桜の国チェリンと七聖剣【百七十九】
このたび【書籍版】一億年ボタン第1巻・第2巻・第3巻・第4巻――【既刊全巻の重版】が決定いたしました! ありがとうございます! 本当にありがとうございます!
これもひとえに書籍版を手に取ってくださった読者のみなさまのおかげです……!
また書籍版の最新巻――第5巻は10月17日(木)発売! Amazonなど各種通販サイトでは、既に予約が始まっております!
カバーイラスト・収録内容・特典情報などの詳しい情報につきましては、また別途後日まとめさせていただきます!
そしてさらに10月26日には、【漫画版】一億年ボタンの第1巻も発売されます! こちらについてもまた後程、詳細を公開させていただきます!
絶好調の一億年ボタンシリーズ! 今後とも応援、よろしくお願いいたします!
「――みんな、リンゴが剥けましたよ」
俺はうさぎさんの形に切ったリンゴを小皿に取り分け、リアたちのベッドへ運ぶ。
「はむはむ……んーっ! みずみずしくておいしい!」
「あぁ、落ち着いた甘さだ。なんだかホッとするな」
リアとローズは嬉しそうに顔を綻ばせ、
「……冷静に考えて、どうして私たちが看病される側なのかしら……」
会長は複雑な表情を浮かべながら、上品にりんごを齧り、
「あーん……うん、うまい! まぁそう気落ちするなよ、シィ。アレンくんの異常な丈夫さは、お前も知っているだろう?」
「同じ人間として考えない方が、精神衛生上よろしいんですけど……。んー、おいしい」
リリム先輩とフェリス先輩は、あっけらかんとした様子だ。
その後、リア・ローズ・会長・リリム先輩・フェリス先輩が、一人ずつ診察室に呼ばれた。
検査結果は個人情報であるため、お医者様から一人一人直接伝えられるようだ。
「はぁ、よかったぁ……」
「心配を掛けてすまないな。問題なかったぞ」
「お姉さんも大丈夫だったわ」
「リリム=ツオリーネ、異常なしだぜ!」
「私も健康体だったんですけど」
彼女たちの精密検査の結果は、みんな揃って異常なし。
ディールの『細胞を殺す猛毒』は、バッカスさんの『完全再生』のおかげで、完全に無害化されているようだ。
「後はアレンくんだけね。何事もなければいいのだけれど……」
会長が心配そうに呟く一方、
「いや、どう考えてもこれは問題ないだろう……」
「これだけは、絶対に大丈夫なんですけど……」
リリム先輩とフェリス先輩は、とても楽観的だった。
「二人とも……これとはなんですか、これとは……?」
俺がジト目で視線を送ると、彼女たちはプイと視線を逸らした。
そうして軽い冗談を言い合っていると――部屋の扉がノックされ、看護師さんが入って来た。
「――アレン=ロードルさん、診察室へどうぞ」
「あっ、はい」
俺が部屋を出ようとしたそのとき――服の端がツッと引っ張られた。
「アレン……大丈夫、よね?」
「あのときのアレンは、人の域を超えた無茶苦茶な力を使っていた。……とても心配だ」
リアとローズは不安そうな表情で、訥々と言葉を紡ぐ。
「あぁ、もちろん大丈夫だ。すぐに戻ってくるから、待っていてくれ」
俺は二人を安心させるため、優しい声でそう言い残し――診察室へ向かうのだった。
■とても大事なお知らせ■
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タイトル:世界最強の大魔王、貴族の落ちこぼれに転生する~無能・生き恥・面汚しと蔑まれ、実家を追い出されたけど、二千年前の力が覚醒して無双する~
URL:https://ncode.syosetu.com/n4842gn/
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