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桜の国チェリンと七聖剣【百八十六】


「えっと……お気持ちは嬉しいのですが、それって大丈夫なんですか? あまり俺とは、関わらない方がいいんじゃ……」


「なぁに、心配はいらないサ。おそらくポイントは、『アレンくんの体』ダ。きっとそこには、何かまだ『大きな秘密』が隠されていル。そこに触れさえしなければ、私が消されることはないだろウ」


「なるほど」


涅槃水晶(ねはんすいしょう)>の術者本人が、ここまで断言しているのだから、きっとその通りなのだろう。


「それに私自身、君の未来には、とても強い興味があるんダ。ささっ、遠慮なんてせずにビシッとやってみせておくレ!」


「は、はぁ……」


 ハプ博士は子どものようにキラキラと目を輝かせながら、<涅槃水晶>をこちらに手渡してきた。

 刀身に入ったひび割れは、いつの間にか綺麗さっぱり消えており、美しく透明な一振りに戻っている。


「薄々勘付いているとは思うけれど、一応ちゃんと説明しておこうかナ。<涅槃水晶>の柄を握り、そこへ霊力を流し込めば、未来の吉凶を占うことができル。そしてその結果は、魂装の刀身に顕れるんダ。刀身が鮮やかに輝けば、その者の未来は明るイ。反対に刀身がくすんだり、ヒビが入ったりすれば、暗い未来が待ち受けていル。そして残念ながら、刀身が折れてしまった場合は……」


「折れてしまった場合は……?」


「そう遠くない未来――死ぬネ」


 ハプ博士は真剣な表情で、とんでもなく物騒なことを口にした。


「ち、ちなみに的中率のほどは……?」


「百パーセント、これまでただの一度も外れたことはないヨ」


「百パーセント!?」


 あまり占いを信用する方じゃないから、軽い気持ちで臨んだんだけれど……。

 術者本人からそんな話を聞かされたら、さすがにちょっと緊張してしまう。


「はははっ、そこまで深刻に考え過ぎる必要はないヨ。『刀身が折れる』なんて最悪な結果は、そうそうあるものじゃないからネ。ちょっとした運試しのような気持ちで、軽くやってくれたらいいサ」


「そ、そうですよね! 普通に考えたら、折れたりなんかしませんよね!」


 俺は気を取り直して、大きく息を吐き出す。


「ふぅー……それでは、行きますね?」


「あぁ、よろしく頼むヨ」


 俺が<涅槃水晶>に霊力を込めた次の瞬間――粉々に砕け散った。


「……え?」


「嘘、だろウ……?」


 刀身も(つば)()も、ただのひとかけらも残さず、モノの見事に粉微塵となってしまったのだった。


いつも感想を書いてくれている読者さん、ありがとう!(忙しくて中々返信できずに申し訳ない。全部ちゃんと見させてもらっています!)


次回更新は12月17日(木)の11時05分頃(自分にプレッシャーを掛け続けていくスタイル!)。

2日後のお昼に更新だ! 軽い告知もある(と思う)から、この時間に見に来てくれると嬉しい! それではまた! 月島秀一

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白い展開になってきましたね!! 発想がすごいです!! 次も楽しみにしてます!!^_^ [一言] アニメ化してほしい!!
[一言]  更新頑張ってくださいね!応援してます! (下の方の五巻の表紙をチラ見中)  …白黒の髪ってこんな感じなのか…。  なんか勝手にナイロンでできてて派手な色してるふさ?  みたいなのがいっぱい…
[良い点] フラグ立てて一瞬で回収するところがいいですね [気になる点] なし [一言] 一日二話投稿頑張ってください
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