軍も、その正確な数を把握している人物は少ないのではないだろうか?
そんなパトロール艦隊と大差ないのが、辺境貴族たちだ。
力のある貴族たちではなく、辺境で細々と生きている連中ばかりだ。
所持している戦力も旧式の数百隻。
ここに疲弊した正規艦隊まで送られて来た。
「帝国は覇王国に俺たちをぶつけて、一掃したいんじゃないか?」
冗談を言うと、会議に参加した騎士や将軍たちが苦々しい顔をする。
ただ、この場の最高責任者――総司令官である俺の言葉に苦言を呈する者はいない。
いないはずだった。
「公爵はこの戦いを負け戦と思っておられるのか?」
いかにも真面目な将軍という感じの壮年の男が、俺を睨み付けてくる。
気概のありそうな男は、宇宙港で見た俺の部下立ちよりも真人間に見えるな。
その男は、複数派遣された正規艦隊の司令官の一人だった。
「お前は勝つつもりか?」
問えば、相手が真剣な眼差しを向けてくる。
帝国から派遣された貴族、騎士、将軍たちも目つきが鋭くなる。
「無論」
勝つつもりでいる司令官に、どのような作戦を考えているのか問う。
「ならば、勝つための策を言え」
司令官が会議室に立体映像を投影する。
「主要な惑星に味方を分散配置し、覇王国の攻撃に耐えます」
百八十万もの艦隊を三つに分けて、重要拠点を守るらしい。
クラウスも考えていた作戦だ。
俺は拍手を送る。
「確かにこれしかないな。――守るだけなら、な」
ざわつく会議室で、俺は宣言する。
「俺は守勢に回るつもりはない。――覇王国に攻め込むぞ」
◇
会議後。
休憩を挟み、次はバンフィールド家だけの会議が行われていた。
クラウスが続けて司会をしている。
「第一軍はリアム様の親衛隊を含めた六万隻。第二軍は――私が率いる六万隻。第三軍はクリスティアナ殿の三万隻。第四軍は遊撃を目的とするマリー殿の一万隻。第五軍は――」
今回、バンフィールド家から送り込まれた第一陣の艦艇は六十万。
次々に編制が発表されるが、第五軍以降は俺が名前も覚えていないような奴らだ。
騎士、将軍――その両方が務まる人材は貴重だ。
名前が呼ばれる者たちは、間違いなく優秀である。
しかし、筆頭騎士クラウスのような名を轟かせるような奴らは少ない。
これが問題だ。
能力だけならばクラウスに勝る者たちもいるが、結果が出せるかと言えば難しい。
クラウスが編制を発表していると、俺の隣に立っていた妹弟子たちが不満そうにしている。
二人とも用意された儀礼用の騎士服に身を包んでいるが、風華は落ち着かないようだ。
「こんなの結果だけ伝えれば終わりだろうに。わざわざ集まって発表する必要があるのか? おまけにこの服も可愛くないし」
凜鳳の方には服装に不満がないようだが、戦場に連れて来られたのが許せないようだ。
「師匠や安幸と離れ離れとか困るよね。あ、でもこの服は好きかも。僕って何を着ても似合うから、コスプレみたいで好きだよ」
コスプレも何も、こいつらはバンフィールド家の軍隊で大佐の待遇の扱いを受けている。
本当なら准将扱いにしたかったのに、クラウスにそれは駄目だと止められてしまった。
そんな不満そうな二人を戦場に連れてきたのは、師匠の頼みだからだ。
「遊びほうけるお前らを心配して、師匠が俺に連れて行って欲しいと頼みに来た。少しは反省しろ」
二人も色々と身に覚えがあるのか、俺から顔を背けて返事をする。
「分かったよ」
「反省してま~す」
二人とも反省しているようには見えないな。
「これも修行の一環だ。お前らの機動騎士も持ってきているから、活躍を期待しているぞ。一閃流の名前だけは汚すなよ」
クレオやカルヴァンが用意してくれた偽物のアヴィド。
その三機は妹弟子たちと、この場にいないエレンのために改修済みだ。
風華が戦場に興味を示す。
「強い奴らがいるんだろ? 生身の方が好みだけど、機動騎士も面白いからやってやるよ」
凜鳳の方は一閃流の名を広める事には熱心だ。
「いいよね。一閃流が兄弟子だけじゃないって教えてあげるよ」
頼もしい妹弟子たちだ。
活躍の機会を用意してやろうと思っていると、編制の発表が終わる。
クラウスが俺に顔を向けて、発言を求めてきた。
椅子から立ち上がると、薄暗い部屋でスポットライトに照らされる。
「ここにいる連中で、覇王国との戦いに不満を持つ奴も多いだろう。どうして俺たちがわざわざ出向くのか? そんな事を考えているはずだ」
覇王国との国境を守るために派遣されるのはいいが、バンフィールド家のみという露骨な嫌がらせに顔をしかめる者も多い。
そんな嫌がらせを真摯に受け止める俺――そんなはずがない。
「お前らの中には勘違いをしている奴らも多いから言っておく。俺はそもそも、帝国のために戦うつもりは一切ない」
ざわつき始めると、クラウスが声を上げる。
「リアム様の発言中だ。私語は慎むように」
静まるのを待ってから俺は続きを話す。
「俺が帝国の領土を守るために戦う? そんな事には最初から興味がない。狙うのは覇王国の首都星だ」
最初から守りなど意識せず、覇王国相手に戦いを挑むつもりだった。
何も聞いていないと、クラウスまでもが驚いているのが面白い。
◇
リアムが出立してからしばらくした頃。
バンフィールド家の屋敷では、領内の事を取り仕切るロゼッタの側に天城の姿があった。
政務を補佐している天城だったが、ロゼッタの体調に変化がある事に気付く。
「ロゼッタ様、体調が悪いのでしたらお休みするべきです」
「だ、大丈夫よ。ダーリンに任されたのだから、これくらいやってみなさいと――っ!」
口を手で押さえるロゼッタを見て、天城がすぐに駆け寄りスキャンを開始。
そして、すぐに医者の手配をする。
左手を耳に当てて、通信相手に状況を説明する。
「すぐに医者の手配をお願いいたします。えぇ、はい。そう、ロゼッタ様です」
患者が誰なのか判明すると、すぐに執務室のドアが開いて控えていた医者や看護師たちが入室してきた。
女性騎士たちがロゼッタの周りを囲み、すぐに警戒に入る。
医者がロゼッタの診察を開始すると、少し遅れてブライアンが息を切らしてやって来る。
「ロゼッタ様はご無事ですか!」
「男性は立ち入り禁止です」
女性騎士たちに遮られながらも、ブライアンがロゼッタの身を案じる。
「ロゼッタ様は無事ですか!? リアム様も不在で、ロゼッタ様に何かあれば――」
すると、医者は騒いでいるブライアンを無視して看護師たちと話をする。
「今時珍しいことを」
「リアム様の事情を考えれば、仕方がないのかもしれませんけどね」
医者と看護師の会話を聞いて、ブライアンが首をかしげる。
「どうしてそこでリアム様の名前が?」
不安で仕方がないブライアンを見かねて、天城が立ち上がると部屋から連れ出した。
二人が廊下に出ると、ロゼッタの周りが騒がしくなる。
その様子を廊下で聞きながら、天城は左耳に左手を当てていた。
「――駄目ですね。通信障害で旦那様には連絡がつきません」
戦場ではあらゆる通信障害を発生させる。
それはつまり、覇王国との戦いが激化している証拠でもあった。
「まだ数ヶ月だというのに、もうそんなに!? 国境を守るリアム様はご無事なのでしょうか?」
国境を守る総大将のリアムと連絡取れないとなれば、それはつまりかなり危険な状況という事になる。
天城が目を細めた。
「予想よりも覇王国の侵攻が激しいのでしょうか? 第二陣の出発は早めるべきですね」
ブライアンが膝から崩れ落ちる。
「ロゼッタ様ばかりか、リアム様まで危険な状況とは」
ブライアンが悲しみうずくまると、天城は天井を見上げる。
「一刻も早く旦那様にお知らせしなければ」
ブライアン(´;ω;`)「辛いです。ロゼッタ様が倒れて辛いです。本当に辛い……」
若木ちゃん(;゜Д゜)「私もこの展開でおふざけはしないわ」
若木ちゃん( ゜∀゜)「でも宣伝はしちゃう! 俺は星間国家の悪徳領主! 4巻 と コミカライズ1巻 が発売中よ! ニコニコ静画様でもコミカライズ版が読めるから、そっちもチェックしてね!」